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15年という時間は、デザインに何を語り残したのか。

 15年という時間は、デザインに何を語り残したのか。

「UX JAM ∞ - Thank you & Goodbye UX MILK -」に登壇したときの資料です。
「15年という時間は、デザインに何を語り残したのか」という問いを通して、UXデザインの変化と、その奥にある“理解”の変遷をお話ししました。

UXデザインは、ユーザーへの共感をひとりの気づきで終わらせず、チーム全体の“共有された理解”へと広げていく営みです。
それは派手ではありませんが、人と社会の間にある段差を静かに低くしていきます。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
理解は、いつも小さな対話から始まる。

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Kazumichi Mario Sakata

December 03, 2025
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Transcript

  1. UXが “語り合われた” 時期 〜2015年 2000〜2010年代初頭、 デザインの中 心 は、まだ「 見 た

    目 」でした。 多くのデザイナーが Adobe や Sketch を使い、 画 面 の表層を磨いていた時代です。 そこに、UXデザインや HCD という考え 方 が現れ、 「ユーザー体験そのものを設計する」という視点が少しずつ、 言 葉になりはじめました。 時代背景 コミュニティの誕 生 2 Copyright   Kazumichi SAKATA Shibuya UX や UX Tokyo といったコミュニティが 生 まれ、 そこで私たちは UX デザインは「個 人 の勘」ではなく、「ユーザーへの共感をチーム全体の “共有された理解” へと広げていく営みだ」と気づきました。 あの頃の私たちはただ、 目 の前のユーザーを理解したい。本当にそれだけでした。
  2. UXが “実装された” 時期 2016〜2019年 2016年ごろから、UXは「考え 方 」から「仕組み」へと姿を変えていきます。 プロダクト開発がアジャイル化する流れの中で、UX デザインにもスピードと再現性が 求められ、“美しさ”よりも、“仕組み”

    が重要視され始めました。 時代背景 チームとツールの進化 デザインツールが Figma へと徐々に移 行 。同時編集・共有が可能になり チームでデザインする時代に突 入 。 チーム全員が同じキャンバスを囲みながら体験をかたちづくるようになります。 マインドの変化 UXデザインがプロダクト開発に組み込まれることで「検証」と「改善」にも領域が広がり、 成果指標と結びつくようになりました。 3 Copyright   Kazumichi SAKATA
  3. UXが “ 文 化をつくった” 時期 2020〜2025年 コロナ禍をきっかけに、リモートワークへの移 行 やコラボレーションツールの 普及によって「デザインの

    民 主化」が進む。ここで問われはじめたのは、「使いやすさ」 ではなく「関係性」でした。どのように信頼を育て、どのように 人 と 人 をつなぐのか。 時代背景 デザイナーは「つくる 人 」から「つなぐ/導く 人 」としての役割を果たすようになる。 プロダクトマネージャーやエンジニアなど 非 デザイナー職もUXを語る時代に。 文 化としてのUX 組織はUXを 文 化として内製化し始めます。 UXは、もはやひとつの 工 程ではなく、組織の 文 化の 一 部として静かに、 しかし確かに根づきはじめていたのだと思います。 チームと役割の変化 4 Copyright   Kazumichi SAKATA
  4. ここまでのまとめ 時期・時代 2010年:啓蒙・ 方 法論の時代 UXデザインとは何か?を説明する 人 2016〜2019年:統合・実装の時代 UXデザインを成果に変える 人

    2020〜2025年:共創・関係性の時代 UXデザインを 文 化に根付かせる 人 5 Copyright   Kazumichi SAKATA UXデザイナーの役割
  5. この15年で、私たちは何を受け取り、何を残してきたのか この15年をふり返ると、UXデザインはいつも「理解を広げる」営みのそばにありました。 最初は「ユーザーを理解したい」という 小 さな願いから始まり、 やがてその理解をチームへ、組織へ、そして社会へと広げていく活動になりました。 生 成AIやサステナビリティの台頭により、UXデザインが向き合う対象は、 “個 人

    の体験” を超えて、 “社会全体の関係性” へと拡張しています。 UXデザインは、何かを派 手 に変える魔法ではありません。 ただ、 人 と社会のあいだにある “ 見 えない段差” を静かに低くしていく、 そんな丁寧な営みの積み重ねです。 だから私は、UXデザインとは「 人 と社会の関係を、少しだけ優しく結ぶ営み」だと思っています。 そして、その営みこそ、15年という時間が私たちに語り残した、 大 切なことなのだと思います。 6 Copyright   Kazumichi SAKATA
  6.  Copyright   Kazumichi SAKATA 理解は、いつも 小 さな対話から始まる。 今 日

    、ここに集まってくださった皆さんとの対話が これからの15年を作っていくのだと思います。 UXデザインは、ユーザーへの共感を、チームや社会へと広げる営みです。 だからこそ、対話がとても 大 切になります。