Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
成長が鈍化したチームを変えるためにやったこと / #RSGT2023
Search
モンゴル (mongolyy)
January 13, 2023
Technology
2
7k
成長が鈍化したチームを変えるためにやったこと / #RSGT2023
2023年1月11日に発表した「Regional Scrum Gathering Tokyo 2023」の発表資料です
モンゴル (mongolyy)
January 13, 2023
Tweet
Share
More Decks by モンゴル (mongolyy)
See All by モンゴル (mongolyy)
Next.jsをフルスタックフレームワークとして使ってみた
mongolyy
1
1.4k
Using Next.js as a full-stack framework / Next.jsをフルスタックフレームワークとして使ってみた
mongolyy
2
600
重厚長大な企業の内製開発組織で成果を出すためのサーバーレスアーキテクチャ / ServerlessDays Tokyo 2023
mongolyy
3
2.4k
Other Decks in Technology
See All in Technology
SAE J1939シミュレーション環境構築
daikiokazaki
1
190
Snowflake のアーキテクチャは本当に筋がよかったのか / Data Engineering Study #30
indigo13love
0
270
スプリントレビューを効果的にするために
miholovesq
9
1.7k
「手を動かした者だけが世界を変える」ソフトウェア開発だけではない開発者人生
onishi
15
7.3k
経理出身PdMがAIプロダクト開発を_ハンズオンで学んだ話.pdf
shunsukenarita
1
210
自分がLinc’wellで提供しているプロダクトを理解するためにやったこと
murabayashi
1
160
PHPでResult型やってみよう
higaki_program
0
200
複数のGemini CLIが同時開発する狂気 - Jujutsuが実現するAIエージェント協調の新世界
gunta
13
3.7k
Bliki (ja), and the Cathedral, and the Bazaar
koic
8
1.5k
分散トレーシングによる コネクティッドカーのデータ処理見える化の試み
thatsdone
0
260
新規事業におけるAIリサーチの活用例
ranxxx
0
170
DatabricksのOLTPデータベース『Lakebase』に詳しくなろう!
inoutk
0
160
Featured
See All Featured
Building Applications with DynamoDB
mza
95
6.5k
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
48
2.9k
Speed Design
sergeychernyshev
32
1k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
63
7.8k
Faster Mobile Websites
deanohume
308
31k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
194
16k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
31
8.7k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
51
3.3k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
28
3.9k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
77
9.5k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
50k
Transcript
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 成長が鈍化したチームを 変えるためにやったこと
2023/01/11 三菱重工業株式会社 デジタルイノベーション本部 DPI部 CRM・IoTグループ 山田 悠太
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 2 今回の発表は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません
免責事項
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 3 山田悠太
(@mongolyy) あだ名: モンゴル プロフィール 三菱重工業株式会社 デジタルイノベーション本部 DPI部 ソフトウェアエンジニア 兼 スクラムマスター 好きな言語: Scala 最近触っている技術スタック: TypeScript, React, Next.js
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 4 お伝えしたいポイント
➢ 継続した成長をし続けられるチームを作るためのヒント ➢ 成長が鈍化したチームで、成長を促すためにやってみたこと
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 5 “弊社製品のユーザー向け
消耗品見積・発注サイト” プロジェクト概要 プロダクト
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 6 プロジェクト概要
事業部門 ビジネスオーナー プロダクト オーナー デザイナー 開発者 兼 スクラムマスター 開発者 チーム体制 プロダクト開発チーム 弊社製品の ユーザー
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 7 1年半続けて何が起きたか?
「このメンバーでやれる!」という自信はあるけれど、なぜか感じる停滞感 ➢ ふりかえりでProblemやTryが出たとしても、チームが簡単に対応 できるものしか出ていない ➢ メンバーが「自分たちのやり方を見直したいねー」と話しているが 具体的な話が進まない ➢ 私の知見も足りず、具体的な問題提起や実験の提案ができない このチームで1年半やってきて直面したのが「問題がない問題」
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 8 この状態をどうやったら変えられるだろうか?
他チームメンバーの短期留学 月間テーマの設定 ② 視野を広くする ① 視野を狭くする 意図的に視野を変えることで、新たな視点を獲得することができるのではないか? やってみたこと
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 9 視野を変える取り組み
他チームメンバーの短期留学 月間テーマの設定 ② 視野を広くする ① 視野を狭くする
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 10 ➢
チームビルディング観点で1か月で何を成し遂げるかを決めて取り組む 月間テーマの設定 月間テーマの設定とは やってきたテーマ例 ➢ 「実験をたくさんする」月間 (→本発表で紹介) ➢ 「バーンダウンチャートをきれいに下げよう」月間 (→本発表で紹介) ➢ 「新しいチームへ」月間 (→本発表で紹介) ➢ 「部室の模様替え(働き方を見直す)」月間
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 11 メンバーがアイデアを持ち寄って毎スプリント実験を行った
➢ 改革のアイデアが爆増 1個/月 → 9個/月 ➢ 実験を行ったり、それについてのふりかえりをしたことで、 メンバーは「チームのことを考えることが多くなった」 ➢ 自分たちのパフォーマンスについて定量的に知りたいという流れが 起きた → テーマ2に続く テーマ1:「実験をたくさんする」月間 WIP数の制限 毎日スプリントレビュー 業後に学んだことの共有スレ) (例 オフラインペアプロ ねらい 仕事の進め方が変わる(=改革)を促すようなチャレンジをしてみたかった 何をやった どうだった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 12 ➢
今までスプリント直前に実績線が落ちていたのが、 コンスタントに実績線が落ちるように ➢ バーンダウンチャートについて、どうやったら前スプリントよりも きれいに下げられるかという観点で、チームで改善案が 活発に出たり、チームへの関心が上がった ➢ みんなワクワクしていた 毎スプリント、バーンダウンチャートを見ながら、ふりかえりをおこなってやり方を見直した テーマ2:「バーンダウンチャートをきれいに下げよう」月間 PBIの分割 WIP制限の設定と解除 週毎にペアプロの曜日の変更) (例 ねらい テーマ1により、チームがスプリント終了直前にPBIをクローズしがちだということをメンバー全員が認識した これを解消したい 何をやった どうだった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 13 着任者のオンボーディングのワークショップを実施した
テーマ3:「新しいチームへ」月間 ドラッカー風エクササイズ チーム内のデリゲーションボード作成) (例 ➢ メンバーの入れ替わりに関するタスクは消化できた ➢ 新たな視点や、やり方を獲得するまでには至らなかった ✓ 指標が存在しなかったので自分たちがゴールに近づいているか検査できなかった ✓ 遊び心をくすぐるテーマになっておらず、真面目にタスクをこなすモードになってしまった 反省点 ねらい メンバーの入れ替わりをうまく乗り越えて、チームであり続けるため 何をやった どうだった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 14 月間テーマの設定で何が変わったか?
➢ 意識と視点が 変化する ➢ チームがさらに成長でき、 達成感や楽しさが得られる ➢ 新しい課題や アイディアが見 つかる ➢ ふりかえりのスコープを絞る ➢ 遊び心を刺激する 1.変化のきっかけを作る 思考の変化 行動の変化 2. メンバー個人が変化する 3. チームが変化する 月間テーマの設定 視野が狭まったことで、チームの成長が促進され、成長を感じやすくなった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 15 視野を変える取り組み
他チームメンバーの短期留学 月間テーマの設定 ② 視野を広くする ① 視野を狭くする
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 16 他チームメンバーの短期留学
✓ 受入チーム側が説明しているときに、 既存メンバーが違和感を感じたら即見直し 1. 自分たちの当たり前の見直し ✓ 既存メンバーに負担が集中したので、 責任範囲の明文化を実施 2. 暗黙的に決まっていた責任範囲の明文化 隣チームの若手メンバーの留学 (二人のメンバーに一定期間入ってもらった) ねらい 若手エンジニアの育成 何をやった どうだった ➢ 当初想定していた若手エンジニアの成長以外に、副次的にチームの成長が促進された
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 17 他チームメンバーの短期留学で何が変わったか?
既存メンバーの負担増(結果) をきっかけに、前提を見直す機会が増加 既存メンバーが説明(行動)することにより、前提を見直す機会が増加 前提 行動 結果 視野を広げたことで、今の前提に対する見直しが起きた 他チームメンバーの短期留学 ダブルループ学習のサイクルが発生 若手エンジニアの成長
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 18 今回の視野を変える取組から何がわかったか?
成熟したチームでは前進し続けるのではなく、 「二歩下がって三歩進む」という地道な活動がキーとなる チームは視野の変更によって、課題が発生したもののそれを乗り越える過程で成長していった タックマンモデルでいう混乱期を敢えて引き起こすことでよりパフォーマンスが高いチームに成長するのでは? パフォーマンス 時間 形成期 混乱期 統一期 混乱期 統一期 混乱期 統一期 仕掛け(本発表では視野の変更)を作って、敢えて混乱期にする ② 視野を広くする ① 視野を狭くする
None