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摂阿毘達磨義論より 摂色分別の章
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Osamu Nagayama
October 04, 2019
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摂阿毘達磨義論より 摂色分別の章
Osamu Nagayama
October 04, 2019
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Transcript
摂阿毘達磨義論より 摂色分別の章 Abhidhammattha Saṅgaha
Abhidhammattha Saṅgahaとは? 仏典を大きく分けると三種類あり、三蔵と呼ばれる。 ・経蔵 Suttapiṭaka いわゆるお経。ブッダやその弟子が実際に語ったり 行ったりしたことを書き記したもの。 ・律蔵 Vinayapiṭaka 僧団の法律。
・論蔵 Abhidhammapiṭaka ブッダの教えのまとめ。 アビダンマッタサンガハは、論蔵をまとめた入門テキスト。 ブッダの教えの内容を網羅的に知りたいときに便利。
アビダンマッタサンガハの構成 第1章 摂心分別(心の分析) Citta-saṅgaha-vibhāga 第2章 摂心所分別(心所、心の中身の分析) Cetasika-saṅgaha-vibhāga 第3章 摂雑分別(雑多なものの分析) Pakiṇṇaka-saṅgaha-vibhāga 第4章 摂路分別(路、心の生滅の分析) Vīthi-saṅgaha-vibhāga 第5章 摂離路分別(離路、業と輪廻の分析)
Vīthimutta-saṅgaha-vibhāga 第6章 摂色分別(物質の分析) Rūpa-saṅgaha-vibhāga 第7章 摂集分別(まとめという分析) Samuccaya-saṅgaha-vibhāga 第8章 摂縁分別(縁起の分析) Paccaya-saṅgaha-vibhāga 第9章 摂業処分別(業処の分析) Kammaṭṭhāna-saṅgaha-vibhāga
摂色分別 Rūpa-saṅgaha-vibhāga 物質の分析の章。 あらゆる物質の最小の構成要素は四つあり、四大色と呼ばれる。
四大色 ・地 pathavī 質量を作るエネルギー。物質を触ったときに感じる感触。 ・火 tejo 熱エネルギー。物質を変化させるエネルギー。 (燃える・老化する等) ・水 āpo
くっつくエネルギー。これがないとバラバラになる。 ・風 vāyo 引き離すエネルギー。āpo だけだとくっついて消滅してしまう。
四大色 四大色は、そのまま地・水・火・風のエネルギーと理解しても良い。
四大色 四大色は、物質の最小の素粒子と理解しても良い。 ブッダは、すべての物質は地・水・火・風の要素の集まりであり、それ以外のものはないと断言した。 素粒子理論に合わせるなら、地がヒッグス粒子、火がゲージ粒子、水と風がフェルミ粒子?(てきとう) なぜブッダはこれ以外の物質がないと断言できたか?瞑想によって観察したから。そして、ブッダ以外 の誰もが同じものを発見できる。
四大色 宇宙全体も物質なので、四大色の法則で動いている。 経典によると、今の宇宙は水のエネルギーより風のエネルギーが優勢なので、膨張し続けているが、 膨張が限界まで行くと物質は存在できなくなって消える。この宇宙が膨張し始めてから消えるまでを一 劫と言う。 その何もない空劫の状態から、今度は収縮を始めて、少しずつ物質が生まれ、その後生命体が生ま れる。 そして収縮が限界まで達すると、爆発する(ビックバン)。収縮し始めてから爆発するまでが一劫。 爆発した後は、また膨張宇宙が始まる。
不簡別色 avinibbhoga-rupa 四大色の組み合わせによって、以下の四つの不簡別色も必ず生まれる。 ・色 vanna 物質の色。 ・香 gandha ・味 rasa
・滋養素 ojā 栄養。
ご清聴ありがとうございました。 もっと詳しく知りたい方は 「ブッダの実践心理学」を参照してください。