Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

20250122_FinJAWS

Kotaro Nanji
January 29, 2025

 20250122_FinJAWS

Kotaro Nanji

January 29, 2025
Tweet

Other Decks in Business

Transcript

  1. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 2 内容

    1. 会社紹介 2. 自己紹介 3. Keynoteの振り返り 4. まとめ 5. さいごに
  2. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 5 1.

    会社紹介 日本経済新聞社グループの金融・経済情報サービス会社 QUICKのサービスは 皆さまにご利用いただいています 53年 212社 148社 1000 社以上 創業年数 証券取引社数 銀行導入社数 事業会社導入社数 個人投資家の皆様には、 「QUICK Money World」 という会員向け投資情報 サイトを運営しています 株式会社QUICKは日本経済新聞社のグループ会社です 日本初の金融情報ベンダー として1971年の創業以 来、証券・銀行をはじめと する金融機関にマーケット 情報を提供しています 日経平均株価をはじめ日本 を代表するさまざまな指数 の算出など日本の金融市場 を支える金融情報ベンダー です
  3. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 6 1.

    会社紹介 社名 株式会社QUICK 設立 1971年10月1日 資本金 6億6千万円 代表者 代表取締役社長 髙見 信三 従業員数 716人 売上高 283億円(2023年12月) 本社所在地 〒103-8317 東京都中央区日本橋兜町7番1号 KABUTO ONE https://corporate.quick.co.jp/ 2024年4月1日時点 会社概要
  4. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 8 1.

    会社紹介 全国初のAI知事『デジヒロシ』について • 「AI石川県知事 デジヒロシ」とは、「馳 浩」知事を用いた、生成AIによる広報キャラク ターが、石川県を毎日PRする、まったく新しい取り組み。 プレスリリース PV
  5. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 10 ⒉

    自己紹介 南治 虎太郎 (Nanji Kotaro) • 株式会社QUICK ITインフラ本部 ◦ QUICK~国内外取引所のネットワーク ◦ QUICK~海外ユーザ(専用線)のネットワーク • コミュニティ ◦ Fin-JAWS運営(2023.9~) ◦ E-JAWS 人材・クラウド推進体制分科運営 (2023.10~) • 趣味 ◦ バスケ(最近は観戦のみ) ◦ ジムで運動すること • 資格 ◦ AWS認定 15冠 New! (2024.11) +
  6. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 12 ⒊

    Keynoteの振り返り 3.1. 全体概要 「複雑性を以下に『シンプル』にマネジメントするか」 • Amazon CTO ワーナーのre:Invent 2024基調講演は、システムに必然的に伴 う「複雑さ(Complexity)」をどう扱い、いかに「シンプルさ (Simplicity)」を維持するかがテーマだった。 • これをボーガス氏は「Simplexity(複雑なものをシンプルに作る)」と呼び、 20年にわたるAWSやAmazonの知見を交えながら、複雑性に呑み込まれないた めの方法論や実例を共有した。
  7. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 13 3.2.

    21世紀のアーキテクチャと複雑性への意識 4つの要件 1. コントローラブル(Controllable) 2. レジリエント(Resilient) 3. データドリブン(Data-driven) 4. アダプティブ(Adaptive) なぜ複雑さが問題か • 複雑化がもたらす影響 ◦ デバッグやエスカレーションの増加 ◦ パフォーマンス低下 ◦ 開発スピードの鈍化 • “ゆでガエル” 現象への警告 ◦ 複雑性は気づかぬうちに積み重なる ◦ 急激な変化には気付けても、小さな変化は見落としがち • 重要なアクション ◦ 小さなシグナルを見逃さない ◦ 意識的に複雑性をコントロールする ⒊ Keynoteの振り返り
  8. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 14 3.3.

    複雑性に対処するための「6つの教訓」  ワーナーは、AWSの20年・Amazon全体の知見を凝縮し、「複雑性をどうコントロール し、シンプルさを保ち続けるか」という視点で6つのポイントを示した。 • 6つの教訓 ① 進化する可能性(Evolvability)を前提に設計する ② 小さなピースに分割して複雑性を抑える ③ アーキテクチャを組織形態に合わせ、フォーカスとオーナーシップを醸 成する ④ 大規模・複雑システムほど「インパクトを分散」させる ⑤ 予測可能なプロセスを組み込み、変化をコントロールする ⑥ 自動化を徹底し、人が介在すべきことを明確化する ⒊ Keynoteの振り返り
  9. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 15 3.4.

    事例紹介 • Canva ◦ 「世界にデザイン力を」というビ ジョンを掲げ、急成長と共にMySQL からDynamoDBへの移行など多くの 課題を克服。 ◦ シンプルなアーキテクチャを守りつ つ拡張を重ね、数億人規模のユー ザーを支えるシステムを実現。 • Too Good To Go ◦ フードロス削減という社会課題に挑 戦するスタートアップ。PHP+単一 DBのモノリスをAuroraへの移行など でシンプル化・拡張化し、1億人を超 える利用者を獲得。 ◦ リージョン分散にもAWSをフル活用 し、単一システムをグローバル展開 することで国ごとの複雑性を抑制。   ⒊ Keynoteの振り返り
  10. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 16 3.5.

    分散システム時代のトランザクション基盤(Amazon DSQL)  「複雑性を部品化・API化し、進化を前提に設計する」良い例として紹介。 • 分散アプリケーション前提の新DBとして発表されたのがAmazon Aurora DSQL。 • 演算処理とストレージを分離し、クエリプロセッサー・アジャディケーター ・ジャーナル・クロスバーなど機能を明確に分割している。 • コミット単位でリージョンをまたいだ整合性を確保し、ハードウェアレベル での高精度時刻同期(Amazon Time Sync Service)も生かしてトランザク ションを管理。 ⒊ Keynoteの振り返り
  11. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 18 ⒋

    まとめ 複雑性の海をシンプルさで泳ぎ切るために • システムは必ず時間とともに複雑になるが、「管理・制御できる範囲で必要 な複雑さを取り込み、シンプルさを維持する」アプローチが肝心。 • AWSも20年をかけて学んできた知見をコミュニティに公開し、セルアーキテ クチャや分散DB、セキュリティ基盤、オーナーシップ文化など多方面から複 雑性のリスクを軽減してきた。 • ワーナーは、「まだ解決すべき社会課題や技術的挑戦はたくさんあり、すべ てのエンジニアと共に学び続けたい」としながら講演を締めくくった。  必要なものを見極めて小さく扱い、制御可能な形で組み上げる 
  12. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 20 ⒌

    さいごに Keynoteの感想 • 「Simplexity」の考え方から学べること ◦ QUICKが提供する金融情報サービスもまた、膨大なデータ量と高いリアルタイム性を求められ る中で、システムの複雑性が増している。 ◦ ワーナー氏が語ったように、システムは必ず時間とともに複雑化する。しかし、「進化を前提 にした設計」「組織との整合」「予測可能なプロセス」「徹底した自動化」などのアプローチ を通じて、複雑性を制御可能な範囲に留めることが重要だと思った。 • 「まだ解決すべき社会課題や技術的挑戦はたくさんある」 ◦ 複雑性を制御しつつ、シンプルさを保ちながら成長を続けることは、すべての組織に共通する 挑戦であり、QUICKも例外ではない。 ◦ 金融情報の分野においては、データの信頼性やセキュリティ、リアルタイム性、さらにはユー ザーのニーズに応じた柔軟性など、解決すべき課題が多岐にわたる。 ◦ これらを克服し、より良いサービスを提供するためには、AWSが示す「Simplexity」の哲学が 非常に重要な指針となると思った。 • 現地で参加してみて ◦ 最新のリリース情報が発表されるときの会場の盛り上がりを生で感じることができたのは非常 に良い経験だった。現地と画面越しでは大きな違いを感じた。 ◦ 約2時間半の長丁場かつ講演の内容としてもかなり盛り沢山で、終わったときにはへとへとに なった。
  13. Confidential © 2024 QUICK Corp. All Rights Reserved. 21 ⒌

    さいごに re:Invent全体の感想 • 圧倒的な規模感 ◦ AWS Summit Tokyoとは比較にならないくらい規模が大きく驚いた。 ◦ 会場は巨大なコンベンションセンターをほぼ占有するほど広大。事前に聞 いていたが実際に歩くことで「広さ」を実感した。 ◦ イベント期間中はかなり歩くので、歩きやすい靴を履いていくこと。 • 現地でしか得られない価値 ◦ 世界中のエンジニアがラスベガスに集結してくる。多様なバックグラウン ドを持つエンジニアと出会うことができる。普段は会えない外国人たちと ネットワーキングできる貴重な機会となった。 ◦ オンライン参加では経験できないWorkshop、Gameday、Jam、コミュニ ティやパーティなどに積極的に参加するのがおすすめ。 ◦ 世界中にすごい人がたくさんいて、レベルを肌で感じることができる。ま た、同世代の凄腕エンジニアと交流することでモチベーションが向上す る。 ◦ 今回Gamedayに初めて参加し、同じ席の外国人の知識量・技術力に圧倒 された。逆に自分自身の力不足を痛感した。もっと実機を動かして勉強し ないといけないと感じた。