この資料はScrum Fest Sendai 2023で発表した資料になります。
プロポーザル:https://confengine.com/conferences/scrum-fest-sendai-2023/proposal/18648
イベントHP:https://www.scrumfestsendai.org/
[概要]
私たちは無限の可能性がある価値あるプロダクトを作るためにこれまで学んできた!
私たちはこう習った、道具もある、よしっ!これで行くぞ!!
(と、威勢の良かったチームが1ヶ月後にアマゾンの奥地に迷い込み連絡が途絶えた...)
現代のソフトウェア開発は荒れ地を整え、価値のある建物を作り、継続的に繁栄するように外敵から身を守る・手入れをしなければならないです。そのため、とても難しい問題になっています。そのために、新規のソフトウェア開発は様々なステークホルダーの様々な想いを整理し、ゴールを定め、バックログを組み立てる必要があります。ただ、そもそも要望が曖昧だったりゴールが変わったりバックログは捻じ曲げられる事が多々あるでしょう。私たちのような新米開発者も、このような荒れ放題の要求から本質を見定めて価値のあるサービスを作ることが求められます。
ここで朗報、私たちはベテランから荒れ地を整えるための道具や知恵を多く教わってたばかりです。これを上手く使えば、どんな荒野でも怖くない!しかし、実際に現場に向かうとたくさんの知らなかったことに出くわします。そもそも、チーム内でも学んだ事に対する理解が異なっていることもあります。例えば「チームビルディングをやりましょう!」と聞くと、各々自分が学んだときに使った唯一無二の方法を持ち出してくるでしょう。そうして、チームビルディングも出来ていたはずなのに、ストレートに意見が言えない、認識の差違などが生じます。
私たちは5月からとあるハッカソンに参加するためにチームを結成しました。メンバーは実務経験や大学で開発経験を多く身につけてきた人たちでした。しかし、いざチームとして走り出すと「音信不通になった」「お腹が壊れて動けない」「絶起しました」という些細なことがきっかけに全体のでコミュニケーションが上手くいかなくなりました。そして、提出ギリギリまでアイデアがまとまらず右往左往する状態に。数々のアイデア発想フレームワークを学び、多くのアンチパターンを経験してきた私たちが何故このような状態になったのか?私たちは何も分かりませんでした。
本セッションでは、これまで異なる環境でソフトウェア開発について学んだ筑波大と東京理科大との合同チームが「荒野を頑張って整地しサービスの起案ができる」チームになるまでの軌跡とそこから得られた「新たな旅人」へ道しるべとなる知見をお話します。教科書をなぞれば上手くワークした環境から、自分たちの足で立ったときに直面した「チーム間のコミュニケーション」「お互いの前提知識・認識」の違いを克服するために試みたことについて紹介します。また、これから自分の足で前に進む事になる新人の方の生存戦略を考えるきっかけになったり、シニア層の研修プログラムの設計だったりコミュニケーションなどに活かせるお話をします。