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現場とIT部門の橋渡しをして3000人の開発者を救った話 / Talk. Collaborat...
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NTT docomo Business
November 17, 2025
Business
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現場とIT部門の橋渡しをして3000人の開発者を救った話 / Talk. Collaborate. Support. Lessons from Bridging Field and IT
2025年11月15日のBTCON JP 2025 (
https://btcon.jp/
) における発表資料です。
NTT docomo Business
November 17, 2025
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Transcript
現場とIT部⾨の橋渡しをして 3000⼈の開発者を救った話 NTTドコモビジネス株式会社 ⼩林 泰⼤ 2025/11/15 at BTCON JP 2025
⼩林 泰⼤ Kobayashi Yasuhiro whoami クラウド内線電話 →Webセキュリティ →脅威インテリジェンス共有 →研究開発部⾨のなんでも屋 →社内認証基盤のPdO
社内サイドワーク多数 👉 リモートワークハンドブック、 開発者ブログほか PCは筋⾦⼊りのThinkPad派 2
お知らせ 3 2025年7⽉1⽇より NTTコミュニケーションズは NTTドコモビジネスになりました これからもよろしくお願いします
チェックイン 4 どちらかといえば情シス部⾨の⽅✋ どちらかといえば事業部⾨の⽅✋ この3カ⽉に「反対側の部⾨」の⼈と話した⽅✋ いま「反対側の部⾨」の⼈といっしょに何かやっている⽅✋
きょうのテーマ 5
話、してますか? 6
⼀緒にやれてますか? 7
今⽇の内容 8 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する
経験したこと 9
時は2018年 10 ⾃らは技術開発部(当時)で、当時脅威インテリジェンス共有の仕組み を考えていた頃
2018年当時のPC環境 11 情シスは事務PCを提供 ➡ 2020年のコロナ禍でリモートワーク主体に転換できた⽴役者 ⼀⽅事業部は各⾃で開発PCを調達、展開
2018年当時のPC環境(続き) 12 開発エンジニアはPCの2台持ちに不満 • 事務PCでは開発‧検証が難しい • 社内のコミュニケーションは事務PC、開発‧検証作業は開発PC • コミュニケーションと開発を1台でやりたい この時点で情シスには開発者向けの追加意識は特になし
いきなり対話がセットされる NTTグループのエンジニア向けイベントを企画する同僚が⽈く、 「前に⼈事部と対話会やったじゃん」 「次は情シスとやってみようよ」 ➡ コーナーとしてエンジニア対情シスの対話が設定される ⼩林「なんでそう変な⽅向にばかり思い切りがいいのよ」 13
無論荒れた エンジニア「なんとかして」 情シス「それはワガママ」 エンジニアがエンジニアのために開発・検証用 PC を整備した 話 - NTT docomo
Business Engineers' Blog 14
荒れた場が解散した後 このイベントに部⻑レベルが居合わせた(呼んでいた) 「⾯⽩かったからあれの続きやってよ」 「情報セキュリティ部の技術トップも呼んでおいてあげるから」 🔜😇😇😇 (内⼼、呼んだところで意味あるか?と訝しんでいた) 15
渋々トーク エンジニア 「エンジニアは2台持ちが不満で」 「実際開発PCって特に会社管理してるわけでもないわけで」 「業務環境改善にもつながるし」 情セキのえらい⼈ 「開発PCの管理、実際できてないし、どうにかしたかったんだよね」 16
まじかよ 17
⼀致 18 情セキには管理不⾏き届きを怒られるものだと思っていた フタを開けてみれば、やりたいことは情セキとエンジニアで異なれど 「開発PCの統⼀した枠組みを作りたい」⽅向性は⼀致していた
情シス‧情セキ‧エンジニア再び集合 19 改めて3つの⽴場から会話する機会を設定することにした エンジニア‧情セキ「というわけです」 情シス 「できるならやってもいいですが、こちらに稼働‧予算はなく」 「事務PCとなじむ実装でお願いします」
それじゃ試しにやってみよう 事務PCと同等のセキュリティレベルを達成できるなら、との条件も 実際事務PCってどうやってますの?と情シスに聞くところから ➡ 先の対話で下地ができていたのでどんどん情報がもらえる 20
TWO WEEKS LATER 21
それっぽい実装ができる 22 情シス驚く(納期に) 「うちらがやったら3カ⽉とかかかるところでしたよ〜」
情シスの奮闘 このあたりから情シスの⾯々にもオーナーシップがみられるように オペレーションを作り込むところは情シスが⼀⼿に引き受けてくれた 23
できたもの 24
エピローグ オーサライズに時間を要したものの、リリースに⾄る 現在約3000台が運⽤中 何かの因果で、⾃分は25年4⽉から現ポジション(≒情シス)に異動 25
学び 26
学び 27 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する
学び 28 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する
⽅向性はだいたい⼀緒 個⼈レベルはともかく、組織レベルで特定の誰かの邪魔をしようとして いるケースはまれ ただHowや、道のりや、⼤事にしているものが組織ごとに異なる 組織が異なれど、相⼿のなぜやるかは理解できることが多い (同意はできなかったとしても) 29
同じIssueで考えてみても 今回のPC環境について挙げれば • 開発者:事務PCでは開発ができない、2台持ちがめんどい、でも どこから変えたらいいのだろう • 情セキ:会社が⼿を出せないPCで情報資産を扱ってほしくない • 情シス:それはエンジニアのワガママでは? →
事情は理解できた、 けどとにかく⼿が⾜りない ➡ Issueの捉え⽅が⼈や⽴場で異なる 30
話さないことには分からない 31 推論のみでは妥結点を探ることすら難しい 得てして推論はバイアスを含む(「錯思コレクション」で検索) 話を聞きに⾏ってみよう • 事業部だったらお客さまに • バックオフィスならエンドユーザー(=事業部)に
話しに⾏かない理由 • 否定されるかもしれない • 単純に時間がない • ⾏かなくても仕事が回っている • …… 32
話しに⾏かない理由 • 否定されるかもしれない(誰から?) • 単純に時間がない(本当に?) • ⾏かなくても仕事が回っている(ように⾒えるだけ?) • …… ➡
意外と思い込みかも? 動いた⼈のもとに仲間ができる💪 (Ask the speaker, 懇親会でお話ししましょう) 33
学び 34 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する
いっしょにやる 「やらせてください」→「できました」から情シスと信頼関係を築いた 同じ対象(問題)をいっしょにやるのが相互理解には⼿っ取り早い ➡ 「同じ釜の飯を⾷う」 35
情シスとして:張り切りすぎない 全部ひとりでやる必要はない:責任を共有する e.g. もしエンジニアが開発PC設計に参画していなかったら? ➡ できたものに「こんなの使えないよ!!」はありがち 想像で作るとろくなことにならない 36
責任の共有(続き) 「情シスさん、〜〜やってくれませんか」 「詳しくは分かりませんが、よかったら⼀緒にやりませんか?」 Takerを諫め、「情シスのせい」とは⾔わせないようにする ➡ 両者から切り出せる環境を作る 邪険にするから邪険にされる (話を聞く態度が通じれば、意外と要求にも乗ってくれるもの) 37
学び 38 話さないことには分からない いっしょにやる バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する
情シスの評価基準 加点がなくて減点だけの会社が多いかも 周囲はトライを応援してあげてほしい (例:途中から⼀緒に参加してくれた、オペレーション作ってくれた) できればそれを評価に⼊れてやって 39
バックオフィスのチャレンジを応援する 周囲がほめる ➡ 正しい振る舞いと理解する ➡ みんな真似るようになる ➡ バックオフィスがオーナーシップを取れるようになる ➡ 速く動けるようになる
➡ 会社のフロントが爆速になる ➡ お客さまに対する価値提供も速くなる(かも) 40
まとめ 41
まとめ 42 話さないことには分からない ➡ 事業部の⼈に、お客さまに会いに⾏こう いっしょにやる ➡ 「やりたい」と思うことを他⼈任せにしない バックオフィスのチャレンジを会社ぐるみで応援する ➡
会社であって、社会でもある
チェックアウト 来週、話しに⾏きたい⼈はいますか? 何かやりたいことはありますか? それをいっしょにやりたい⼈の顔は浮かびますか? 43
44