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OCI技術資料 : 仮想クラウド・ネットワーク (VCN) 詳細

OCI技術資料 : 仮想クラウド・ネットワーク (VCN) 詳細

Oracle Cloud Infrastructure (OCI) の技術説明資料、仮想クラウド・ネットワーク (VCN) の詳細編 (Level 200) です。

VCNピアリングの詳細、トランジット・ルーティング、ハイブリッドDNS構成、Oracle Services Networkへの接続、アプライアンス型仮想ファイアウォールの利用など、VCNを利用するにあたり少し複雑なケースについて解説しています。

更新履歴
2021/10/27 BYOIP追加
2021/7/9 プライベートDNSを追加
2021/6/24 VCNから別リージョンのサービスネットワークへのトランジット・ルーティングの例を記載

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Transcript

  1. このレッスンを修了すると、次のことができるようになります • ピアリングを利用した複数VCNの接続についての理解 • Oracle Services Networkの概念と、VCN内やオンプレミスからの接続方法についての理解 • 1つのVCNを経由(トランジット)したネットワーク間の直接通信のケースについての理解 •

    アプライアンス型の仮想ファイアウォールを利用するケースについての理解 • VCNとオンプレミスでハイブリッドDNSを構成するケースについての理解 • フローログを使ってVCN内の通信ログを取得する仕組みについての理解 • IPアドレス持ち込み(BYOIP)の理解 目標 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 3
  2. VCNピアリング 異なる2つのVCNをピア・ツー・ピアで接続する仕組み • プライベートIPアドレスでリソース同士が直接通信でき る • 通信は外部のインターネットに出ない • インターネット経由の接続と比較して、通信速度 と

    セキュリティ の向上が見込める 2種類の接続方法 • ローカルVCNピアリング (リージョン内接続) • リモートVCNピアリング (クロス・リージョン接続) OCIリージョン2 OCIリージョン1 VCN VCN VCN Local Peering Gateway Local Peering Gateway Dynamic Routing Gateway Dynamic Routing Gateway ローカルVCNピアリング リモートVCNピアリング Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 5
  3. 同じリージョンにある2つのVCN間をピア・ツー・ピアで接続 • ローカル・ピアリング・ゲートウェイ (LPG) を利用 • 追加料金不要、ローカル・ピアリング間通信の料金は無料 • VCNあたり最大10個のLPG •

    異なるテナンシーのVCNとも接続可能 (クロス・テナンシー・ピアリング) ローカルVCNピアリング VCN1 VCN2 VCN3 VCN4 OCIリージョン Local Peering Gateway 1 Local Peering Gateway 2 ・ ・ ・ Local Peering Gateway 10 Local Peering Gateway 2-1 Local Peering Gateway 3-1 Local Peering Gateway 4-1 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 6
  4. 11 i あるVCNからピアリング先のVCNを経 由した別VCN、OCI他サービス (Oracle Servicesネットワーク)、イン ターネットとの直接通信 (トランジット) 不可 アドレス範囲が重複するVCNはピアリ

    ング不可 複数(例えば3つ)のVCNとピアリングし ている場合、その3つのVCNではアド レス範囲の重複可能 (VCN1内のサ ブネット毎に別のルート表の紐付けを 推奨) ローカルVCNピアリング 構成上の注意 VCN1 10.0.0.0/1 6 VCN2 10.0.0.0/1 6 VCN 1 VCN 2 VCN 3 VCN1 10.0.0.0/1 6 VCN3 192.168.0. 0/16 VCN2 192.168.0. 0/16 VCN4 192.168.0. 0/16 ※ VCN1のルート表に重複するアドレス範囲の ルールがある場合、プレフィックスの最長一致 規則(ロンゲスト・マッチ)にしたがってルーティン グされる ※ VCNをトランジットしたVCNとオンプレミスの 通信は可能 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 7
  5. 1. 接続を確立するための IAM ポリシーを準備 2. 各 VCN でローカル・ピアリング・ゲートウェイを作成 3. LPG間でピアリングを設定

    4. 各VCNのルート表の更新 5. 各VCNのセキュリティ・リストの更新 6. 接続のテスト ローカルVCNピアリングの構成手順 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 8
  6. 異なるテナンシー(異なる契約) のVCN間をローカル・ピアリング 片方をリクエスター、もう片方をアクセプターとして作成したIAMポリシーの権限で作成 ※ 別リージョンのVCNとは構成不可 クロス・テナンシー・ピアリング リージョン VCN1 10.0.0.0/16 192.168.0.2

    10.0.0.2 VCN2 192.168.0.0/16 LPG LPG ピアリング Requestorコンパートメント ABC社テナンシー Acceptorコンパートメント XYZ社テナンシー Define tenancy Acceptor as ocid1.tenancy.oc1…. Allow group Requestor to manage local-peering-from in compartment Requestor Endorse group RequestorGrp to manage local-peering-to in tenancy Acceptor Endorse group RequestorGrp to associate local-peering-gateways in compartment RequestorComp with local-peering-gateways in tenancy Acceptor Define tenancy Requestor as ocid1.tenancy.oc1..aaaaaaarequestorComp Define group Requestor as ocid1.group.oc1..aaaarequestorgrp Admit group Requestor of tenancy Requestor to manage local-peering-to in compartment Acceptor Admit group Requestor of tenancy Requestor to associate local-peering-gateways in tenancy Requestor with local-peering-gateways in compartment AcceptorComp Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 9
  7. 異なるリージョンにある2つのVCN間をピア・ツー・ピアで接続 • OCIのバックボーン回線を経由したリージョン間の接続 • ダイナミック・ルーティング・ゲートウェイ (DRG) を使用 • ゲートウェイ(DRG)やピアリングは無料、バックボーンを利用したリージョン外への通信は外部データ転送 (Outbound

    Data Transfer) の課金にカウント • 別テナンシーのVCNとのリモート・ピアリング(クロス・テナンシー・ピアリング)は不可 リモートVCNピアリング VCN2 OCI REGION2 DRG-1 RPC-1 RPC-2 OCI REGION1 VCN1 DRG-2 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 10
  8. リモートVCNピアリング 構成上の注意 ピアリングのVCNを通じて別のネットワークにアクセスするこ と(Transit)は不可 すべてのVCN CIDRが重複してはならない 特定のVCNが複数のピアリング関係を持つ場合、それら の他のVCNは互いに重複するCIDRを持つことは不可 例)VCN-1がVCN-2およびVCN-3とピアリング されてい

    る場合。VCN-2とVCN-3は重複するCIDRを持つことはで きない クロス・テナンシー・ピアリングは不可 VCN2 VCN1 VCN1 10.0.0.0/16 VCN2 192.168.0./16 VCN3 192.168.0./16 VCN3 VCN2 10.0.0.0/16 VCN1 10.0.0.0/16 ×不可能 ×不可能 ×不可能 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 11
  9. リモートVCNピアリングの構成手順 1. DRGを作成 2. DRGをVCNに接続 3. 接続を確立するためにIAMポリシーを設定 4. DRG間の接続を確立 5.

    ルートテーブルを更新 6. セキュリティリストを更新 7. 接続テスト Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 12
  10. Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 13 Oracle Services

    Network へのアクセス Access to Oracle Services Network
  11. Oracle Services Network とは? • OCIの各種サービスのエンドポイントが存在するOCIの 概念的なネットワーク • OCIリージョンの中に存在し、VCNの外側に存在する •

    この中のサービスは、インターネット経由でアクセスする ためのNATされたパブリックIPアドレスを持つものも多 い • Oracle Services Network内のサービスの例 ※ • OCI APIのエンドポイント • Object Storage • Oracle Autonomous Database • Analytics Cloud Service などのPaaSやSaaS ※ OCIのコンソール画面 (https://console.<region>.oraclecloud.com)は Oracle Services Network内には存在しません OCIリージョン VCN VCN VCN Oracle Services Network Object Storage Autonomous Database Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 14
  12. VCNの中 から Oracle Services Network へのアクセス方法 Copyright © 2024, Oracle

    and/or its affiliates. 15 アクセス元にパブリッ クIPアドレスの要否 アクセスに利用するIPアドレス VCN内からの通信の到達先 インターネット・ゲートウェイ経由 必要 パブリックIP インターネット(双方向通信) NATゲートウェイ経由 不要 ゲートウェイでパブリック-プライベートNAT変換される インターネット(アウトバウンド通信の み サービス・ゲートウェイ経由 不要 ゲートウェイでプライベートIP-プライベートIPのNAT変 換が行われる (送信元IPには240.0.0.0/4が利用される) 同一リージョン内のOracle Services Network内のサービス 他テナンシのリソースも到達可能 (インターネットに出る通信は不許 可) VCN内に設置したプライベート・ エンドポイント経由 不要 VCN内のプライベートIP ゲートウェイを設置したサービスのみ
  13. VCN オンプレミスから Oracle Services Network へのプライベート・アクセス方法 1. FastConnect パブリック・ピアリング •

    FastConnectをパブリックIPで利用 2. VCN Transit Routing • DRGとService Gatewayを直接ルーティング 3. プロキシサーバー経由 • VCN内に設置したプロキシを経由 4. プライベート・エンドポイント • VCN内にエンドポイントを設置 (Autonomous DBのみ利用可) 5. 番外: ロードバランサー経由 • LBのListener IP を介してNATアクセス ※ ホスト名アクセスではないため非推奨 Customer Data Center FastConnect (Public Peering) Autonomous Database Service Gateway OCIリージョン Proxy Server Private Load Balancer ADB Private Endpoint 1 2 FastConnect (Private Peering) 3 4 5 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 16
  14. プライベート・エンドポイント Oracle Services Network 内にホストされる特定のサー ビスにアクセスするためのエンドポイントを、VCN内に作成 する仕組み • ユーザーが明示的に作成して有効化 •

    VCN内のプライベートIPを持つ仮想NICとして扱われ るため、サービス・ゲートウェイやトランジット・ルーティン グ等の設定は不要 対応するサービス(今後も追加予定、最新情報はこちら) • Autonomous Database (shared Exadata infrastructure) • Streaming • Data Safe • Data Catalog • Oracle Analytics Cloud • Data Flow Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 17
  15. 1. FastConnect/VPN接続の 複数VCNでの共有 • 1つのFastConnectのプライベート 仮想回線またはVPN接続を共有 して、オンプレミスネットワークと同 リージョンの複数のVCN間の直接 通信する 2.

    外部ネットワークからOracle サービスへのプライベート接続 • オンプレミスからVCN外のOracle サービス (Object Storage/SaaS サービス)のパブリックエンドポイント に、FastConnectやVPN経由でア クセスする 3. リージョン間のリモート・ピアリ ング接続を複数VCNで共有 • 2つのハブVCNの間を結ぶリージョ ン間のリモート・ピアリング接続を、 それぞれのハブVCNとローカル・ピア リング接続されているスポークVCN から利用する VCNトランジット・ルーティング 3つのユースケース Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 20 OCIリージョン Service Gateway 外部 ネットワーク VCN ORACLE SERVICES NETWORK Object Storage
  16. 外部 ネットワーク ハブ VCN スポーク VCN-2 スポーク VCN-1 スポーク VCN-3

    ローカル VCN ピアリング ユースケース1 - FastConnect/VPN接続の複数VCNでの共有 • 1つのVCNがハブとなり、複数のスポークVCNと接続す るハブ&スポークの形状となる • 外部ネットワークとは、ハブVCNのみがFastConnect / VPN で直接接続されており、各スポークVCNと外 部ネットワークの間の通信は、ハブVCNがゲートウェイ となって中継(トランジット)する • ハブVCNとスポークVCNの間はローカルVCNピアリング で接続するため、ローカルVCNピアリングの構成上の 制約を受ける • ハブとスポークは同一リージョン • ハブとスポークは別テナンシーにあっても可 • ピアリング数最大10個/VCN Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 21
  17. • (前提)ハブVCNと外部ネットワークの間 のプライベート接続、ハブVCNとスポーク VCNの間のローカル・ピアリング接続は 構成済み • 動的ルーティング・ゲートウェイ(DRG)の ルート表に、スポーク VCN(192.168.0.0/16)を宛先とするトラ フィックのターゲットをLPG-1とするルール

    を追加 • LPG-1のルート表に、外部ネットワーク (172.16.0.0/16)を宛先とするトラフィック をDRGとするルールを追加 • スポークVCNのルート表に、LPG-2を ターゲットとするルールを作成 ユースケース1の設定例 - ハブVCN内にインスタンスを置かず、ハブVCNのDRGとLPG を直接ルーティングするパターン Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 22 外部ネットワーク (172.16.0.0/12) ハブ VCN (10.0.0.0/16) スポークVCN (192.168.0.0/16) ローカル・ ピアリング接続 宛先 ターゲット 192.168.0.0/16 LPG-1 172.16.0.0/12 DRG 宛先 ターゲット 10.0.0.0/16 LPG-2 172.16.0.0/12 LPG-2 LPG-1 LPG-2 宛先 ターゲット 192.168.0.0/16 LPG-1 宛先 ターゲット 172.16.0.0/12 DRG
  18. ユースケース1の設定例 - ハブVCN内に置いたインスタンスを経由させるパターン Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates.

    23 外部ネットワーク (オンプレミス/Azure) 172.16.0.0/12 ORACLE CLOUD INFRASTRUCTURE REGION FastConnect Hub VCN 10.0.0.0/16 LPG2 Spoke VCN-1 10.1.0.0/16 Spoke VCN-2 10.2.0.0/16 172.16.0.0/16 Local Peering Local Peering Firewall FW UnTrust Subnet 10.0.4.0/24 FW Trust Subnet 10.0.8.0/24 vnic1 vnic2 LPG T1 LPG1 10.0.4.2 10.0.8.2 Destination CIDR Route Target 10.1.0.0/16 10.0.4.2 10.2.0.0/16 10.0.4.2 Destination CIDR Route Target 172.16.0.0/16 DRG Destination CIDR Route Target 10.1.0.0/16 LPGT1 10.2.0.0/16 LPGT2 LPG T2 Destination CIDR Route Target 172.16.0.0/16 10.0.8.2 Destination CIDR Route Target 172.16.0.0/16 10.0.8.2
  19. OCIリージョン Service Gateway • オンプレミスから、Oracle Services Network(VCN外にあるパブリックIPしか持たな い Oracle サービス

    (Object Storage/Autonomous DB) に対し、インター ネットを介さずに FastConnect やVPN接続経 由で接続したい場合に構成する • VCNが、オンプレミスとOracle Services Network (OCIリージョン内のVCN外のネット ワーク) を中継(トランジット)する形状となる • VCNからはサービス・ゲートウェイを経由して Oracle Services Networkに到達する ユースケース2 - 外部ネットワークからOracleサービスへのプライベート接続 外部ネットワーク VCN ORACLE SERVICES NETWORK Object Storage Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 25
  20. ユースケース2の設定例 - VCN内にインスタンスを置かず、DRGとサービス・ゲートウェイ を直接ルーティングするパターン Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates. 26 ORACLE CLOUD INFRASTRUCTURE REGION VCN 10.0.0.0/16 . On-premises Network 172.16.0.0/12 Dynamic Routing Gateway Service Gateway Object Storage Oracle Services Network Fastconnect or VPN Destination CIDR Route Target All Services in Region Service Gateway Destination CIDR Route Target 172.16.0.0/12 DRG Route Table associated with DRG Route Table associated with Service Gateway ADW/ATP Virtual Machine
  21. ユースケース2の設定例 - VCN内に置いたインスタンスを経由させるパターン(仮想ファイ アウォールなどを経由させる場合などに利用) Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates. 27 VCN 10.0.0.0/16 SUBNET 10.0.4.0/24 SUBNET 10.0.8.0/24 and more.. Object Storage Oracle Services Network Service Gateway Dynamic Routing Gateway On-premises Data Center 172.16.0.0/12 VNIC VNIC Instance 10.0.4.3 10.0.8.3 Fastconnect or VPN Connect Private IP Private IP DRG Destination CIDR Destination CIDR Route Target Route Target 172.16.0.0/12 Service Gateway All Services in Region Destination CIDR Route Target All Services in Region 10.0.4.3 Destination CIDR Route Target 172.16.0.0/12 10.0.8.3 Route Table associated with Service gateway Route Table associated with DRG ORACLE CLOUD INFRASTRUCTURE REGION Route Table associated with subnet-frontend Route Table associated with subnet-Backend
  22. ユースケース2の応用 -リモート・ピアリングしたVCNを介してトランジット・ルーティングを 利用して別リージョンのサービスネットワークにプライベートにアクセス Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates.

    28 Osaka Region VCN 10.1.0.0/16 DRG Object Storage Tokyo Region Private Subnet 10.0.0.0/24 VCN 10.0.0.0/16 Virtual Machine DRG Service Gateway プライベートサブネットのルート表 宛先 ターゲット 接続先リージョンの OSN CIDR (*1) DRG DRGのVCNルート表 宛先 ターゲット All KIX Services In Oracle Services Network サービス・ ゲートウェイ リモートピアリング 接続 サービス・ゲートウェイのルート表 宛先 ターゲット 10.0.0.0/16 DRG DRGのDRGルート表 リモートピアリング接続作成 時に自動で作成される。 DRGのDRGルート表 リモートピアリング接続作成 時に自動で作成される。 (*1) ドキュメントからパブリックIPのJSONファイルをダウンロードし、対象リージョンのOSNのCIDR範囲を取得し、ルート・ルールの宛先に追加。 https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/General/Concepts/addressranges.htm#osn-ranges サービス・ゲートウェイは同一リージョン内のサービス・ネットワークのみにアクセス可能。別リージョンのサービス・ネットワークに対して プライベートにアクセスする場合はVCNをトランジットさせる必要がある。
  23. • 2つのハブVCNの間を結ぶリージョン間のリモート・ピア リング接続を、それぞれのハブVCNとローカル・ピアリン グ接続されているスポークVCNから利用する • 左の図の例だと、VCN-1-AとVCN2-Aの間は、VCN- H-1、リモートピアリング接続、VCN-H-2を経由(トラン ジット)して直接通信ができる • 各スポークVCNの間を個別にリモート・ピアリングする

    必要がなく、リージョン間接続は1つだけでOK • ハブVCNとスポークVCNの間はローカルVCNピアリング で接続するため、ローカルVCNピアリングの構成上の 制約を受ける • ハブとスポークは同一リージョン • ハブとスポークは別テナンシーにあっても可 • ピアリング数最大10個/VCN ユースケース3 - リージョン間のリモート・ピアリング接続を複数VCNで共有 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 29
  24. OSN Object Storage Private Subnet 10.0.6.0/24 Oracle Cloud Infrastructure (Region)

    Availability Domain 1 Availability Domain 3 Public Subnet 10.0.0.0/24 VM 10.0.0.5 129.213.80.25 Database System 10.0.6.3 Virtual Cloud Network 10.0.0.0/16 Service Gateway Autonomous Database ATP/ADW Dynamic Routing Gateway Telemetry/ Monitoring GatewaySubnet 10.0.6.0/24 Availability Zone Subnet_OApp 172.16.0.0/24 VM 172.16.0.5 23.100.26.160 Subnet for Virtual Network Gateway VNet 172.16.0.0/16 Microsoft Azure (Region) FastConnect ExpressRoute Virtual Network Gateway Cross-Cloud Network 参考 : Azureとの接続 + トランジット・ルーティングの併用例 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 30
  25. パブリックサブネット 10.0.0.0/24 オラクルクラウドリージョン 可用性ドメイン1 VCN 10.0.0.0/16 プライベート・サブネット 10.0.1.0/24 ファイアウォールインス タンス

    プライベート・インスタ ンス 0.0.0.0/0 ファイアウォールの プラ イベートIP 172.16.0.0/16 DRG ルート・ターゲットとしてのプライベート IP VCN外へのトラフィックのターゲット(次ホップ)としてプライ ベートIPアドレスを直接指定する機能 ユースケース : アプライアンス型の仮想ファイアウォールや UTM(IDS/IPS)を設置し、すべてのトラフィックが必ずそこ を経由するように構成 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 32
  26. Oci 可用性ドメイン-2 可用性ドメイン-1 パブリックサブネット VCN: 10.0.0.0/16 保護層 パブリックサブネット パブリック・ロー ドバランサー

    インターネッ ト・ゲートウェ イ インターネット オンプレミス ネットワーク Fortigate NGFW を利用した仮想ファイアウォールの設置例 クライアント プライベート・サブネット プライベート・サブネット プライベートロー ド バランサー ウェブ/アプリ層 プライベート・サブネット プライベート・サブネット DB 層 DB システム DataGuard同期 Fortigate NGFW Fortigate NGFW Bastion Bastion OCI ブログFortigateNGFW Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 33
  27. Juniper vSRX を使用した仮想ファイアウォールの設置例 • Juniper vSRXは、ステートフルファイアウォール保護、 IPS、アンチウイルス、Webフィルタリング、スパム対策 などのアプリケーションおよびコンテンツセキュリティ機能 などの利点を提供します •

    高レベルのワークフロー • 図に示すように、VCN と3つのサブネットを作成します。 • vSRXイメージをインポートして、VCN上にvSRXインス タンスを起動 • vNICを各サブネットに追加 • インスタンスコンソール接続手順を使用してvSRXをセッ トアップ • 参考ブログ - how to setup a vSRX on OCI - https://blogs.oracle.com/cloud-infrastructure/how- to-deploy-a-virtual-firewall-appliance-on-oracle- cloud-infrastructure Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 34
  28. VCN リゾルバは 169.254.169.254 に自動的に構成され、VCN内のホストの名前解決を提供するが、VCNリゾルバには VCN内のインスタンスからのみ到達可能 このため、異なるVCN間、あるいは、VCNがオンプレミス・ネットワークとVPNやFastConnectでプライベート接続されていて 相互に名前解決を行いたい場合には、プライベートDNSを利用するか、ハイブリッドDNS構成をとる必要がある VCN内DHCPオプションのリゾルバ設定 • VCNリゾルバ及びインターネット:VCN

    内部のDNSを利用し VCN 内とグローバルの名前解決を行う(デフォルト) • カスタムリゾルバ:VCN内や IPsec VPN / FastConnect で接続されたオンプレミス・ネットワーク内に独自に設置したDNSを利用 し名前解決を行う サブネット単位で設定選択可能 VCNリゾルバのデフォルトのドメイン名(ラベル名を明示的に指定しない場合はVCN名やサブネット名から自動生成) • VCN ドメイン名: <VCN DNSラベル>.oraclevcn.com • サブネットドメイン名: <サブネットDNSラベル>.<VCN DNSラベル>.oraclevcn.com • インスタンスのFQDN: <ホスト名>.<サブネットDNSラベル>.<VCN DNSラベル>.oraclevcn.com VCN内の名前解決 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 37
  29. プライベートDNSを利用することで、プライベート・ネットワークの名前解決を行うためのゾーンとレコード管理が可能 また、プライベートDNSリゾルバで、VCN間、オンプレミスや他のネットワークとの間でのフォワーディングが可能 プライベートDNS Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates.

    38 • プライベートDNSゾーン • プライベートネットワーク内で利用可能なDNSデー タ。 • プライベートDNSビュー • プライベート・ゾーンの論理的な集まり。リゾルバから ビューを関連付ける。 • プライベートDNSリゾルバ • VCN内でDNSクエリに応答するリゾルバ • VCN内でデフォルトで169.254.169.254でリッスン • エンドポイントを利用しフォワーディング設定も可能 OCIリージョン VCN プライベートDNSリゾルバ 169.254.169.254 リスニング・エンドポイント 転送エンドポイント プライベートDNSビュー プライベートDNSゾーン prod.domain.internal システム生成ゾーン vcn1.oraclevcn.com suba.vcn1.oraclevcn.com オンプレミス DNSサーバー 名前解決 リスニング 転送 名前解決 プライベートDNSは無償。プライベートDNSゾーンや、エンドポイント、 DNSクエリーなどに対する費用は不要。
  30. VCN内でのプライベートDNS解決 • VCN内部でのシステム生成ドメイン(oraclevcn.com)の名前解決 カスタム・プライベート・ゾーンの管理 • 独自ドメインの作成やレコード管理 VCN <=> VCN 間のプライベートDNS解決

    • ピアリングされたVCN間でのDNSクエリー解決 • 同一テナンシかつ同一リージョンの場合はプライベートDNSビューを関 連付ければ相互に参照可能。 • リモートもしくは別テナンシの場合はフォワーディング設定 VCN <=> オンプレミス間のプライベートDNS解決 • VCNとお客様のオンプレミスネットワーク間の相互名前解決 • エンドポイントを使用してフォワーディング設定が可能 スプリット・ホライズン • 同じゾーン名のプライベートクエリとパブリッククエリに異なる回答を提供 プライベートDNSのユースケース Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 39 同一リージョン内でピアリングしたVCN間での名前解決 オンプレミスとVCN間での名前解決 OCIリージョン オンプレミス DNSサーバー 名前解決 VCN プライベートリゾルバ 名前 解決 aaa.com sub.aaa.com フォワーディング OCI Tokyoリージョン VCN プライベートリゾルバ プライベート・ビュー 名前解決 VCN プライベートリゾルバ プライベート・ビュー 名前解決 VCN ピアリング 関連付け
  31. • 各VCN内のDNSリゾルバ。VCNに付属して作成される。 • 169.254.169.254でリッスンしていて、VCN内インスタンス以 外から参照はできない。 • リゾルバ・エンドポイント(リスニング/転送)と転送リゾル バ・ルールを利用することでフォワーディング設定が可能 • OCI外部のネットワーク、別リージョンや別テナンシーのVCN

    から名前解決する、あるいはその逆が可能 • エンドポイントは指定したサブネット内に作成される • リゾルバ・ルール • ドメインやCIDRごとに、どこにフォワードするかのルール • リゾルバごとに最大10設定可能 • リゾルバ内の解決の優先順位: • カスタム・プライベート・ビュー → デフォルト・ビュー → リゾル バ・ルール → インターネットDNS プライベートDNSリゾルバ(VCN内部リゾルバ) Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 40 OCIリージョン オンプレミス DNSサーバー 名前解決 VCN プライベートリゾルバ 169.254.169.254 名前 解決 aaa.com リスニング・エンドポイント 転送エンドポイント リスニング 転送 vcn1.oraclevcn.com suba.vcn1.oraclevcn.com プライベート・ビュー
  32. システム生成ゾーン (.oraclevcn.com) • インスタンスなどの作成時に自動的にレコード登録、管理が行われる。 • システム生成ゾーンと他のゾーンをあわせて名前解決させたい場合は、 後述のDNSビューが利用可能 カスタムのプライベート・ゾーン • ユーザが独自のドメイン名で任意のDNSレコード管理が可能。VCN

    の中からのみ利用可能。 • VCNをまたがってゾーンを複製可能 • スプリットホライズン(パブリックとプライベートゾーンで同じドメイン)も 可能 • プライベートDNSゾーンは、必ずプライベートビューとともに作成される。 • 同一リージョン内のビューからのみ参照可能。 プライベートDNSゾーン Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 41 VCN プライベートリゾルバ 169.254.169.254 名前 解決 プライベートDNSビュー testdomain.com aaa.testdomain.com 30 A 10.0.0.2 bbb.testdomain.com 30 A 10.0.0.10 vcn1.oraclevcn.com suba.vcn1.oraclevcn.com システム生成ゾーン カスタムのプライベートDNSゾーン
  33. オンプレミス DNSサーバー 名前解決 OCI Tokyoリージョン VCN 名前解決 名前解決 プライベートDNSリゾルバ 169.254.169.254

    リスニング・エンドポイント 転送エンドポイント OCI Osakaリージョン VCN 名前解決 名前解決 プライベートDNSリゾルバ 169.254.169.254 リスニング・エンドポイント 転送エンドポイント OnPネットワークや別リージョンのVCN間での名前解決 OnPネットワークや別リージョンVCNとの相互の名前解決 構成例 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 43 FastConnect VPN リモートピアリング
  34. ハイブリッドDNS構成 ケース1 : オンプレ側からVCN内ホストの名前を解決 1. オンプレミス内のクライアントがVCN内のホスト (db1.exaclient.custvcn.oraclevcn.com) の名前 解決を要求するDNSクエリを発行 2.

    クエリを受け取ったオンプレミスのDNSサーバーがプラ イベート接続 (VPNまたはFastConnect) 経由で VCN(10.0.10.15) のDNS VMにクエリを転送 3. さらにVCN DNSリゾルバー(169.254.169.254)に DNSクエリを転送 4. DNS VMはFQDNのIPアドレスを取得し、オンプレミ スDNSサーバーに応答 5. オンプレミスDNSサーバーがIPアドレスを取得し、クラ イアントに応答 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 45
  35. ハイブリッドDNS構成 1. VCN内のクライアントがオンプレミス・ネットワーク内 のホスト(app1.customer.net) の名前解決を要求 するDNSクエリを発行 2. サブネットのDHCPオプションでカスタム・リゾルバーに 設定されているDNSサーバー(10.0.10.15)がDNSク エリーを受信

    3. プライベート接続 (VPNまたはFastconnect) 経由 でオンプレミスDNSサーバー(172.16.0.5) にDNSクエ リを転送 4. DNS VMが応答を取得してクライアントに返送 ケース2 : OCI側からオンプレミス・ネットワーク内のホストの名前を解決 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 46
  36. https://blogs.oracle.com/cloud-infrastructure/announcing-virtual-cloud-network-flow-logs- general-availability-for-oracle-cloud-infrastructure VCNを流れるすべての通信のメタデータの記録を保持し、ロギング・サービスに統合 ネットワークの監視やトラブルシューティング、コンプライアンス対応のために利用可能 サブネット単位で設定し、サブネット内のすべてのリソースに対応 • インスタンスのVNICのみでなくプライベート・エンドポイントにも対応 以下のような内容が記録される • トラフィックの送信元IPアドレスとポート番号/送信先IPアドレスとポート番号

    • トラフィック量 • セキュリティ・ルールによる許可/拒否 ログ内容の例 ログフォーマット詳細 • https://docs.cloud.oracle.com/en- us/iaas/Content/Logging/Reference/details_for_vcn_flow_logs.htm#details_for_vcn_flow_logs VCN Flow Logs Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 48 VCN Flow Logs ACCEPT TCP 172.21.2.185 Port 43360 → 129.146.13.236 Port 443 Bytes 10515 Packets 19 ACCEPT TCP 129.146.13.236 Port 443 → 172.21.2.185 Port 43360 Bytes 5548 Packets 14
  37. OCI Flow Logs の Oracle Management Cloud (OMC) Log Analytics

    連携 https://blogs.oracle.com/managementcloud/how-to-ingest-oci-vcn-flow-logs-into-omc-v2 Oracle Management Cloud の Log Analytics サービ スに、OCI Flow Logsのログを取り込んで表示、分析 ステップ • Flow Logs を有効化してObject Storageのバケット にログを出力 • OMCからOCI Flow Logsのログが出力されているバ ケットにアクセスしてログを抽出 • OMCのコンソールでログを表示、解析 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 49
  38. OCI Flow Logs の Splunk 連携 https://blogs.oracle.com/cloud-infrastructure/how-to-ingest-vcn-flow-logs-into-splunk 新機能 • OCI

    が Splunk Technology Alliance Partner (TAP) パートナーに認定 • splunk.com ダウンロードセンターからのOCIログ用の プラグインの提供 ユースケース • OCIログをSplunkで一覧で閲覧 • Flow Logs • Audit Logs • ログのパース、解析 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 50
  39. お客様がお持ちのパブリックIPをOCI上で利用可能。IPアドレスがハードコードされていて変更できない場合もOCIへの移 行が可能。 • お客様が所有権を持っているIPアドレスが持ち込み可能 • 所有権がAPNICなどのRIRに登録されている必要がある • Oracleによる所有権の検証などのステップが必要 • 特定のリージョンごと

    • /24~/8のCIDRを持ち込み可能 • 最大10個のIPv4レンジを持ち込み可能 • Free TierやPAYGは利用不可 Bring Your Own IP (BYOIP) BYOIPで持ち込んだIP範囲から1つないしは複数のパブリックIPプール を作成し、これを各リソースパブリックIPのソースに割り当てることが可 能 • IPプールには/24~/28のCIDRを登録可能 • コンピュート・インスタンス、ロードバランサー、NATゲートウェイなどの予約済 みIP設定の項目でIPプールを選択 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 52
  40. このレッスンでは、次のことを学習しました • ピアリングを利用した複数VCNの接続についての理解 • Oracle Services Networkの概念と、VCN内やオンプレミスからの接続方法についての理解 • 1つのVCNを経由(トランジット)したネットワーク間の直接通信のケースについての理解 •

    アプライアンス型の仮想ファイアウォールを利用するケースについての理解 • VCNとオンプレミスでハイブリッドDNSを構成するケースについての理解 • フローログを使ってVCN内の通信ログを取得する仕組みについての理解 まとめ Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 53
  41. Oracle Cloud Infrastructure マニュアル (日本語 / 英語) • https://docs.cloud.oracle.com/iaas/api/ -

    APIリファレンス • https://docs.cloud.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/General/Reference/aqswhitepapers.htm - テクニカ ル・ホワイト・ペーパー • https://docs.cloud.oracle.com/iaas/releasenotes/ - リリースノート • https://docs.cloud.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/knownissues.htm - 既知の問題(Known Issues) • https://docs.cloud.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/General/Reference/graphicsfordiagrams.htm - OCIアイコン・ダイアグラム集(PPT、SVG、Visio用) ※ 日本語版は翻訳のタイムラグのため情報が古い場合があります。最新情報は英語版をご確認ください Oracle Cloud Infrastructure マニュアル・ドキュメント Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 55
  42. Oracle Cloud Infrastructure 活用資料集 • https://oracle-japan.github.io/ocidocs/ チュートリアル - Oracle Cloud

    Infrastructureを使ってみよう • https://oracle-japan.github.io/ocitutorials/ Oracle Cloud ウェビナーシリーズ • https://www.oracle.com/goto/ocws-jp Oracle 主催 セミナー、ハンズオン・ワークショップ • https://www.oracle.com/search/events/_/N-2bu/ Oracle Cloud Infrastructure – General Forum (英語) • https://cloudcustomerconnect.oracle.com/resources/9c8fa8f96f/summary Oracle Cloud Infrastructure トレーニング・技術フォーラム Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates. 56
  43. Our mission is to help people see data in new

    ways, discover insights, unlock endless possibilities.