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AI時代に"自分らしいキャリア"を描くために
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onoder
July 10, 2025
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AI時代に"自分らしいキャリア"を描くために
onoder
July 10, 2025
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Transcript
AI時代に "自分らしいキャリア"を 描くために ファストドクター株式会社 エンジニアリングマネージャー 小野寺 良祐 開発者のためのキャリア戦略会議
はじめに この発表資料は、2025.7.10 開発生産性コミュニティD-plus主催の「開発者のためのキャリア戦略会議」にて登壇させて いただいたときの資料です。
自己紹介 小野寺 良祐(40) ファストドクター株式会社 エンジニアリングマネージャー 1 SIer時代 10年間、大手〜中堅SIerでエンジニア 2 フリーランス時代
AIロボティクス、IoT連携デバイス、 SaaS開発 など、4年間で計6社の技術支援 3 教育者時代 1年間、企業や学校でIT人材育成に注力 4 CTO時代 ソフトバンク x 日本通運の共同会社設立に 携わり、同社CTOとして4年間テック/プ ロダクト全般を牽引。 出向解除のタイミングをもって退任し、 同社技術顧問へシフト。 5 現在 医療スタートアップのファストドクターへ入社 エンジニアリングマネージャーとして勤務
キャリア簡単年表 大学 文系学部卒業 中規模SIer 組み込み開発 大手SIer モバイル/Webアプリ開発 フリーランス AIロボット、IoT、SaaS等 IT講師
人材育成 大手JV CTO スタートアップ EM
これまでのキャリア形成パターンについて 「関心 × 強み」 「関心」を抱いて「強み」で次へフックする 「興味・関心」という内発的動機 と、 「強み・得意」という外的評価 の掛け合わせによってキャリアを形成。
「関心」を抱いて「強み」で次へフックする 新人時代 大学(文系)→ 中規模SIer(組み込み開発) キャリアステップ 関心 • 得体の知れないソフトウェアへの興味 • クリエイティブな世界へのわくわく感
強み ない(しいて言えば "若さ"!) 文系出身でプログラミング経験はなかったものの、ソフトウェア開発への 純粋な興味と若さを武器に、組み込み開発の世界に飛び込みました。
「関心」を抱いて「強み」で次へフックする >5年後 組み込み開発で培った技術力を活かし、当時注目を集めていたAndroid プラットフォームの開発に挑戦しました。 キャリアステップ 中規模SIer(組み込み開発)→ 大手SIer 関心 • Android日本上陸
• オープンなモバイルプラットフォームへの興味 強み 組み込み開発で培ったハード/ソフト両方の実務経験
「関心」を抱いて「強み」で次へフックする >3年後 SIerで培ったフルスタックな経験と問題解決能力を活かし、 より多様な働き方と最先端技術への関心を追求するため、フリーランス として様々なベンチャー企業の技術支援に携わるようになりました。 キャリアステップ 大手SIer(モバイル/Webアプリ等) → フリーランスでベンチャー支援 関心
• 多様な働き方への興味 • 最先端技術に触れたい • より自由な環境で創造性を発揮したい 強み • 10年間SIerで揉まれて培った、低レイヤーから高 レイヤーに至るフルスタック経験 • 様々なプロジェクトで培った問題解決能力
「関心」を抱いて「強み」で次へフックする >3年後 キャリアステップ フリーランスでベンチャー支援 → IT講師 関心 • 培ってきたものを還元することへの関心 •
エンジニアとして開発中心のキャリアへの迷い 強み 色々な言語・フレームワーク・思想に触れてきた実務 経験 様々なベンチャーでの経験を通じて得た多様な技術知識を活かし、次世代エン ジニアの育成に関わりました。開発の第一線を離れ、開発の仕事のやりがいや 面白さを人に伝えているうちに、最初この世界へ足を踏み入れたときの気持ち を思い出し、エンジニアとしての原点に還るような体験となりました。
「関心」を抱いて「強み」で次へフックする >1年後 複数のベンチャー支援で得た経験、フルスタックの技術領域を活かし、 大手企業の共同出資会社でCTOとして技術組織を構築する挑戦に踏み出しました。 キャリアステップ IT講師 → 大手JV CTO 関心
真に事業に寄り添える開発組織をゼロイチで作り上げ ることへの関心 強み • 様々なベンチャーで経験した成功や失敗の体験 • 講師として人に寄り添った経験 • フルスタックの技術経験
「関心」を抱いて「強み」で次へフックする >4年後 キャリアステップ 大手JV. CTO → スタートアップ. EM (現職) 関心
• スタートアップで社会課題解決を目指すことへの関心 • 医療という直接的に社会に貢献できる仕事への関心 • スタートアップで強い開発組織をつくることへの関心 強み • CTOとしてハイレベルな技術ディレクションや トップマネジメントに関わった経験 • 開発組織の構築・運営ノウハウ CTOとして培った技術ディレクションと組織構築の経験を活かし、 社会貢献性の高い医療スタートアップでエンジニアリングマネージャーとし て新たな挑戦を始めました。
「関心」を抱いて「強み」で次へフックする ① 関心の芽生え 今とは違う"何か"へ「興味や関心」をいだく ② 探究心の発揮 その世界を見に行きたいという想いが膨らむ ③ 強みの活用 今持っている「強み・得意」を最大限に
利用してその世界へフックをかけ、実際 にその世界へ行く ④ 望んだ経験の蓄積 その世界で見たかったものを見て、 経験したかったことを経験する ⑤ まだ知らなかった経験の蓄積 様々な関わりの中で、新しい経験をする ⑥ 新たな関心 新たな"何か"へ「興味や関心」をいだく ようになる 螺旋状に上昇してキャリアがつながっていくイメージ
これからのキャリア形成への不安 これまでのパターン(「関心」×「強み」)は、こ れからの時代に通用するのか 「AIの劇的な進化」がもたらす様々な変化に、 漠然とした不安を抱く。 「関心」を寄せた対象が変化することがある 興味を持った技術やサービスが、AIによって急速に変化 したり、場合によっては不要になったりする可能性 「強み」と思ってたことが「強み」では なくなることがある
AIが得意とする分野が拡大し、人間の「強み」だっ た領域が縮小していく可能性 AI時代においては、技術の進化が加速度的に進み、キャリアの 前提条件が急速に変化する。これまでのパターンだけでは対応 しきれない時代がやってきている。
〜 これからのキャリア形成で大切だと思うこと 〜 AI時代に "自分らしいキャリア"を 描くために
AIの進化がもたらす「変わるもの」と「変わらないもの」 を区別する視点をもつ 技術は日進月歩で進化し、特に AI技術の進化 によって、これから急激に仕事の中身も、求められるスキルも移り変わってい く。 けれど「人として求められる力」や「自分にとっての軸」となる価値観など、時代が変わっても生き続けるものもある。 きっと変わるもの (例) •
言語やフレームワーク • 設計思想の流行 • アウトプットのスピード • 求められる技術スキル • ツールやプラットフォーム きっと変わらないもの (例) • 他者との信頼関係 • 好奇心と探究心 • 学び続ける姿勢 • 問いを持つ力 • 人間ならではの創造性 ※個人的見解です に向かうべき、という話ではない。 と思ってキャリアを選択したのに、変わってしまったり と思ってキャリアを選択したのに、変わらなかったりと 「変わらないもの」 「変わらないもの」 「変わるもの」 AIがもたらす変化に振り回されないための視点が必要 という話。
「変わるもの」と「変わらないもの」を区別して 「興味・関心」や「強み・得意」でフィルターをかける 「変わるもの」と「変わらないもの」の区別 時代の変化に流されず、本質を見極める視点を持つ 自分の「興味・関心」フィルター 純粋に自分が惹かれるものを大切にする 自分の「強み・得意」フィルター AIと共存できる自分ならではの「強み」を活かす 自分らしいキャリア選択 これらのフィルターを通して、本当に自分らしい選択をする
AI時代に"自分らしいキャリア"を描くために 〜 (僭越ながら..) 若いエンジニアのみなさんへのアドバイス 〜
いまの選択が、数年後にどうつながるかは分からない。 だけど "線" にしようとしなくてもいい。キャリアに一貫性ばかり求めなくてもいい。 「興味や関心」に正直に選んだ "点" の連続が、いつのまにか自分らしさを表している。 完璧な計画を立てようとしない 特にAI時代は予測不能な変化が多いため、柔軟に進路を調整す る姿勢が大切。
今この瞬間に心惹かれるものを大切に 心から興味を持てることに取り組むとき、自然と力が発揮される。 小さな成功体験を積み重ねる 一つひとつの「点」で得た経験や気づきが、次の「点」へとつながっていく。 「キャリアは"線"じゃなく、"点"の連続でいい」
最後に(ご静聴ありがとうございました) AI時代に自分らしいキャリアを築くために、AIによって「変わるもの」と「変わらないもの」を区別 する視点をもつ。 そこに「興味・関心」や「強み・得意」を当てていくことが、AIのもたらす変化 に振り回されることなく、自分らしいストーリーを描き続けることになるのではと思います。 今日の話が皆さまのキャリアを考える一助になれば幸いです。 ありがとうございました!