AWSからOCIへの移行を成功に導く！クラウドマイグレーションのベストプラクティス

2025年5月23日（金）に開催された Developer Day 2025 の[T1-2]AWSからOCIへの移行を成功に導く！クラウドマイグレーションのベストプラクティスの登壇資料です。

Transcript

1. AWSからOCIへの移行を成功に導く！ クラウドマイグレーションの ベストプラクティス 2025年5月23日 日本オラクル株式会社 クラウドエンジニアリング統括 オラクル・デジタル/ISVソリューション本部 山田 俊一 新井健一
2. 山田 俊一 日本オラクル株式会社 クラウドエンジニアリング統括 オラクル・デジタル/ISVソリューション本部 プリンシパル・ソリューション・アーキテクト 2 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 2021年11月入社 【家族構成】 妻（Master） 私（Slave） 犬（Stand-by）
3. 3 日本オラクル株式会社 クラウドエンジニアリング統括 オラクル・デジタル/ISVソリューション本部 シニア・ソリューション・アーキテクト Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates クラウド専任のSIerを経て、2021年8月にOracleにJoin 学生の頃から格闘ゲーム好きで全国大会にも何度か出場。 20年前にプロ制度があったらプロを目指していたはず。。。 新井 健一
4. 他パブリッククラウドからOCIへ移行いただいた企業様（一例） 4 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates from AWS 50%↘ from AWS 64%↘ from GCP 65%↘ from AWS 50%↘ from AWS 50%↘ from Azure 53%↘
5. Cost Performance - AWS VS OCI 5 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates ※AWSは$1=145円、オンデマンド料金で試算 m5.2xlarge (Linux,8vCPU,32GB) ¥53,508 gp3 (500GB,3,000IOPS) ¥6,960 Outbound Transfer (20TB) ¥328,947 db.r5.2xlarge (MySQL,8vCPU,32GB) ¥132,988 VM.Standard.E5.Flex (Linux,4OCPU,32GB) 21,219円 Standard (500GB,25,000IOPS) ¥3,294 Outbound Transfer (20TB) ¥37,820 MySQL.8.Standalone (MySQL,8ECPU,32GB) ¥36,866 from AWS 60%↘ from AWS 53%↘ from AWS 89%↘ from AWS 72%↘
6. Service Portfolio - AWS VS OCI 6 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates
7. How to Migrate？ Qiita 連載中の 『OCIクラウド移行ガイド』にて50近くの移行方法をご紹介！ 7 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates https://qiita.com/yama6/items/b197c0fe3ec75eb02637 AWS Workload Sample OCI Workload Sample 142,000 view 突破！
8. Service Portfolio - AWS VS OCI 8 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates
9. Agenda Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 9 3 Summary 1 EC2 to Compute 2 RDS for MySQL to HeatWave MySQL
10. EC2 to Compute 10 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates
11. OCI Compute 仮想マシンやベアメタルマシン等、多様なコンピューティング環境を提供するサービス Amazon EC2に対応する コンピュート・サービス 1OCPU=2vCPU換算 Standard シェイプでは、CPUとメモリを柔軟に選択可能な 「フレキシブル・シェイプ」 を採用 11 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates Cinderella fit !
12. 従来の Compute 移行方式 1. 新規作成＆手動移行 OCIにインスタンスを新規作成し、rsyncやrcloneを利 用し、手動でアプリケーションやデータを移行。 2. カスタムイメージ移行 既存環境から仮想マシンイメージを出力し、カスタム・イ メージとしてインポート。 12 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates • 移行を機に、OSバージョンの最新化が可能。 • Oracleからサポートされるプラットフォーム・イメージを 利用可能。 • 手動でインスタンス作成、デプロイ、データ移行が必要。 • VMDK,QCOW2形式にできれば、様々な環境から の持ち込みが可能。 • イメージサイズに400GBまでの制限がある。 • 大量のインスタンス移行では作業量が多くなる。 Disk Image create-instance -export-task Custom Image Object Storage Import Image copy Application, Data rsync or rclone New Create Application, Data
13. Oracle Cloud Migrations Service オンプレミスや他社Cloudの仮想マシンをOCIのインスタンスに移行するためのOCIネイティブなサービス • OCIコンソールからGUIベースで利用可能 • 2025年5月現在、以下の環境で利用可能 • ソース（移行元）： • VMware vSphere 6.5, 6.7, 7.0 ： Windows / Linux 仮想マシン • Amazon Web Services ： EC2 x86インスタンス(EBS backed)、EBSボリューム • ターゲット（移行先）：OCIコンピュートVMインスタンス（x86） • ブートボリュームとデータボリュームのフル/増分 VMスナップショット・レプリケーションでOCIにデータを移行する 13 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates • 移行元であるAWS環境のEC2を⾃動検出し、OCIの管理画面で可視化。 • ⾃動でデータ移行、インスタンス作成、デプロイを実行。 • 複数のインスタンスを一括移行可能。 OCM from to
14. OCMで「サポート」されるOS 14 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates No ゲスト・オペレーティング・システム 1 Amazon Linux 2 4.14/5.10 2 Amazon Linux 2022 3 Amazon Linux 2023 4 CentOS 7/8/9 5 Clear Linux 6 Debian 8 7 Debian 9/10/11/12 8 Oracle Linux 7/8/9 9 RHEL 7/8/9 10 Rocky Linux 11 SUSE Linux Enterprise Server 12 SP 1/2/3/4/5 12 SUSE Linux Enterprise Server 15 SP 1/2/3 13 Ubuntu 14.04/16.04/18.04/20.04/22.04/24.04 LTS 14 Windows Server 2012 Standard/Datacenter 15 Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter 16 Windows Server 2016 Standard/Datacenter 17 Windows Server 2019 Standard/Datacenter 18 Windows Server 2022 Standard/Datacenter *OCI上でOracle Linuxを利用する場合は、 Oracle Linux Premier Supportに⾃動的にアクセス可能。 sshを使用してインスタンスを起動、 及びアクセスできる状態までをサポート。 ！ 制限された商業上合理的なサポート
15. OCMを支える Resource Manager Terraformベースのデプロイメント⾃動化マネージドサービス 15 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates Managed Infrastructure-as-Code Service • (強いて言うなら) AWS CloudFormationに対応する IaC サービス • Terraform実行エンジンがOCI上に実装 • スタックという単位で、OCIのリソースをまとめて管理 • ジョブという単位で、スタックを操作・実行（Plan, Apply, Destroy）
16. OCMの移行フロー A. アセット管理 ソース環境への接続 アセット検出 インベントリ格納 エージェントレスで AWS環境へ接続 EC2,EBSを検出 検出したEC2,EBSを インベントリに格納 B. 移行プロジェクトと移行プラン 移行プロジェクトの作成 移行プランの作成 アセットのレプリケート 移行プロジェクトとして、 インベントリを登録 ソースのEC2,EBSと、 ターゲットのComputeを設定 EBSをOCIの Block Volumeにレプリケート C. 移行の検証 アセットのデプロイ アセットの検証 移行の完了 移行プロジェクトに完了マークを付与 作成したComputeへに接続検証 リソースマネージャを実行し、 Computeを作成
17. OCMの移行フロー A. アセット管理 ソース環境への接続 アセット検出 インベントリ格納 エージェントレスで AWS環境へ接続 EC2,EBSを検出 検出したEC2,EBSを インベントリに格納 B. 移行プロジェクトと移行プラン 移行プロジェクトの作成 移行プランの作成 アセットのレプリケート 移行プロジェクトとして、 インベントリを登録 ソースのEC2,EBSと、 ターゲットのComputeを設定 EBSをOCIの Block Volumeにレプリケート C. 移行の検証 アセットのデプロイ アセットの検証 移行の完了 移行プロジェクトに完了マークを付与 作成したComputeへに接続検証 リソースマネージャを実行し、 Computeを作成 ✓ ✓ ✓ デモのスコープ ✓ 実行済み
18. Demo 18 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates
19. Summary - EC2 to Compute Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 19 新規作成＆手動移行 カスタムイメージ移行 OCM (Oracle Cloud Migrations Service) Application, Data rsync or rclone New Create Application, Data Disk Image create-instance -export-task Custom Image Object Storage copy OCM from to • シンプルな再構築アプローチ • 少数のシンプルなワークロード • OCIに最適化された環境構築 • 既存環境を手動移行 • 移行元の設定を引き継ぐ • 環境構築に一部制限あり • 包括的な⾃動移行プロセス • 複数インスタンスを大規模移行 • 検出からデプロイまでワンストップ 移行規模、移行工数、OS保守を考慮し、プロジェクト要件に適した移行方式の選択を推奨
20. RDS for MySQL to HeatWave MySQL 20 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates
21. OCI HeatWave MySQL 2 in 1に統合された高性能データ処理の統合プラットフォーム 21 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 分析ツール 分析アプリケーション トランザクショナル アプリケーション InnoDB ストレージエンジン HeatWave 分析クラスター ▪フルマネージド MySQL データベースサービス • MySQL Enterprise Editionベースの唯一のクラウドサービス • 高可用性とモニタリング機能 ▪トランザクションと分析を単一データベースで実現 • AWSでいうRDSとRedshiftの機能を1つに統合 • 他クラウドと比較して約25〜50％コスト削減
22. HeatWave MySQLの特徴 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 22 1. MySQL開発チームが開発、運用、 サポートを行うクラウド・データベース 2. MySQL Enterprise Editionを ベースとした業界唯一のサービス 3. ソフトウェア版との完全な 互換性によるロックインの回避 4. 高負荷時にAmazon Auroraより 10倍以上のスループット 0 2000 4000 6000 1 4 16 64 128 256 512 1024 2048 4096 スループット (txn/s) 同時実行トランザクション 10x TPC-C (10 GB, data fits in buffer pool) ー MySQL HeatWave ー Amazon Aurora
23. MySQLの移行の3ステップ 1. エクスポート 移行元のMySQL DBからデータをダンプ 2. インポート エクスポートしたダンプファイルを、移行 先の HeatWave MySQLにロード 3. レプリケーション 移行元の更新を移行先のHeatWave MySQLにレプリケーション Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 23 HeatWave MySQL ダンプファイル MySQL DB (RDS, Aurora, etc..) ダンプファイル HeatWave MySQL MySQL DB (RDS, Aurora, etc..)
24. MySQL Shell - 高度なデータベース操作ツール Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 24 ◼ 主な特徴 MySQL • MySQL コマンドラインクライアント • MySQL Serverとモジュールが分かれているため、別途インストールが必要 • $ sudo yum install mysql-shell • 高度な補完機能でコマンド入力をサポート • 様々な出力形式（表形式、JSON、タブ区切りなど） • バッチ処理やスクリプト実行に対応 • MySQL InnoDB Cluster管理機能 • 便利なシェルユーティリティを多数内蔵
25. MySQL Shell Dump Utility/Dump Loading Utility Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 25 ▪基本機能 • インスタンス全体、スキーマ、テーブル単位でのデータ移行が可能 • MySQL 5.7/8.0から取得、OCIへの移行時は8.0.41以降が必須(※2025/5時点 • 並列処理で高速バックアップ・復元 • OCI Object Storage直接連携（8.0.21〜） ▪使いやすさ • コマンド1つでエクスポート/インポート完結 • ⾃動圧縮機能（zstd形式がデフォルト） • Heatwave互換性⾃動チェック・修正機能
26. 移行手順 1/3 エクスポート(Dump) Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 26 ▪手順の流れ 1.クライアントPCなどから MySQL Shellを起動 2.ソースデータベースに接続 3.ダンプコマンドを実行 4.クラウドストレージに直接保存 ▪エクスポートできる内容 • インスタンス全体 (util.dumpInstance) • 選択したスキーマ (util.dumpSchemas) • 特定のテーブル・ビュー (util.dumpTables) ▪注意点 • バージョンアップ(5.7→8.0)前は互換性チェック推奨 • mode: "dryrun" で事前検証可能
27. 移行手順 2/3 インポート(Load) Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 27 ▪新規DB作成時のインポート（推奨） • DB作成画面でデータインポートを有効化、ダンプ保存場所を指定 • 高速インポート機能⾃動適用 • MySQL 8.4以上で条件を満たせば適用 • 初期構成はスタンドアロン（高可用性は後から設定） ▪MySQL Shellによるインポート • MySQL Shellを起動して既存DBへ接続 • util.loadDump() を実行 • スレッド数など条件に応じてオプション調整可能 ※両方法とも同じMySQL Shell技術を使用（新規作成時の方が最適化済み）
28. 移行手順 3/3 レプリケーション(Replication) Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 28 ▪基本概念 •トランザクションを別DBシステムへ⾃動コピー •ソース(AWS)→レプリカ(OCI)へのデータ転送 ▪ネットワーク要件 •AWS⇔OCI間はVPNまたは専用線接続が必須 •セキュアで安定した低レイテンシ接続が必要
29. 移行手順 3/3 レプリケーション(Replication) Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 29 ▪移行元(AWS側)設定 •MySQL 5.7.9以上 •パラメータグループでの有効化: • バイナリログ(binlog_format = ROW) • GTID(gtid_mode = ON, enforce_gtid_consistency = ON) ▪移行先(OCI側)設定 •ソースと同等以上のバージョン かつ 8.0.41以上（ ※2025年5月現在） •（オプション）プライマリキーなしテーブル対応: • GIPK設定の有効化(generate_invisible_primary_key = ON)
30. Demo 30 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates
31. MySQL 移行まとめ Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 31 ▪移行のメリット •1つのDBで両方実現：トランザクション処理とETL不要の高速分析 •Enterprise Edition：高性能と標準サポート •コスト削減 ▪かんたん移行ステップ 1.エクスポート：MySQL Shellを利用したHeatWaveへの移行 2.インポート：新規作成だとより高速 3.レプリケーション：OCIの機能であるレプリケーションチャネルを設定 ▪ レプリケーション準備作業（レプリケーションしないのであれば不要） •AWS側：GTIDとバイナリログを有効化 •ネットワーク：AWS-OCI間のVPN/専用線を確立 •（※パブリックIPアクセス不可のため必須）
32. 最後に 32 Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates
33. ダウンタイムゼロの移行を達成するために Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 33 一般的なWeb・AP・DB構成の移行は、ダウンタイムを極力抑えることが可能です。 EC2の移行とRDSのレプリケーションを実施し、DNSでの振り分けを利用し、OCIへの切り替えを行います DNS
34. クラウドマイグレーションのベストプラクティス Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 34 ▪コスト最適化を実現 •AWS to OCIで大幅なコスト削減効果 •OCIはAWSと比較して必要なサービスが十分揃っている ▪ 確立された移行方式 •EC2→OCI Compute: Oracle Cloud Migration Service (OCM)による効率的な移行 •MySQL→OCI HeatWave: MySQL Shellの利用とReplication Filterによる同期 ▪ 実績と実践知識 •移行による効果を実感している導入企業が多数 •詳細な移行手順（EC2、MySQL以外に各種ストレージなど）をQiita記事として公開中 https://qiita.com/yama6/items/b197c0fe3ec75eb02637
35. 移行ガイドの本が出ます！ Copyright © 2025, Oracle and/or its affiliates 35 AWS経験者が秒で理解する Oracle Cloud 爆速移行ガイド ※全266ページの大ボリューム 技術書典18 2025/06/01 (日) 11:00〜17:00 池袋・サンシャインシティ 展示ホールD サークルブース：お10 https://techbookfest.org/product/8yGw0BYH SbVmTHSC6JFfG7? オンラインマーケット