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20250122_【DCC】RWAトークンWG_報告書_本紙

progmat
January 16, 2025
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 20250122_【DCC】RWAトークンWG_報告書_本紙

20250122_【DCC】RWAトークンWG_トレーサブル基盤と連携したRWAトークンの検討結果_本紙

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January 16, 2025
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  1. エグゼクティブサマリ #01 Progmat/DCCの概要 #02 RWAトークンWGの概要とスコープ #03 スキーム検討の前提 #04 スキーム全体像(商品化後、商品化前) #05

    トークンを通じた権利移転の効力発生要件 #06 その他の法的論点 #07 今後のアクション © Progmat, Inc. #1 目次
  2. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only ⚫ 価値の可視化:トレーサビリティ基盤の情報とトークンを紐づけることで、希少価値の高いアセットであることをデジタル上で可視 化。手元に実物がなくとも、希少価値の高いアセットの保有者であることを証明できる ⚫ 現地への誘因:トークンに保有者限定の”体験”を付与することで、現地への誘因も期待され、地域活性化に寄与

    ⚫ グローバルな取引:トークン化により実物より移転が容易となり、中長期的には海外も視野に入れた取引の拡張が期待 ⚫ 早期の資金化:スキームによってはバリューアップ途上(醸造・熟成等)の段階でトークン販売が可能になり、早期の資金回収が 可能 RWAトークンに 期待される効果 (日本酒ボトルの場合) 検討 成果 ⚫ スキームは (1)商品化”後”スキーム、(2)商品化”前”スキームの2パターンで検討 ⚫ (1)製造後(=瓶詰め後)の小口化されたトークンを発行。商品とトークンが1:1で紐づくため、”トークン保有者=商品の保有 者”の関係性が明快である、かつ、トレーサビリティ基盤を通じた価値の担保や状態可視化が可能となる一方、製造後での販 売となるため資金回収の早期化の効果はやや薄い ⚫ (2)製造途中の段階からトークンを発行。商品とトークンが1:1で紐づかないため、製造後に1:1で紐づいた別トークンを発行す る必要あり。資金回収の早期化が見込める一方で、左記の通り、販売・償還のオペレーションが煩雑化する懸念あり 検討スキーム ⚫ トークンの移転によってそれが表章する権利も移転させるには、スキームの当事者全員が同意する利用規約等に意思表示する 旨を規定する必要があるほか、実際に当事者が同意することを担保するための技術的措置(当事者間の承諾を意味するボタ ン等)を講じる必要もある ⚫ 商品化後スキームの場合、トークンには所有権と倉庫寄託者の地位が表章される。利用規約には、トークンの移転に伴って、 指図による占有移転、倉庫寄託者の地位の移転が発生したものとみなす旨の規定が必要 ⚫ 商品化前スキームの場合、トークンには前払式支払手段が表章されるため、トークンの移転に伴って、前払式支払手段の権利 の移転が発生したものとみなす旨の規定が必要 権利移転の 効力発生要件 ⚫ トークンビジネスを企画するにあたって、以下の観点(一例)でも適法なスキームとなっているかチェックが必要 ➢ トークンに表章する権利の内容が、資金決済法や金融商品取引法、各種業法(倉庫業法等)に抵触していないか ➢ 商品破損等の有事の際の対応方針は十分か、対象アセットへの取引規制法(主にライセンス)に抵触していないか その他の法的論点 今後のアクション ⚫ 2025年中に、商品化前スキームのRWAトークン発行/流通を目指す © Progmat, Inc. #2 エグゼクティブサマリ
  3. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only SC あらゆる価値をデジタル化 権利/資金の流れをプログラマブルに ST SC

    UT セキュリティトークン ユーティリティトークン ステーブルコイン SC ST UT 社会をネットワークで繋ぐ ボーダーレス/24・365/P2P #01 Progmat/DCCの概要 #「Progmat」とは|プログラマブルなネットワークで社会を繋ぎ、あらゆる価値をデジタル化する © Progmat, Inc. #4
  4. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #5 #「Progmat」とは|「インフラ層」を共創/標準化し、市場参加者の圧倒的利便性向上を実現する

    #01 Progmat/DCCの概要 インフラ層 Ⅰ サービス層 Ⅱ Progmat, Inc.…「Core Developer」兼「コンソーシアム(DCC)事務局」 ST UT Coin DCC事務局 信託銀行 A 信託銀行 B 信託銀行 C 銀行 D 銀行 E 証券 F 証券 G エクスチェンジ H コア機能提供 利用料 & 各発行体 役務 対価 Service Developers 株主企業群=アライアンスパートナー 出資 利益還元 スピンアウト (独立化) DCC会員 による 分権運営 インフラ としての 中立的 資本構成 (競争領域) (共創領域)
  5. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #6 最新ナレッジ 共有 プロダクト 共創

    デジタルアセット共創コンソーシアム 共同検討 ・提言 (DCC) 【目的】 デジタルアセット全般を対象とした、 業界横断での新たなエコシステムの共創 【運営概要】 ②業界横断的/新規性の高いテーマを対象に、 ワーキング・グループ(WG)を組成し、任意参加 ③秘密情報の共有範囲を限定し、 会員同士で柔軟に個別プロジェクトを実施 ④プロダクトに係る分権的運営 ①複数関係者間を跨ったWGや個別プロジェクトを 柔軟に進めるため、”包括的な秘密保持契約” として機能(共有範囲を調整し、都度個別の NDA締結を不要化) 【ポイント】 ①入会金/参加費無償 ②入会申込書(Word/押印不要)の電子送付 (事務局で締結手続完了後、会員サイト案内) ③社名非開示のオプション選択可能 © Progmat, Inc. #「DCC」とは|多数の組織が参加する、業界横断で価値を生み出す枠組み #01 Progmat/DCCの概要
  6. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #7 © Progmat, Inc. BC基盤

    Core Dev /API User Progmatに係る意思決定機関 開発・運用保守 協議・意思決定 (会員規程、開発方針等) 事務局サポート 開発依頼 参加 ライセンス契約 役割 ・BC基盤の提供 ・Progmat NW内の全Nodeの ・DCC会員規程や開発方針等の ・Nodeを保有しProgmat API利用 連携 etc. Service Dev 機能提供 *1 Core Devは(株)Progmatだけでなく、複数の企業が担える想定 *1 ・動作責任、障害時一時窓口 ・重要事項の意思決定 ・上でビジネスを構築 ・機能要件の調整、Progmatへの ・[API User]Service ・DevとAPI利用計画結び ・開発依頼 ・ビジネスを構築 ・開発推進、及びService Devへの ・ライセンス提供 other chains #「DCC」とは|エコシステムの意見をDCCで集約、「Core Dev」がコア機能を開発/提供する #01 Progmat/DCCの概要
  7. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #8 © Progmat, Inc. #01

    Progmat/DCCの概要 #「DCC」とは|商品化検討中の事業者から、ノウハウを有する業者/専門家等で構成されている *2024年12月31日時点現在 292組織 デジタルアセット共創 コンソーシアム 45% 15% 9% 6% 17% 4% 4% 【発行体/運用者】 130組織 【金融機関/決済業者】 44組織 【取引所/証券会社】 25組織 【暗号資産交換業者】 18組織 【技術協力/コンサル】 49組織 【法律事務所/監査法人等】 12組織 【他業界団体等】 14組織
  8. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #10 © Progmat, Inc. #本WGの位置づけ|日本酒等の嗜好品のトークン化をテーマに、価値ある実用化に向けた論点を整理する

    #02 RWAトークンWGの概要とスコープ 保有可能なアセットの多様化 プラットフォームの拡張 市場・決済機能の拡張 国内不動産 航空機・船舶 インフラ・設備 電車・自動車 ロケット・人工衛星 コンテンツ 嗜好品 金銭債権 社債 デジタル完結の 権利移転基盤 (特許登録) ユーティリティトークン API&DLT 証券会社を介した 随時売買・換金 デジタル証券PTS 連携 ステーブルコイン 連携 DEX/P2P(直接取引) 「利用」との融合 照合不要化 決済リスク減 流動性向上 可能性拡大 (障壁減,投資家層拡大) 構築支援,スマコン共創 未上場株式 オープン化 連携(ファンマーケ) 執行自動化 新たな取引機会 …実現済み …進行中/公表済み /ファンド持分 RWAトークンWG (旧題:日本酒トークンWG)
  9. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #11 © Progmat, Inc. #本WGのスコープ|各社が個別案件を進めるための”検討の発射台”となるナレッジ整理を目指す

    商品化スキーム 実務上の論点 □権利移転成立の構成 □資金決済法に関わる論点 □金商法に関わる論点 □各種業法に関わる論点 □有事の際の論点 新規トークン化 アイディア 「座組み」確定/ 「PJ」キックオフ 「トークン」発行/ 「PJ」完了 個別案件スキーム確定 経済条件確定 契約書策定 業務/システム構築 業規制対応 リーガルチェック マーケティング 本WGの検討スコープ(イメージ) □検討アセットの選定 □アセット価値の担保方法 □座組みの所在 □トークンが表章する内容 □オペレーションの流れ #02 RWAトークンWGの概要とスコープ
  10. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #13 #対象アセット|WG参加者の認識共有を容易にすべく、”日本酒ボトルのトークン化”を検討の前提とした

    #03 スキーム検討の前提 日本酒ボトルのトークン化により期待される効果 価値の可視化 ⚫ 個々の日本酒の価値を証明するトレーサビリティ基盤の情報とトークンを紐づけることで、 明確な基準に基づき認定された希少価値の高い日本酒であることをデジタル上で可視化 ⚫ 手元に実物がなくとも、希少価値の高いアセットの保有者であることを証明できる 現地への誘因 グローバルな 取引 事業者の 資金調達の 早期化 ⚫ 保有者限定の「体験」をトークンに付帯することで、幅広い消費者を対象としたブランドエク スペリエンスを提供。現地への誘引も期待され、地域活性化にも寄与 ⚫ ブロックチェーンを介した透明性の高い権利移転によって、中長期的にはグローバルな取引 も容易になる想定 ‒ 海外在住者による購入を想定するには、アセットに応じた海外の規制法等の精査が必要 ‒ 座組みによっては、コンプライアンス上、海外からのアクセスを許容しない方針を採る企業も存在することにも留意が必要 ⚫ 醸造・熟成段階の日本酒に関する権利をトークンとして先行して小口販売することで、 酒造会社は「先行小口販売」による熟成資金を確保できる 日本酒ボトルに限らず、希少性あるアセットであれば、同様の効果を得られる期待は大きい
  11. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #14 #アセット価値の担保方法|トレーサビリティ基盤と連携し、トークンとアセット価値の紐づきを強固にする

    トレーサビリティ基盤(対象アセットの信頼性担保) トークン発行・管理基盤(価値の流動化) RWAトークン実現のコンセプト #03 スキーム検討の前提 タグ (シール形式) 対象アセットにタグを貼付することで、 偽物へのすり替えを防止* 実物が手元になくとも 安心してトークンを通じた取引が可能 ↓ タグ タグ *シールが剝がされるとタグが破壊される仕様であり、不正が働かれた時期がトレーサビリティ基盤に記録されるため、抑止効果につながる
  12. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #15 #検討スキーム|商品化”後”と商品化”前”

    の2パターンを想定 商品化”後”スキーム (小口化”後”スキーム) 商品化”前”スキーム (小口化”前”スキーム) 概要 メリット デメリット •製造後(=瓶詰め)の小口化された 状態でトークンを発行 •商品とトークンが1:1で紐づき、商品 自体は所定の倉庫に保管 •一定期間後、倉庫から商品を取り寄 せ、トークンは効力を消失 •トークンと商品が1:1で紐づくため、 トークン保有者が商品の所有者 であるという関係性が明快 •トレーサビリティ基盤を通じて 商品ごとの状態を可視化できる → 日本酒では瓶詰め後の熟成状況等を 保有者がウォッチ可能 •トークンは製造後での販売となるため、 事業者にとっては資金調達を早める 効果はやや薄い •熟成酒のように、小口化後も消費者 の手に渡るまでにリードタイムが一定か かるアセットでなければ、従来の物理 販売スキームとの差別化が困難 •製造途中(=貯蔵)の段階からトークン を発行 •商品とトークンは1:1で紐づかないため、 製造後(=瓶詰め)に1:1で紐づいた 別トークンと交換する必要あり •一定期間後、倉庫から商品を取り寄 せ、トークンは効力を消失 •製造途中の段階からトークンの販売が できるため、事業者にとっては早期の 資金調達が期待できる •1:1で紐づいた別トークンと交換する 権利の他、アセット特有の体験(例: 日本酒のブレンド体験等)ができる等、 製品のそのものの価値に留まらない 自由な商品設計が可能 •トークンと商品が1:1で紐づかないため、 対象アセットの価値担保が難しい (保有者側の信頼ベースとなる) •製造後(=瓶詰め)に1:1で紐づいた 別トークンと交換する必要がある等、 オペレーションがやや煩雑化する #03 スキーム検討の前提
  13. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #17 #商品化後スキーム|発行トークンは、商品の”所有権”と商品を倉庫に預ける”寄託者の地位”を表章する

    #04 スキーム全体像(商品化後、商品化前) 製造 / 販売業者 ・・・ A B Progmat UT ・・・ X トレーサビリティ基盤 提供事業者 トークン発行事業者 消費者 消費者 消費者 倉庫事業者 03 06 01 利用契約締結 04 商 品 製 造 05 タ グ 取 付 利 用 規 約 同 意 08 ト ー ク ン 発 行 指 示 / タ グ 情 報 登 録 09 ト ー ク ン 発 行 02 寄託契約締結 / 商品寄託 販売プラットフォーム* 売買プラットフォーム* 11 販売代金支払 12 約 定 デ ー タ 連 携 10 利 用 規 約 同 意 07 利用規約同意 13 トークン付与 14 移 転 情 報 記 録 15 利 用 規 約 同 意 16 売買代金支払 17 約 定 デ ー タ 連 携 18 トークン付与 19 移 転 情 報 記 録 20 21 商 品 引 取 依 頼 ト ー ク ン 移 転 制 御 23 商品発送 *販売/売買プラットフォームとProgmat UTは予めAPI等で接続し、当該プラットフォーム上で販売/売買の約定がなされたことを以て、 Progmat UTのブロックチェーン上にトークン移転情報を記録する形で、業務提携が締結されていることを前提とする 22 商品引取依頼通知 赤字:契約の流れ 青字:モノ・トークンの流れ 黒字:取引/業務の流れ 【凡例】 NFCタグ 発行
  14. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #18 #商品化前スキーム|トークンAはトークンBを引き換えるための”前払式支払手段”を表章する

    ・・・ A B Progmat UT ・・・ X トークン発行事業者 消費者 消費者 消費者 倉庫事業者 16 01 14 利用契約締結 17 商 品 製 造 NFCタグ 発行 18 タ グ 取 付 利 用 規 約 同 意 02 ト ー ク ン A 発 行 指 示 03 ト ー ク ン A 発 行 15 寄託契約締結 / 商品寄託 販売プラットフォーム* 売買プラットフォーム* 05 販売代金支払 06 約 定 デ ー タ 連 携 04 利 用 規 約 同 意 07 トークンA 付与 08 移 転 情 報 記 録 09 利 用 規 約 同 意 10 売買代金支払 11 約 定 デ ー タ 連 携 12 13 移 転 情 報 記 録 22 23 ト ー ク ン B 引 換 依 頼 ト ー ク ン A 移 転 制 御 赤字:契約の流れ 青字:モノ・トークンの流れ 黒字:取引/業務の流れ 【凡例】 トークンA:商品化前に 発行するトークン トークンB:商品化後に 発行するトークン (前頁と同等) 【前提】 ト ー ク ン B 付 与 20 ト ー ク ン B 発 行 指 示 / タ グ 情 報 登 録 21 ト ー ク ン B 発 行 ト ー ク ン B 引 換 依 頼 受 領 / 移 転 指 示 24 25 19 利用規約同意 トークンBの付与以降は、 “商品化後スキーム”と同様の 流れをたどる (商品化後スキーム#13~) トレーサビリティ基盤 提供事業者 製造 / 販売業者 トークンA 付与 #04 スキーム全体像(商品化後、商品化前) *販売/売買プラットフォームとProgmat UTは予めAPI等で接続し、当該プラットフォーム上で販売/売買の約定がなされたことを以て、 Progmat UTのブロックチェーン上にトークン移転情報を記録する形で、業務提携が締結されていることを前提とする
  15. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #20 #権利移転の条件(商品化後スキーム)|トークンに表章した権利を合法的に移転するための要件を整理

    #05 トークンを通じた権利移転の効力発生要件 倉庫寄託者の 地位の移転 • 日本酒等の動産(=商品)の所有権の譲渡を第三者に対抗するためには、「引渡し」(占有権の移転)を行う必要 • 「引渡し」には”占有改定”と”指図による占有移転”があり、商品の保管を倉庫事業者に委託している場合、商品の移転 を伴わない形で買主に占有権を移転させるには、倉庫事業者に対して指図による占有移転の手続きが必要となる 所有権の 移転 商品の保管を 第三者(倉庫等) に委託するケース *本報告書のスキーム 概要 要件の詳細 成立要件 実装方針 • 指図による占有移転:代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物 を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときに当該第三者が占有権を取得(民法184条) • サービス利用規約等において、売主から買主へのトークンの移転行為を以て、売主の商品保管人(倉庫等)に対する、 商品を以後買主のために占有することを命じる旨の意思表示をしたものとみなす旨の規約を定める • 第三者である買主がこれを承諾したことを証明するために、アプリ上に”承諾ボタン”等の技術的措置を講じることが望ましい 概要 成立要件 実装方針 • サービス利用規約等において、 ①売主から買主へのトークン移転を以て、売主の買主に対する寄託契約の地位の移転に 係る意思表示とみなす旨、②トークンが売主から買主に移転された際、倉庫等の占有者は、トークンの前保有者との間で 成立している寄託契約上の地位が新たなトークン保有者に承継されることをあらかじめ同意する旨の規約を定める • なお①において買主による承諾を証明するために、アプリ上に”承諾ボタン”等の技術的措置を講じることが望ましい • 寄託契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合において、その契約の相手 方がその譲渡を承諾したときに、契約上の地位が当事者の一方から第三者に移転する(民法539条の2) • 日本酒等の動産(=商品)は倉庫等に保管されているため、商品を預けるための寄託契約を締結する必要がある • 商品の移転を伴わない形で占有権を移転させる場合、占有移転と同時に寄託契約の地位の移転の手続きが必要となる 概要 • 製造/販売業者が商品を保管したまま、最初の買主に占有権を移転させるには、占有改定の手続きが必要となる • 以降の移転については、占有権が最初の買主(=Aとする)に移っているため、Aが製造/販売業者に対して、次の買主の ために占有することを命ずる、指図による占有移転の手続きが必要となる (参考) 製造/販売業者が 商品の保管を 兼ねるケース 成立要件 • 占有改定:代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときに本人が占有権を取得(民法 183条)。以降の移転は、指図による占有移転のため、「商品の保管を第三者(倉庫等)に委託するケース」を参照 実装方針 • 初回のトークン移転を以て、代理人の本人に対する、以後本人のために商品を占有する意思の表示とみなす旨を規約に 定める(占有改定)。以降は、「商品の保管を第三者(倉庫等)に委託するケース」と同様(指図による占有移転)
  16. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #21 #権利移転の条件(商品化前スキーム)|トークンに表章した権利を合法的に移転するための要件を整理

    • 当該トークン(A)が、「別のトークン(B)と引き換えられる権利」や「現地特有の体験ができる権利」を表章する場合、 当該トークンには前払式支払手段が表章されていると考えられ、トークンの移転=当該権利の移転と整理される 成立要件 実装方針 • 当事者同士の合意によって移転は成立し、譲渡人が当該トークンに表章される前払式支払手段に関する権利を失い、 譲受人が当該権利を新たに取得する • サービス利用規約等において、トークンの移転行為をもって、前払式支払手段としての権利も移転したものとみなす旨の 規約を定める 前払式支払手段 概要 要件の詳細 #05 トークンを通じた権利移転の効力発生要件 <番外編> 製造途中のアセットの共有持分権をトークンに表章する場合 要件の詳細 共有持分権 • 商品化前(=小口化前)の状態で、商品化後スキームと同様の権利を表章させたい場合、当該トークンは製造途中のア セット(例:日本酒の酒樽)の共有持分権が表章されていると解すことができ、当該権利の移転の手続きが必要となる 概要 成立要件 • 対象アセットが動産であるため、移転の成立要件は「引渡し」。各トークン保有者が実際に動産を保有せずとも、製造業者 が代理人として占有していると観念できるため、「占有改定」「指図による占有移転」と同様の考え方で整理可能と想定 • 倉庫寄託者の地位の移転も前頁記載の内容で整理可能の認識 実装方針 • サービス利用規約等において、トークンが表章する内容、トークン移転を通じて上記の各種権利の移転とみなす旨を定める • トークンの移転先である買主の承諾ボタンを実装するといった技術的措置を講じることが望ましい その他 留意点 • 製造後、当該トークンは商品と1:1で紐づくわけではなく、各共有者が共有物分割請求を行い、製造途中のアセットの共 有持分を分割することで、商品の所有権を各共有者に帰属させる手続きを経る必要がある • 製造業者は他の共有者の代わりに製造を行うため、対象アセットへの管理行為/変更行為のいずれかに該当し、共有者 全員(または過半数)の同意のもとで委託の手続きが必要となる。利用規約等で、購入時に製造業者に製造を委託 することについて同意したものとみなすといった手当てが必要となる
  17. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #23 © Progmat, Inc. #その他の法的論点(1/2)|その他、実務上手当てが必要と思われる論点と見解を以下の通り整理

    #06 その他の法的論点 論点に対する見解 • 対象トークンが資金決済法上における、(特に)暗号資産や前払式支払手段等に該当しないかの整理が必要 ✓ 暗号資産…当該トークンが代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる場合は該当可能性が高い ✓ 前払式支払手段…商品化前に発行するトークンは前払式支払手段に該当。有効期限や未使用残高によっては財 務局長への届出・登録や供託金が必要となる。またトークン発行者によって自家型か第三者型かが異なることにも留意 が必要 *各項の該当要件や詳細については金融庁発行の事務ガイドライン記載の内容に譲り、本報告書では割愛する 所有権・倉庫寄託者の地位に 係る移転の意思表示の担保 (第三者プラットフォーム利用の場合) 商品の引取依頼実施後の トークンに対する手当て トークンに 対する論点 資金決済法への抵触有無 金融商品取引法への 抵触有無 • 特に集団投資スキーム持分として「金銭等の出資又は拠出」に該当しないかの整理が必要 ‒ 購入者に対して付与される特典等が、事業収益に連動するようなものになっていないか ‒ 価値が必ず上がる、価値上昇時には購入価格以上で売却可といった「出資」にあたりうる表記で宣伝等していないか 各種業法への抵触有無 • 主に以下に挙げる法に抵触しないかの整理が必要 ‒ 預託法…商品を(3か月以上)預託し、それに対する利益供与や一定期間後の買取りを約束する内容でないか ‒ 倉庫業法…特定の物品を製造/加工しない流通業者等が認可を受けないまま買主のために商品を保管するようなス キームとなっていないか(特定の物品を製造/加工した後に他人に譲渡する営業を営む者が保管する場合<例:酒造 が日本酒を製造して買主のために預かる行為>には、倉庫業に該当しないと考えられる) ‒ 古物営業法…過去に使用された物品(アンティーク等)をトークンの裏付資産としていないか 移転/引取に 関する論点 • 左記権利の移転に関する効力発生要件や手続きは先述の通りだが、トークンの移転に際し当事者以外のプラットフォーム 等を活用する場合は、プラットフォーマーに対し、当事者間の移転の意思表示とその承諾に対する代理権を付与する旨を 規定することが望ましい(当事者間の意思表示とその承諾は、本来的には、当事者に直接その旨が届くべきであるが、プ ラットフォーマーはその中間に所在することから、当事者間の意思表示と承諾のやり取りを代理しているとみなされるため) • 商品引渡し後のトークンに対しては、移転不可の措置をとることで、実態のないトークンが流通することを防ぐことが望ましい • それ以外の方法としてトークンをバーンする方法も考えられるが、この場合当該トークンには、(所有権ではなく)単に寄託 する商品の引渡請求権(寄託契約に基づく返還請求権)が表章されているにすぎないと解釈され、当該トークンが倉荷 証券とみなされる可能性がある。倉荷証券は倉庫事業者しか発行できないため、スキームの座組みによっては倉庫業法 違反に問われるリスクをはらむ
  18. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #24 © Progmat, Inc. #その他の法的論点(2/2)|その他、実務上手当てが必要と思われる論点と見解を以下の通り整理

    論点に対する見解 • 商品化後スキーム…トークンの移転後、商品は占有改定が済んでおり、危険負担(民法567条1項)により、買主は売 主に対して損害賠償の請求や契約の解除、支払代金の返還を主張することはできない。また保管者は善管注意義務を 負うが、不可抗力である以上は寄託契約上の債務不履行責任を問えない • 商品化前スキーム…前払式支払手段に表章される権利の全部が滅失することから、(資金決済法上の前払式支払手 段発行者であることを前提として)事業者は、トークンの払戻しを行う必要がある(資金決済法20条1項1号) 有事の際の 論点 商品破損(不可抗力)時の 権利関係 販売事業者破産時の 権利関係 対象アセットの 取引規制法 *日本酒の場合 • 引渡し(占有改定又は指図による占有移転)が完了し、商品の所有権の移転について第三者対抗要件を具備している ため、買主は、取戻権(破産法62条)の行使により、自らが購入したボトルの引渡しを破産管財人に対抗可能である 返品義務 • 本WGで想定するスキームでは、特定商品取引法の訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、 業務提供誘因販売取引、訪問購入のいずれにも該当しないため、特定商品取引法に基づく返品義務は生じない(いわ ゆるクーリングオフの対象外) トークン保有者逝去時の 相続方法 • トークンの保有者に相続が発生した場合の対応として、指定された相続人よりプラットフォーム運営者に通知を行い、 当該トークンに表章される権利の行使は指定相続人のみが可能であり、指定相続人を選定しない限りはトークン保有者 は権利行使ができない旨を規定等に定める必要がある 酒税の適用領域 • 酒税の納税義務は、原則として、酒類をその製造場から移出した時に成立する。また、酒税の納税義務者は、酒類の製 造者である。搬出がなされていれば、当該搬出につき売買/贈与/交換等の法律行為又は民法上の占有移転があるか否 かを問わないという見解もあるが、最終的には国税庁への確認が必要と考えられる 日本酒トークン販売時の ライセンスの要否 • 商流や表章する権利によっては、酒類販売業免許が必要になる。また通信販売を行う場合には、通信販売酒類小売業 免許が必要となり、需給調整要件により販売可能な酒類が限定される可能性がある。また、プラットフォーム運営業者は酒 類販売媒介業免許が必要になる可能性がある 海外在住者購入時の税制 • 海外在住者は購入時において原則日本の課税には服しないと考えられる • 海外居住者が購入したトークンの譲渡等で利益を得る場合には、居住地国での課税に服しうる。海外在住者が日本国 内でトークンを譲渡する場合には日本の課税に服する可能性があるが、多くは租税条約で課税対象外となるものと想定 #06 その他の法的論点
  19. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #26 #具体案件の実施|25年中にRWAと引換え可能な前払式支払手段トークンの発行、流通を目指す

    #07 今後のアクション スキーム実現のロードマップ 対象アセット STEP1 STEP2 STEP3 STEP4 スキーム トークンが表章する権利 販売地域 日本酒 / ウイスキー 商品化前スキーム(一部*) *トークンA、プライマリ販売のみ 前払式支払手段 国内ユーザー 日本酒 / ウイスキー 商品化前スキーム(一部*) *トークンA、セカンダリ含む 前払式支払手段 国内ユーザー 日本酒 / ウイスキーの他、 絵画、時計等の高級なRWA 商品化後スキーム 所有権・倉庫寄託者の地位 国内ユーザー 商品化前スキーム 前払式支払手段、 所有権・倉庫寄託者の地位 国内・海外ユーザー 日本酒 / ウイスキーの他、 絵画、時計等の高級なRWA A 消費者 販売プラットフォーム or 対面販売 製造 / 販売業者 Progmat UT トークン発行事業者 想定スキーム図 トレーサビリティ基盤 提供事業者 01 01 01 Progmat UTの利用規約に同意する (利用契約締結) 02 02 トークンAの発行を指示する 03 03 トークンAを発行する 04 04 トークンA購入の代金を支払う 05 05 トークンAを購入者に転送する(Progmat UTに移転情報を記録する) 06 ボトルにトレーサビリティタグを取り付ける 08 07 現地でトークン所有の画面(Progmat UT画面)を提示する 09 06 08 対象トークンを利用済ステータス(トークン移転不可)に更新する 07 想定オペレーション ボトル詰め前 詰め後 09 タグ付きのボトルを消費者に引き渡す
  20. © Progmat, Inc. #27 ⚫ 本資料は、ディスカッション用に作成されたものであり、個別の商品、サービスを勧誘することを目的としたものではあり ません。本ディスカッション或いは資料だけで契約が成立するものではありません。従って、当社はいかなる種類の法 的義務、或いは責任を負うものではありません。 ⚫ 本資料は信頼できると思われる各種データ等に基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証

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