Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 / techmeetup4_nishimura
Search
Recruit
PRO
February 18, 2022
Technology
4
8.8k
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 / techmeetup4_nishimura
2022/02/17_RECRUIT TECH MEETUP #4での、西村の講演資料になります
Recruit
PRO
February 18, 2022
Tweet
Share
More Decks by Recruit
See All by Recruit
問題解決に役立つ数理工学
recruitengineers
PRO
9
2.4k
Curiosity & Persistence
recruitengineers
PRO
2
140
結果的にこうなった。から見える メカニズムのようなもの。
recruitengineers
PRO
1
300
成長実感と伸び悩みからふりかえる キャリアグラフ
recruitengineers
PRO
1
120
リクルートの オンプレ環境の未来を語る
recruitengineers
PRO
3
130
LLMのプロダクト装着と独自モデル開発
recruitengineers
PRO
1
180
新規検索基盤でマッチング精度向上に挑む! ~『ホットペッパーグルメ』の開発事例 ビジネス編
recruitengineers
PRO
2
110
新規検索基盤でマッチング精度向上に挑む! ~『ホットペッパーグルメ』の開発事例 技術編
recruitengineers
PRO
0
110
大規模プロダクトにおける フロントエンドモダナイズの取り組み紹介
recruitengineers
PRO
5
110
Other Decks in Technology
See All in Technology
はじめてのSDET / My first challenge as a SDET
bun913
1
190
OPENLOGI Company Profile
hr01
0
62k
30 代子育て SRE が考える SRE ナレッジマネジメントの現在と将来
kworkdev
PRO
0
200
Ops-JAWS_Organizations小ネタ3選.pdf
chunkof
2
110
AIエージェントの地上戦 〜開発計画と運用実践 / 2025/04/08 Findy W&Bミートアップ #19
smiyawaki0820
25
8.4k
ソフトウェア開発現代史: "LeanとDevOpsの科学"の「科学」とは何か? - DORA Report 10年の変遷を追って - #DevOpsDaysTokyo
takabow
0
190
”知のインストール”戦略:テキスト資産をAIの文脈理解に活かす
kworkdev
PRO
9
4.1k
Automatically generating types by running tests
sinsoku
1
310
10分でわかるfreeeのQA
freee
1
12k
クォータ監視、AWS Organizations環境でも楽勝です✌️
iwamot
PRO
1
230
AI Agentを「期待通り」に動かすために:設計アプローチの模索と現在地
kworkdev
PRO
2
360
データベースで見る『家族アルバム みてね』の変遷 / The Evolution of Family Album Through the Lens of Databases
kohbis
4
1.1k
Featured
See All Featured
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
55
9.3k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
13
660
Done Done
chrislema
183
16k
Music & Morning Musume
bryan
47
6.5k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
3.8k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
67
11k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1369
200k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
53k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
22
3.4k
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
245
12k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
76
9.3k
Transcript
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 株式会社リクルート 西村 直樹
[email protected]
1
2 ⾃⼰紹介 ⻄村 直樹 株式会社リクルート プロダクト統括本部 データ推進室 横断データソリューショングループ 2015年⼊社 じゃらん,ホットペッパー
などのウェブサービスにて データ施策の企画、推進を担当 ⽒名 所属 略歴
• 2021年9⽉に 「Pythonではじめる数理最適化」 という本を共著で書きました • 4章の「割引クーポンキャンペーン の効果最⼤化」のテーマを担当 3 ⾃⼰紹介
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 4
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 5
6 リクルートのデータ組織︓データ推進室 • 各種販促やHR、SaaSといったビジネス 領域毎に構成される「縦の組織」とデータ エンジニアリング/データマネジメントと いった専⾨機能毎にまとまった「横の組織」 を併せ持つマトリクス構造 • 「縦の組織」では、領域ごとの戦略に基づき
様々なデータ施策を推進 Recruit data blog リクルートデータ組織のブログはじめました 参考: データ推進室の組織構造
7 データ組織での数理最適化技術の活⽤ • 機械学習による予測のタスクは各事業領域 で多く活⽤されるように (私⾒) • すべての技術について、どの事業領域にも ⼗分にひとがいる、というわけではない •
数理最適化技術については、解くべき課題を 計算機で解ける形の問題としてモデリング する部分にハードルがあり、予測タスクと ⽐べると活⽤実績は少ない 数理最適化の技術普及や案件探索のために ⼤阪⼤学の梅⾕先⽣と実施している取り組み と活⽤施策について紹介 リクルートの事業領域の例
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 8
• 個別案件としては2018年度 から共同研究を実施してきた • 2020年度から⽉次の頻度で、 各回複数領域の案件を相談や 議論させていただいている 9 取り組み① 数理最適化案件相談
• 担当者だけでなく専⾨家や参加者も複眼的に解決策を検討 • 客観的な観点が⼊るため、既存⼿法調査や検証がより丁寧に 10 利点① 案件の成功確度の向上 事業領域外 分析者 案件ディレクター
専⾨家 (⼤学教員) 複眼的な検討 案件担当 分析者 複眼的な検討により 案件の成功確度が向上
11 利点② 社内分析者の知⾒獲得 • ひとりが1期で担当できる案件数には限りがある • ⾃⾝の案件に加えて他の案件の検討にも参加することで 実課題の解決策の引き出しが増える 専⾨家 (⼤学教員)
知⾒獲得 事業領域外 分析者 案件担当 分析者 多様な実ケーススタディに ついての議論により知⾒獲得
12 利点③ 社内分析者の活躍機会の創出 • 検討のみ参加していた案件へ、途中から参画を希望して もらい、活躍機会が創出されたことも 専⾨家 (⼤学教員) 案件参画 事業領域外
分析者 案件担当 分析者 技術適性のある案件への 参画機会の創出
• 社内での数理最適化技術の 普及と案件探索を⽬的として 昨年より隔週の頻度で開催 • 事例紹介など案件企画者も 対象とする回と、実装者向けに アルゴリズムなどの詳細も扱う 回を区別してアナウンス 13
取り組み② 数理最適化セミナー
14 取り組み② 数理最適化セミナー n コンテンツ • 事例紹介・技術活⽤の⽅法論 • アルゴリズムなどの講義 •
社内事例のパネルディスカッション • ・・・ 本セミナーがきっかけで、専⾨外 のメンバーが数理最適化の活⽤を 着想し適⽤された案件もでてきた
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 15
16 事業制約を考慮したメール配信、レコメンド n 課題 • 素朴にスコアの⾼い順にメール配信、 レコメンドすると事業制約を満たせない n アプローチ •
制約条件のもとでアクション数が 最⼤となるような配信割当を決定 • 制約条件が満たされるようなスコア 補正係数を算出 ユーザー コンテンツ 広告B 広告A
17 費⽤制約を考慮したインセンティブ※配信 ※ポイントやクーポンなど n 課題 • 投資対効果が最⼤化されるような インセンティブ配信対象を決定したい n アプローチ
• インセンティブ付与、⾮付与の場合の アクション率を推定 • 費⽤制約や配信制約のもとでアクション数 が最⼤化される配信対象を決定 ユーザー カテゴリー ヘアサロン リラクゼーション ネイルサロン
18 フリーペーパーの配送計画 n 課題 • 各ラックでのフリーペーパーのはけ具合、 積載重量・配送可能件数などを考慮して ルートを決定したい n アプローチ
• 配送における制約や⾞両台数制約のもとで 配送時間を最⼩化 • ラックに配達可能な時間枠も考慮
19 テレビCMの配信枠への割当 n 課題 • CM対象で⼀定回数以上視聴するユーザー 数を最⼤化するように各サービスの枠に 対する配信割当を決めたい n アプローチ
• TV視聴ログからどの枠をどの属性の ユーザーが視聴するかを推定 • 推定値に基づき、枠に対して配信するCM を決定 A局 B局 C局 D局 E局 18 20 19 21 時刻 配信候補 CM1 CM2 CM3
20 キッチンモニターでの調理順サジェスト n 課題 • 全体の調理遅れ時間の総和が最⼩となる ような調理開始順をサジェストしたい n アプローチ •
過去の注⽂、提供時間の分布から調理 終了期限を設定 • その時点での注⽂と終了期限から遅れ 時間を最⼩とする調理対象を推薦 時刻 調理終了期限 注⽂-調理終了時間 調理中 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅延時間
• 数理最適化の課題解決、案件創出のための産学連携での 取り組みと、社内事例について紹介した • リクルートでの数理最適化の事例などについて、@ITにて 2⽉以降より連載予定 • 取り組みの詳細に興味を持っていただける⽅はカジュアル ⾯談にて、ぜひお話させてください 21
おわりに