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結果的にこうなった。から見える メカニズムのようなもの。

結果的にこうなった。から見える メカニズムのようなもの。

2025/2/19に開催したRecruit Tech Conference 2025の黒田の資料です

Recruit

March 06, 2025
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Transcript

  1. 黒田 樹 ゲーム、バイク、車、システム開発 経歴 / Career SIerにて官公庁系の大規模開発のシステムアーキテクト として幾つかの開発を経てリクルートホールディングス に入社。様々なチームに対してスクラムやリーンスター トアップの導入支援、マイナー出資先の海外スタート アップのグロース支援を経て、リクルートテクノロジー

    ズにて既存メディアや新規事業領域の開発マネジメント などに執行役員として従事。現在はリクルートにて開発 マネジメントやアプリケーション基盤開発やオフショア 開発を担当している。 趣味 / Hobbies プロダクトディベロップメント室 アプリケーションソリューションユニット Vice President
  2. 一般論 キャリアアンカー理論(山登り型) 自身のキャリアにおいて最も大切で譲れない価 値観や欲求を「アンカー(錨)」として認識 し、それを基に明確な目標を設定。山登りのよ うに、目指す頂上(キャリアゴール)を定め、 そこに向かって計画的に登っていく。キャリア アンカーは内面で不動であり、時間が経過して もほとんど変化しない。 計画的偶発性理論(川下り型)

    キャリアの8割が予期せぬ偶然の出来事に よって決定されるとされている。川の流れの ように予測不可能な環境の中で、柔軟に対応 しながら進んでいくイメージ。明確なゴール を定めず、現在に焦点を置いてキャリアを考 える。 エンジニアと して頂点を 目指す
  3. 川下り型的なノリが今の時代にあっている気がする 黒田のキャリア開始時点(2004年)に想像してたキャリア プログラマー システムエンジニア プロジェクトマネジャー Java SOA アーキテクト HTML5 iOS/Android

    新規事業オーナー アジャイル DevOps 機械学習 jQuery OSS LLM React クラウド 2025年に振り返った実際のキャリア 新規事業(PO)の道 マネジャーの道 事業会社へ道 エンジニアの道 この幅が不確実性 想定と全然違った。 ←決めきってしまうリスク 大規模プロジェクト
  4. 1万時間というマジックナンバーについて プログラマが知るべき97のこと 和田 卓人 (監修), Kevlin Henney (編集), 夏目 大

    (翻訳) https://www.amazon.co.jp/dp/4873114799 1万時間の訓練 - Jon Jagger 「エキスパート」と呼ばれるだけの能力を身につけるには、一体、どのくらいの 量の訓練が必要なのでしょうか。それについては次のようなことが言われていま す。 • Peter Norvigは、何かでエキスパートになるには約1万時間の訓練が必要と 述べている。いわばこの1万時間というのが「マジックナンバー」というこ とになる。 • Mary Poppendieckも、著書「リーンソフトウェア開発と組織改革」の中で 「どんな専門的職業であれ、入念に計画された、集中的な訓練を最低 10,000時間積み重ねることとで専門家になると言う」と書いている。 専門的な技術や知識は、ゆっくりと徐々に身につくものです。1万時間が経過した 途端、急に身につく、というわけではありません。それでも、ともかく1万時間や る、ということが大切なのです。
  5. 1万時間タームの開始状態と結果 エンジニア 1万時間 新規事業 1万時間 マネジメント 1万時間 エンジニア職ブーム 事業がわかるエンジニア みたいな文脈が話題にあ がりだす 世の中 自分

    ・もともと大学で情報工学(C,Java,Perlある程度書ける) ・当時の新入社員同期でJava書ける人なし ・当時の配属先にJavaのエキスパートが不在 結果的に・・・  難易度の高い技術的な仕事が沢山舞い込んできた。受動的に。  その後の1万時間の密度が濃くなった(気がする)  1/100になったかはわからないが・・・。
  6. 1万時間タームの開始状態と結果 エンジニア 1万時間 新規事業 1万時間 マネジメント 1万時間 エンジニア職ブーム 事業がわかるエンジニア みたいな文脈が話題にあ がりだす 世の中 自分

    ・リクルートに転職。社内に社員エンジニアがほぼいない時代 ・ビジネス的なことを考える社員エンジニアなんて更にいない 結果的に・・・・  投資先の海外スタートアップの事業グロース支援によばれる等、  ビジネスxエンジニアみたいな面白そうな仕事が数多く舞い込んできた。受動的に。  そこでで得たアジャイルやリーンスタートアップ等の知見を登壇していったら、  デブサミベストスピーカー賞とれた(1/100にはなれた?)。コミュニティの知り合いも増えた。  色んなエンジニアイベントにスピーカーとしてよばれるようになった。  結果、1万時間の密度が高まった(気がする)。
  7. 1万時間タームの開始状態と結果 エンジニア 1万時間 新規事業 1万時間 マネジメント 1万時間 エンジニア職ブーム 事業がわかるエンジニア みたいな文脈が話題にあ がりだす 世の中 自分

    ・マネジャーやってみる?じゃー、やってみます。 ・社内においてそもそもエンジニア出身マネジャーが希少種 ・マネジメントをやりたくないというエンジニアが周囲に多い時代背景 ・自分は、事業 x エンジニア をやってきている ・エンジニア出身じゃないマネジャーよりも解像度が相対的に高い 結果的に・・・  様々なマネジメント経験(進行中)  1/100になれるとよいなあ(希望)
  8. まとめると ※当時はこんなこと考えていない hoge 1万時間 foo 1万時間 bar 1万時間 • 1万時間を投資する対象がニーズの先取りをしていた。 ◦ これは流石に計画できない。偶然。 ◦ とはいえ、いろいろなことに興味を持っていた。とりあえずやってみよう精神。

    ◦ 興味を持ったことをやりたいときにやれるパワーバランスを作っておく/認知しておく/利用するのは大事 ▪ 転職時にリクルートに社員エンジニアがいなかった(事業会社に行きやすいパワーバランス) ▪ エンジニア出身マネジャーが希少種だった(マネジャー任用されやすいパワーバランス) • 周囲に対するちょっとした優位性を持つことで仕事が流れてくるメカニズムを作る ◦ 1万時間で得たことを次の1万時間の優位初期値に利用する ▪ エンジニアだけど新規事業オーナーをするとか(1ミリリードで開始できる) ▪ エンジニア出身のマネジャーとか(1ミリリードで開始できる) ◦ 何事も初動を全力で行い、1ミリのリードを最短最速で作る。あとは受け身でも仕事が勝手にやって来る (可能性が高くなる)。そして全自動で有識者化していき、希少性が発生するかもしれない。
  9. まとめると ※当時はこんなこと考えていない hoge 1万時間 foo 1万時間 bar 1万時間 • 1万時間を投資する対象がニーズの先取りをしていた。 ◦ これは流石に計画できない。偶然。 ◦ とはいえ、いろいろなことに興味を持っていた。とりあえずやってみよう精神。

    ◦ 興味を持ったことをやりたいときにやれるパワーバランスを作っておく/認知しておく/利用するのは大事 ▪ 転職時にリクルートに社員エンジニアがいなかった(事業会社に行きやすいパワーバランス) ▪ エンジニア出身マネジャーが希少種だった(マネジャー任用されやすいパワーバランス) • 周囲に対するちょっとした優位性を持つことで仕事が流れてくるメカニズムを作る ◦ 1万時間で得たことを次の1万時間の優位初期値に利用する ▪ エンジニアだけど新規事業オーナーをするとか(1ミリリードで開始できる) ▪ エンジニア出身のマネジャーとか(1ミリリードで開始できる) ◦ 何事も初動を全力で行い、1ミリのリードを最短最速で作る。あとは受け身でも仕事が勝手にやって来る (可能性が高くなる)。そして全自動で有識者化していき、希少性が発生するかもしれない。