Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
コストに関するヒヤリハットのお話 ~コスト超過で手遅れにならないためにすべきこと~
Search
Red Frasco
December 21, 2023
Technology
0
380
コストに関するヒヤリハットのお話 ~コスト超過で手遅れにならないためにすべきこと~
2023/12/07 に開催された 2023年ヒヤリハット大反省会@新宿(
https://findy.connpass.com/event/302579/)の登壇資料です
。
Red Frasco
December 21, 2023
Tweet
Share
More Decks by Red Frasco
See All by Red Frasco
Datadog Synthetics 活用事例紹介
red_frasco
0
310
バッチ処理が終わらない!? -処理時間を90%削減した話-
red_frasco
1
240
不動産情報サイトにおけるデータ収集で頑張ったこと
red_frasco
0
250
不動産情報サイトにおけるリアルタイムデータ分析基盤の活用
red_frasco
1
230
Spring Boot 2 から 3 へバージョンアップしてみた
red_frasco
4
16k
チーム一丸となって信頼性向上! 多種多様な監視でサイトを守る取り組みの紹介
red_frasco
1
1.4k
Red Frasco 会社紹介
red_frasco
3
16k
AWS環境におけるSpring BootアプリケーションのCI/CDをCircleCIで構築した話
red_frasco
2
650
Feature 環境の自動生成と Blue Green Deployment で効率的かつ安全なリリースプロセスを構築
red_frasco
1
390
Other Decks in Technology
See All in Technology
クラウド関連のインシデントケースを収集して見えてきたもの
lhazy
10
2k
2025/3/1 公共交通オープンデータデイ2025
morohoshi
0
110
OPENLOGI Company Profile
hr01
0
60k
マーケットプレイス版Oracle WebCenter Content For OCI
oracle4engineer
PRO
3
550
x86-64 Assembly Essentials
latte72
4
630
Pwned Labsのすゝめ
ken5scal
2
580
Amazon Aurora のバージョンアップ手法について
smt7174
2
190
入門 PEAK Threat Hunting @SECCON
odorusatoshi
0
190
[OpsJAWS Meetup33 AIOps] Amazon Bedrockガードレールで守る安全なAI運用
akiratameto
1
140
DeepSeekとは?何がいいの? - Databricksと学ぶDeepSeek! 〜これからのLLMに備えよ!〜
taka_aki
2
190
プロダクト開発者目線での Entra ID 活用
sansantech
PRO
0
170
開発者体験を定量的に把握する手法と活用事例
ham0215
0
150
Featured
See All Featured
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
28
5.5k
Docker and Python
trallard
44
3.3k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
28
1.9k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
280
13k
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
51
11k
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
29
1.1k
Code Review Best Practice
trishagee
67
18k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
521
39k
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
28
9.3k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
44
14k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
193
16k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
344
40k
Transcript
コストに関するヒヤリハットのお話 2023年ヒヤリハット⼤反省会@新宿 コスト超過で⼿遅れにならないためにすべきこと
⽬次 1. ⾃⼰紹介/弊社紹介 2. コストに関するヒヤリハット事例(おしながき) 1. Datadogの外形監視(Synthetics)を追加しただけなのに請求額 が︕︖ 2. GCP
Dataflowでインスタンスが80台に・・・︕︖ 3. iOSアプリで爆速開発︕でもCircleCIからの明細が・・・ 3. 事故(⼿遅れ)にならないために何ができるか 4. まとめ
⾃⼰紹介 猪熊 朔也 ( いのくま さくや ) / @sinocloudon -
株式会社 Red Frasco - インフラエンジニア u経歴 - ⾦融系 SIer, リクルート(SUUMO), ⾦融系スタートアップ, 現職 uその他コメント - うどんが好きです - ラーメン⼆郎が好きです - うどん脳 をプロフィールアイコンにすることが多いです 3
株式会社Red Frasco • https://www.red-frasco.com/ • 不動産業界に特化したプロダクト開発・集客⽀援を実施 4
5 導⼊編
みなさんコスト管理してますか︖ • インフラはもちろんですが、開発を営むためには多くのコスト を管理しなければなりません • インフラ利⽤料 • AWS, GCP, Azure
など • 開発ツール • GitHub Enterprise, CircleCI, TablePlus, InteliJ など • 監視・モニタリングツール • Datadog, PagerDuty, Sentry など 6
コスト管理は難しい • コスト管理のよくあるお悩み • そもそも予算計画を思いっきりはずしてしまう • 計画外の案件追加によるコスト増 / 案件中⽌・延期によるコスト減 •
予測できないドル円レート • コスト運⽤作業を⾃動化したいと思いつつ結局⼿作業 • 予実の差分理由を解明するまで時間がかかる • 請求書を⾒てビックリする 7
8 実際にあったコストに関する ヒヤリハット事例を共有します
9 本編
10 Datadogの外形監視(Synthetics)を追加しただけなのに請求額が︕︖
11 テスト実⾏数が通常時の4倍に跳ね上がっている ⇩ 通常の使⽤量
Datadog Synthetics がすべてのリージョンからテスト実⾏していた • 新規構築中のシステム向けの監視設定を夏休み前に追加 • 夏休み明け、Datadog Synthetics のテスト実⾏が爆発的に増えて いることに気づく
• デフォルト設定のままだと Datadog Synthetics は全世界23リー ジョンから1分間隔でテストを実⾏する • その結果、3週間で通常時の1.5倍のコストがかかってしまった • 契約量の⾒直しやログ量削減によるコストカットによりトータルでの 予算超過を回避 12
13
14 GCP Dataflowでインスタンスが80台に・・・︕︖
マネージドサービスが勝⼿に⼤量のリソースを使⽤しまう • Dataflow で重い処理を実⾏していた • 最⼤インスタンス数を指定していなかった • 処理量に応じてインスタンスが80台くらいに跳ね上がる • すぐ気づいたので慌てて処理を停⽌
15
16 iOSアプリで爆速開発︕でもCircleCIからの明細が・・・
マネージドサービスが勝⼿に⼤量のリソースを使⽤する • iOS アプリのリニューアルを実施 • 案件も佳境に⼊り、毎⽇ビルドしまくる • 1回のビルド時間は⼤体30分前後 • ⾯⽩いように
CircleCI のクレジットが⾶んでいく • 必要経費ではあるが、想定よりも多くのコストがかかってし まった 17
18 (再)コスト管理は難しい…
19 では事故を起こさないためには どうすればよいのでしょうか︖
アラートの活⽤と定例での定点観測でコスト超過リスクを最⼩化 • アラートの活⽤ • Datadog の場合、推定使⽤量メトリクス が取得できるため、使⽤量ア ラートを設定することが可能 • https://docs.datadoghq.com/ja/account_management/billing/usage_metrics/
• ツール次第だが、アラート設定できるものは積極的に活⽤ • しきい値監視と異常監視とセットで運⽤ • しきい値を超えてからでは⼿遅れになる可能性 • 急激なリソースの増減は異常監視によって早期に検知しやすい • ⼤量の ECS の vCPU/Mem を増強した • 機械学習⽤インスタンスを⼤量に起動した など 20
21
アラートの活⽤と定例での定点観測でコスト超過リスクを最⼩化 • 定例での定点観測 • アラート設定ができないものは定期的なモニタリングでカバー • CircleCI は 定期的に使⽤量ダッシュボードを⾒るしか⼿段がない •
定例の中でコスト最適化施策も議論する • AWS の場合、アカウント軸 -> サービス軸 の順にドリルダウンしてコスト⽐率の⼤きい ところから最適化施策を考える • 例えば、こんなことを取り組んできました • 不要なVPC Endpoint を削除 • CloudWatch Logs への PutLogEvents を必要最⼩限にする • S3に保存されたログのライフサイクル設定 • Fargate SPOT を開発環境に導⼊ • CircleCI の残余クレジットを使い切る 22
23 まとめ
無駄を省いて筋⾁質なインフラを⽬指しましょう︕ • コストに関するヒヤリハット事例を3つ紹介しました • アラート・定期的なモニタリングだけでなく、⽇頃からコスト 削減策を実⾏することで超過リスクに備える • インフラ利⽤料だけでなく、開発で使⽤するツールについても コスト最適化の余地がないか検討する 24
Thanks for listening!