Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Go Getでのchecksum不一致に遭遇した話とその対応
Search
natsumi
December 01, 2023
Technology
0
730
Go Getでのchecksum不一致に遭遇した話とその対応
Go Conference mini 2023 Winter IN KYOTOで発表したLTの資料
natsumi
December 01, 2023
Tweet
Share
More Decks by natsumi
See All by natsumi
Mapのパフォーマンス向上のために検討されているSwissTableを理解する
replu
2
1.6k
Other Decks in Technology
See All in Technology
いざ、BSC討伐の旅
nikinusu
2
780
フルカイテン株式会社 採用資料
fullkaiten
0
40k
Incident Response Practices: Waroom's Features and Future Challenges
rrreeeyyy
0
160
サイバーセキュリティと認知バイアス:対策の隙を埋める心理学的アプローチ
shumei_ito
0
380
Amazon Personalizeのレコメンドシステム構築、実際何するの?〜大体10分で具体的なイメージをつかむ〜
kniino
1
100
Making your applications cross-environment - OSCG 2024 NA
salaboy
0
190
テストコード品質を高めるためにMutation Testingライブラリ・Strykerを実戦導入してみた話
ysknsid25
7
2.6k
誰も全体を知らない ~ ロールの垣根を超えて引き上げる開発生産性 / Boosting Development Productivity Across Roles
kakehashi
1
220
AWS Media Services 最新サービスアップデート 2024
eijikominami
0
200
dev 補講: プロダクトセキュリティ / Product security overview
wa6sn
1
2.3k
VideoMamba: State Space Model for Efficient Video Understanding
chou500
0
190
Amplify Gen2 Deep Dive / バックエンドの型をいかにしてフロントエンドへ伝えるか #TSKaigi #TSKaigiKansai #AWSAmplifyJP
tacck
PRO
0
380
Featured
See All Featured
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
28
2k
Code Review Best Practice
trishagee
64
17k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
93
16k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
126
18k
Designing on Purpose - Digital PM Summit 2013
jponch
115
7k
Bash Introduction
62gerente
608
210k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
54
9.1k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
131
33k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
50
2.9k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
250
12k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
169
14k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
191
16k
Transcript
Go Getでのchecksum不一致 に遭遇した話とその対応 Go Conference mini 2023 Winter, DEC 02
2023 Natsumi Kojima ANDPAD Inc. @replu5
小島 夏海 • 株式会社アンドパッド ◦ 最近は社内向けの通知プラットフォームの開発・運用 : replu : replu5
自己紹介
go getでのchecksum不一致
go get コマンドでモジュールを取得する時にchecksumの 不一致のエラーに遭遇したことある人いますか? 遭遇したことがない人は下記コマンドで確認できます GOPROXY=direct go get github.com/replu/
[email protected]
遭遇したエラーについて checksum server の checksum と一致してないのは わかるがここからどうすればいいのかわからなかった
go get時にどういう動作をしているか モジュール配布元 checksum server go get xxx 1 :
モジュールダウンロード 2 : checksum ダウンロード 3 : 計算したchecksum とダウンロードした checksumと比較 4 : go.modとgo.sum更新
go get時にどういう動作をしているか モジュール配布元 checksum server go get xxx 1 :
モジュールダウンロード 2 : checksum ダウンロード 3 : 計算したchecksum とダウンロードした checksumと比較 4 : go.modとgo.sum更新
エラーの原因 エラーメッセージに考えられる理由が2つ書かれている • オリジンサーバが上書きされている (The bits may have been replaced
on the origin server) • ダウンロードが攻撃者に傍受された可能性がある (An attacker may have intercepted the download attempt) オリジンサーバが上書きされているかがわかればよさそう
checksumを確認する オリジンサーバで上書きがあったならダウンロードして checksumを計算し、checksum serverのchecksumと比較した 時に異なるはずなので、実際に比較してみる checksumは https://pkg.go.dev/golang.org/x/mod/sumdb/dirhash を使用することで計算可能
fileのハッシュを求める open := func(fn string) (io.ReadCloser, error) { return os.Open(fn)
} filePath := "go.mod" s, err := dirhash.Hash1([]string{filePath}, open) if err != nil { fmt.Println(err.Error()) } fmt.Println(s) https://go.dev/play/p/7aEARvckJjD
directoryのハッシュを求める dir := "
[email protected]
" prefix := "github.com/replu/
[email protected]
" s, err :=
dirhash.HashDir(dir, prefix, dirhash.DefaultHash) if err != nil { fmt.Println(err.Error()) } fmt.Println(s) https://go.dev/play/p/UofHVjffeuy
ツールを使ってchecksumを求める ツールを利用してもchecksumを確認できる https://github.com/vikyd/go-checksum ディレクトリのchecksumを求める例
checksum serverのchecksumを取得する checksum serverに保存されているchecksumは $base/lookup/$module@version で取得でき、デフォルトのchecksum serverの場合 $base = sum.golang.org
checksumが一致しないことが確認できたら • checksum serverのchecksumは更新できない ◦ そのバージョンは利用しないようにする ▪ GONOSUMDB を指定することで checksum
の確認をしない ようにできるが、攻撃を受けた時に気付けないのでおすすめは しない ◦ 開発者に連絡して、新バージョンをリリースしてもらう ▪ そのライブラリを利用している他ライブラリが新バージョンを 使っていないなら、そちらも更新してもらう必要がある 自分の場合は新バージョンがでていたが、他ライブラリが 新バージョンを使ってなかったので、そちらにissueを作成して連絡 した
どうして発生するのか
go get時の動作(再喝) モジュール配布元 checksum server go get xxx 1 :
モジュールダウンロード 2 : checksum ダウンロード 3 : 計算したchecksum とダウンロードした checksumと比較 4 : go.modとgo.sum更新
go get時の動作(再喝) モジュール配布元 checksum server go get xxx 1 :
モジュールダウンロード 2 : checksum ダウンロード 3 : 計算したchecksum とダウンロードした checksumと比較 4 : go.modとgo.sum更新 この2つの仕様の違いが原因
ダウンロード元とchecksum serverの指定 • GOPROXY ◦ モジュールのダウンロード元を指定する ◦ デフォルトだと proxy.golang.org,direct ▪
directを指定した場合は直接アクセスになる ▪ カンマ区切りまたはパイプ区切りで指定し、前のものから 使用される • GOSUBDB ◦ checksum serverを指定する ▪ デフォルトではsum.golang.org ◦ offを指定した場合は検証を無効化できる
proxy.golang.orgとsum.golang.org • proxy.golang.org ◦ 明示的にキャッシュを削除することはできない ▪ 無限に保存されるわけではなく適切なライセンスを 検出できない場合などは一定時間でキャッシュが削除される • sum.golang.org
◦ 一度記録されたら更新・削除されることはない sum.golang.orgに記録された後にオリジンサーバが上書き された場合、proxy.golang.orgのキャッシュが更新される or directでアクセスしているとchecksumが不一致になる
まとめ • checksum不一致のエラーに遭遇したらchecksumを確認 して、オリジンサーバに上書きがあったのか確認する ◦ 上書きがあった場合は新バージョンをリリースして もらう必要ある • sum.golang.orgに記録された後で上書きすると問題が 発生するので、一度公開した後は上書きしないように
すべき • checksumは https://pkg.go.dev/golang.org/x/mod/sumdb/dirhash を用いることで計算できる
参考文献 • Go Module Mirror, Index, and Checksum Database :
https://sum.golang.org/ • Go Modules Reference : https://go.dev/ref/mod
おまけ
アクセス制限しているモジュールの場合 • GOPRIVATE環境変数を設定する ◦ GOPRIVATEに設定されているモジュールの場合 ▪ モジュールプロキシは利用されず、直接アクセス (GOPROXY=direct相当) ▪ checksumの確認は実施されない
環境変数に設定する値まとめ • GOPRIVATE ◦ プライベートモジュールのパスの接頭辞を指定 • GOPROXY ◦ 公式のプロキシサーバを使いたくない理由がない限り デフォルトで問題なし
• GOSUMDB ◦ 公式のchecksum serverを使いたくない理由がない限り デフォルト値で問題なし
ご清聴ありがとうございました