Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Swift Macroでメソッドの実行時間を計測できるようにしてみた

Swift Macroでメソッドの実行時間を計測できるようにしてみた

2024/10/25 mobile.stmn #8の登壇資料です

Ryu-nakayama

October 25, 2024
Tweet

More Decks by Ryu-nakayama

Other Decks in Programming

Transcript

  1. 自己紹介 中山 龍 (なかやま りゅう) • 株式会社kubell ◦ 新卒2年目のiOSエンジニア(22) ◦

    「Chatwork」アプリの開発を担当 • 愛知県在住 ◦ 日曜に引っ越しをし、熱田区民 → 中区民に @ryu_develop
  2. Swift Macroとは? - Swiftプログラム内でコンパイル時にコードを自動生成したり、変換したりする ための機能 - Swift5.9以降で導入 - @〜〜〜 や

    #〜〜〜といった感じで使用する 参考: Swiftマクロの書き方 - WWDC2023 代表的なものだと - Observation (@Observable) - SwiftUIのプレビュー (#Preview) 強力で便利な機能だが、可読性などの観点から乱用しないように注意が必要!
  3. ルール: メソッドの実行時間の計測 メソッドの 処理開始時の時刻 と 処理終了時の時刻 の差を実行時間とする 12 終了時刻 開始時刻

    実行時間 10時 20分 40秒 10時 20分 30秒 10秒 ざっくりとしたイメージ メソッドの開始時刻と終了時刻を取得し、その差を 出力すればよさそう!
  4. 実装 -expansionメソッドの中身- 1. Macroが付与されている対象がメソッド構文であることを確認し、そのメソッドの中身の構文を取得する (できなければ何もイジらずに return) 2. メソッドの中身の構文を 1行ずつ取り出し、その行が return構文だった場合には、その前に

    `measureTimeLogger.stop()` をくっつける return構文が存在していなかった場合には、メソッドの中身の構文の末尾に `measureTimeLogger.stop()`をくっつ ける 3. メソッドの中身の先頭に `let measureTimeLogger = MeasureTimeLogger()`をくっつける
  5. 実装 -expansionメソッドの中身- 1. Macroが付与されている対象がメソッド構文であることを確認し、そのメソッドの中身の構文を取得する (できなければ何もイジらずに return) 2. メソッドの中身の構文を 1行ずつ取り出し、その行が return構文だった場合には、その前に

    `measureTimeLogger.stop()` をくっつける return構文が存在していなかった場合には、メソッドの中身の構文の末尾に `measureTimeLogger.stop()`をくっつ ける 3. メソッドの中身の先頭に `let measureTimeLogger = MeasureTimeLogger()`をくっつける 1. Macroが付与されている対象がメソッド構文であることを確認し、そのメソッドの中身の構文を取得する (できなければ何もイジらずに return) - expansionメソッドの引数 declaration が FunctionDeclSyntax型に変換できるかで判定する - FunctionDeclSyntax.body?.statements がメソッドの中身の構文となる
  6. 実装 -expansionメソッドの中身- 1. Macroが付与されている対象がメソッド構文であることを確認し、そのメソッドの中身の構文を取得する (できなければ何もイジらずに return) 2. メソッドの中身の構文を 1行ずつ取り出し、その行が return構文だった場合には、その前に

    `measureTimeLogger.stop()` をくっつける return構文が存在していなかった場合には、メソッドの中身の構文の末尾に `measureTimeLogger.stop()`をくっつ ける 3. メソッドの中身の先頭に `let measureTimeLogger = MeasureTimeLogger()`をくっつける - 1.で取得した『メソッドの中身の構文』を 1行ずつ取り出し、その型が ReturnStmtSyntaxかどうか でreturn構文を判定することができる - 元の構文 + 処理終了時の構文となったものが出来上がる 2. メソッドの中身の構文を 1行ずつ取り出し、その行が return構文だった場合には、その前に `measureTimeLogger.stop()` を付け加える return構文が存在していなかった場合には、メソッドの中身の構文の末尾に `measureTimeLogger.stop()`を付け加 える
  7. 実装 -expansionメソッドの中身- 1. Macroが付与されている対象がメソッド構文であることを確認し、そのメソッドの中身の構文を取得する (できなければ何もイジらずに return) 2. メソッドの中身の構文を 1行ずつ取り出し、その行が return構文だった場合には、その前に

    `measureTimeLogger.stop()` をくっつける return構文が存在していなかった場合には、メソッドの中身の構文の末尾に `measureTimeLogger.stop()`をくっつ ける 3. メソッドの中身の先頭に `let measureTimeLogger = MeasureTimeLogger()`をくっつける 3. メソッドの中身の先頭に `let measureTimeLogger = MeasureTimeLogger()`を付け加える - 2.で作成した『元のメソッドの構文 + メソッド終了時の構文』の先頭にメソッド開始時の構文を付け 加えてreturnする
  8. まとめ・感想 36 まとめ • メソッド単体で計測可能することができる @MeasureTime を実装した ◦ BodyMacro •

    型のメソッドに @MeasureTimeを付与できる @TimeMeasureableを実装した ◦ MemberAttributeMacro 感想 • 「Swift Macro / Swift Syntaxって専門知識がないと難しそう」と食わず嫌いしていたが、実際に 触ってみると動くものを作れるぐらいにはできた • Swift AST Explorer が便利すぎた ◦ Syntaxの深い知識を持ち合わせていなくても構造や型を調べられた • 本当は「Swiftのコードから実行された処理のシーケンス図を出力したい」というモチベーションで 始めたので、今後実現できたらと ...