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関連を根本とするデータモデル

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January 16, 2026

 関連を根本とするデータモデル

科目「データベース」の授業スライドです(題名のみ変更しています)。

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January 16, 2026

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  1. ナーガールジュナ(Nāgārjuna, 龍樹) (2c-3c?) • 南インドのバラモン出 身で、サータヴァーハ ナ朝と関係があった • 仏陀の精神に帰ると いう立場で『般若経』

    などで示される空の 思想を主著『中論』な どで精緻化し、大乗 仏教を確立 • アビダルマ(上座部) 仏教や、ニヤーヤ学派 の哲学者などの実在 論を背理法で批判 5 (出典) Himalayan Art Resources「Indian Teacher - Nagarjuna」 ※18世紀制作 https://www.himalayanart.org/items/974
  2. 「空(くう)」の思想: 「空」の起源とNull(空値) • サンスクリット(梵語)で「śūnyatā」(シューニャター) (→ zero(0)やnullの起源) • 仏教の文脈では、『般若経』などの初期仏典で、 「一切法空」(すべての存在(一切法)は空である)な どとして現れる

    • SQLや多くのプログラミング言語には、True(真) /False(偽)の2つの値をとるBoolean型がある • DBMSでは、実際にはTrue/False以外にNull(空 値)という値を許容するときがある • 実装上は、NullはTrue/Falseと並ぶ第3の値として 実 装 さ れ る (3 値 論 理 の 一 種 ) が 、 本 来 Null は True/Falseとは異なる次元の概念であるはず 6
  3. 「空(くう)」の思想: 存在・非存在の否定 両端を離れた「中」の立場で実在論と虚無論を批判 7 ※2つの立場を昇華しより高い段階で統合することをAufheben(止揚)といい、この方法を弁証法という。 (参考) 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』大法輪閣, p.11-14, ISBN:4804614478

    「有」の立場 (実在論) 「もの」は「ある(存在 する)」という見方 → アビダルマ(上座 部・説一切有部)・ ニヤーヤ学派 「中」の立場 (空観・中道) 「もの」は「ある」ので も「ない」のでもない という見方(不二) → 空観派・大乗仏教 「無」の立場 (虚無論) 「もの」は「ない(存在 しない)」という見方 批判 批判 二項対立的な 分別思考
  4. 「空(くう)」の思想: 存在・非存在の否定 8 (参考) 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』大法輪閣, p.11, 72, 99, 130,

    ISBN:4804614478 • 『カートヤーヤナの教え』において、「それはある」 ということと「それはない」ということの両者が、と もに存在と非存在を知る世尊(仏陀)によって否 定された(『中論』15.7) • 初期経典を引用し、空観派の立場を正当化 • 存在(もの)はすべて、実体が空である。そこで存 在の依存関係による生起を、無比なる如来は教 示された。(『空七十論』68) • 生起も持続も消滅も幻のごとく、夢のごとく、蜃気 楼のごとし、とたとえられる(『中論』7.34) • いずれも、幻のように有無を超えたもの
  5. 「縁起」と「空」: 「縁起」の性質 • 縁起(=「因縁生起」): 原因(因)と条件(縁)から結果(果)が生じる • ナーガールジュナによれば、 縁起とは、 • 空である:

    因と果が単独で存在(生起・消滅) することはない • 相互依存性がある: 因と果は相互の関係の上に成立する • 単に「縁起」というと一方向の関係が想起されるが、 双方向の関係があると指摘したことが重要 (「因」がなければ「果」がないというだけでなく、 「果」がなければ、「因」も「因」たりえない) 9 (参考) 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』大法輪閣, p.100-102, 209-210, ISBN:4804614478 原因 (因) 結果 (果) 条件(縁) 相互依存
  6. 「縁起」と「空」: 「縁起」と「空」の同一性 • 縁起がすなわち空性(空ということ)である、とわ れわれは説く。それは仮名(けみょう)であり、それ こそ中道にほかならない。(『中論』24.18) • あらゆるものの実体は、因であれ、縁であれ、(因 と縁の)集合であれ、いずれのものにも、どこにも あるのでないから、空である。(『空七十論』3)

    • 実体として存在はあるのではなく、この世には非 存在もあるのでない。原因と条件から生起した存 在、また非存在は空である。(『空七十論』67) • 究極の真理(勝義諦)はそれ(すべての存在は空 だということ)に尽きている。(『空七十論』69) 10 (参考) 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』大法輪閣, p.98-101, 126-144, ISBN:4804614478
  7. 真理と記号: 空のはたらき(空用) • 業と煩悩とが滅してなくなるから解脱がある。業と 煩悩とは分別思考から起こる。それら分別思考は 戯論(けろん・ことばの展開による戯れの議論)か ら起こる。しかし戯論は空において滅する。(『中 論』18.5) • つまり、

    ことばの使用 ⇒ 戯論 ⇒ 分別思考 ⇒ 業・煩悩 • 世俗の言葉は、言葉によってものを分けて考えて いくために使われるが、このような言葉は業と煩 悩を生み出す ⇒ 空という見方により、このような言葉の使い方 から離れ、真理(勝義諦)に到達することができる 11 (参考) 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』大法輪閣, p.245-251, ISBN:4804614478
  8. 真理と記号: 2つの真理(二諦) 二つの真理に依拠して、仏たちの説法がある。 世間世俗の真理と、絶対最高の真理である。 (『中論』24.8) 12 (参考) 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』大法輪閣, p.126-137,

    251-256, ISBN:4804614478 世間世俗の 真理𑖁 (世俗諦) 絶対最高の 真理 (勝義諦) • 世俗で 通用 す る言語で表現さ れた真理 • 絶対最高の真 理とは異なる • 最高の真実で ある真理 • そのまま他者に 示すことはでき ない 説法 悟り
  9. (参考) 符号化・復号 • 符号化(encode): 内容に表現を対応づけること • 内容𝛽に表現𝛼を対応付けることを𝛼 = 𝑒(𝛽)と表す •

    復号(decode): 表現に内容を対応づけること • 表現𝛼に内容𝛽を対応付けることを𝛽 = 𝑑(𝛼)と表す 13 (参考) S.Hall(1973)「Encoding and Decoding in the Television Discourse」 http://epapers.bham.ac.uk/2962/ S.Hall(1980)「Encoding/Decoding」 表現 内容 「ネコ」 符号化(encode) 「ネコ」 = 𝑒( ) 復号(decode) = 𝑑(「ネコ」)
  10. 真理と記号: 仏陀が伝える真理 仏陀は、絶対最高の真理(真実)を衆生に伝えるため、 言語による説法で世間世俗の真理を示した • 言語表現(言説)によらなければ、最高の真理は示さ れない。最高の真理に達せずには、涅槃の悟りは得ら れない。 (『中論』24.10) •

    「(ものが)存続する、生起する、消滅する、存在する、 存在しない、劣っている、同等である、すぐれている(な どという)ことを、仏陀は世間の常識(言説)として説か れるのであるが、真実として(説かれたの)ではな い。」(『空七十論』1) • 究極の真理はそれ(すべては空であるということ)に尽 きている。(しかし)尊き師仏陀は、世間の常識によっ て、さまざまなのものをすべて正しく仮説(けせつ、仮 の説明)された。 (『空七十論』69) 14 (参考) 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』大法輪閣, p.126-137, 251-256, ISBN:4804614478
  11. (参考) 言語の限界とWittgenstein • Wittgensteinの前期思想 • 主著: 『論理哲学論考』(『論考』) • 「言語の限界」=「世界の限界」=「論理の限界」 (『論考』5.6,

    5.61) • 「言い表しえないことは存在する」(『論考』6.522) • 「語りえないことについては、沈黙しなければならな い」(『論考』7) • 静的なモデルで言語の限界を示した上で、限界を超 えた事柄を語ることを拒絶 (説法した仏陀との違い) • Wittgensteinの後期思想 • 主著: 『哲学探究』 • 「言葉と、それと織り合わされている活動の総体」(考 察7)を言語ゲームと呼んだ上で、文脈や状況により 言葉の意味が動的に決定されるとした 15 (参考) Wittgenstein(2003)『論理哲学論考』岩波書店, ISBN:4003368916, 野矢訳 Wittgenstein(2020)『哲学探究』講談社, ISBN:4062199440, 鬼界訳
  12. (参考) L. Wittgenstein (ウィトゲンシュタイン) • 1889-1951 • 大学では航空工学・ 機械工学を専攻 •

    数学基礎論を経て 言語哲学に進む • 前期の代表作 『論理哲学論考』 (『論考』) • 後期の代表作 『哲学探究』 (『探究』) 16 (出典) ÖNB Digital「Wittgenstein, Ludwig」https://onb.digital/result/BAG_13887013 古田(2020)『はじめてのウィトゲンシュタイン』 NHK出版, ISBN: 4140912669.
  13. 関係と「空」: 他に依って存在する言語モデル • 分布仮説(distributional hypothesis) • あるものの分布はその周りの環境の総和となるという 考え方(モデル) (Harris, 1954)

    • ある語の意味はその語単体で決まるのではなく、その 語の周りにある語(その語と関連する語)に依り決まる (You shall know a word by the company it keeps) (Firth, 1957) • 例: 「king」の意味は、kingの特徴である「male」や、 対義語である「queen」などの関連語に依り決まる • このような語の表現を、語の分散表現という 18 (参考) Harris(1954)「Distributional Structure」doi:10.1080/00437956.1954.11659520 Firth(1957)「A Synopsis of Linguistic Theory 1930-1955」 king queen male female
  14. 関係と「空」: 他に依って存在する言語モデル https://github.com/tmikolov/word2vec • Word2Vec (Mikolovら, 2013) • 分布仮説に基づく言語のモデル •

    単語の「意味」に当たるものを数値の組で表現 • 単語を数値の組で表すモデルはWord2Vec以前に もあったが、Word2Vecは語を単なる数値の組として 捉えただけでなく、この組を実装したときに、組が和や 差の演算が成り立つベクトルとみなせることを示した • 例: 𝒗king − 𝒗male + 𝒗female = 𝒗queen • Googleが実装して公開し、各種ライブラリで利用可 https://github.com/tmikolov/word2vec 19 (参考) Mikolovら(2013)「Efficient Estimation of Word Representations in Vector Space」 https://arxiv.org/abs/1301.3781 𝒗king 𝒗queen 𝒗male 𝒗female
  15. 圏論(category theory) • 数学的な構造と関係性を扱う理論の枠組み • 現代数学で最も重要かつ応用分野の広い理論 圏論の主要概念の、ざっくりしたイメージ: • 対象(object): 集合の要素

    • 射(morphism): 対象から対象への写像 • 圏(category): 対象と射の集まり(代数系) • 関手(functor): 圏から圏への写像 • 自然変換(natural transform): 関手から関手への写像 23 (参考) Eilenberg & MacLane(1945)「General Theory of Natural Equivalences」Trans. of the American Mathematical Society, Vol.58, No.2, p.231-294, doi:10.2307/1990284
  16. 圏: 対象と射を含む代数系 圏(category): 次のものの組𝐶 • 𝑂𝐶 : 対象(object, )の集まり •

    𝑀𝐶 : 射(morphism, )の集まり • 次の条件を満たす: • 任意の射𝑓 ∈ 𝑀𝐶 について、 始域𝑋 ∈ 𝑂𝐶 と終域𝑌 ∈ 𝑂𝐶 と呼ばれる 対象がある(このことを𝑓: 𝑋 → 𝑌と表す) • 任意の射𝑓, 𝑔 ∈ 𝑀𝐶 について、 これらの合成と呼ばれる射𝑓 ∘ 𝑔がある • 任意の対象𝑋 ∈ 𝑂𝐶 について、 恒等射と呼ばれる射𝐼𝑋 : 𝑋 → 𝑋がある • 任意の射 𝑓: 𝐴 → 𝐵, 𝑔: 𝐵 → 𝐶, ℎ: 𝐶 → 𝐷 ∈ 𝑀𝐶 に対し、 ℎ ∘ 𝑔 ∘ 𝑓 = ℎ ∘ 𝑔 ∘ 𝑓 • 任意の射𝑓: 𝐴 → 𝐵 ∈ 𝑀𝐶 に対し、𝑓 ∘ 𝐼𝐴 = 𝑓 = 𝐼𝐵 ∘ 𝑓 24 ※集合ではなく「集まり」としたのには理由がある(Russellのパラドックス)が、集合だと考えてよい。 (参考) Spivak(2021)『みんなの圏論』共立出版, p.156, ISBN:432011454X 圏C
  17. 圏の例: 集合の圏Set 圏Setは次のものの組: • 𝑂Set: 集合の集まり • 𝑀Set: 写像の集まり •

    射の合成𝑓 ∘ 𝑔は、 通常の合成写像 • 恒等射𝐼𝑋 は恒等写像 ※ 𝑋, 𝑌, 𝑍 は集合なので要 素があり、写像が集合間で 要素の対応付けを行って いるが、個々の要素は見ず に、単に対象間の射(矢印) として見るのが、圏論的な 見方 25 (参考) Spivak(2021)『みんなの圏論』共立出版, p.157, ISBN:432011454X 集合の圏Set 集合 𝑋 集合 𝑍 集合 𝑌 写像: 𝑋 → 𝑌 写像: 𝑋 → 𝑍
  18. 射よりも高レベルな「矢印」: 関手 関手(functor): 圏𝐶と圏𝐷の間の写像𝐹: 𝐶 → 𝐷 • 圏は対象と射の集まりなので、関手を定義すると きは、次の2つを定義する必要がある

    • 圏𝑪の対象を圏𝑫のどの対象に移すか (任意の𝑋 ∈ 𝑂𝐶 について𝐹 𝑋 ∈ 𝑂𝐷 が定義される) • 圏𝑪の射を圏𝑫のどの射に移すか (任意の𝑓 ∈ 𝑀𝐶 について𝐹 𝑓 ∈ 𝑀𝐷 が定義される) • 次の条件を満たす: • 任意の𝑋 ∈ 𝑂𝐶 について、 𝐹 𝐼𝑋 = 𝐼𝐹 𝑋 • 任意の射𝑓: 𝐴 → 𝐵, 𝑔: 𝐵 → 𝐶 ∈ 𝑀𝐶 に対し、 𝐹(𝑔 ∘ 𝑓) = 𝐹(𝑔) ∘ 𝐹(𝑓) 26 (参考) Spivak(2021)『みんなの圏論』共立出版, p.167, ISBN:432011454X 圏C 圏D
  19. 関手よりも高レベルな「矢印」: 自然変換 自然変換(natural transform): 関手𝐹: 𝐶 → 𝐷と関手𝐺: 𝐶 →

    𝐷の間の写像α: 𝐹 → 𝐺 • 次の条件を満たす: • 任意の対象𝑋 ∈ 𝑂𝐶 に対して、射α𝑋 : 𝐹(𝑋) → 𝐺(𝑋)が 定義されている(𝑋におけるαのコンポーネントという) • 任意の射𝑓 ∈ 𝑀𝐶 で自然性の図式が成り立つ(省略) 27 (参考) Spivak(2021)『みんなの圏論』共立出版, p.204, ISBN:432011454X 圏C 圏D 関手F 圏C 圏D 関手G 自然変換α
  20. 圏論的データベース 関係モデルの概念を圏論の概念で整理したもの • Spivak & Wisnesky(2015) 「Relational Foundations For Functorial

    Data Migration」 https://arxiv.org/pdf/1212.5303 • Spivak(2012)「Functorial Data Migration」 https://arxiv.org/pdf/1009.1166 28 (参考) 檜山(2013)「衝撃的なデータベース理論・関手的データモデル 入門」 https://m-hiyama.hatenablog.com/entry/20130211/1360577040 関係モデルの概念 圏論の概念 スキーマ 圏 (空の)関係表 対象 属性 射 インスタンス 関手 データ操作 自然変換
  21. 圏論的データベース: スキーマの例 社員: 部署: 圏としてのスキーマ: • 対象と射の集まり • 表(対象)の間に属 性(射)がある

    • 型も値が並んだ表 と同じとみなせる 29 (参考) Fong & Spivak(2024)『活躍する圏論』共立出版, p.71-72, ISBN:4320114841 社員ID 氏名 所属 所属長 部署ID 部署名 秘書 社員 部署 文字列 数値 氏名 所属 秘書 社員ID 部署ID 所属長 部署名 文字列 数値 数値 数値 文字列 数値 数値
  22. 圏論的データベース: 型と外部キーの整理 • 型 • 特定の集合にある値 のみに制限する • 例: 属性「社員ID」を数

    値型とする • 外部参照: • DB外部にある集合 の値のみに制限する • 例: 外部キー (他DBの表の参照)、 DBMSが用意した型 • 外部キー • 別の表にある特定の 属性の値に制限する • 例: 属性「社員ID」を 表「社員」の「ID」の 値とする • 内部参照: • DB内部にある集合 の値のみに制限する • 例: 外部キー (DB内の表の参照) 30 (参考) Fong & Spivak(2024)『活躍する圏論』共立出版, p.71-72, ISBN:4320114841 属性値の範囲を制限する点は同じ ⇒ 整理!
  23. 圏論的データベース: インスタンスの例 社員: 部署: 31 (参考) Fong & Spivak(2024)『活躍する圏論』共立出版, p.71-72,

    ISBN:4320114841 社員ID 氏名 所属 所属長 1 アラン 101 2 2 ルース 101 2 3 クリス 102 3 部署ID 部署名 秘書 101 営業 1 102 IT 3
  24. インスタンス: • 対象を集合に、射を写像に移す • スキーマの圏から集合の圏Setへの写像 ⇒ インスタンスは関手 圏論的データベース: インスタンスの例 32

    ※社員ID・部署IDは社員・部署を識別するためだけのものなので、インスタンスの図では省略した。 (参考) Fong & Spivak(2024)『活躍する圏論』共立出版, p.71-72, ISBN:4320114841 スキーマの圏 社員 部署 文字列 数値 氏名 所属 秘書 社員ID 部署ID 所属長 部署名 集合の圏Set 社員 部署 文字列 氏名 所属 秘書 所属長 部署名 1 2 3 101 102 アラン ルース クリス 営業 IT 関手: スキーマの圏 → 集合の圏
  25. 圏論的データベース: インスタンスの例 例: 前掲のインスタンス𝐹の 具体的な定義 対象について: • 𝐹 社員 =

    1, 2, 3 • 𝐹 部署 = 101, 102 • 𝐹 文字列 = ሼ ሽ アラン, ルース, クリス, 営業, IT 射について: • 𝐹 所属 𝑥 = ቊ 101 𝑥 = 1,2 102 𝑥 = 3 • 𝐹 所属長 𝑥 = ቊ 2 𝑥 = 1,2 3 𝑥 = 3 • 𝐹 氏名 𝑥 = ൞ アラン 𝑥 = 1 ルース (𝑥 = 2) クリス 𝑥 = 3 34 ※𝐹 所属 𝑥 という表記が分かりにくいが、(𝐹 所属 )が(値ではなく)写像であることに注意。 (参考) Fong & Spivak(2024)『活躍する圏論』共立出版, p.71-72, ISBN:4320114841 関係表 → 集合 属性 → 写像
  26. (参考) 米田の補題: 実体と関連の同一視 • 圏論における最も重要な成果とされる • 「補題」とはある定理を示すために先に補助的に 示す命題のことだが、米田の補題はこれ自体がき わめて重要 ざっくりとしたイメージ:

    • ある対象を定義することと、 その対象に向かう射を定義することは同等 36 ※担当者の説明能力不足のため、米田の補題についての正確な説明を提供できませんが、 米田の補題についての解説記事はWebにも色々あるので、各自で調べていただけますとありがたいです。
  27. 参考文献 • 瓜生津(2023)『龍樹: 空の論理と菩薩の道』 大法輪閣, ISBN:4804614478 • 中村(2002)『龍樹』講談社, ISBN:4061595482 •

    岡崎(2016)「言語処理における分散表現学習 のフロンティア」 doi:10.11517/jjsai.31.2_189 • 古田(2020)『はじめてのウィトゲンシュタイン』 NHK 出版, ISBN: 4140912669 • 古田(2019)『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論 考』KADOKAWA, ISBN:4047036315 40
  28. 参考文献 • Spivak(2021)『みんなの圏論』共立出版, ISBN:432011454X • Fong & Spivak(2024)『活躍する圏論』 共立出版, ISBN:4320114841

    • 加藤(2025)『はじめての圏論』講談社, ISBN:4065413982 • alg-d(2025)「圏論とは何か」https://alg- d.com/math/kan_extension/intro.pdf • 森田(2013)「哲学者のための圏論入門」 https://choreographlife.jp/pdf/intro.pdf 41