Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Cursor/Devin全社導入の理想と現実

 Cursor/Devin全社導入の理想と現実

2025.04.24 Thu. SmartHR AI tech talk#2 ── コード生成×AI 現場のリアル
で登壇した際のスライドです

Ryoichi Saito

April 24, 2025
Tweet

More Decks by Ryoichi Saito

Other Decks in Programming

Transcript

  1. 齋藤 諒一 @saitoryc SmartHR VP of Engineering SmartHRには2021年7月に入社。当初は新規事業の立ち上げエン ジニアとして、アプリストアの開発などを行う。 その後基盤開発関連のマネージャーとして、プロダクト基盤の拡充

    や、IdP機能の開発などを牽引。2025年1月より現職。現在はプロ ダクトエンジニアとQAエンジニアをあわせて180名程度のメンバー を管掌している。 休日は家族でサッカー観戦へ行くか、ドライブへ行くことが多め。 自己紹介
  2. 1 セキュリティ Vibe Codingツールに限ら ず、AI関連ツール全般に言え ること • コードそのもの • チャット入力内容

    情報漏洩リスクをどこまで考 え、どこまでケアすべきか 2 コスト 人数が増えればそれだけイン パクトも大きなことに。 個人では迷わず導入できて も、組織に導入するのは会社 のお金。予算の確保などは考 えなければならない 3 ROI 投資をするからには、得られる リターンについての説明責任 を負うのは当然のこと。 どのような指標で費用対効果 を測るべきかから検討が必要 導入のハードル
  3. • 希望者にCursorを配付 ◦ プロダクトエンジニア以外も含む ◦ PM / デザイナー / QAE

    / UX Writerなど • 一部チームにてDevin導入 • GitHub copilotは以前より継続して利用中 現時点での導入状況
  4. Cursor導入検討時の比較対象 VSCode + Cline系 GitHub copilot経由の Claude 3.5 sonnet利用 で最初に試した。

    満足行く速度が出なかったこ とと、使いすぎるとBANされ る可能性を指摘され断念。 Claude API利用は従量課 金のボリュームが予測できず 避けることに Windsurf 検討時点ではCursorのほう が使われる事例が先行してい た。 ある程度世の中に「使用事例」 が流れていたほうが導入が進 みやすいだろう、と判断 Claude Code 検討のタイミングではまだ ローンチされていなかった。 今後選択肢に入ってくる可能 性も…?
  5. Devin導入時の比較対象 • ほぼ比較対象無し(当時は) • 今この瞬間に検討するなら? ◦ Cursor Agent ◦ Github

    copilot Agent mode ◦ ややDevinとはフィーリングが異なる • いつどのように導入していくか?が主な焦点
  6. どのようにDevinを運用しているのか 運用チャンネル発足 初期セットアップ時は「セット アップしまーす!」と宣言する Slackチャンネルが爆誕。 同時編集できないファイルを 操作するときのような、温か みのある運用がスタート。 運用時の困りごとを相談する チャンネルとしても機能し始

    めている 対象リポジトリ明確化 Knowledgeに「Slackで依 頼してきたチャンネル名を元 に、作業する対象のリポジトリ を決定してください」というプ ロンプトを入れてみた。 これである程度特定してくれ るようになっている。 安全に行くなら都度伝えるの がベスト 週次のAI活用定例 Devinだけに限った話ではな いが、どのようにAIツールを 活用しているか、事例共有を 行ったり、相談を持ち込むた めの場として定例MTGが誕 生。 今後活用の幅をもっと広げて いきたいと考えている
  7. Devinの思わぬ挙動紹介 なかなか寝てくれない sleepと言っても一向に寝てく れない問題が発生。 専用スレが立ち、子の寝かしつ けに長けた方々が集い、なとか 寝かしつけに成功 勝手にPR作成 何も指示していないのに急に活 動を始めてPRを作成する。

    指示するときはメンションつけ る設定をONにして回避。 PRにラベル付与 QA完了ラベルをつけたらマー ジOK、という運用をしている が、Devinが自分のPRに勝手 にラベルをつける事件が発生。 スクショの代わりにAA 動作確認した結果として、スク リーンショットを添付してほし い、と要望を出し続けた結果、ア スキーアートで表現してくるとい う、予想外のアクション 大量にPR作成 1つの指示に対して、なぜか大量 のPRを作り続ける。 一番最後のPRタイトルには「(最 終修正)」というsuffixがついて いた。昔のバージョン管理…? PRテンプレートは無視 テンプレートに沿ってやってね、 という指示を出さないといけな い。言われなきゃ分からないこ とを求めたこちらが悪かった
  8. 全体的な今後の課題 • Cursorが今後どうなるのか ◦ MSがどう動くのか注視が必要 • プランの最適化 ◦ DevinのEnterpriseプランへいつ踏み切るか ◦

    従量課金形態への踏み込み方 • GitHub Copilotを今後どうするか ◦ 徐々に使わなくなっていく可能性も?