Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

「その開発、認知負荷高すぎませんか?」Platform Engineeringで始める開発者体...

Avatar for SansanTech SansanTech PRO
September 17, 2025

「その開発、認知負荷高すぎませんか?」Platform Engineeringで始める開発者体験カイゼン術

■ イベント
Developers Summit KANSAI
https://event.shoeisha.jp/devsumi/20250917

■ 発表者
技術本部 Platform Engineering Unit
辻田 美咲

■ 技術本部 採用情報
https://media.sansan-engineering.com

Avatar for SansanTech

SansanTech PRO

September 17, 2025
Tweet

More Decks by SansanTech

Other Decks in Technology

Transcript

  1. この発表でお伝えしたいこと • これから Platform Engineering を 始めたい⽅ • Platform Engineering

    に 取り組んでいる⽅ • 現場のエンジニア • EM • PdM 対象となる⽅ • Platform Engineering の 具体的な始め⽅と進め⽅がわかる • ツール導⼊だけでなく 開発者と「共創」する重要性を 理解する 今⽇のゴール
  2. 認知負荷が引き起こすこと 認知 負荷 開発 速度 の 低下 品質 の 低下

    イノベー ション の 停滞 開発者は本来の価値創造(= 顧客への価値提供)に集中できない。 結果として、ビジネススピードが鈍化する。
  3. Helm × Terraform Moduleによる"抽象化" Before 10個ほどの manifest ファイル + 数百⾏のHCL

    After 1ファイル + 10⾏程度の Module 呼び出し 複雑さを隠蔽し、セルフサービスを実現 module "orbit_core" { source = "[email protected]:sansan/module-name.git//modules/orbit" project_id = var.project_id orbit_environment = "dev" k8s_namespace = "demo" log_bucket_retention_days = 365 } resource "google_storage_bucket" "default" { name = "bucket-name" location = var.region storage_class = "COLDLINE" uniform_bucket_level_access = true lifecycle_rule { condition { age = var.log_bucket_retention_days } action { type = "Delete" } } # … 延々と続く設定 …
  4. CLI による必要ファイルの⾃動⽣成 開発者は Orbit CLI を実⾏するだけで、アプリケーション開発に必要な k8s manifest と terraform

    ファイルが⾃動⽣成される。 👩💻 開発チーム $ orbit cli add namespace ファイルを⾃動⽣成 k8s Manifests Namespace, Gateway, NetworkPolicy … Terraform Files GCS Bucket, IAM, Alert … Orbit CLI
  5. ガードレールによる信頼性と安全性の確保 ガードレール例 - Conftest によるポリシーチェック - Kubescape による脆弱性スキャン 提供方法 -

    テンプレートに組み込む - CI に⾃動チェックを組み込む “守るべきこと”は⼈ではなく仕組みに任せる
  6. ダッシュボードの共有とコスト削減施策の⾃動適⽤ - Metrics Scope を使って、GKE ダッシュボードを開発チームに公開 - 検証環境では Spot インスタンスを活⽤

    & 夜間と⼟⽇の⾃動停⽌ - コスト按分 - GKE のコストを namespace 単位でプロジェクトに按分し、 共通リソース費⽤は namespace ⽐率で算出
  7. 我々のスタート地点とアプローチ • PE ほぼ経験なし • インフラ構築は属⼈化 • ツールもバラバラ Before •

    発⾒ → 施策 → 定着 • 最薄のプラットフォーム(TVP) Approach: ⼩さく始めて共創する Mindset: Platform Team は “内製プロダクトチーム” 。 開発チームはユーザーでありパートナー。
  8. 外部協⼒でブースト、迅速な基盤⽴ち上げ How? 開発チームと共に、Platform Engineering Jump Start というワークショップに参加 Google Cloud のスペシャリストによる初期⽴ち上げのサポートを受けた

    Benefit - ベストプラクティスを迅速にキャッチアップ - ⾞輪の再発明を避ける ⽬的は単なる「サポート」ではなく、チームへの「知識転移」
  9. チーム間の協働 やったこと - ペアプロで同期的な問題解決 - ユーザチーム毎の定例会を開催 - ⽉に 1 回、Office

    Hours の開催 による、問題の早期解決と信頼関係の構築 Platform Team は「提供者」ではなく、開発チームの「パートナー」
  10. ビジョンの⾔語化、⻑期的な⽅向性を定める 現在【プロダクト開発チーム】が【アプリケーション開発を通じて顧客に事業価値を迅速かつ継続的に提供すること】を望むとき、彼・彼⼥ らは【標準化されたプロセスを持たず、サーバやネットワークのプロビジョニング、CI/CDパイプラインの設計と実装、監視システムの導⼊ とアラート設定などを都度独⾃に構築】しなければならない。 この状況は【多岐にわたる専⾨知識が求められることで認知負荷を増⼤させ、品質・セキュリティ・安定性の担保が属⼈化することで、開発 者が本来集中すべき創造的な価値提供を妨げている】ため、受け⼊れられない。 我々は【最⾼の開発者体験が提供され、すべての開発者がインフラの複雑さから解放され、⾃信とスピードをもってアプリケーション開発そ のものに没頭できる】世界を夢⾒ている。 我々は【Platform Engineeringのアプローチに基づき、複雑な設定を⼀切不要にし、開発者が本来の業務に即座に集中できる、以下の価値を備

    えたセルフサービス型の『ゴールデンパス』を提供すること: - ⾼品質: Kubernetesのベストプラクティスを組み込んだテンプレート - セキュア: Sansan社のセキュリティポリシーに準拠したガードレール - 安定性: 標準装備された可観測性と、強⼒な⾃動復旧・ロールバック機能 】を通じて、そのような世界を実現するつもりである。
  11. 基盤作りだけが Platform Engineering ではない ⾊々な始め⽅がある - ドキュメントの整備 - アプリケーションや CI/CD

    パイプラインのテンプレート作成 - 共通ライブラリや CLI の開発 ⼤切なのは「開発者のペインは何か?」を常に問い続けること