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_Architecture_Modernization_から学ぶ現状理解から設計への道のり.pdf

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 _Architecture_Modernization_から学ぶ現状理解から設計への道のり.pdf

アーキテクチャモダナイゼーション - 技術と組織にどう向き合うか
https://findy.connpass.com/event/385693/
にて話させていただいた資料になります

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SatohJohn

March 20, 2026
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Transcript

  1. 自己紹介 佐藤 慧太@SatohJohn • 2023/1 株式会社スリーシェイク入社 • Google Cloud Partner

    Top Engineer ’24、’25、’26 選出 • お客様の労苦 <Toil>を減らす • 娘のお世話を精一杯やっています • 本書籍の一部翻訳を担当
  2. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 会社名 株式会社スリーシェイク(3-shake, Inc.)

    設立 2015 年 1 月 代表者 代表取締役社長 吉田 拓真 所在地 東京都中央区銀座8-21-1 住友不動産汐留浜離宮ビル7F 社員数 176名(2026年2月時点) 提供開始 2018/8 シリーズB 総額 8.48億 円 総額 5億円 調達・資本業務提携 総額 10億円 提供開始 提供開始 提供開始 2018/10 2020/12 2021/12 シリーズA 総額5億円 2021/1 2022/5 2024/11 沿革 Googleクラウド・AWSの両方のエンジニアリングに強みを持つ Kubernetes Certified Service Provider(KCSP)を取得 資格関連 会社概要
  3. Architecture Modernization(Nick Tune 著) • DDD、チームトポロジー、 ウォードリーマッピングなどの定評ある手法 • 技術・組織・戦略の3つの視点から システム刷新を解説

    • 詳細な技術書というより概念や考え方などを 通して広く学べる • 株式会社スリーシェイク 5名にて翻訳 5 https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798195063
  4. 書籍の全体像 - 全17章の構成 6 章 タイトル 内容 1 アーキテクチャモダナイゼーションとは モダナイゼーションの核心概念とバリューストリーム

    2 モダナイゼーションという旅に向けた準備 開始前の重要トピックとよくある課題 3 ビジネス目標 モダナイゼーションとビジネス目標の接続 4 ヒアリングとマッピングのツアー ステークホルダーから現状を聞き出す 5 ウォードリーマッピング バリューチェーンと進化段階の戦略的可視化 6 プロダクト分類体系 プロダクト中心のアーキテクチャ設計 7 ビッグピクチャーイベントストーミング 協働ワークショップでドメイン全体を俯瞰 8 プロダクトとドメインのモダナイゼーション 全面書き換えを避け反復的にドメインを刷新
  5. 書籍の全体像 - 全17章の構成 7 章 タイトル 内容 9 ドメインとサブドメインの識別 ビジネスをドメインに整理し境界を設計

    10 戦略的ITポートフォリオ 価値と複雑さでアーキテクチャを投資判断 11 チームトポロジー チーム構造の設計原則とパターン 12 疎結合なソフトウェアアーキテクチャ チーム構造と推進体制を整える 13 内部開発者プラットフォーム 進化を加速するプラットフォーム設計 14 データメッシュ データメッシュの原則と相互依存関係 15 AMET(イネーブリングチーム) モダナイゼーションを支援・推進する非中央集権チーム 16 戦略とロードマップ 説得力あるストーリーと進化的ロードマップ 17 学習とスキルアップ 組織の人材育成とアーキテクチャ能力の向上
  6. ウォードリーマッピング(第5章) ビジネス環境を「地図」として視覚化する手法。 孫子の五要素とOODAループを基盤としており、戦略サイクルの景観のステップで作成される → 地図なしの意思決定は、直感や2x2マトリクスに頼る勘頼みの戦略になる → ビジネスと技術の多様なメンバーが同じ景観を見て議論でき、投資すべき場所・買うべきもの・ 革新が不足している領域が視覚的に浮かび上がる 10 戦略サイクル

    要素 問い 内容 目的(Purpose) なぜ存在するのか 組織のミッション・存在意義を明確にする 景観(Landscape) 今どこにいるのか バリューチェーンで現状を地図として可視化する 気候(Climate) 何が変わりつつあるのか 競合・規制・技術革新など制御不能な外的要因を把握する 協議(Doctrine) どう組織を動かすのか 「共通言語を使う」「戦略は反復的」等の運営原則 リーダーシップ 何をするのか 景観と気候を踏まえた意図的な戦略行動
  7. ビッグピクチャイベントストーミング(第7章) 11 部門・職種を超えた全員が一堂に会し、ビジネスプロセス全体を時系列で可視化する 協働ワークショップ手法 コードやドキュメントからは見えない暗黙知を引き出す → ドメイン境界が自然に浮かび上がる。ビジネスとエンジニアが同じ言葉と全体像を共有できる → 「正確なモデル」ではなく学びとコラボレーションの最大化が目的 1.

    オレンジ色の付箋にドメインイベント(ビジネスで起きた事実)を過去形で書く 2. 参加者全員が一斉に書き出して壁に貼る(混沌とした探索) 3. 時系列に並べ、整理し、全員でウォークスルーする 4. ホットスポット(問題)を赤い付箋、機会を緑の付箋で追加 やり方
  8. 言葉が設計を決める – 「アクティベート」問題 12 事例 北米の スマートシティ / IoTデバイス業界 品質エンジニアとソリューションアーキテクトが「アクティベート」の意味をめぐり約30分議論

    設置前に倉庫で アクティベートすべき (不具合検出のため) 設置後にアクティベート すべき (設定は場所に依存する) 同じ言葉が異なるステップを指していた
  9. ドメインとサブドメインの識別(第9章) 15 よいドメイン境界がもたらす価値 ドメイン識別の原則 • 結合の低減 • 凝集性の向上 • チームの自律性

    • イノベーション • 境界はゴールの変化に応じて変わる • すべての依存関係が同じコストではない • 進化に備える 5つのヒューリスティック 最適な境界を見つけるための「考え方の道具」 ヒューリスティック 内容 ビジネス 戦略的に重要なもの ドメイン 概念の自然な凝集 組織 チームの自律的性 技術 技術的制約内での実現 ユーザ体験 一貫したUXの実現
  10. コアドメインチャート(第10章) 16 コアドメインチャート ビジネスの差別化 × モデルの複雑さ の2軸 象限 内容 コアドメイン

    (高差別化・高複雑) 最高の人材と最大の投資 支援ドメイン (高差別化・低複雑) 社内開発だが過剰投資しない 汎用ドメイン (低差別化・低複雑) 既製品・SaaSを活用 「すべてを同じ品質で作る必要はない」— 戦略的に投資する
  11. 疎結合なソフトウェアアーキテクチャ(第12章) 17 結合の4タイプ 結合タイプ 何を知っているか 侵入的結合 実装の詳細を知っている 機能的結合 ビジネスルール・ドメインロジックを知っている モデル的結合

    ドメインモデルの概念を知っている 契約的結合 明示的なインターフェースのみ知っている 痛みの公式 : 痛み = 強度 x 変動性 x 距離 変動性の高いところを優先的に疎結合にする — 一度に全部を分離する必要はない
  12. gigsプラットフォーム(第12章) 18 事例 採用担当者を介さず、雇用主と求職者が短期の仕事をマッチングするシステム。 3年で「大きな泥だんご」化。 Ruby on Rails + Active

    RecordパターンでドメインモデルとDBが強結合 アプローチ 1. イベントストーミングセッションでドメインを再発見 2. バブルコンテキスト → 自律型バブル → ACL(腐敗防止層)で段階的移行 3. 新市場対応時、新しい境界づけられたコンテキストを既存コードから完全に分離 一度に全部を書き換えるのではなく、段階的に移行する
  13. この本から持ち帰ってほしいこと 1. モダナイゼーションは「技術の入れ替え」ではなく「設計プロセス」 ◦ 現状理解 → 設計 → 実行 の順序を守る

    2. 境界の設計がすべてを左右する ◦ ドメイン境界の良し悪しが、チームの自律性・開発速度・保守性を決定する 3. 協働的な発見プロセスが不可欠 ◦ ビジネスとエンジニアが同じ言葉を獲得する場をつくる 23