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知能とはなにか -ヒトとAIのあいだ-

 知能とはなにか -ヒトとAIのあいだ-

CBS特別研究会
2026年1月26日
中央大学大学院大学院戦略経営研究科

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Y-h. Taguchi PRO

January 26, 2026
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  1. CBS特別研究会 6 ... と思っていたらGoogle がVeo 3.1(*) でSora 2 と同等の制作ワークフ ローが公式仕様で確認できた(セリフが変だけど⇒後述)

    (*) 2025 年10 月時点の発表/実装状況:Flow での編集強化・音声統合・シーン延長等が発表・提供中(順次拡大)
  2. CBS特別研究会 21 フィニアス・P. ゲージ(Phineas P. Gage 、1823 – 1860 )は、米国の鉄道建

    築技術者の職長である。今日では、大き な鉄の棒が頭を完全に突き抜けて彼の左 前頭葉の大部分を破損するという事故に 見舞われながらも生還したこと、またそ の損傷が彼の友人たちをして「もはや ゲージではない」と言わしめるほどの人 格と行動の根本的な変化を及ぼしたこと によって知られている。 (かなり誇張は入っているらしい)
  3. CBS特別研究会 22 現代の脳科学でも 「ある機能が働い ているときに脳の どこが機能してい るか」という研究 が主流であるが、 部位の組み合わせ まで研究は精緻化

    している。 小川健二「心理学研究のツールとしての脳イメージングの最前線」(イメージ心理学研究 2017 年, 15 巻, 13−17 頁)
  4. CBS特別研究会 30 モラベックのパラドックス: 「古典的記号処理パラダイム」では「常識」の学習が難しかった。 「人間にとって簡単なことはAI にとって難しく、逆に人間にとって 難しいことはAI にとって簡単」 1. 将棋やチェス

    vs. 歩くこと AI に得意なこと:チェスや将棋のような複雑な論理計算。コン ピュータは膨大な手を高速に計算できるため、人間トップを凌駕。 AI に苦手なこと:歩行やバランス保持。赤ん坊でも自然に学べる が、ロボットが滑らかに歩き、転ばずに段差を登るのは極めて難し かった(最近はやっと出来るようになった)。
  5. CBS特別研究会 31 2. 数学の問題 vs. 視覚認識 AI に得意なこと:高度な数式の計算や方程式の解法。人間は時間 がかかるが、AI は一瞬で処理。

    AI に苦手なこと:犬と猫の写真を見分けること。人間の子供なら 直感的にできるが、AI には膨大な学習データが必要。 3. 論理推論 vs. 家事 AI に得意なこと:論理パズルやルールベースの問題解決。 AI に苦手なこと:洗濯物をたたむ、卵を割って料理するなど日常 的な家事。物理的環境の不確定性や微妙な操作は非常に難しい。 (今の生成AI 、ロボットは相当程度これができる)
  6. CBS特別研究会 32 2つの新しい潮流 身体性AI :AI に体を持たせれば「常識」を理解できる→ 今の 今のPhysical AI Physical

    AI に繋がる流れ に繋がる流れ→成果を残せずに頓挫(高 度な知能獲得に至らず) ニューラルネットワーク: 多層化によるパーセプトロンの復権→「局所解」の問題 を越えられず衰退→今の深層学習に繋がる 今の深層学習に繋がる →人工知能研究冬の時代へ→生成AI の成功!
  7. CBS特別研究会 40 Sora (OpenAI) vs Veo (Google) 10秒以上のクリップにおける人物合流や後方接近など“難 タスク”では、両アプリが先行(実は冒頭に見せた「画面外 から人物がやってきて後ろから話しかける」はとても難しい

    タスク)だが発展の歴史はかなり違う Sora: 言語ベースのトランスフォーマー ⇒ 拡散モデル(Diffusion Transformer:動画) Veo: 画像の拡散モデル(Imagen) ⇒ 拡散モデル(動画:Veo)
  8. CBS特別研究会 43 この画像には、室内の学習スペースあるいは会議室のよう な場所が写っています。以下の特徴が見られます:室内の 様子 テーブルと椅子:金属フレームの長方形テーブルが 複数並べられており、その周囲には赤い立方体のスツール (椅子)が配置されています。可動式のテーブルのよう で、配置を自由に変えられる構造です。床:カーペット敷 きになっており、落ち着いた雰囲気を出しています。壁と 照明:コンクリート打ちっぱなしの壁と、シンプルな照明

    が見えます。モダンなデザインの部屋です。人物と持ち物 画像奥には、黒い服を着た人物が1 人座っており、ノート PC で作業をしています。テーブルの上にはバッグやノー ト、筆記具などが置かれています。ホワイトボード 奥にホ ワイトボードがあり、うっすらと文字が書かれています。 上の行:「物理基礎 期末テスト」下の行:「本日スケ ジュール」と読めるため、授業か試験対策の場である可能 性が高いです GPT-5 による 画像要約
  9. CBS特別研究会 45 動画の正しい内容:中国・Unitree Robotics 社のヒト型ロボット「Unitree R1 」の紹介 ご提示の動画は、中国のロボット開発企業 Unitree Robotics

    (ユニツリー・ロボティクス) が発表した、新型の ヒューマノイド(ヒト型)ロボット「Unitree R1 」のプロモーション映像です(または同社の「G1 」などの関連 モデルを紹介するもの)。 この動画では、主に以下の驚くべき性能と特徴が紹介されています。 動画のポイント i. 驚異的な運動能力 i. ロボットが歩行するだけでなく、側転や逆立ち、パンチやキックなどのダイナミックなアクションを滑らかに 行う様子が映し出されています。 ii. 倒された状態からスムーズに起き上がる柔軟性も披露されています。 ii. 非常に安価な価格設定 i. このロボットの最大の特徴として、従来のヒト型ロボットでは考えられない「5,900 ドル(約90 万円)」とい う低価格(※動画公開時点の発表価格)が提示され、世界に衝撃を与えました。 iii.コンパクトで軽量なボディ i. 身長約120cm 、重量約25kg と非常に軽量・コンパクトで、折りたたんで持ち運べるような設計になっていま す。
  10. CBS特別研究会 58 • 白いスクリーンに黒い文字が映る、というのも錯覚であ る。白いスクリーンに光を当てて黒くなるわけがない。 • 光が当たって「より明るくなった」部分に比べて相対的に 暗いので「ここは黒い色が塗ってあるので暗くなってい る」と脳が誤認しているだけである。 •

    我々の知能だって、不完全な外界認知をしているが「不完 全さ」の方向が違うので生成AI の粗が見えやすいだけ • そもそも網膜には2次元画像(平面)しか移らないのだか ら3次元(立体)空間を一意的に再現できるわけがない。
  11. CBS特別研究会 59 生成AI の誤認 人間の錯視 • 動画生成でセリフがおかしい • 「消火栓があるから廊下だ」 までは気付けない

    • 立方体と誤認 ・影で色が変わって見える ・奥行きの大きさ誤認 ・白いスクリーンに黒い字 が見える 比較まとめ 👓 誤認=生成の過程での推測ミス/錯視=知覚の系統的偏り
  12. CBS特別研究会 68 知能とは現実のシミュレーターだと いう立場に立てば、人間の脳と生成 AI は現実を異なった方法で認識して いるが同じようなアウトプットを出 すことができる別種のシミュレー ターと思えばいい。生成AI は知能を

    持っているか、という問いは往々に して「(人間と同じ)知能を持って いるか」という問いに無意識のうち に変換されているが、知能が人間の それと同じあり方で無くてはならな いとは限らない。 現実 解釈
  13. CBS特別研究会 72 本講演は「知能とはなにか」という問いへ の学術的なレビューを欠いています。それを 話してもつまらないからです。そこの部分を 補うためにGemini 2.5 Pro Deep Research

    に 概要を調べてもらいました。 https://note.com/tagtag/n/n4cb64f2c9100 また10分の解説音声も作ってくれたので 本格的な知能研究の歴史の概観はこちらを どうぞ。 https://youtu.be/RwhNBcyQQ50