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ITで設備を制御する

 ITで設備を制御する

ITで設備を制御する~クラウドコントロールドファクトリーに向けて~
工場のデータを収集する取り組みの紹介と、工場設備にデータを書き込む挑戦についてのお話です。

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Tatsuya Mizushima

October 22, 2025
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Transcript

  1. 目次 3 1. 工場のデータを活用するシステム  OTとIT  PLC Data To

    Cloud 2. 背景・検討  障壁となる事柄  技術的に可能か検証 3. 実際にやってみる  ゲートウェイPCよりPLCへの書き込みを行った事例 4. 未来に向けて  ITで設備を制御する
  2. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 4 Operational Technology 制御・運用技術  利用シーン:製造業・インフラ  ライフサイクル:10年以上

     セキュリティ:寛容・物理的  接続性:限定的・内部的  優先順位:可用性 > 完全性 > 機密性  保護対象:安全・設備・操業  プロトコル:Ethernet TCP, UDP OPC-UA 独自プロトコル Information Technology 情報通信技術  利用シーン:全業種・一般消費者  ライフサイクル:3~5年  セキュリティ:厳密・論理的  接続性:網羅的・外部的  優先順位:機密性 > 完全性 > 可用性  保護対象:データ  プロトコル:Ethernet TCP HTTPS 汎用プロトコル
  3. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 5 工場ネットワーク(OT) 社内ネットワーク(IT) クラウドサービス 閉じたネットワーク 設備の独自プロトコル 手動で構築されることが多い 遅延が許容されない

    情報部門により管理された ネットワーク インターネット接続 インターネット・VPN・専用 線を経由して接続可能 基本的に暗号化された接続
  4. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 6 工場ネットワーク(OT) 社内ネットワーク(IT) クラウドサービス 閉じたネットワーク 設備の独自プロトコル 手動で構築されることが多い 遅延が許容されない

    情報部門により管理された ネットワーク インターネット接続 インターネット・VPN・専用 線を経由して接続可能 基本的に暗号化された接続 ネットワーク的にもプロトコル的にも、直接はつながらない
  5. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 7 工場ネットワーク(OT) 社内ネットワーク(IT) クラウドサービス 閉じたネットワーク 設備の独自プロトコル 手動で構築されることが多い 遅延が許容されない

    情報部門により管理された ネットワーク インターネット接続 インターネット・VPN・専用 線を経由して接続可能 基本的に暗号化された接続 ゲートウェイ 社内ネットワーク経由のインターネット接続
  6. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 8 工場ネットワーク(OT) 社内ネットワーク(IT) クラウドサービス 閉じたネットワーク 設備の独自プロトコル 手動で構築されることが多い 遅延が許容されない

    情報部門により管理された ネットワーク インターネット接続 インターネット・VPN・専用 線を経由して接続可能 基本的に暗号化された接続 ゲートウェイ Mobile / FTTH
  7. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 9 工場ネットワーク(OT) 社内ネットワーク(IT) クラウドサービス 閉じたネットワーク 設備の独自プロトコル 手動で構築されることが多い 遅延が許容されない

    情報部門により管理された ネットワーク インターネット接続 インターネット・VPN・専用 線を経由して接続可能 基本的に暗号化された接続 ゲートウェイ VPN
  8. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 10  現時点では、多くの場合…(例外はあります)  工場ネットワークとクラウドは直接つながらない  クラウド上にゲートウェイを置く場合、留意事項が多い 

    工場ネットワークにゲートウェイを接続する方法に優位性がある  回線品質が低くてもデータ損失が少ない  ネットワーク要件がシビアな設備機器にも対応できる
  9. 1. 工場のデータを活用するシステム:OTとIT 11  セキュリティ面では  ゲートウェイからクラウドへはTLSなどで暗号化通信する  傍受や改ざんへの耐性はある程度高いレ ベルで

    担保される  ゲートウェイは Fire wallで 必要な通信のみ許可する  工場ネットワークの設備の多くはノー ガードであることを 念頭に
  10. 1. 工場のデータを活用するシステム:PLC Data To Cloud 13 •PLC Data To Cloud

     工場から設備データ 収集を行 うシステム  工場で動 作するゲートウェイとA WSで構 成されている Fa ctor y A WS IoT Green gra ss PLC s Gate wa y Hard ware Hu b Internet A WS Cloud IT OT MQTT s Data Visualization Platform Data Anal yt ics Plat for m Kine sis Data Fireho se S 3 Pr ivate Su bnet Pu bl ic Su bnet V irtual Pr ivate Cloud (VPC ) Internet Gate wa y Aurora Far gate Data Handl in g Glue Red sh ift IoT Core S QS La mbda Cu sto m So ft ware
  11. 1. 工場のデータを活用するシステム:PLC Data To Cloud 14 •ゲートウェイ  工場の設備機器からの情報をクラウドに 橋渡しするた

    めの 装置  工場設備、情報システムと通信するソフトウェア およ びハードウェア Fa ctor y A WS IoT Green gra ss PLC s Gate wa y Hard ware Hu b Internet A WS Cloud IT OT MQTT s Data Visualization Platform Data Anal yt ics Plat for m Kine sis Data Fireho se S 3 Pr ivate Su bnet Pu bl ic Su bnet V irtual Pr ivate Cloud (VPC ) Internet Gate wa y Aurora Far gate Data Handl in g Glue Red sh ift IoT Core S QS La mbda Cu sto m So ft ware
  12. 1. 工場のデータを活用するシステム:PLC Data To Cloud 15  たけ びしデ バイスゲートウェイ

     多 様な設備に対応  多 数のプロトコルに対応  数種 類の ハードウェアの 他、 ソフトウェア 版も 選択可能  PLC Data To Cloudでは、 Green gra ssを 使用してコンテ ナ 版を 組み込んで 使用している
  13. 2. 背景・検討:障壁となる事柄 17 •PLC Data To Cloudを 導入されている お客様から 追加の

    依頼 •いままでは 「PLCへの書き込みは 絶対にしないでく ださい 」とい う条件で PLCからはデータの 取得のみを行っていた PLC Gateway PC AWS IoT PLC Data To Cloud
  14. 2. 背景・検討:障壁となる事柄 18  な ぜPLCに書き込みをしてはいけないか ?  PLCは工場設備の制御を行 うことが本

    分  万一、 不用意な書き込みにより制御が 狂うことは許されない  業 界的な製造プロセスの制 約に 従って製造手順を管理している  管理されていない手順で製造機器が操 作されることは許されない  とい うのが、通 常なのですが…
  15. 2. 背景・検討:技術的に可能か検証 21  当初は、要件の全 貌が 見えて おら ず具体的な 提案が

    難しかった  どれくらいの 頻度、どれくらいのレス ポンスを要 求されているのか  行いたい 計算が一 体どのよ うな内容か、 想像もつかない  プロ グラムを書いて実行する ほどのものなら、 Green gra ss上で動 作さ せて、たけ びしD GWとのつな ぎ込みを行 う  比較的 単純な 計算なら、たけ びしD GWの 組み込み機能でも可能  い ずれに せよ 「出来ない 」ことはないは ず!
  16. 2. 背景・検討:技術的に可能か検証 22  最終的な要件( 概要)  目的 量が設定されて おり、

    それに 沿い 原料の 計量を行 う  目標量と実際の 計量値の 誤差を 計算する  目標値、 計量値、 計算結果を回 数ごとに 指定されたアドレスに書き込 む  この 処理を バッ チの回 数ぶん 繰り 返す  原料がなくなり バッ チが完 了したら、全ての 値をリセットする
  17. 2. 背景・検討:技術的に可能か検証 23  必要となる機能は…  任意の 値の 変化でトリ ガできる

     値比較(一 致・ 大・ 小)で 分岐できる  四則演算ができる  任意の時 間の 待機ができる  任意の 値や 取得した 値、アクシ ョン内での 計算結果を 任意のタ グ( 登録済みのPLCデータ)に書き込みできる  たけ びしD GWのアクシ ョン機能に上 記の全ての機能が 揃っている
  18. 3. 実際にやってみる 25  大まかな 流れは…  手 元の検証 環境(PLC・たけ

    びしD GW)で一通りの 処理を構築  お客様提供のテストデータを 入れて動 作を 確認  テスト エビデンス 提出  全行程の実行 結果を 記録  本 番環境にたけ びしD GWの設定データを 追加  本 番環境での動 作確認
  19. 3. 実際にやってみる 26  要件にそって処理を構築 •計算式を 四則演算のステップに 分解  D

    GWの 演算機能で行 えるのは、1ステップで1種 類、2つの 値の 演算のみ •カウンタの 値で 分岐し書き込み先を 変更  書き込み先を 変数とすることはできない •アクシ ョン 数が多い場合は 処理を 分割  登録できるアクシ ョンは 64 個まで
  20. 3. 実際にやってみる 27 テストを行う •以 前のイ ベントで 展示した 模擬操 作盤

     道具を一から 作ると時 間がかかるので、 既存の工 作物を 流用 •運転ボタンを 押すと工程が 進み、 停止ボ タンを 押すと工程を 終了しリセットされ るよ う、ラ ダー およ びイ ベントを構 成 •工程が 進むごとに、 提供されたテスト データが 入力され、書き込みされる 結果 が 想定と一 致するかの 確認を行 う
  21. 3. 実際にやってみる 28  テスト 結果を 記録し、 お客様に 共有 

    テスト 結果の 確認は 問題なく完 了  テスト 環境より設定データを 切り 出して、本 番環境に 挿入  動 作確認 無事、本 番環境での動 作が 確認できました
  22. 4. 未来に向けて:ITで設備を制御する 29 •ゲートウェイで お客様作成のプロ グラムを実行することは可能か ?  Green gra

    ssを利用して、ゲートウェイにプロ グラムをデプロイ可能  たけ びしD GWに対して、 MQTTなどのプロトコルで 入出力可能 PLC Gateway PC AWS IoT オフィスあるいは … どこでも ユー ザー定 義 プロ グラム
  23. 4. 未来に向けて:ITで設備を制御する 31  PLCへの書き込み、つまり外部IT機器から工場を制御することは…  顧客の事情や要件によっては、要 望される・許可される可能性がある  今回は

    GWソフトウェア内での 計算実行でしたが、 将来的には…  Gate wa yPC上で 任意のプロ グラムを実行して 処理を行 う  クラウド 側から 指令を 送って制御する といったことも、技術的には可能  技術的には可能なこと だが、制 約も多い  一 歩進ん だス マートフ ァクトリーを 目指して、 今何ができるか ?