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20250218_熊本市議会_都市交通勉強会

Traffic Brain
February 18, 2025
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 20250218_熊本市議会_都市交通勉強会

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February 18, 2025
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  1. 2 2 自己紹介 太田 恒平(おおた こうへい) 41歳 (株) トラフィックブレイン 代表取締役

    交通データ分析・コンサルティングの会社 東京大学修士卒 → ナビタイムジャパン → 2017年起業 • 2021年秋より熊本にて交通の研究PJを実施中 • 「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」の言い出しっぺ • 熊本市の船場町下に滞在中
  2. 3 交通情報の研究プロジェクトを行っています 行動変容と交通インフラの動的制御による スマートな都市交通基盤技術の研究開発 期間: 2021年度〜2024年度 予算: 8.8億円/4年 組織 所属・役職

    代表者 担当分野 東京大 学 情報理工学系研究科 准教授 伊藤昌毅 交通情報、AI交通信号 生産技術研究所 教授 大口敬 交通工学、道路信号 空間情報科学研究センター・ 生産技術研究所 教授 瀬崎薫 情報ネットワーク、IoT、モバイ ル空間センシング 情報理工学系研究科 准教授 塚田学 ITS通信技術 工学系研究科 教授 中尾彰宏 次世代サイバーインフラ 生産技術研究所 教授 中野公彦 機械生体システム制御工学 生産技術研究所 教授 ペニントン マイルス デザイン先導イノベーション 生産技術研究所 准教授 本間健太郎 空間デザイン数理 トラフィックブレイン 代表取締役 太田恒平 ダイヤ改善、交通情報 MaaS Tech Japan 代表取締役 日高洋佑 MaaSデータ基盤 公共交通分野について、熊本をフィールドに研究中 国立研究開発法人情報通信研究機構 Beyond 5G研究開発促進事業
  3. 10 平日7:30-8:00 の車の平均速度 2021年11-12月 -5 5-10 10-15 15-20 20-30 30-40

    40-60 60- 平均時速 …徒歩 …ママチャリ ホンダ車の通信カーナビの GPSで測定した 「プローブデータ」を購入 全面的に渋滞しているので、車を減らすしかない
  4. 12 渋滞と公共交通分担率 渋滞 ワースト 1位 道路の 平均速度 DID 地区 鉄道

    +バス 鉄道 バス 自動 車 km/h % % % % 熊本市 16.1 9.7 3.5 6.2 50.7 岡山市 18.0 9.8 6.8 2.9 54.3 福岡市 20.7 32.0 20.8 11.2 26.3 浜松市 20.9 8.6 4.9 3.8 65.9 仙台市 21.2 26.6 18.4 8.2 40.3 新潟市 23.3 13.4 7.4 6.0 62.4 広島市 24.7 24.7 15.9 8.8 33.5 静岡市 28.5 13.3 8.7 4.6 44.1 北九州市 31.0 21.3 11.4 9.9 50.6 札幌市 33.4 34.5 28.3 6.1 34.7 名古屋市 33.3 30.0 3.3 32.1 大阪市 44.7 43.3 1.4 9.4 東京23区 61.1 58.6 2.4 5.5 交通手段分担率 (通勤通学) 交通分担 ワースト 2位 渋滞も公共交通分担率も 地方政令市ワーストクラス 鉄道分担 ワースト 1位 止まらない車依存と縮小均衡 鉄軌道は伸びている中、 バスが減便・利用減の 負のスパイラルから 抜け出せない 出典:熊本都市圏総合交通計画協議会 第4回委員会 資料 2,440万人 2,354万km 2023年度
  5. 14 「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」 自動車 64.4% 二輪車 14.1% 徒歩 15.7% 公共交通 5.9%

    鉄道 1.4% バス・市電 4.5% ①車の交通量が少し(1割)減るだけで渋滞は大きく減少(半減)する ②車の1割(6.4%)転換には、公共交通利用は倍増(5.9→12.3%)が必要 熊本都市圏の代表交通手段(2012年パーソントリップ調査) しかし2023年の調査では、公共交通は減少(5.9→5.3%)、自動車は増加(64.4→67.0%)してしまった
  6. 15 バス利用者2倍増構想 with 共同経営推進室 主な施策案 バス利用 徒歩以外 トリップ /年 ターゲット

    目標 シェア 現状 シェア 現状 トリップ/年 発着地 属性 目的 入学説明会、路線・ダイヤ見直し、割引策 6% 3.3% 73万 2254万 - 中高生 通学 説明会、路線・ダイヤ見直し 16% 9.6% 51万 538万 - 大学生 市電連携、共通定期、サイネージ 31% 24.8% 429万 1732万 中心部着 社会人 通勤 新規路線、乗継改善、乗継運賃 8% 3.8% 370万 9836万 他熊本市着 企業通勤バス 7% 1.0% 60万 6069万 熊本市外着 割引策 *8% 2.5% 529万 21286万 - 社会人 中高生 私用 体験会、ミニサイネージ *11% 10.6% 455万 4284万 熊本市発 高齢者 - 敬老パス、体験会 *7% 3.3% 64万 1966万 熊本市外発 9% 4.2% 2032万 47965万 合計 • 従来は、中心部への通勤と高齢者(特に熊本市おでかけIC)へ注力してきた • 通学・通勤・私用・高齢者のグループに分け、目標設定、施策立案、実行をしている。 • 研究PJとしては、データ分析(特に共通策)、システム開発を担当。
  7. 21 date week5 6 7 8 9 10 11 12

    13 14 15 16 17 18 19 20 21 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 12月13日 平日 127 363 752 767 728 718 705 695 694 724 741 760 787 756 611 416 312 29 25 15 14 18 19 19 20 19 18 17 16 13 14 20 24 25 12月14日 平日 110 333 738 758 716 699 704 686 693 711 721 754 781 737 631 489 348 30 25 15 14 18 19 19 19 19 18 18 16 13 12 13 18 24 12月15日 平日 102 341 728 756 706 723 720 707 704 724 750 758 781 751 618 446 349 30 25 15 14 18 18 18 19 19 18 17 15 12 12 19 23 24 12月16日 平日 108 336 747 776 760 740 732 728 717 735 738 746 744 726 667 280 358 29 25 15 14 16 16 17 18 18 17 15 14 11 9.7 14 21 23 12月17日 平日 109 347 734 773 753 727 738 738 747 743 753 789 782 755 698 517 413 30 25 14 13 16 16 17 17 18 17 15 13 10 10 14 21 23 12月18日 土曜 115 255 523 639 697 740 735 758 755 752 761 753 750 722 601 465 380 28 27 23 21 19 17 16 15 15 15 15 15 12 13 17 21 23 12月19日 日祝88 143 289 456 570 631 661 693 700 684 707 712 683 581 447 369 291 29 28 26 24 21 19 19 18 18 17 17 17 17 19 23 24 25 12月20日 平日 111 345 723 748 712 698 711 709 716 730 744 759 777 722 628 423 319 29 25 15 14 18 18 18 18 18 17 16 15 13 13 19 24 25 12月21日 平日 113 330 718 737 716 730 707 697 698 710 719 753 774 745 626 430 349 30 25 15 14 17 18 18 19 19 18 17 15 12 13 19 23 24 12月22日 平日 108 325 702 735 710 728 727 719 718 734 744 766 772 750 631 441 349 29 25 16 14 18 17 17 17 18 17 16 15 12 12 19 23 24 12月23日 平日 110 324 711 755 743 738 733 737 730 755 760 770 775 739 656 472 362 30 26 14 14 16 17 17 17 18 16 16 14 11 11 17 23 24 12月24日 平日 111 326 700 743 738 766 773 761 760 778 796 766 712 692 683 523 358 30 25 15 14 16 15 14 15 15 14 12 11 8.3 7.7 11 19 24 12月25日 土曜 109 242 486 608 667 724 752 757 757 750 763 758 735 679 535 438 358 27 27 24 21 19 17 16 15 15 16 15 14 14 17 21 23 24 12月26日 日祝82 144 282 452 543 616 660 671 656 643 669 692 669 552 457 377 304 28 28 26 24 22 20 20 20 19 20 19 18 18 20 23 25 25 12月27日 平日 109 323 709 742 717 713 747 758 754 759 772 789 778 755 631 434 327 30 26 16 15 18 16 15 16 16 15 15 14 12 12 17 23 24 12月28日 平日 107 297 684 732 688 727 748 743 738 743 764 776 774 747 627 448 350 30 26 17 17 19 18 17 17 17 17 16 15 13 13 18 23 24 12月29日 平日 106 220 458 547 627 688 726 728 691 691 706 710 705 671 524 406 335 29 28 23 22 20 17 17 17 16 16 17 17 14 14 18 22 23 12月30日 日祝 108 167 334 458 567 664 698 687 684 698 703 683 671 600 465 367 308 29 28 25 23 20 18 18 19 19 18 18 17 17 18 21 23 24 12月31日 日祝94 134 214 325 451 584 664 659 649 649 615 573 514 411 286 219 183 28 27 26 25 22 20 19 19 20 19 20 20 22 22 25 26 26 2021年末の交通量と車速度 平均時間交通量(熊本市中央区のトラカンの1時間平均) 平均速度(熊本市中央区のプローブの1時間平均) 12/24午後に交通量が1割増加した蓄積と雨で夕方に麻痺 12/28朝の交通量5%減だけで朝ラッシュが無くなった 平日夕方は昼より交通量が1割増えるだけで渋滞する
  8. 22 0 5 10 15 20 25 30 0 100

    200 300 400 500 600 700 800 雨なし速度 雨速度 熊本市中央区の「車1割削減、渋滞半減」 平均時間交通量[台/h] 平 均 速 度 [km/h] 交通量が 776 → 698台/h (10%↓) 速度は 13.5 → 17.9km/h (33%↑) 渋滞損失時間は (20km/h走行に対する追加時間) 115 → 63秒/台km (45%↓) ほぼ半減!
  9. 23 0 5 10 15 20 25 30 35 40

    0 200 400 600 800 1000 1200 1400 QVグラフ 6時台 7時台 8時台 [km/h] [台/h] 1,214 1137 1047 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 11/1-12/24 12/28(火) 11/22(月) 平日7時台交通量 6%減 14%減 [台/h] 12.3 24.1 21.4 0 5 10 15 20 25 30 11/1-12/24 12/28(火) 11/22(月) 平日7時台速度 95%増 73%増 [km/h] 606 574 399 0 100 200 300 400 500 600 700 11/1-12/24 12/27(月) 11/09(火) 平日7時台交通量 5%減 34%減 [台/h] 10.7 17.2 13.8 0 5 10 15 20 11/1-12/24 12/27(月) 11/09(火) 平日7時台速度 61%増 29%増 [km/h] 0 5 10 15 20 25 30 0 100 200 300 400 500 600 QVグラフ [km/h] [台/h] 6時台 7時台 8時台 ②国道57号 菊陽 東方向(片側2車線) ①県道30号 福原 東方向(片側1車線) ②国道57号 菊陽 東方向 ①県道30号 福原 東方向 平日朝7:00-8:00平均速度(2021/11-12月) 10%前後の交通量減少で数十%速度は向上。100台/時・車線 削減できれば充分。 セミコンの道路1本にも当てはまる「車1割削減、渋滞半減」
  10. 25 25 物流のためにも道路整備は必要、だが渋滞解消するとは限らない 「誘発需要」という概念で、何か(この場合、道路がそれにあたる) が供給されればされるほど、人々はそれをもっと欲しがるようになる 人類がこれまで行ってきた渋滞緩和策が基本的に役に立ってはいない ということであり、また、われわれがほんの少し合理的に行動すれば、 渋滞を大きく緩和できるということである。 1980年から2000年にかけて道路の交通容量が10%増えたある都市で は、交通量も10%増加した。同じ都市で1990年から2000年にかけて

    道路の量が11%増えたが、交通量も同じく11%増えている。2つの数 字は完璧に同調し、同じ比率で変化していた ダウンズ・トムソンのパラドックス として交通経済学では有名 関西大学 宇都宮浄人 「SUMP(持続可能な都市モビリティ計画) とは」 欧米・韓国等は、マイカー抑制、公共交通/自転車/徒歩転換を20年進めてきた 例:熊本東バイパスの整備直後は良かったが、近年は渋滞が酷い 例:熊本北バイパス・西環状道路が伸びたそばで、熊本電鉄は減便 道路整備が本命で、公共交通は当座をしのぐ短期ソフト策と言われがちだが、道路整備こそ対症療法な面がある
  11. 26 熊本県開催 熊本都市交通ゼミの資料より 2024/6/28 富山大学 中川大先生 ~鉄軌道編~ 全体の理解 • 朝ピーク時自家用車通勤トリップの削減を戦略の中心目標に

    • 道路新設は、さらなる自家用車需要を誘発するだけなので不要 • ただし通学路確保の歩道整備等は必要 • 戦略構図 まず代替手段提供→次に少しずつ手段転換→均衡点へ • 代替手段提供→具体的に魅力を見せること • 鉄軌道活用は当然。さらに加えてやるべきことへ。 • TDM施策:時差出勤、相乗り利用奨励→インセンティブ付与必要 • バス活用:速く確実なバス(路線バス)が必要 一時的に渋滞悪化してでもバス優先(自家用車いじめ)策必要 バスレーン確保+交差点信号工夫 は必須かつきわめて有効 (内外の工夫事例を最大限学ぶ必要がある) • 手段転換策 • 通勤手当制度が足かせにならないよう 定期券含む運賃施策の工夫 • 情報提供は基本中の基本 2 •都市人口70万人超 都市圏人口110万人の大都市 公共交通を中心とした都市交通体系である必要。 この規模の都市圏では、道路中心の交通政策で渋滞を解消す ることは不可能。 ・実証的には、 世界のすべての都市圏が証明している。 ・理論的には、 「ダウンズトムソンのパラドクス」・「ブライスのパラドクス」 (道路の新設・改良は、むしろ渋滞悪化を招く可能性) • 「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」 ・交通工学的にも理にかなった目標 ・熊本では十分可能 Ⅰ.熊本都市圏の規模と交通体系 2024/7/5 東京大学 中村文彦先生 ~幹線バス・都市交通政策編~
  12. 27 「全国交通流動マップ」で福岡と比較 熊本都市圏:人口111万人 公共交通9.7%、車50.7%(中心市通勤通学) 福岡都市圏:人口257万人 公共交通32.0%、車26.3%(中心市通勤通学) 地下鉄輸送人員:47万人 1980年:都市高速 1981年:地下鉄 1984年:国鉄4本/h化

    市電輸送人員:3万人 福岡は都市高速だけでなく鉄道を整備して都市を支えてきた 鉄軌道輸送密度 [百人] 2019年度鉄道統計年報・ 各社資料 ▪新幹線 ▪JR在来線 ▪民鉄 道路交通量 [百台] 2015年道路交通センサス ▪高速道路 ▪一般道 https://qgis.t-brain.jp/traffic/
  13. 28 28 熊本を離れる喜び 熊本より福岡に就職したい? 華やか、便利…大学生の本音 2022.06.29 https://kumanichi.com/articles/707212 熊本にとって”ライバル”とも言える隣県の福岡を就職先に選んだ若者たちの本音に迫った 熊本県立大4年の女性(21)(福岡市の建設会社に就職予定) 地下鉄など交通インフラが整備された福岡。女性は「通勤時にひどい渋滞に

    悩まなくて済むと考えると、熊本を離れる喜びも正直ある」 熊本市出身の男性(22)(福岡市のベンチャー企業の広告代理店) 年10回ほど遊びに行っていた福岡市を身近に感じていて、 街の華やかさのほか、交通や買い物など利便性の高さにひかれた 車の費用的ハードルは高まっており、公共交通は若者を惹きつけるツールになる
  14. 32 熊本 岐阜 秋田 長野 山口 三重 滋賀 兵庫 和歌山

    岡山 鹿児島 大阪 石川 岩手 沖縄 長崎 徳島 大分 宮城 宮崎 京都 愛知 奈良 高知 広島 茨城 富山 香川 静岡 福岡 鳥取 群馬 栃木 山梨 愛媛 警視庁 千葉 福島 佐賀 福井 北海道(旭川) 北海道(札幌) 青森 北海道(函館) 新潟 北海道(釧路) 神奈川 島根 埼玉 山形 北海道(北見) 100 110 120 130 140 150 160 170 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 11000 12000 13000 平均サイクル長[秒] 人口密度(データのある信号が含まれるDID地区のみ) 県警別 信号平均サイクル長 (DID地区内・朝8:00-8:15) 平均138秒 首都圏は 高密度だが 短サイクル 京阪神は 長サイクル 孤高の熊本 低密度なのに 長サイクルの謎 低密度相応に 短サイクル 熊本の サイクル長は 日本一! 32 青時間を長くしても 先詰まりやレーン溢れが 多く車にとっても非効率 「平面交差の計画と設計 基礎編」より 過大なサイクル長は遅れを増大させる だけでなく,運転者や歩行者による信 号待ち時間が長くなることで,利用者 の精神的なイライラなどの心理的影響 や,それに伴う信号無視の誘発なども 懸念されるため,好ましくない.さら に次の5.4.5に示すように右折車線に貯 留可能な台数の問題もある.現実的に はサイクル長は最大120[秒]程度と するのが望ましい.
  15. 33 歩行者と公共交通のための交通運用案 ❶交通量の少ない信号のサイクルを短縮 ❷辛島町〜水道町の一般車線を片側1車線とし 主要交差点(水道町・花畑・市役所)のサイクルも短縮 ➌鶴屋渋滞対策(市電通りへの溢れ防止等) 短縮 短縮 短縮 短縮

    短縮 短縮 短縮 短縮 鶴屋渋滞 対策 短縮 一般車線 片側1車線化 桜町で496万人/年→1分短縮(30円)なら1.5億円の時短効果 参考:京都四条通の歩道拡幅 土木学会デザイン賞 Webサイトより 京都新聞 「四条通歩道拡幅6・5m、バス停4カ所に 京都市が整備へ」 • 「歩くまち・京都」を掲げる京都市が 車道を削りバスと歩行者中心の空間へ整備 • パーク&ライド、駐停車禁止なども設定 • 直後は渋滞が酷く「世紀の愚策」等と批判された • 混乱は1年でほぼ収束し、車は4割減った • 大阪御堂筋、神戸三宮、敦賀国道8号などの 事例にもつながった
  16. 34 セミコンでは研究をきっかけにスピーディーに信号改善が進んだ ①デイリーヤマザキ (南北方向を優先) ②柳水公民館 (早朝のサイクルを延長) ③竹迫 (右折を優先) ④福原グランド前 (早朝のサイクルを延長)

    南から 西から 東大によるシミュレーションに基づき 金曜に提案したら月曜から県警が信号調整 76秒 ↓ 70秒 11秒 ↓ 15秒 48秒 ↓ 50秒 4箇所に改善を拡大し効果を生んだ しかし朝は効果に限界が見え、夕方は改善困難 県警本部交通規制課の次席、大津署の課長が特に熱心で大変心強い 2024/02に人事異動がありましたが、引き続きご協力お願いします スプリット変更を提案
  17. 35 時差出勤と信号改善の相乗効果 0 20 40 60 80 100 120 140

    160 180 200 6/12~6/16 6/19~6/23 6/26~6/30 7/3~7/7 7/10~7/14 7/18~7/21 7/24~7/28 7/31~8/4 8/7~8/10 8/14~8/18 8/21~8/25 総遅れ時間(南および西からの流入) 南からの流入 北からの流入 東京エレクトロン時差出勤の報道 https://kumanichi.com/articles/1131309 デイリーヤマザキ交差点の信号損失時間 信号変更期間 東エレ 時差出勤 信号改善初週は 効果が乏しかった ▼ 時差出勤が始まり 渋滞解消が進む ▼ 信号を元に戻すと 渋滞は当初より 悪化した ▼ 改めて改善を適用し 周囲3箇所の信号も 改善していった お 盆 西 [時間] 時間短縮の経済効果は 年間約2千万円 30時間/日短縮、時間価値2700円/h 平日242日とすると、 1日8.1万円、年間1960万円
  18. 42 バス共同経営の振り返り コロナ前から続く減便は 2024年問題でさらに悪化中 令和5年度第1回熊本市公共交通協議会全体会資料より 共同経営5社提供図に加筆 民間同士の協調だけでは大きな変化は起こせない • 共同経営計画や利用者2倍増に向けた取組みによって、一定程度の収支改 善効果は得られている。

    • しかし、5社あわせて約40億円の路線収支赤字であるなど、依然として厳し い状況が続いている。 収支 • 共同経営計画による運行効率化によって、平日で10.6人の削減効果は得ら れている。 • しかし、運転士数はこの4年間で99人減少し、一部路線での減便などを余 儀なくされるなど、深刻な人材不足が続いている。 運転士 • 共同経営計画による運行効率化によって、平日で8.7台の車両数削減効果 は得られている。 • しかし、コロナ禍による厳しい財務状況の影響もあり、新車ではなく中古車での 更新が進められた結果、5社平均車齢はこの4年間で1.8年高くなっており、 今後の更新費用負担の増大が懸念される。 車両 このまま、公共交通が廃れていくしかないのか! 共通定期・ダイヤ改善などの施策や 情報共有・データ活用の効果はあるが 経営レベルのインパクトには至らない 共同経営推進室「共同経営の成果と限界について・利用者2倍構想の実現に向けて」より 2,440万人 2,354万km 2023年度
  19. 43 バス利用者2倍増構想 with 共同経営推進室 主な施策案 バス利用 徒歩以外 トリップ /年 ターゲット

    目標 シェア 現状 シェア 現状 トリップ/年 発着地 属性 目的 入学説明会、路線・ダイヤ見直し、割引策 6% 3.3% 73万 2254万 - 中高生 通学 説明会、路線・ダイヤ見直し 16% 9.6% 51万 538万 - 大学生 市電連携、共通定期、サイネージ 31% 24.8% 429万 1732万 中心部着 社会人 通勤 新規路線、乗継改善、乗継運賃 8% 3.8% 370万 9836万 他熊本市着 企業通勤バス 7% 1.0% 60万 6069万 熊本市外着 割引策 *8% 2.5% 529万 21286万 - 社会人 中高生 私用 体験会、ミニサイネージ *11% 10.6% 455万 4284万 熊本市発 高齢者 - 敬老パス、体験会 *7% 3.3% 64万 1966万 熊本市外発 9% 4.2% 2032万 47965万 合計 • 従来は、中心部への通勤と高齢者(特に熊本市おでかけIC)へ注力してきた • 通学・通勤・私用・高齢者のチームに分け、目標設定、施策立案・実行をしてきた。 • 当研究PJでは、データ分析(特に共通策)、システム開発を担当してきた。
  20. 44 商業施設の車依存 私用先別 の交通手段 2012年PT平日 JR系のアミュプラザまで満車・渋滞 イオン 田崎市場 はません 光の森

    商業施設が地域の渋滞源になっている →駐車場の規制・課税や 公共交通利用義務が必要ではないか?
  21. 45 高校生の通学自転車事故削減へ 熊本県内の交通事故 ・高校生の自転車・二輪事故が110件/年 ・高校生事故の84%を占める 0 500 1000 1500 2000

    2500 3000 3500 4000 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10-14 15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 人数 距離帯(Cゾーン間)[km] 高校生通学の代表交通手段 徒歩 自転車 車・バイク 送迎 バス 鉄軌道 公共交通が通学の安全に貢献できる 郊外は自転車一択、と思いきや鉄道は選ばれる 男子は8km、女子でも5kmまで自転車が過半 ※自動車にはバイクを含む 通学先別 の交通手段 2012年PT
  22. 46 4グループに分けて短期策から始めている JCOMM2024発表資料より ◼活動概要 累計利用増 11万人 達成 2万人 達成 9万人

    達成 35万人 達成 86万人 達成 通勤 通学 高齢者 私用 共通 通勤バス実証実験(セミコン) その他活動 ・セミコン通勤バス(増便 など) ・【大津町・Honda】通勤バス運行 ・県庁、市役所、バス会社MM ・ノーマイカーデー強化 ・企業定期券の販促強化 ・身障者就業者向けの利用促進 合格者説明会 その他活動 ・高校オープンスクールでのバス通学PR ・中学3年生へのバス通学PR(県教育委員会との連 携) ・熊本西高校との連携(特割定期券+情報提供充実 など) スマホ教室 その他活動 ・無料の日における高齢者利用促進 ・おでかけ促進会 ・熊本市内高齢者のおでかけカード保有率向上 ・お試し免許返納 ・高齢者サービスの周知拡大 MY時刻表 その他活動 ・発地側の情報提供 ・異業種連携(温浴施設、プロスポーツ、商業施設 など) ・ターゲットを絞った中・長距離区間割引 ・無料の日、オフピークサブスク等 ・まちなかフリーパス 共通定期券 180円均一運賃 時分適正化 IC定期券の区間内であれば 全てのバスが利用可能 熊本市内中心部でのバス運賃を熊本市電と 合わせて、公共交通利用全体の利便を増進 バスロケによる運行実績データを基に遅延状況を 可視化し、運行ダイヤの適正な見直しを実施 高校通学でバス利用してもらうために、 新高校1年生向けに、路線やダイヤの 検索方法を紹介 2023年度 7校で実施 説明会出席者 580名 定期券販売件数 318件 セミコンテクノパーク周辺の交通渋滞の 緩和に向けて、熊本県や沿線市、セミコ ン企業と連携して通勤バス実証運行を 実施 ソフトバンクが実施する高齢者 向けのスマホ体験教室の開催と 併せて、バスの乗車体験を開催 複数バス会社が停車するバス停 の時刻表を1枚のMY時刻表に 集約するサービスを実施 第1弾 平均 165名/日 第2弾 平均 52名/日 バス会社 高齢者を効率的 に集めたい ソフトバンク 体験教室の場所を 確保したい 福祉事業所 高齢者の 福祉を 向上したい 利用状況(2023.9~2024.3) ページビュー 61,572回 バス利用増加 13,515人 ▪桜町BT~県庁前の場合 定期券金額そのままに 46%増便(105便→153便)
  23. 47 47 利用者2倍に向けたアプローチ サービス(路線・ダイヤ) × 所要時間(速達性・定時性) × 運賃(割引) × 認知(案内・PR)

    加藤先生流に言えば「基本コンテンツ」 縮小均衡を超えた人員確保 と増便には多大な費用 バスレーン等が必要 定時性は事業者の ダイヤ次第で改善可能 事業者負担では限界 政策的割引の確立へ 比較的低コストだが 効果はチリツモ 公的投資の覚悟が必要
  24. 49 バス遅延改善 中央値[分] 5分以内率 現状:平日朝夕・土曜日中に 5分以上の遅延が常態化 最大遅延時間(起点〜終点間での遅延の最大値)の中央値 DiaBrain:バスロケデータを基に 遅れの少ないダイヤを自動で設定 遅れ5分以内を目指し熊本5社で実施中

    15:32 15:42 15:52 16:02 16:12 16:22 16:32 桜町バスターミナル 市役所前(熊本) 家庭裁判所前 新堀町 裁判所前(熊本市) 京町本丁 往生院前 出町三丁目 岩立小路 池田一丁目 池田二丁目 山伏塚 徳王 清水台団地入口 馬々鋏 五戸窪 大窪(熊本) 大窪二丁目 昇立 南原(熊本市北区) 四方寄 御馬下 北部まちづくりセンター前 鹿子木 古閑小屋 向坂 投刀塚 植木宮の前(市場前) 植木一丁目 植木(熊本) 植木三丁目 植木五丁目 北区役所前 植木病院・かがやき館前 植木駐車場 15:32 15:42 15:52 16:02 16:12 16:22 16:32 桜町BT 植木 駐車場 例)桜町BT→植木駐車場 15:32の便 旧ダイヤ 新ダイヤ 実績(2021年4〜9月) 時間調整 時間調整 時間調整 時間調整 実績に合わせて 便ごとにダイヤを 自動修正 2021年4-6月
  25. 50 2023 年度の 改善例 0 5 10 15 20 25

    1_桜町バスターミナル 2_熊本駅前 3_十禅寺町 4_平田町(国道) 5_上近見(国道) 6_日吉校前(国道) 7_下近見(国道) 8_高江町 9_南高江(国道) 10_熊本農業高校前 11_緑川橋(国道) 12_宇土駅東口 13_松原(宇土) 14_住吉駅前 15_東長浜 16_網田駅前 17_大田尾 18_三角西港前 19_五橋入口 20_登立 21_大矢野庁舎前 22_さんぱーる 23_二号橋 24_前島 25_リゾラテラス天草 26_遊覧船のりば前 27_松島 28_松島郵便局前 29_今泉三差路 30_知十 31_小畦橋 32_大浦(天草) 33_須子 34_赤崎(天草・下津江) 35_下津江四郎ヶ浜ビーチ 36_上津浦漁協前 37_下津浦 38_小島子 39_島子 40_志柿 41_瀬戸大橋 42_天草中央総合病院前 43_本渡バスセンター 44_天草市役所前 45_天草警察署総合庁舎前 46_産交車庫前(天草) 2022年度4月土曜 桜町→天草(中央値) 08:00 09:30 11:00 12:30 14:00 15:30 17:00 18:30 0 5 10 15 20 25 1_桜町バスターミナル 2_熊本駅前 3_十禅寺町 4_平田町(国道) 5_上近見(国道) 6_日吉校前(国道) 7_下近見(国道) 8_高江町 9_南高江(国道) 10_熊本農業高校前 11_緑川橋(国道) 12_宇土駅東口 13_松原(宇土) 14_住吉駅前 15_長部田 16_東長浜 17_網田駅前 18_大田尾 19_三角西港前 20_五橋入口 21_登立 22_大矢野庁舎前 23_さんぱーる 24_二号橋 25_前島 26_リゾラテラス天草 27_遊覧船のりば前 28_松島 29_松島郵便局前 30_今泉三差路 31_知十 32_小畦橋 33_大浦(天草) 34_須子 35_赤崎(天草・下津江) 36_下津江四郎ヶ浜ビーチ 37_上津浦漁協前 38_下津浦 39_小島子 40_島子 41_志柿 42_瀬戸大橋 43_天草中央総合病院前 44_本渡バスセンター 45_天草市役所前 46_天草警察署総合庁舎前 47_産交車庫前(天草) 2023年度4月土曜 桜町→天草(中央値) 08:00 09:30 11:00 12:30 14:00 15:30 17:00 18:30 0 5 10 15 20 桜町バスターミナル 市役所前(熊本) 通町筋 水道町 尚絅校前 建設会館前 西原公園・九品寺三丁目 九品寺五丁目 九品寺六丁目 ワンダーシティ前 八王寺 八王寺団地前 長溝入口 熊本中央病院 田井島(浜線バイパス) 浜線健康パーク入口 画図パークタウン 中の瀬車庫入口 中の瀬車庫 中の瀬・西 鯰入口 鯰・バイパス 下上島・バイパス イオンモール熊本 2022年度4月土曜 中央病院線P4-2下り(中央値) 07:22 08:18 09:18 11:25 14:18 15:10 16:05 17:15 18:13 0 5 10 15 20 桜町バスターミナル 市役所前(熊本) 通町筋 水道町 尚絅校前 建設会館前 西原公園・九品寺三丁目 九品寺五丁目 九品寺六丁目 ワンダーシティ前 八王寺 八王寺団地前 長溝入口 熊本中央病院 田井島(浜線バイパス) 浜線健康パーク入口 画図パークタウン 中の瀬車庫入口 中の瀬車庫 中の瀬・西 鯰入口 鯰・バイパス 下上島・バイパス イオンモール熊本 2023年度4月土曜 中央病院線P4-2下り(中央値) 07:27 09:20 11:25 15:15 16:05 17:15 産交バス あまくさ号 下り(土曜) 熊本バス 中央病院線 下り(土曜) 宇土~三角では 概ね10分以内に 本渡BCで 16分以内に 中央病院で 6分以内に イオンモール で10分以内に 2023年度にコロナ回復した分を考慮しきれなかったのが、実は心残り
  26. 51 バスレーンの検討 バスロケ速度の 中央値[km/h] ②浄行寺~子飼橋 ①産業道路 ③県庁通り・ 第二空港線 ▪候補の考え方 1.

    4車線以上 2. 既存のバスレーンと接続 3. バスの朝ピーク速度が10km/h未満 4. ピーク輸送力が400人/時以上 (利用が倍増すれば 一般車線の輸送力を上回る) ↓市長への提案をきっかけに 熊本市のバス機能強化部会にて 導入を検討中 道路管理者・県警と合意しながら 進めるには政治のリーダーシップ が不可欠!
  27. 52 遅延改善で利用は伸びるのか? ざっくり試算 熊本5社のバス待ち時間が1分短縮したら? 出発待ち時間短縮 38万時間/年 1分×輸送人員2273万[人/年] 利用者便益 3.2億円 /年

    38万時間×時間価値840[円/分] 増収効果 1.3億円 /年 3.2億円×運賃弾力性0.4 =年間収入51億円の2.5% ダイヤ、信号、バスレーンの組み合わせで積み上げたい
  28. 55 使える本数とは? 30分間隔 ≒ 30本/日が最低ライン 国交省 評価指標 30本/日 が基準 都市構造の評価に関するハンドブック(2014)

    https://www.mlit.go.jp/common/001104012.pdf 富山市公共交通活性化計画(2007): https://www.city.toyama.toyama.jp/data/open/cnt/3/3974/1/13.koutuu_kasseika_keikaku.pdf 車からの大転換には120本/日必要 時間帯 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 本数 1 6 12 10 6 6 6 6 6 6 6 8 10 8 6 6 4 4 3 計120本 熊本市公共交通グランドデザイン(2012年:初版) 時間帯ごとの本数の例
  29. 56 増便すれば利用者は増える 56 富山ライトレール 本数を3.5倍(曜日不明) ↓ 平日は2.2倍(感度0.49) 休日は5.3倍(感度1.75) 栃木県小山市 おーばす

    11年で1.8倍の経費増 ↓ 利用2.0倍(感度1.2) 富山県朝日町 5年で便4.1倍 ↓ 利用2.8倍(感度0.6) 山形県鶴岡市 便数4倍 ↓ 利用3倍(感度0.7) ※ルートを再設計、 バス停を58→79に増設 一概には言えないが、 100%(2倍に)本数を増やせば50%利用増は見込める!?
  30. 57 サービスレベルの現状と定義 57 area trunk_name direction terminal_time_min terminal_time_max trip_count travel

    _time c06 c07 c08 c09 c10 c11 c12 c13 c14 c15 c16 c17 c18 c19 c20 c21 c22 c23 人数 収入 1_植木 1A_徳王 up 6:30 22:19 91 5,652 4 8 9 7 7 7 6 6 6 6 6 5 5 4 3 1 1 0 2,615 579,242 1_植木 1B_池田三丁目 up 7:28 22:38 23 496 0 2 1 1 2 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 1 0 342 49,894 2_合志・菊池 2A_高平橋 up 6:52 21:05 39 2,335 1 3 4 4 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 2 1 0 0 1,138 228,622 2_合志・菊池 2B_須屋小屋 up 6:42 22:52 24 1,927 2 2 2 2 1 2 1 1 0 1 1 2 1 2 2 1 1 0 827 211,034 2_合志・菊池 2C_城北校前 up 6:32 23:21 31 1,760 2 3 2 3 2 2 1 2 2 2 1 2 2 1 1 1 1 1 897 169,435 2_合志・菊池 2D_立田山 up 6:35 22:56 43 2,460 2 3 4 2 4 4 2 2 2 3 2 3 3 3 2 0 2 0 1,346 246,472 3_菊陽・大津 3A_高杉 up 6:48 22:03 41 1,831 1 2 3 4 2 3 2 3 3 3 3 3 3 2 2 1 1 0 1,006 185,372 3_菊陽・大津 3B_武蔵陸橋 up 6:58 22:33 36 1,862 1 2 4 2 2 3 2 2 2 3 3 3 2 2 1 1 1 0 957 179,801 3_菊陽・大津 3C_塚の本 up 6:33 21:00 29 1,489 1 3 1 3 3 2 2 2 2 2 2 1 2 1 1 1 0 0 833 154,294 3_菊陽・大津 3D_江南病院前 up 7:03 21:10 30 1,522 0 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 0 0 624 118,985 4_長嶺 4A_渡鹿四丁目 up 6:50 21:48 61 2,474 1 5 6 5 3 4 4 3 4 4 4 5 5 4 2 2 0 0 1,412 270,900 4_長嶺 4B_熊本学園大学入口 up 6:47 22:52 66 3,261 1 4 7 4 5 5 4 5 4 4 4 4 4 4 3 2 2 0 1,509 305,898 4_長嶺 4C_帯山小学校入口 up 6:55 22:44 77 3,496 1 7 8 6 5 5 4 4 4 4 6 6 5 3 4 2 3 0 1,660 290,352 4_長嶺 4D_京塚 up 6:17 22:56 95 4,381 5 9 10 7 6 5 6 6 6 5 5 6 5 6 3 2 3 0 2,451 417,513 5_益城・空港 5A_小楠公園前 up 6:40 22:45 73 3,884 2 7 9 5 5 5 5 4 5 5 5 3 3 3 3 2 2 0 2,033 396,261 5_益城・空港 5B_東野中学校前 up 7:17 20:18 21 1,681 0 2 4 1 1 1 1 2 1 1 1 1 2 2 1 0 0 0 512 115,456 6_嘉島 6A_下江津 up 6:54 21:17 17 873 1 5 4 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 1 0 0 360 73,507 6_嘉島 6B_江津三丁目 up 6:43 19:10 12 521 1 1 0 1 2 0 1 0 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 219 39,683 6_嘉島 6C_田井島(浜線バイパス) up 7:54 20:16 20 913 0 1 1 2 1 2 2 1 2 2 1 2 1 1 1 0 0 0 298 48,341 6_嘉島 6D_田迎(旧浜線) up 6:09 23:41 94 5,093 7 7 8 6 7 4 7 6 7 6 8 5 5 3 3 1 3 1 1,834 409,502 6_嘉島 6E_県立高等技術専門校前 up 6:48 21:08 27 1,083 1 3 2 2 2 2 1 2 1 1 2 2 2 2 1 1 0 0 371 63,821 7_宇土・宇城 7A_熊日前(国道) up 6:20 20:45 28 946 2 2 3 1 2 2 2 1 2 3 2 1 2 2 1 0 0 0 362 71,523 7_宇土・宇城 7B_熊日前(旧道) up 6:38 22:15 46 1,804 2 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 4 3 1 2 1 1 0 1,002 206,554 8_田崎・城山 8A_新土河原一丁目 up 6:30 22:30 32 966 1 1 0 1 3 3 2 3 2 4 1 3 2 2 1 2 1 0 165 33,049 8_田崎・城山 8B_島団地入口 up 6:37 19:26 16 505 1 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 209 45,301 8_田崎・城山 8C_野口町 up 6:36 21:37 44 1,775 2 4 4 3 3 3 3 3 3 3 4 2 3 3 0 1 0 0 704 158,219 8_田崎・城山 8D_野中公民館前 up 6:33 23:21 35 822 4 3 1 2 2 2 3 1 2 3 4 2 2 2 0 0 1 1 267 48,397 8_田崎・城山 8E_稲荷入口 up 6:57 19:57 25 1,074 1 3 1 2 2 1 2 2 1 1 3 2 1 3 0 0 0 0 300 62,678 8_田崎・城山 8F_高橋中間 up 6:26 21:11 31 987 2 4 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 0 0 563 108,426 平日 幹線Lv 初着 終発 往復 上下 便数 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 8 6:10 23:30 123 上 123 4 11 11 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 6 4 3 3 1 0 下 123 3 9 11 8 8 8 8 8 8 8 8 8 10 6 4 3 3 2 0 6 6:20 23:00 93 上 93 3 9 9 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 4 3 3 2 0 0 下 93 2 7 9 6 6 6 6 6 6 6 6 6 8 4 3 3 2 1 0 4 6:30 23:00 63 上 63 2 6 6 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3 2 2 2 0 0 下 63 1 5 6 4 4 4 4 4 4 4 4 4 5 3 2 2 2 1 0 3 6:30 23:00 49 上 49 2 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 2 2 2 0 0 下 49 1 3 4 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 3 2 2 2 1 0 2 6:30 22:30 34 上 34 1 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 0 0 下 34 0 2 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 2 2 2 2 0 0 現状 平日 上り 定義 平日 利用状況を考慮しいずれかのレベルに割り当てる
  31. 58 増便・バスレーンシミュレーション(平日1日の例) 58 往復数 運転時間[h/日] 経費概算[円/日] 混雑 幹線部 輸送人員 収支概算[円/日] 方面

    路線(断面) 短縮 [分] 適用 率 幹線 Lv 現行 増便 後 現行 増加 増加 率 現行 増加 1便人 数 現行 増便増 加 増便増 加率 レーン 増加 増加計 増加 率計 収入 現行 収支率 現行 収入 増加 収支率 増後 収支 増減 1A_徳王 8 91 123 177 62 35% 1,247千 439千 29.0 5,273 927 18% 0 927 18% 1,179千 95% 207千 82% -231千 1B_池田三丁目 2 23 34 14 7 48% 100千 48千 15.8 726 174 24% 0 174 24% 106千 106% 25千 89% -23千 2A_高平橋 3 50% 3 38 49 71 18 26% 503千 128千 28.6 2,171 314 14% 149 463 21% 435千 87% 93千 84% -35千 2B_須屋小屋 3 50% 3 24 49 65 65 100% 456千 457千 35.4 1,698 884 52% 155 1,039 61% 432千 95% 265千 76% -193千 2C_城北校前 3 100% 3 33 49 61 24 40% 426千 172千 28.0 1,846 448 24% 275 723 39% 351千 82% 138千 82% -35千 2D_立田山 3 100% 3 42 49 77 8 10% 539千 55千 30.3 2,541 212 8% 330 542 21% 465千 86% 99千 95% 44千 3A_高杉 3 100% 3 41 49 58 6 11% 406千 45千 25.5 2,088 204 10% 275 479 23% 384千 95% 88千 105% 43千 3B_武蔵陸橋 3 100% 3 38 49 64 14 21% 454千 97千 25.4 1,931 279 14% 265 545 28% 367千 81% 103千 85% 6千 3C_塚の本 3 100% 3 29 49 50 29 59% 349千 206千 25.4 1,475 509 34% 238 747 51% 283千 81% 143千 77% -63千 3D_江南病院前 3 100% 3 28 49 45 29 64% 318千 204千 20.7 1,160 435 38% 191 626 54% 223千 70% 120千 66% -83千 4A_渡鹿四丁目 5 100% 6 61 93 81 27 33% 568千 189千 22.5 2,739 718 26% 691 1,410 51% 523千 92% 269千 105% 81千 4B_熊本学園大学入口 5 100% 6 65 93 104 29 28% 733千 206千 22.3 2,905 626 22% 706 1,332 46% 593千 81% 272千 92% 66千 4C_帯山小学校入口 5 50% 8 78 123 118 59 50% 831千 416千 20.2 3,125 917 29% 404 1,322 42% 545千 66% 230千 62% -185千 4D_京塚 8 93 123 137 44 32% 964千 311千 25.7 4,776 770 16% 0 770 16% 813千 84% 131千 74% -180千 5A_小楠公園前 3 50% 6 75 93 130 28 21% 919千 196千 27.6 4,108 510 12% 277 787 19% 811千 88% 155千 87% -40千 5B_東野中学校前 2 21 34 55 34 62% 384千 238千 22.6 951 294 31% 0 294 31% 219千 57% 68千 46% -170千 6A_下江津 2 18 34 31 29 94% 215千 203千 21.2 741 349 47% 0 349 47% 149千 69% 70千 52% -133千 6B_江津三丁目 2 12 34 17 33 196% 118千 232千 17.0 390 382 98% 0 382 98% 71千 60% 70千 40% -162千 6C_田井島(浜線バイパス) 2 21 34 30 19 62% 213千 132千 14.6 613 190 31% 0 190 31% 101千 47% 31千 38% -101千 6D_田迎(旧浜線) 8 93 123 171 56 33% 1,201千 396千 19.8 3,668 605 16% 0 605 16% 815千 68% 134千 59% -262千 6E_県立高等技術専門校前 2 26 34 34 10 31% 237千 73千 13.1 683 105 15% 0 105 15% 118千 50% 18千 44% -55千 7A_熊日前(国道) 2 28 34 32 7 24% 223千 53千 13.2 726 86 12% 0 86 12% 144千 65% 17千 59% -36千 7B_熊日前(旧道) 4 46 63 61 24 38% 432千 166千 21.8 1,984 382 19% 0 382 19% 403千 93% 77千 80% -89千 8A_新土河原一丁目 2 32 34 31 2 8% 216千 17千 6.4 405 16 4% 0 16 4% 83千 39% 3千 37% -14千 8B_島団地入口 2 16 34 16 19 113% 116千 130千 12.7 407 229 56% 0 229 56% 88千 76% 49千 56% -81千 8C_野口町 3 44 49 57 7 11% 405千 46千 15.7 1,382 79 6% 0 79 6% 309千 76% 18千 72% -28千 8D_野中公民館前 2 36 34 27 -2 -6% 193千 -11千 7.3 522 -15 -3% 0 -15 -3% 93千 48% -3千 50% 8千 8E_稲荷入口 2 23 34 33 17 51% 233千 119千 13.4 601 154 26% 0 154 26% 125千 54% 32千 45% -87千 8F_高橋中間 3 31 49 33 19 58% 230千 134千 17.7 1,096 318 29% 0 318 29% 209千 91% 61千 74% -73千 1日集計 全幹線 1,202 1,698 1,878 723 39% 13,232千 5,098千 52,731 11,100 21% 3,958 15,058 29% 10,436千 79% 2,986千 73% -2,112千 terminal 桜町路線2,998 3,495 2,571 723 28% 18,115千 5,098千 65,527 11,100 17% 3,958 15,058 23% 12,494千 69% 2,986千 67% -2,112千 all 全路線 4,596 5,093 3,818 723 19% 26,901千 5,098千 81,442 11,100 14% 3,958 15,058 18% 15,374千 57% 2,986千 57% -2,112千 5_益城・ 空港 6_嘉島 7_宇土・ 宇城 8_田崎・ 城山 バスレーン 1_植木 2_合志・ 菊池 3_菊陽・ 大津 4_長嶺 増便率 反映 比例 ×増便感度(0.5) 短縮時間 運転時間削減 時短感度(4%/分)を乗算 41%・496便増 39%・510万円経費増 29%・1.5万人利用増 211万減益 299万増収
  32. 59 増便・バスレーンによる渋滞緩和の推計 ◼増便 • 熊本市の幹線8方面のバスを48%増便。日中は7.5〜30分間隔に設定 • 増便率の0.5倍の利用増を仮定(20%増便なら10%利用増) ◼バスレーン • 3箇所(産業道路、子飼橋-浄行寺、県庁通り)の所要時間を3~5分短縮と設定

    • 所要時間×4%/分 の利用増を仮定(5分短縮なら20%利用増) ◼利用増・収支 • 年532万人(32%)、9.3億円減益 ◼渋滞解消効果 • 交通量:年403万人・0.7%削減(中央区は177万・2.2%削減) • 速度:14.0→15.1km/h(中央区平日8時)、走行時間:178万時間短縮 • 便益:47.6億円(公費支出の5.1倍の効果) 車1人削減あたり中央区1814円、他区824円 シナリオ 推計結果
  33. 64 運賃が変われば移動が変わる • 乗継ごとに初乗りがかかる →都心部以外の公共交通利用が少ない • 長距離だと片道1000円以上かかる →郊外まで渋滞を発生させてしまう • 定期以外に使いやすい割引が乏しい

    →買物・遊びなどが車になりがち • 学生には割高 (熊本市の70歳以上は8割引なのに) 事業者負担の割引では こうなってしまう 案②サブスク「くまもんパス」 公費投入で「お得だからとりあえず買っとく」パスに 案)一般 6万円/年、学生4万円/年 ウィーン市内)一般5.8万円、学生1.3万円 小山市バス)一般2.8万円、学生2.5万円 公共交通への運賃への不満 案①乗継割引 乗継時の初乗り分を公費で補填 ▼ バス向けの試算 ・10%利用増(現在の乗継率は6%) ・4.4億の減収補填 ・16.2億の渋滞解消効果
  34. 65 参考)ウィーンの公共交通運賃 券種 期間 運賃 普通きっぷ (乗継可) 大人€2.4 6-15歳€1.2 65-歳€1.5

    時間券 24時間 €8.0 48時間 €14.1 72時間 €17.1 日券 1日 €5.8 7日 €17.1 31日 €51.0 年券 365日 大人€365.0 65-歳€235.0 券種 対象者 期間 エリア 価格 Top youth pass 14-23歳 学生 年度 東オーストリア 地域 €82.0 Youth pass 〃 年度 授業日 自宅〜学校等 €19.6 Semester ticket -25歳 学生 夏or冬 学期 ウィーン市内 €75.0 Summer holidays monthly ticket 〃 夏休み ウィーン市内 €29.5 年間57,500円で 誰でも市内乗り放題 学生は年間12,900円で県内乗り放題 市営の地下鉄・路面電車・バス、旧国鉄、民間路面電車などを含めた統一的な運賃体系 市内なら乗り継いでも追加運賃は不要
  35. 69 半額パス分析(途中経過) by 共同経営推進室 3 2 2 5 5 5

    1 0 8 9 8 13 19 17 2 1 10代20代30代40代50代60代70代80代 半額パスは女性の購入者が多く40代~60代の女性で全体の半分(49.6%)を占めている。 約7割の方が、公共交通の利用が増え、車の移動が42%減り、外出効果を発現している。 属性 女性 男性 半額パス期間中、公共交通の利用は増えたか (n=1,289) 903 (70%) 増えた 380 (29%) 変わらない 6 (0%) 減った 利用が増えた理由もしくはどの公共 交通から変更したか(SA / n=1,016) 396 (39%) 外出自体が増えた 52 (5%) JR 297 (29%) 自家用車(自分で運転) 134 (13%) 自家用車(家族で運転) 137 (13%) 自転車、チャリチャリ、徒歩 42% 2025/1/30 公共交通マーケティング研究会 共同経営推進室発表資料より 車からの転換
  36. 74 バスより遅い所要時間 ◼ 路線の問題 • 電停が多い (平均間隔370m) • 駅〜通町筋の 右左折が多い

    ◼ 運用の問題 • 信号待ちが長い • 混雑 • 前扉のみで降車 (⇔全扉で乗降) • 「安全性」のため 余裕時間増 • 減便が進んだことで 均等化・定時性重視 ◼ 負のスパイラル 減便 →混雑・定時性重視 →所要時間増 →運転手不足 →減便… (6.8km/h) (11km/h) (9.3km/h) (20km/h) 市街地ではバス・自転車より遅い 20年前より大幅に所要時間増 区間 距離 2003 → 2024 田崎橋 →交通局 +10分 上熊本 →交通局 +9分 交通局 →健軍町 +3分 6分 3分 7分 4分 5分 市街地での時間調整が多い
  37. 76 東町線延伸の前提となる数値には疑問点が多数 ① 所要時間の優位性が実際は無く、予測が疑わしい • 計画では車より21分速い触れ込みだが、実態と全く異なる。 • 実態は、車は計画より速く、市電はダイヤ上の低速化と遅延、 車・バスに対して朝で同等、昼は圧倒的に遅い •

    速達性の前提が崩れるので、利用者数や渋滞緩和の効果予測は要精査。 ② バスと路線が重複し、運賃は整合しない • 新4電停のうち3電停には、市街地直通バスが既にある(特に市民病院付近) • 市電の運賃は極端な均一180円であり、バスの320円に比べ安すぎる • 2300人の利用増に対し車が2000台削減とされ、 実際は多いと考えられるバスからの転換がほとんど考慮されていない • 本来は所要時間で優位なはずのバスの利用減・減便が加速する懸念がある。 ③ 渋滞解消の便益を過小評価している可能性 • 車2000台削減の「渋滞緩和や交通事故減少」便益は1.8億円/年となっている • 手元の面的な評価では8.6億円。限られた道路上だけで過小評価しているのでは? • 今後の「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」に向けても、評価方法は要確認。 市電 車 バス 計画(朝) 34分 55分 無記載 実態(朝) 44分 40分 45分 実態(昼) 38分 20分 25分 車はGoogle Maps、バスは東町中央からの実績 2021年10月時点のバス運行本数
  38. 79 立ち後れている日本の路面電車の低床車導入 行ラベル 単車 連16m未 満 連16- 20m未満 連20- 25m未満

    連25m以 上 総計 アルナ工機 31 23 21 3 78 新潟トランシス 30 23 53 近畿車輛 18 18 36 シーメンス 12 12 総計 31 23 69 3 53 179 熊本の3連接車(21.4m)は日本では大型・世界では小型 日本の導入実績 (1997-2024年) →28年で179本 全692本の26% 広電・宇都宮以外はほぼ20m未満 世界の導入実績 (2016/11-2019/11) →3年で1388本 25m以上がほとんど 低床率 20-25m 未満 25-35m 未満 35-50m 未満 50-60m 以下 総計 低床(50-100) 39 705 627 17 1,388 100 片運 112 214 326 両運 26 478 332 5 841 70 片運 30 30 両運 13 115 37 12 177 50 両運 14 14 高床 240 29 269 高床 両運 240 29 269 総計 39 945 656 17 1,657 日本でも、複数事業者からのまとまった発注を前提に 大手メーカーに標準車を開発・大量生産してもらいたい 打開策 熊本もこの波に乗り、32+4本×5億円=180億円 規模の投資で2035年頃までに残り全車置換+増備したい 延伸用は別途 公共交通の交通RACDA 作成資料より http://www.racda-okayama.org/archives/4445 年に数本 しか作れない
  39. 80 熊本市電「利用者2倍」に向けた体質改善 ① 運転手確保・待遇改善、安全対策 2億円/年(人件費)+ハード 全員非正規・335万円、トラブル年15件 行きすぎたコストカットを改め人に投資。年収100万UP。 ② 3連節車への統一 180億円(車両)

    + 車庫 3連接6本を5年で導入。今さら単車も並行導入。 全車3連節車に。量産可能なメーカーへの切替も必要。 ③ 本数を2000年代レベルに回復 2億円/年(収支差) 平日昼はA:10分毎、B:20分毎。駅終電21:50。 昼もA:5分毎、B:10分毎。23時台まで運行。 ④ 速達性を回復・向上 +1億円/年(効率向上) A系統58分(20年で+13)、市街地は6.8km/h 全扉乗降、信号サイクル短縮、調整時間削減、電停削減 ⑤ バスと協調した経営・運賃 ? 市電だけ極端な均一運賃、乗継や定期の便宜なし。 バスとシームレスな運賃。緩急の役割明確化。共同経営。 ⑥ 独立採算からの脱却計画 0.2億円(計画策定) 新車導入も定員10%増、利用7%増の長期計画 独立採算を脱却した利用者倍増への投資計画 延伸は、体質改善を前提に再検討。東町線は、所要時間が計画と実態で大幅に異なるのと、バスとの競合を要精査。
  40. 82 鉄軌道も「利用者2倍」へ 市電:オール3連接化・ 本数と速達性回復・バス結節 豊肥線:本数倍増・ 新駅・交換駅化 藤崎宮延伸 上熊本 連携 電鉄:終日15分毎

    将来的にLRT化 空港アクセス 鉄道 原水 結節 御代志 結節 駅結節に バス網再構築 段階的に安く造れるBRTか、がっつり投資・乗入のLRTか 地下鉄? モノレール? ロープウェイ? 熊本都市圏の 動脈として 再構築したい
  41. 83 電鉄は同格の都市の 1/5以下の利用者数。 都心非直結が致命的 数字で見る地方鉄道 都市 人口 事業者・路線 複 線

    輸送密度 (2019) 昼の 本数/h 熊本 74万 熊本電鉄 1,946人 2本 JR熊本-肥後大津 11,465人 2本 JR熊本-八代 複 10,514人 2本 福岡 161万 西鉄 貝塚線 8,855人 4本 浜松 78万 遠州鉄道 11,910人 5本 静岡 68万 静岡鉄道 複 16,235人 7.5本 JRは輸送密度が同等な 私鉄の半分以下の本数 全国的にも都心非直結の 路線は利用低迷し存廃問題 例:北陸鉄道石川線、弘南鉄道大鰐線 九州だけでなくJRは全国的に 本数が私鉄の半分以下 熊本電鉄は都心直結、JRは私鉄並みの本数倍増がカギ 上熊本での市電乗継は1日50人に過ぎない 乗降2277人の藤崎宮からの延伸が必要 単線でも6本/h程度までは増やせる JRの経営改善だけでなく公的投資が必要
  42. 85 豊肥本線(熊本-肥後大津)増強のステップ 簡易試算 ステップ 運行間隔 [分] 快速 編成長 [両] 車両購入

    地上設備 公費 負担 (67%) 事業者効果 渋滞解消効果 目標 時期 利用 増 収支 差 便益 公費 B/C 朝 昼 朝 昼 両数 金額 設備内容 金額 現況 12分 30分 2-4両 2-3両 ① 鹿児島 本線直通 12分 30分 2-4両 2-3両 3% +0.4億 2.3億/年 ∞ 1年 ② 増結増便 のみ 12分 20分 3-4両 2-3両 計 4両 8億 - - 5.3億 17% +0.4億 14億/年 51.0 2-3年 ③ 設備 小改良 10分 15分 4両 2-4両 計18両 36億 新駅)三里木-原水 安全側線)武蔵塚・原水 複線駅化)東海学園前 複線化)南熊本-平成 30億 44億 48% +0.1億 37億/年 21.9 3-5年 ④ 設備 大改良 8分 15分 少し 4両 2-4両 計26両 52億 新駅)竜田口-武蔵塚 複線駅化)新水前寺 複線化)肥後大津-原水 他 80億 88億 75% +0.6億 58億/年 19.0 7-10 年 ⑤ 全線 複線化 6分 10分 頻発 4両 4両 計34両 68億 全線全駅複線 数百億? 数百億? ? ? ? ? 増便率の0.5乗、 新駅10%の利用増を仮定 償却期間20年と設定 (法定13年) 償却期間40年と設定 (法定約20-60年) 乗客の時短便益 を入れればさらに莫大 将来価値の割引などは未考慮な概算 全線複線化までしなくても、百億前後の投資でみちがえる このレベルを まずは目指したい
  43. 86 熊本電鉄は市電直結をどうするのか? 藤崎宮延伸・LRT化計画が やはり本命 上熊本連携が進むが 市電乗継は現状50人 熊本都市圏北部の命運を握る。官民・組織横断で決めないと電車・バス・地域が共倒れ 従来 現在 昼間隔

    30分 40分 朝間隔 15分 20分 所要時間 26分 31分 北熊本直乗継 全方向 半方向 運転士不足でダイヤ崩壊 熊本市の2011年の調査では、上熊本の 電鉄⇔市電乗り継ぎは1日50人 (電鉄利用の9%、市電利用の3%) 西環状の池上開通(2025年度)も契機になるのでは? 定員9名のところ3名退職し4名に 育成に1年以上かかる 基本給18.8万円・手当込20.2万円〜 上下分離しかないのでは?
  44. 87 参考)官民連携で再生を果たしつつある地方鉄道 JR城端線 ・氷見線 https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20231129/3060015024.html JRを県が 積極的に 巻き取り 三セク化 宇都宮

    ライトレール https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/content/000339094.pdf 北陸鉄道 石川線 都心に直結せず 利用低迷 している路線を 金沢市が中心に 114億円/15年 拠出し 再生を事業化
  45. 89 運転手不足とは、給料不足と休養不足(2021年時点) 運転手不足から脱却し、産業の魅力を取り戻せる収支モデル・制度を提案したい 産交グループ 熊本都市バス 熊本電鉄バス 熊本バス 月給 173,000円〜 174,200円〜

    174,500円〜 164,000円〜 賞与 年2回 年2回 年2回 年2回 休日 年間84日 年間84日 年間82日 年間80日 http://careergarden.jp/b us-untenshu/salary/ 全国全産業正社員 平均492万円 出典:令和2年度 賃金構造基本統計調査 熊本県バス運転手 平均315万円 全国バス運転手 平均428万円 熊本県バス会社新人運転手給与 出典:各社HP等 バス運転者の1日の拘束時間は? 厚労省)13時間を超えないものとし、 拘束時間を延長する場合、最大拘束時 間を15時間とします。
  46. 90 喫緊の運転手不足解消のために年10億円必要 完全週休2日制及び拘束時間8時間ルールの適用における追加必要運転士数と給与の試算 運転士数 運転士給与 5社平均 373万 県内平均 433.5万 完全週休二日制の適用

    +346 百万 +56 百万 +575 百万 +95 百万 +587 百万 現状 人件費35億 拘束時間8時間ルールの適用 (総追加費用1,660百万円) 完全週休二日制の適用 (総追加費用978百万円) 5社総運転士数 951 1,044 +93 1,201 +250 在籍乗務員を県内平均給与まで引き上げるならば、575百万円。 完全週休二日制を導入しようとした場合には93人の運転士が追加で必要となり、402百万円追加。計978百万円 同様に、拘束時間8時間ルールを適用しようとした場合は、250人が運転士が追加で必要となり、682百万円追加、 計1,660百万円 共同経営推進室 「共同経営の成果と限界について ・利用者2倍構想の実現に向けて」より 計9.77億円
  47. 93 公共交通の収支と予算 バス4社(2019・熊本都市圏) 収入 支出 収支 収支率 49億 59億 -10億

    83% 熊本市電(2019) 経常収支 https://jmpo.kumamoto-toshibus.co.jp/opendata/opendata2-1/ 収入 支出 収支 収支率 17億 20億 -2.7億 86% 営業収支 http://www.kotsu- kumamoto.jp/kihon/pub/detail.aspx?c_id=56&id=1123&pg=1 熊本の収支率 先進国の都市鉄道 の収支率 自治体 地域 交通 道路 一般会計 熊本市 5.8億 184億 3702億 熊本県 4.9億 372億 7915億 熊本の交通行政予算 独立採算から脱し、道路とバランスの取れた交通予算配分へ 2019年度当初予算 公共交通の 運転手確保・増便・割引に40億/年 ハードに60億×10年投じれば 熊本の交通は劇的に生まれ変わる 財源は、道路?他予算?増税? 日本では「赤字」と叩かれるが 諸外国と比べると 「運賃高すぎ・サービス低すぎ」
  48. 94 参考)富山市ではLRTへの投資が財政に返ってきている • 利用者が平日2.1倍、休日3.4倍に • 渋滞解消効果は201億円/30年(事前推計) • 買物や飲食の外出、立ち寄りが増加 • 車で来る人よりも年35.5万円(61%)多く

    中心市街地で消費 • 中心市街地の人口が転入超過へV字回復 • 固定資産税/都市計画税が40億円/年(13%)増 • 「おでかけ定期券」で1日1794歩増加 • 医療費が1.1億円/年削減 財政に返ってきている 2005年から 顕著に上昇 都道府県最高地価 富山県の順位 (政令指定都市のない31県) 森雅志ら: 地方自治体による鉄軌道政策の成果と課題に関する 研究、実践政策学第8巻1号、pp5-20、2022 高齢者の外出の顕著な増加 ⇒健康増進・まちの賑わい 昼間は4倍以上 富山ライトレールによる時間帯別利用者増 富山大学 中川大先生 講演資料 より
  49. 100 「再構築検討」は進捗も方向性も2年間不明 スキーム 組織、契約、マネジメント 財源 待遇改善10億、増便10億、運賃割引10億、ハード… 必要なサービス 増便、政策的割引… バスレーン、車両刷新… 社会目標

    車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍 本来すべき意思決定 令和5年第2回定例会常任委員会報告資料 ・太田1.5倍増便案を共同経営から持ち込もうとしたが却下された ・2024年度は「2割削減」というバッドケースの検討に消費 ・今後は地域公共交通特別委員会の方が主な議論の場になる模様
  50. 103 目標値のスケールダウン 計画 実績 目標 2000年度 都交マスタープラン 1997年度:13.5万人 2020年度:25.1万人 倍増計画だった!!

    2015年度 都交マスタープラン 2012年度:15.7万人 2035年度:17.0万人 15年でスケールダウン… 2018年度 総合交通戦略 2025年度:15.0万人 実行計画は横ばい… 2021年度 熊本市 地域公共交通計画 2015年度:15.2万人 2025年度:15.3万人 上位計画通り横ばい… 2024年度 熊本市 総合計画 2022年度:12.5万人 2031年度:14.8万人 コロナで下方修正… 25年間の反省を活かし、今こそ再チャレンジを!
  51. 104 国全体で都市交通政策が空洞化している 生活支援交通 都市交通 役割 代わりに運転する まとめて運ぶ 目的 運転できない人の 活動機会確保

    車削減による渋滞緩和 等の都市機能向上 対象地 過疎地 都市部 サービスレベル 生活ができる最低限 車より便利な高水準 公共交通の2つの役割 • 国の補助・計画制度は、生活支援交通が中心で、都市交通が民間任せになりがち • 「持続可能性」の名の下に、公費投入額の削減が目標化 • 最近は、IT策を中心とした「やってる感」「アイディアコンテスト」状態に
  52. 105 全交通手段で「2倍」の投資規模のオーダー 交通 施策 初期投資 運用公費 利用増数 増加率 現状利用者 JR豊肥線

    鹿児島線直通/増便/新駅2/一部複線化 140億 28,282 75% 37,709 空港アクセス鉄道 410億 4,900 13% JR鹿児島線 増便/新駅1 100億 15,757 50% 31,513 熊本電鉄 藤崎宮前〜市街延伸・LRT化・増便 227億 1億/年 4,600 107% 4,300 上熊本〜北熊本 市電直通・増便 50億 0.2億/年 430 10% 御代志〜セミコン〜原水 BRT 200億 1億/年 4,300 100% 熊本市電 待遇改善・運転手確保 1億/年 27,638 オール連節化+車庫増設 300億 5,528 20% A5分毎・B10分毎・深夜増便 1億/年 5,528 20% 余計時分短縮 -1億/年 829 3% 東町線延伸 141億 2,300 8% 南熊本延伸 200億 2,211 8% バス 待遇改善・運転手確保 10億/年 60,000 都市部1.5倍増便 + バスレーン 100億 9億/年 14,575 24% 新路線 2億/年 3,000 5% 遅延改善ダイヤ改正 720 1.2% オールEV化 500億 -2億/年 6,000 10% 全体 サブスク・半額パス等 10億/年 36,300 30% 121,000 乗継割引・上限運賃等 3億/年 6,050 5% 高齢者・若者割引等 3億/年 6,050 5% 濃色は公的根拠あり 淡色は研究試算あり アクセス鉄道新設より JR増強が圧倒的に効率的 上熊本連携の効果は僅か 本命は藤崎宮 セミコンBRTもポテンシャル大 延伸以前に運転手確保・ 連接車導入による 輸送力増が大前提 東町線は実態と異なる所要 時間で需要予測に疑義あり バスは初期投資が少ない 運行費増でV字回復 バスは初期投資が少ない 運行費増でV字回復
  53. 106 市議会への提案 ◼①各計画の見直しが「利用者2倍」水準になるようチェック • 都市交通マスタープラン(県都市計画課) その後、都市総合交通戦略 • 地域公共交通計画(交通企画課) • 交通局経営計画(交通局)

    ◼②「利用者2倍」へのビジョン・投資案を政治から提案 • 市部局からは2桁小さい予算枠ありきの提案しか来ない。受け身では解決不能 ◼③市電延伸の精査と本来あるべき姿の描き直し • トラブル・延伸以前に、低すぎる速達性・輸送力・本数が放置されている。 ◼④公共交通再構築のペースと透明性の向上 • 根本的な検討が2年間停滞したのを大きく巻き返す必要がある
  54. 107 よくある疑問への回答 よくある疑問 私の回答 熊本の渋滞はどうなっているの? 都市部から郊外まで渋滞。都市全体で道路に比べ車が多すぎる。 どうすれば渋滞を解消できるのか? 公共交通(・自転車・徒歩)を増やして車を減らすのがキホン 車の大幅な削減は難しいのでは? 車が1割減れば渋滞は劇的になくなる。

    渋滞解消には道路整備が一番では? 道路整備だけでは渋滞解消しないことは、熊本も世界も歴史が証明。 渋滞解消に都市高速は不可欠では? 並行道路の渋滞解消、高速バスは見込めるが、基本は渋滞回避による産業振興策。 公共交通にも投資しなければ面的には車依存をますます進む。 信号改善で渋滞は緩和するのでは? 日本一長いサイクル長、郊外の改善など課題は多いが、限界も見える。 公共交通は運転できない人向けでしょう? 渋滞解消に向けた都市交通としては、車を手放せるだけの高いサービスレベルが必要。 便利な車を手放せないのでは? 核家族なら一家に1台、単身なら0台をめざし、5世帯に1台減らせれば充分。 公共交通の大幅な利用増は難しいのでは? サービスレベル向上と大胆な運賃策を中心に、数割増の策を積み上げ、2倍をめざす。 バスだけの策で良いのか? 鉄軌道は? 鉄軌道のハード投資・増便、バスの増便の両方必要。運賃のシームレス化も必要。 バスは遅れる。インパクトが出ないのでは? ダイヤ改善、信号・バスレーンで改善可能。ここぞという路線は「BRT」化。 運転手不足・減便から抜け出せるのか? 人件費への適切な公費投入で一定改善。高頻度なら連節バスも有り。 TSMC進出で交通は大丈夫? セミコン通勤の公共交通利用を5倍に増やす必要がある。公共交通投資、車抑制が必要。 公共交通投資の財源は? 増税? 交通税の前に、数百億の道路から数十億転換すれば可能。 なぜ行政は課題解決できなかったのか? 課題解決からのバックキャストで実効性を伴う実施計画を立てず、 近年は構想・目標すら立てず、部署の予算枠内の小粒策に留まっているから。 市民の同意は得られるのか? 渋滞解消のための公共交通投資策も、道路との投資配分も、根本から問うてこなかった。 短期の成果も示しながら、政治・市民の味方を増やす働きかけをしていく。