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RevOps AIが創造するインパクトについて

RevOps AIが創造するインパクトについて

2025.4.14 datatech-jpで開催されたDevops勉強会にて発表したスライドです。

生成AIの登場により、マーケティング、営業、カスタマーサクセスといった収益に直結する部門がどのように変革するのか。
またAIを中核に据えたデータ統合の重要性、そしてそれに伴う組織内外のガバナンスやセキュリティの課題についてまとめています。

https://www.notion.so/RevOps7-AI-AI-1d35c22701f180ef93ebee5b4d5eac17?pvs=4

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Keita Nakata

April 14, 2025
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  1. RevOps7 章現代のレベニュー組織 におけるAI 活用 – AI が創造するイ ンパクト ステータス 対応中

    作成日 はじめに 本章は、急速に進化するAI 技術がレベニュー組織(Revenue Operations 、以降 RevOps )にもたらす影響と、その重要性の高まりについて議論しています。 特に、生成AI の登場により、マーケティング、営業、カスタマーサクセスといった収益 に直結する部門がどのように変革するのか、またAI を中核に据えたデータ統合の重要 性、そしてそれに伴う組織内外のガバナンスやセキュリティの課題まで、幅広く扱って います。 以下、各セクションの内容を詳しく解説していきます。 1.現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造する インパクト 1-1. AI の経済的インパクト 大規模な価値創出の予測 マッキンゼーの2023 年6 月の調査によると、生成AI がもたらす経済効果は数兆 ドル規模になるとされ、その価値創出の約75% が、ソフトウェアエンジニアリ ング、研究開発、カスタマー業務、そしてマーケティング・セールスの領域に 集中すると予想されています。 タイムラインの変化 @2025 年4 月12 日 11:49 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 1
  2. 調査対象の分野において、以前は2060 年頃に人間のパフォーマンスを超えると 予想されていたものが、2023 年では2030 年ごろにシフトしており、AI の進化 が急速であることを示しています。 生成AI の経済効果は大! AI

    は刻一刻と進化している! 1-2. 図7-1 「生成AI が生み出すインパクト」 グラフのポイント 図では、各機能ごとにどれだけのインパクト(億ドル換算)が見込まれている かを示しています。例えば、ソフトウェアエンジニアは、支出は高いものの、 インパクトも大きい。営業は、低い支出で大きいインパクトを出している。 AI による置き換えの可能性 現在のレベニュー組織の一部のタスクは、AI によって代替される兆しが見えて おり、業務効率の向上はもちろん、新たな価値創造の可能性を秘めています。 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 2
  3. 2.レベニュー組織でのAI 活用ケース 2-1. マーケティングにおけるAI 活用 導入状況と市場調査 ガートナーの2024 年調査によれば、マーケティング部門は他部門よりも早期に 生成AI を取り入れ、すでにまたは直近6

    か月以内の導入予定が高い割合で見受け られるとの結果が出ています。 具体的ユースケース データ補正と見込み顧客の判定 AI を利用してデータベースの表記ゆれを自動補正し、見込み顧客のスコア リングなどが従来のルールベースからより高度な解析へと進化しています。 パーソナライゼーションの進化 コンテンツやクリエイティブの多様なパターンに対し、個々のユーザーに最 適なメッセージを自動生成する仕組みが進化。これにより、同じコンテン ツでも受け手に合わせた調整が容易になるとともに、ROI が向上していま す。 Return on Investment (リターン オン インベストメント)の略で、投資利 実際の運用例 2023 年1 月のカリフォルニア州アナハイムでのMOps カンファレンスでは、 ChatGPT とマーケティングオートメーションの連携が紹介され、既存リー ドの行動に基づいたメール自動生成が開封率や返信率を向上させたケース が示されました。 MOps(MarketingOps): 人材や業務プロセス、テクノロジーなどのデータを https://www.salesforce.com/jp/blog/jp-marketing-operations/ https://marketingops.com/conference/mopsapalooza2023/ RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 3
  4. プッシュ型アプローチの限界とAI エージェントの役割 コンテンツの過剰供給(コンテンツショック)によって、従来の一方的なメ ールや広告は効果が薄れ、信頼できるAI エージェントが「プル型」で情報 を提供する未来が描かれています。図7-2 の検索インターフェースは、その 変革を象徴する例として紹介され、リスティングから対話型インターフェー スへの移行が示唆されています。 プッシュ通知でおすすめされるものじゃなくて、

    DeepResearch 使って要約された情報をプルする 2-2. 営業とインサイドセールスでのAI 活用 議事録の自動生成と評価 顧客との会話を自動で文字起こしし、その内容をSFA へ連携する、コーチング に利用するなど、日常的な業務の自動化が進んでいます。 AI による顧客対応の代替 チャットボットだけでなく、電話やオンラインミーティングにおいてもAI エー ジェント(例:Sela )が活用され、見込み客との初期対応やリードクオリフィ ケーションなど、人的リソースが不足している領域において実用化が進んでい ます。 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 4
  5. タスク自動化の拡大 見積もり作成、出荷指示の自動化など、従来の人手によるルーチンワークをAI と連携ツールが担うことで、担当者はより高度な戦略的業務に集中できる環境 が整います。 cc に人間の営業担当者を入れるようにし、何かエラーがあった時だけ人間が動 くようにするように進化していくでしょう。 https://www.trysela.com/ 電話オペレーションのエージェントサービス 2-3.

    カスタマーサクセスにおけるAI 活用 顧客対応の自動化 チャットボットや対話型AI エージェントを用いて、基本的な問い合わせ対応か らトラブルシューティングまで自動化が進んでいます。 受身だったカスタマーサポートも生成AI によって自発的にサポートを提案でき るようになります。リスクの高いアカウントを手厚くケアするような動きも実 査に多くの企業で運用されています。 過去データの分析 顧客との通話、メールのデータなど断片化されたデータを統合したうえでヘル ススコアをつけることができます。 過去のデータから解約リスクを予測でき、手遅れになる前に担当者のリソース を確保し顧客とサポートに充てるなどができます。 2-4. 本格的なAI 活用の先にあるもの 人材の課題 生成AI に依存する人が多くなることで、論理的、科学的スキルの低下が課題と なります。 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 5
  6. 生成AI 発達により、生成内容が事実とあっているか求められる場が少なくなり ます。(google マップにより紙のマップを読むスキルが薄れたように) グローバルのリーダは、キャンペーンの実施や勝ちパターンの探索などより も、戦略戦術の構築などの管理者としてのスキルを身につけていく必要がある のです グローバルのリーダは、キャンペーンの実施や勝ちパターンの探索などよりも ??? 労働人口のリスキリング

    IBM が2024 年に実施した調査では、AI 導入により業務の自動化が進む一方で、 40% もの労働人口が新たな管理スキルや戦略的思考を求められるようになるこ とが示唆されました。 https://www.ibm.com/downloads/documents/us-en/10a99803fd2fdd77 3.レベニュー組織におけるAI 活用の展望 3-1. データの価値とその変化 データの価値 AI 時代の到来でよりデータの価値は大きくなり、データをいかに活用できる状 態を維持するかが大事になります。 正しくデータを処理するプロセス、データ保持のための正しいインフラストラ クチャー、正しく管理できる環境が必要 データの二重の役割 データの価値は、従来の「分析」 「生産性向上」のためだけでなく、今後は消費 者とのコミュニケーションチャネルそのものとして機能することも考える必要 が出るでしょう。 今後は消費者とのコミュニケーションチャネルそのものとして機能することも 具体的には??? 一元管理の必要性 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 6
  7. マーケティング、営業、カスタマーサクセスといった各部門でバラバラに保持 されるデータが、今後のAI 学習においてはサイロ化の問題を引き起こします。 統合された「Single Source of Truth (単一の真実) 」(3 章の話)

    の構築が不可欠 となり、CDW (コーポレートデータウェアハウス)やCDP (カスタマーデータ プラットフォーム)の活用が進んでいます。 サイロ化のリスク 図7-3 で示されたように、部門間で学習内容が個別最適化されてしまうと、最終 的な受注や顧客ロイヤルティの向上といった収益貢献に結びつかず、組織全体 のシナジーが損なわれる恐れがあります。 3-2. 統合データを活用したAI 学習 統合によるシナジー効果 統一されたデータ環境により、マーケティング、営業、カスタマーサクセス全 体で共通の学習モデルを構築することが可能となり、各部門の成功要因を組織 全体で共有する仕組みが求められています。 データ連携の戦略的意義 部門横断のデータ統合は、単なる効率化だけではなく、AI の学習結果を組織全 体で活用し、最終的な収益にどう結びつくのかを明確にするための基盤でもあ RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 7
  8. ります。これにより、従来の個別最適から全体最適への移行が実現されるので す。 4.AI 時代におけるRevOps の価値とIT 部門との連携 4-1. テクノロジーの急速な進化と管理の重要性 ツール・アプリの急増と生産性向上 Codex

    などのファンデーションモデルの登場により、コーディングやシステム 構築が迅速化する一方で、膨大なSaaS 製品やアプリケーションが企業内に導入 されるようになりました。 https://openai.com/index/openai-codex/ gpt3 の継承したコメントをコードに変換するソフト、chatgpt 以降は非推奨と なっている ガバナンスとセキュリティの重要性 多数のSaaS 製品が導入されると、セキュリティリスクやシャドーIT と呼ばれる 非公式なシステム利用の問題が浮上します。2024 年のProductiv のレポートに よれば、シャドーIT の割合は改善傾向にありますが、引き続きガバナンス体制 の強化が求められます。 シャドーIT: 企業が許可していないIT 資産やサービス、またはそれらの使用状態 攻めのRevOps と守りのIT 部門の協業 IT 部門が全体のシステム設計・管理を一手に引き受けていた従来モデルから、 ビジネス部門、特にRevOps へと役割がシフトし、両者の連携が不可欠となって います。これにより、業務の迅速性や柔軟性を保ちながらも、セキュリティと ガバナンスを確保する必要があります。 4-2. RevOps が目指すデータマネジメントモデル データ統合の必要性 各部門で個別に蓄積されるデータを統合し、共通のデータ基盤を作ることで、 AI の学習効果を最大化するとともに、全体最適の顧客体験を実現する狙いがあ ります。 組織間の壁を越えた連携 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 8
  9. マーケティング、営業、カスタマーサクセスがそれぞれ個別の最適化に陥らな いよう、共通のデータセットを用いた連携が急務です。これにより、受注から 顧客ロイヤルティに至るまで、各フェーズでの数値的な効果を正確に把握し、 PDCA サイクルを効果的に回すことが可能となります。 5.日本企業が機会を損失し続けた20 年とその原因 5-1. 日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX )の遅れ

    海外とのギャップ 海外のRevOps やDX を推進する企業と比較して、日本企業はSaaS のライセンス 購入は進む一方で、製品機能の一部しか利用できず、ROI の実現に苦しんでいる ケースが多くあります。 カスタマイズの落とし穴 特にCRM などの代表的なSaaS 製品において、標準的な利用方法やベストプラク ティスが存在する中で、企業独自にあまりにも多くのカスタマイズを行った結 果、システム間連携や最新AI 機能が十分に活用されないという現実がありま す。 Saleseforce は色々なサービス統合できるが、果たしてどのくらいの企業がそれ いかせているか?単なる退勤ツールで終わってないか? エコシステム活用の失敗 Salesforce のAppExchange が提供する各種コネクターによるエコシステムの恩 恵を受けられなかった結果、連携開発のコストやシステム全体の相互運用性に おいて大きな課題が残っています。 5-2. 将来的な課題と必要な変革 旧来のシステムからの脱却 古いデータベースや慣習に縛られたままでは、今後のAI 搭載パッケージや最先 端のツールのメリットを享受することが難しい状況です。 組織全体の変革が急務 個々のシステムをつなぎ合わせる「つぎはぎ」の連携ではなく、基盤そのもの を抜本的に見直すことが、今後の持続可能なビジネス戦略の鍵となるとされて RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 9
  10. います。 家で例えると、壁紙や家具を変えたところで、地震には耐えられない コストとタイムロスの回避 従来のように、システムごとに高額なコストと多大な時間を投じてデータ連携 を行うのではなく、標準化されたインターフェースとガバナンス体制を構築す ることで、無駄な投資を防ぐ必要があります。 とはいっても、独自性を持って差別化するところは見誤らないようにする どうやって見誤らないようにするの?主観的? 標準化されたインターフェースとは? 6.エクスペリエンスデザインから始めるRevOps

    :実例 インタビュー 6-1. 山田 泰志氏のケーススタディ キャリアと組織変革の歩み 山田泰志氏は、ソフトバンクに入社後、B2B マーケティングの変革プロジェク トに従事し、2019 年からマーケティングオペレーション室を運用。2023 年10 月 には、B2B 事業全体を統括するレベニューオペレーション室を新設しました。 彼は、単なるマーケティングや営業の施策にとどまらず、受注やデリバリー、 さらに顧客体験までを包括的に改善するための仕組みを構築しています。 顧客体験と社員体験の統合 山田氏は、単に顧客体験の改善に注力するだけではなく、社員体験も同時に重 視しています。社員一人ひとりの行動やツールの利用状況を詳細に記録し、組 織全体で共有・分析することで、最終的な業務効率化と収益向上を狙います。 変革への当事者意識 社内での取り組みを通して、従業員自らが「ビジネストランスフォーメーショ ン」を実現しようという強い意志を持つことが、長期的な変革を推進する原動 力になると語っています。 6-2. 社員体験のデザインがもたらす波及効果 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 10
  11. 詳細な行動記録と分析 社員の業務行動を1 分単位で追跡し、徹底的なデータ収集とフィードバックを実 施することで、本質的な課題を洗い出し、次世代の業務プロセスを設計する手 法が紹介されます。 文化としての「カッコいい働き方」 社員の働き方や体験が、外部に対しても自社の魅力として発信されるような文 化の醸成が、結果的に顧客への好影響へとつながるとの考え方が強調されてい ます。 未来志向のレベニューオペレーション室

    短期的な課題解決ではなく、長期的なビジョンに基づいて組織全体を再構築す るという方針が、今後のRevOps のあり方として提示されています。2024 年度 中に「機敏性」と「迅速性」を高め、企業全体にその波及効果を広げる戦略が 語られており、これが競争優位性の確保につながると期待されています。 7.まとめと今後の展望 7-1. AI 時代のRevOps の本質 統合と自動化 AI 技術は、単なる業務の自動化に留まらず、組織全体のデータ統合や学習モデ ルの最適化を可能にし、収益に直結する全プロセスの再設計を促します。 部門横断的な連携の必要性 マーケティング、営業、カスタマーサクセスといった各部門が、個別の最適化 ではなく、統合されたアプローチで連携することが、将来的な持続可能性と競 争力を高める鍵となります。 7-2. 日本企業への提言 既存の習慣・システムからの脱却 長年の慣行や過度なカスタマイズから脱却し、標準化とエコシステム活用を前 提としたデジタルトランスフォーメーションを実現すべきです。 戦略的なデータ活用と組織文化の刷新 RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 11
  12. 統合されたデータ基盤を構築し、AI を最大限に活用できる組織風土と、社員体 験の質を向上させる変革が必要不可欠です。 7-3. 最後に 技術進化に対する柔軟性 AI や新たなSaaS ツールの登場は、今後も加速することが予想されます。 RevOps

    の担当者としては、常に最先端の技術動向を追い、組織全体での効果的 な導入とガバナンスを維持することが求められます。 未来志向の戦略立案 現状の延長線上ではなく、まるで「家を建て替える」かのような大胆な組織改 革が、未来の市場での競争力を左右するでしょう。 感想: カタカナ( マーケット用語) が多い、 、 、 部署間でのデータの統合をしていこう! Agent2Agent が部署間でのやり取りをスムーズにしてくれる? https://cloud.google.com/blog/ja/products/ai-machine-learning/a2a-a-new-era-o RevOps7 章現代のレベニュー組織におけるAI 活用 – AI が創造するインパクト 12