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経営データ分析 ―オープンデータ活用―

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April 26, 2026
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経営データ分析 ―オープンデータ活用―

経営学部の学生向けのセミナー講義の内容を一部削除・加筆・修正したスライド資料です。
誤植・間違い等ありましたら、SNSにご連絡ください。

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Ryo YOSHI

April 26, 2026

Transcript

  1. 話者紹介 吉住 遼 マネーフォワード総合研究所 マネーフォワードホーム株式会社 プロダクト本部 DataForward部 株式会社マネーフォワード AX推進本部 データソリューション部

    経歴 • 2014年 東京工業大学 大学院 社会理工学研究科 経営工学専攻 修了 • 2014〜2021年 金融機関にて、主にデータサイエンス・クオンツ業務に従事 • 2021年〜現在 株式会社マネーフォワード ◦ 主に家計簿アプリ「マネーフォワード ME」など個人向け(toC)領域のデータ分析 著書・登壇・発信 • 著書『Pythonではじめるオープンデータ分析 経済統計の取得から、データハンドリング・可視化・分析 まで』 ◦ https://www.kspub.co.jp/book/detail/5412251.html • 2024年神戸大学講義『経営学部のための SaaSとサブスクリプションのデータ分析入門』 ◦ https://speakerdeck.com/welliving/jing-ying-xue-bu-notamenosaastosabusukuripusiyonnodetafen-xi-ru-men • note: https://note.com/well_living_ry/
  2. 話者紹介 久保 隆史 マネーフォワード総合研究所 株式会社マネーフォワード AX推進本部 データソリューション部 経歴 • 2010年 早稲田大学

    政治経済学部 経済学科 卒業 • 2010〜2024年 千葉県庁にて、 EBPM推進、労働統計等の業務に従事 • 2024年〜現在 株式会社マネーフォワード ◦ 主に「マネーフォワード クラウド会計」など法人向け (toB)領域のデータ分析 発信 • マネーフォワード プレスリリース 「内閣府の令和7年度「ビッグデータを活用した経済動向分析(事業者を対象とした 財務データ等活用)」 に係る一部業務を受託/ 令和6年度事業成果に基づくレポートを内閣府が公表」2025-07-29 ◦ https://corp.moneyforward.com/news/info/20250729-mf-press-1/ • 独立行政法人経済産業研究所 コラム「生成AIはどのように企業に広がったのか― 中小企業が示す導入の同期性 ―」2025-12-25, 執筆者 小西・久保  ◦ https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0799.html
  3. 注釈 • 本資料は神戸大学大学院経営学研究科・経営学部の学生向け講義「経営データ分析特殊研究(オー プンデータ活用)」の内容を一部削除・加筆・修正したものです。 ◦ https://b.kobe-u.ac.jp/about/endowed-lectures/ ◦ https://kym22-web.ofc.kobe-u.ac.jp/kobe_syllabus/2025/45/data/2025_4B432.html • 本資料に記載された情報は登壇者にて判断した情報源を元に個人が作成したものであり、マネーフォ

    ワードが作成したものではありません。 • 本資料に記載されている会社名および商品・製品・サービス名(ロゴマーク等を含む)は、各社または各 権利者の商標または登録商標です。 • 本資料に記載された内容は、資料作成時点においてのものであり、予告なく変更する場合があります。 • 本資料の内容および情報の正確性、完全性等について、何ら保証を行っておらず、また、いかなる責 任を持つものではありません。 4
  4. 講義テキスト『Pythonではじめるオープンデータ分析』 • 吉住遼、原泰史 著 『Pythonではじめるオープンデータ分析 経済 統計の取得から、データハンドリング・可視化・分析まで 』(講談社 /2025年10月) • 人口、家計・生活・労働、金融・市場、国際統計・長期経済統計、法人

    ・産業等のデータを幅広く扱う (*下は経済センサスの例) • アナリスト、研究者、ジャーナリスト、マーケター、学生等の方々が公 的機関のAPI等でデータ取得からデータの加工、可視化、分析まで 実践できる本 * 経済センサス(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/e-census/index.html)(2025/8に利用) 経営組織ごとの企業等数*
  5. 会社概要 社 名 株式会社マネーフォワード 設 立 2012年5月 東京証券取引所 東証プライム市場 【証券コード:3994】

    本社所在地 〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F 国内支社等 北海道支社、東北支社、東海支社、名古屋開発 拠点、 京都支社、京都開発拠点、関西支社、大 阪開発拠点、広島支社、九州・沖縄支社、福岡開 発拠点
  6. Money Forward, Inc. 12 家計簿アプリ「マネーフォワード ME」 とマーケティング支援「マネーフォワード ME リサーチ」 *

    こちらをご覧ください→ https://biz.hm.moneyforward.com/services/research * 調査設計からレポート納品までワンストップ 数千〜数万件のアンケート回収が可能 1 購買・投資データを活用した購入者像・非購入者像の属性分析 調査設計からレポート納品までお任せください。家計簿デー タを⽤いてアンケート配信対象者を限定した上で、数千〜数万 のアンケート回収が可能です。 購買‧投資データを分析し、購⼊者像‧⾮購⼊者像を具体的 に把握することができます。デモグラ分析だけではなく、お⾦ の使い⽅やライフスタイルの傾向など、ユニークな情報を提供 します。 2 1,700万⼈突破! ※1 • 様々な金融関連サービスを一元管理 2,590以上の金融関連サービスに対応。 • 自動分類で家計や支出を見える化 毎日の支出を、食費や日用品などに自動で分類。 何にお金を使っているのか、今月あとどれだけ使えるのか、簡単に確認でき る。 • 銀行や証券の連携で資産全体も管理 生活用や貯金用のいくつもある銀行口座や、 証券口座を連携すると、あなたの資産をまとめて確認できる。
  7. オープンデータ?経済統計?公的統計? • A. オープンデータ ◦ 誰もがインターネットなどを通じて容易に利用できる ような形で公開されたデータ • B. 経済統計・指数

    ◦ 家計や企業活動、物価など、経済に関する統計・指 数 • C. 公的統計 ◦ 国の行政機関・地方公共団体などが作成する統計 • オープンデータと公的統計には定義がある(次とその次の参考スライド)
  8. オープンデータとは (1) 出典:Open Knowledge Foundation「Open Data Handbook」(https://opendatahandbook.org/guide/ja/what-is-open-data/)、CC BY 4.0 (2)

    出典:デジタル庁ウェブサイト(https://www.digital.go.jp/resources/open_data)、PDL1.0(https://www.digital.go.jp/resources/open_data/public_data_license_v1.0) Open Knowledge Foundationの定義(*1) • 利用できる、そしてアクセスできる ◦ データ全体を丸ごと使えないといけないし、再作成に必要以上のコストがかかってはいけない。望ましいのは、インターネット経由でダウンロード できるようにすることだ。また、データは使いやすく変更可能な形式で存在しなければならない。 • 再利用と再配布ができる ◦ データを提供するにあたって、再利用や再配布を許可しなければならない。また、他のデータセットと組み合わせて使うことも許可しなければなら ない。 • 誰でも使える ◦ 誰もが利用、再利用、再配布をできなければならない。データの使い道、人種、所属団体などによる差別をしてはいけない。たとえば「非営利目 的での利用に限る」などという制限をすると商用での利用を制限してしまうし「教育目的での利用に限る」などの制限も許されない。 日本政府の定義(*2) 国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの 項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義する。 • ① 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの • ② 機械判読に適したもの • ③ 無償で利用できるもの
  9. オープンデータの公開レベル • オープンデータには、 5つの段階がある(下表:5つ星オープンデータ )* 段階 公開の状態 5つ星オープンデータのサイト例示 データ形式の例 ★

    1段階 オープンライセンスでデータを公開 どんな形式でも良いので ) あなたのデータをオープンライセン スでWeb上に公開しましょう PDF,JPG ★★ 2段階 コンピュータで処理可能なデータを公開 (データを構造化データとして公開しましょう (例: 表のスキャン 画像よりもExcel) XLS,DOC ★★★ 3段階 オープンに利用できるフォーマットでデータを 公開 非独占の形式を使いましょう (例: ExcelよりもCSV) XML,CSV ★★★★ 4段階 Web標準(RDF等)のフォーマットでデータを公 開 物事を示すのにURIを使いましょう,そうすることで他の人々 があなたのデータにリンクすることができます RDF ★★★★★ 5段階 他へのリンクを入れたデータ (LOD)を公開 あなたのデータのコンテキストを提供するために他のデータへ リンクしましょう Linked RDF * https://5stardata.info/ja/
  10. 公的統計と基幹統計 「統計法の目的 は、公的統計の作成及び提供に関し基本となる事項を定めることにより、 公的統計の体系的 かつ効率的な整備及びその有用性の確保 を図り、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与 する こととなっています(第 1条)。」(*1) •

    公的統計(*1) ◦ 国の行政機関・地方公共団体などが作成する統計 • 基幹統計(*2) ◦ 国勢統計、国民経済計算、その他、国の行政機関が作成する統計のうち総務大臣が指定する特に 重要な統計 (*1) 出典:「統計法について」(総務省)(https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/1-1n.htm) (*2) 出典:「基幹統計一覧」(総務省)(https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/1-3k.htm)
  11. 公的機関と公的統計 公的機関*の分類 公的機関の具体例 日本の行政機関 省庁。主には、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、 農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省、デジタル庁。 日本の地方公共団体 都道府県、市町村、特別区(東京 23 区)など。

    国際機関 国際連合(UN)、経済協力開発機構( OECD)、欧州連合(EU)など。 その他公共性の高い 機関(資料作成者の 主観) 独立行政法人(統計センターなど)、認可法人(日本銀行など)、社団法人(投資信託協 会など)、政府が大株主の株式会社や株式を業界で共同出資している株式会社(日本 取引所グループなど)など。 *法律などで「公的機関」という用語が定義されているわけではありません。業界共同出資の株式会社などは公的機関 と呼ぶには営利色が強いかもしれませんが、本資料内では便宜的にまとめて公的機関と呼びます
  12. 統計検定と統計調査士 • 統計検定 ◦ 国際的社会に通用する統計の知識・技能やその活用能力を評価・認定する日本統計学会公式の 検定試験 • 統計調査士 ◦ 公的統計に関して、基本的な内容を正確に理解し、適切に利用する能力を評価する検定試験

    ◦ 専門統計調査士は、調査の企画・管理、ならびにデータの高度利用の業務に携わる上で必要とさ れる、調査企画、調査票作成、標本設計、調査の指導、調査結果の集計・分析、データの利活用の 手法等に関する基本的知識と能力を評価する検定試験 *【参考】統計検定ウェブサイト https://www.toukei-kentei.jp/
  13. 統計調査士に出題される各分野の統計 • ① 人口統計 ◦ 国勢統計,人口動態統計,人口推計など • ② 労働統計 ◦

    労働力統計,就業構造基本統計,毎月勤労統計,賃金構造基本統計など • ③ 国民生活・家計収支統計 ◦ 国民生活基礎統計,社会生活基本統計,住宅・土地統計,家計統計,全国家計構造統計など • ④ 企業・産業統計 ◦ 企業活動と統計,経済構造統計,経済構造実態調査,法人企業統計,経済産業省企業活動基本 調査など • ⑤ 国民経済計算,経済指数など ◦ 国民経済計算,産業連関表,景気指標,消費者物価指数,鉱工業指数など • ⑥ 貿易統計,国際収支統計,金融統計,財政統計 *【参考】統計調査士出題範囲 https://www.toukei-kentei.jp/hubfs/files/grade_range/grade5_hani_20240401.pdf
  14. データの利用規約と著作権 • クリエイティブ・コモンズ( Creative Commons: CC)* ◦ インターネット時代のための著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品 を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツール •

    Public Domain ◦ 著作権の権利保護期間が終了しており、自由に利用することができる 出典:『Pythonではじめるオープンデータ分析』講談社 インターネット上のデータを取得 する過程では、データの利用方 法・著作権について確認を行う作 業を怠らないようにしましょう * https://creativecommons.jp/licenses/
  15. e-Statの各種機能 • e-Stat ◦ 日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト (総務省統計局) ▪ 参考URL→https://www.e-stat.go.jp/ ◦ CSVなどでデータをダウンロードできる

    ◦ e-Statの利用規約 ▪ 参考URL→https://www.stat.go.jp/info/riyou.html • e-Stat API機能 ◦ e-Stat(政府統計の総合窓口 )で提供している統計データを機械判読可能な形式で取得できる API 機能 ◦ テーブル数で20万件程度のデータセットを提供 ◦ e-Stat API機能の利用規約 ▪ 参考URL→https://www.e-stat.go.jp/api/agreement/ ◦ 利用にはアプリケーション IDの取得が必要 • 統計ダッシュボード ◦ 国や民間企業等が提供している主要な統計データをグラフで提供 ◦ 利用登録不要なAPIを提供 ◦ 統計Dashboardの利用規約 ▪ 参考URL→ https://dashboard.e-stat.go.jp/static/terms
  16. 市場全体を知る~事業戦略・事業計画と市場規模~ •市場規模の推定 事業の見込み判断にはまず市場規模 (TAM: Total Addressable Market 等)を推定する必要がある *TAM: マネーフォワードでは、一定の前提の下、外部の統計資料や公表資料、当社サービス実績をもとに、マネーフォ

    ワードグループの5ドメインにおいて想定される潜在的な市場規模をそれぞれ推計 •コトラーのSTP • S: セグメンテーション ◦ 市場を類似したニーズを持つ顧客セグメントに細分化する • T: ターゲティング ◦ セグメントごとの販売機会を特定し、どのセグメントをターゲットにするか定める • P: ポジショニング ◦ 自社プロダクトをターゲット市場で特有の位置を占めるように設計 市場を公的統計と比較しやすいセグメントに分け、各セグメントにおけるシェアはどの程度でどのセグメントの 伸びしろが大きいか、公的オープンデータが事業戦略の検討材料に使える
  17. B to B の市場規模〜「何社」かは定義次第〜 2024年6月1日時点において、企業等の数は 255万存在する ※ と言われています 「BtoB」事業において市場規模を見積もるということについて考えてみましょう •

    BtoC: "Business to Consumer"の略(消費者向け事業) • BtoB: "Business to Business"の略(企業向け事業) ↑の「企業等の数」を市場規模と見なすには問題があります 企業?法人?会社? どの数字を市場規模とすればよいのか? 市場規模を見積もる際には、用語の定義を理解した上で事業に合わせた推定が必要 ※出典:「経済センサス調査結果」(総務省統計局) ( https://www.stat.go.jp/data/e-census/2024/kekka.html , https://www.stat.go.jp/data/e-census/2024/pdf/kekka_k.pdf ) (2026年1月13日に利用)
  18. 経済センサス~企業の統計~ • 事業所および企業の事業所母集団をベースとした全数調査 • 基礎調査と活動調査 ◦ 基礎調査 ▪ 平成21年(2009年)以降、おおむね5年に1度実施 ◦

    活動調査 ▪ 平成24年(2012年)以降、おおむね5年に1度実施 ▪ 「令和3年(2021年)経済センサス‐活動調査」の場合、速報集計が翌 2022年に公表され、企 業等に関する企業等数、従業者数などの産業横断的集計は 2023年に公表 • 企業「等」とは ◦ 事業・活動を行う法人および個人経営の事業所を「企業等」という。個人経営であっても「企業等」に 含まれる • 事業所とは ◦ 経済活動が行われている場所ごとの単位 • URL: https://www.stat.go.jp/data/e-census/index.html
  19. 法人企業統計~会社の標本統計~ • 日本の営利法人などを対象とした標本調査 • 売上や資産などの統計データが取得できる • 調査対象 ◦ 金融業と保険業は資本金1億円以上は全数で、5億円未満は標本調査 ◦

    金融業と保険業以外の業種は、資本金 5億円以上は全数で、5億円未満は標本調査 • 年次調査と四半期別調査の違い ◦ 年次別調査 ▪ その年度の確定決算を調査 ▪ 当期純利益は年次別調査のみ ▪ 前年分が9月に公表 ◦ 四半期別調査 ▪ 資本金、出資金または基金1,000万円以上が調査対象 ▪ 四半期ごとに仮決算を調査 ▪ 10~12月分が3月のように、3か月ごとに公表 • URL: https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/index.htm
  20. 法人番号公表サイト~法人の基本的なローデータ~ • 法人 ◦ 法律によって「人」のように権利や義務を有する「法律上の人」 ◦ 具体的には、社団法人や地方公共団体などが含まる ◦ 省庁など、国の機関には法人と定める法律は存在しないが、法人番号制度では国の機関にも(法 人「等」として)法人番号が割り当てられている

    • 法人番号公表サイト ◦ 法人番号は、株式会社などの法人等が持つ 13桁の番号 ◦ 法人番号公表サイトでは、法人等の以下の基本3情報を調べることができる ▪ 商号又は名称 ▪ 本店又は主たる事務所の所在地 ▪ 法人番号 ◦ URL: https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
  21. EDINET~上場企業の有価証券報告書財務データ~ • 有価証券報告書のデータ ◦ 日本では、株式を証券取引所に上場している株式会社(上場企業)は、金融商品取引法で有価証 券報告書の開示が義務付けられている ◦ 金融庁が提供する有価報告書等に関する電子開示システム EDINET から、上場企業の有価証券

    報告書のデータを取得することができる • EDINET ◦ 金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システムのこと ◦ Electronic Disclosure for Investors’ NETworkの略 ◦ 読み方はエディネット ◦ 閲覧サイトと提出サイトがあり、データ利用者が使うのは閲覧サイト ▪ URL: https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WEEK0010.aspx
  22. 演習:法人統計データの取得と集計 • 演習の設定 ◦ マネーフォワード社で経済分析を行う研究員として、調査を行っていただきます。 ◦ 会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」は、中小企業のユーザー様に日々利用いただいています。このクラウド 会計から得られる統計データに関して基礎調査を行います。 ◦

    社内のデータガバナンス委員会の承認を経て、公益のための統計データの利用の承認を得られました。 • 調査目的 ◦ クラウド会計のユーザーの企業の日本全体に対するバイアスの調査 • 比較対象とする公的統計データ ◦ 「令和3年経済センサス‐活動調査 」 • 比較する観点 ◦ 1:法人の地域構成 ◦ 2:法人の業種構成 • 手順 ◦ 政府統計の総合窓口(e-Stat)から、公的統計データを取得する。 ◦ 集計・加工の上、比較分析を行う。
  23. 事前準備 • eStatのデータベース機能を用いて、右の表を csv形式でダウンロードし、 pythonで読み込みましょう。 使用する公的統計データ • 令和3年経済センサス‐活動調査 / 企業等に関する集計

    / 産業横断的集計 / 経理事項等 • 表番号:1 特記事項 • eStatの表示項目では、以下を用いること。 ◦ ◦ 企業産業小分類:「全産業( S_公務を除く)」の他、階層は 2番目の階層 ◦ 単一・複数(事業所):「総数」 ◦ 表彰項目:「企業等」 演習の事前準備:eStatのcsvダウンロードの仕方 https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004006328 を元に加工して作成
  24. 演習の事前準備:eStat ダウンロード の手順 ① 統計表の特定 ② 表示項目の設定(=抽出条件の設定) ③ レイアウト設定(=行と列の指定) ④

    表ダウンロード(出力項目の設定) (出典)https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004006328 を元に加工して作成
  25. 演習の事前準備:pythonにcsvファイルの読み込み import pandas as pd from pathlib import Path #

    Downloads から CSV を読み込む csv_path = Path.home() / "Downloads" / "sample_estat.csv" df = pd.read_csv(csv_path, encoding= 'shift_jis' ) print(df) • eStatからのダウンロード先が "Downloads"であることを確認 • 手動でファイル名を "sample_estat.csv"に変更します • Pythonで以下のコードを実行します (参考)Github コード https://github.com/python-opendata-analysis/opendata-casebook/blob/main/casebook/event/202602-mfecon-kobe_univ_dsp/corporate_stats_prac tice/materials.py
  26. 演習1:法人の地域構成調査 使用する公的統計データ • 令和3年経済センサス‐活動調査 / 企業等に関する集計 / 産業横断的集 計 /

    経理事項等 • 表番号:7 特記事項 • マネーフォワード クラウド会計の右の集計表は、次スライドの Pythonコード により再現すること。 • 経済センサスの統計データ取得には、 eStatを使用すること。 • 表示項目では、以下を用いること。 ◦ 経営組織:「会社企業」「会社以外の法人」の合計 ◦ 企業産業大分類:「全産業( S_公務を除く)」 ◦ 表彰項目:「企業等」 • 地域圏のマッピングは次スライドの Pythonコードを参考とすること。 マネーフォワード クラウド会計のユーザーの企業の地域構成について、特 定の地域への偏りがどの程度かを公的統計と比較調査してください。 マネーフォワード クラウド会計のユーザーの 企業数の地域構成( 2020年) 地域圏 都道府県 法人数 比率(%) 東京圏 計 18,198 50.6 東京都 13,888 38.6 埼玉県 1,105 3.1 千葉県 1,043 2.9 神奈川県 2,162 6.0 名古屋圏 計 1,933 5.4 愛知県 1,552 4.3 岐阜県 238 0.7 三重県 143 0.4 大阪圏 計 5,034 14.0 大阪府 2,963 8.2 京都府 831 2.3 兵庫県 1,051 2.9 奈良県 189 0.5 三大都市圏 以外 計 10,347 28.8 不明 計 443 1.2 合計 35,955 100.0 ※公表済みの統計値。
  27. 演習1:法人の地域構成調査(補足1) import pandas as pd # 地域データを階層構造で定義(地域圏と都道府県) region_data = {

    '地域圏': ['東京圏', '東京圏', '東京圏', '東京圏', '東京圏', '名古屋圏', '名古屋圏', '名古屋圏', '名古屋圏', '大阪圏', '大 阪圏', '大阪圏', '大阪圏', '大阪圏', '三大都市圏以外', '不明'], '都道府県': ['計', '東京都', '埼玉県', '千葉県', '神奈川県', '計', '愛知県', '岐阜県', '三重県', '計', '大阪府', '京都府 ', '兵庫県', '奈良県', '計', '計'], '法人数': [18198, 13888, 1105, 1043, 2162, 1933, 1552, 238, 143, 5034, 2963, 831, 1051, 189, 10347, 443], '比率(%)': [50.6, 38.6, 3.1, 2.9, 6.0, 5.4, 4.3, 0.7, 0.4, 14.0, 8.2, 2.3, 2.9, 0.5, 28.8, 1.2] } # データフレームを作成 df = pd.DataFrame(region_data) マネーフォワード クラウド会計の集計表の再現用 Pythonコード (参考)Github コード https://github.com/python-opendata-analysis/opendata-casebook/blob/main/casebook/event/202602-mfecon-kobe_univ_dsp/corporate_stats_prac tice/materials.py
  28. 演習1:法人の地域構成調査(補足2) region_mapping = { '北海道': '三大都市圏以外', '青森県': '三大都市圏以外', '岩手県': '三大都市圏以外',

    '宮城県': '三大都市圏以外', '秋田県': '三大都市圏以外', '山形県': '三大都市圏以外', '福島県': '三大都市圏以外', '茨城県': '三大都市圏以外', '栃木県': '三大都市圏以外', '群馬県': '三大都市圏以外', '埼玉県': '東京圏', '千葉県': '東京圏', '東京都': '東京圏', '神奈川県': '東京圏', '新潟県': '三大都市圏以外', '富山県': '三大都市圏以外', '石川県': '三大都市圏以外', '福井県': '三大都市圏以外', '山梨県': '三大都市圏以外', '長野県': '三大都市圏以外', '岐阜県': '名古屋圏', '静岡県': '三大都市圏以外', '愛知県': '名古屋圏', '三重県': '名古屋圏', '滋賀県': '三大都市圏以外', '京都府': '大阪圏', '大阪府': '大阪圏', '兵庫県': '大阪圏', '奈良県': '大阪圏', '和歌山県': '三大都市圏以外', '鳥取県': '三大都市圏以外', '島根県': '三大都市圏以外', '岡山県': '三大都市圏以外', '広島県': '三大都市圏以外', '山口県': '三大都市圏以外', '徳島県': '三大都市圏以外', '香川県': '三大都市圏以外', '愛媛県': '三大都市圏以外', '高知県': '三大都市圏以外', '福岡県': '三大都市圏以外', '佐賀県': '三大都市圏以外', '長崎県': '三大都市圏以外', '熊本県': '三大都市圏以外', '大分県': '三大都市圏以外', '宮崎県': '三大都市圏以外', '鹿児島県': '三大都市圏以外', '沖縄県': '三大都市圏以外' } 地域圏のマッピング用の Pythonコード (参考)Github コード https://github.com/python-opendata-analysis/opendata-casebook/blob/main/casebook/event/202602-mfecon-kobe_univ_dsp/corporate_stats_prac tice/materials.py
  29. 演習2:法人の業種構成調査 使用する公的統計データ • 令和3年経済センサス‐活動調査 / 企業等に関する集計 / 産業横断的集計 / 経理事項等

    • 表番号:6 特記事項 • マネーフォワード クラウド会計の右の集計表は、次スライドのPythonコードに より再現すること。 • 経済センサスの統計データ取得には、eStatを使用すること。 • eStatの表示項目では、以下を用いること。 ◦ 経営組織:「会社企業」「会社以外の法人」の合計 ◦ 企業産業小分類:「全産業(S_公務を除く)」の他、階層は2番目、3番 目の階層 ◦ 表彰項目:「企業等」 • 業種のマッピングは次スライドのPythonコードを参考とすること。 マネーフォワード クラウド会計のユーザーの企業の業種構成について、特定の業 種への偏りがどの程度かを公的統計と比較調査してください。 業種 法人数 比率(%) 建設業 2,362 6.6 製造業 1,836 5.1 情報通信 3,252 9 運送業 413 1.1 卸売業 1,709 4.8 小売業 2,806 7.8 金融保険業 325 0.9 不動産業 2,288 6.4 飲食業 1,378 3.8 教育業 587 1.6 医療/福祉 2,061 5.7 サービス業 11,878 33 その他 4,723 13.1 不明 337 0.9 業種合計 35,955 100 マネーフォワード クラウド会計のユー ザーの企業数の業種構成( 2020年) ※公表済みの統計値。
  30. 演習2:法人の業種構成調査(補足1) import pandas as pd # 業種別データを定義 industry_data = {

    '業種': ['建設業', '製造業', '情報通信', '運送業', '卸売業', '小売業', '金融保険業', '不動産業', '飲食業', '教育業', ' 医療/福祉', 'サービス業', 'その他', '不明'], '法人数': [2362, 1836, 3252, 413, 1709, 2806, 325, 2288, 1378, 587, 2061, 11878, 4723, 337], '比率(%)': [6.6, 5.1, 9.0, 1.1, 4.8, 7.8, 0.9, 6.4, 3.8, 1.6, 5.7, 33.0, 13.1, 0.9] } # 業種別データフレームを作成 df_industry = pd.DataFrame(industry_data) マネーフォワード クラウド会計の集計表の再現用 Pythonコード (参考)Github コード https://github.com/python-opendata-analysis/opendata-casebook/blob/main/casebook/event/202602-mfecon-kobe_univ_dsp/corporate_stats_prac tice/materials.py
  31. industry_mapping = { '建設業': '建設業', '製造業': '製造業', '情報通信業': '情報通信', '運輸業,郵便業':

    '運送業', '卸売業': '卸売業', '小売業': '小売業', '金融業,保険業': '金融保険業', '不動産業': '不動産業', '飲食店,持ち帰り・配達飲食サービス業 ': '飲食業', '教育,学習支援業': '教育業', '医療,福祉': '医療/福祉', '学術研究,専門・技術サービス業 ': 'サービス業', '生活関連サービス業,娯楽業 ': 'サービス業', '複合サービス事業': 'サービス業', 'サービス業(他に分類されないもの) ': 'サービス業', '宿泊業': 'サービス業', '農業,林業': 'その他', '漁業': 'その他', '鉱業,採石業,砂利採取業 ': 'その他', '電気・ガス・熱供給・水道業 ': 'その他', '物品賃貸業': 'その他' } マネーフォワード 業種区分 経済センサス 活動調査 企業産業小分類 企業産業小分類階 層レベル 建設業 建設業 2 製造業 製造業 2 情報通信業 情報通信業 2 運送業 運輸業,郵便業 2 卸売業 卸売業 3 小売業 小売業 3 金融保険業 金融業,保険業 2 不動産業 不動産業 3 飲食業 飲食店,持ち帰り・配達飲食サービス業 3 教育業 教育,学習支援業 2 医療/福祉 医療,福祉 2 サービス業 学術研究,専門・技術サービス業 2 サービス業 生活関連サービス業,娯楽業 2 サービス業 複合サービス事業 2 サービス業 サービス業(他に分類されないもの) 2 サービス業 宿泊業 3 その他 農業,林業 / 漁業 / 鉱業 2 その他 電気・ガス・熱供給・水道業 2 その他 物品賃貸業 3 参考:業種対応表 演習2:法人の業種構成調査(補足2) 業種のマッピング用の Pythonコード (参考)Githubコード https://github.com/python-opendata-analysis/opendata-casebook/blob/main/casebook/event/202602-mfecon-kobe_univ_dsp/corporate_stats_prac tice/materials.py
  32. 演習1:法人の地域構成調査 eStat ダウンロード ① 統計表の特定 ② 表示項目の設定(=抽出条件の設定) ③ レイアウト設定(=行と列の指定) ④

    表ダウンロード(出力項目の設定) (出典)https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004006333 を元に加工して作成
  33. 演習1:法人の地域構成調査(解答例) 地域圏 都道府県 クラウド会計データ 経済センサス 差分(%pt) 法人数 比率(%) 法人数 比率(%)

    東京圏 計 18,198 50.6 568,798 28.9 21.7 東京都 13,888 38.6 291,013 14.8 23.8 埼玉県 1,105 3.1 90,027 4.6 -1.5 千葉県 1,043 2.9 70,683 3.6 -0.7 神奈川県 2,162 6.0 117,075 6.0 0.0 名古屋圏 計 1,933 5.4 174,868 8.9 -3.5 愛知県 1,552 4.3 116,138 5.9 -1.6 岐阜県 238 0.7 33,237 1.7 -1.0 三重県 143 0.4 25,493 1.3 -0.9 大阪圏 計 5,034 14.0 278,761 14.2 -0.2 大阪府 2,963 8.2 149,605 7.6 0.6 京都府 831 2.3 41,702 2.1 0.2 兵庫県 1,051 2.9 71,663 3.6 -0.7 奈良県 189 0.5 15,791 0.8 -0.3 三大都市圏以外 計 10,347 28.8 942,793 48.0 -19.2 不明 計 443 1.2 0 0.0 1.2 合計 35,955 100.0 1,965,220 100.0 0.0 (参考)Github コード https://github.com/python-opendata-analysis/opendata-casebook/blob/main/casebook/event/202602-mfecon-kobe_univ_dsp/corporate_stats_prac tice/example1_region.py
  34. 演習2:法人の業種構成 eStat ダウンロード ① 統計表の特定 ② 表示項目の設定(=抽出条件の設定) ③ レイアウト設定(=行と列の指定) ④

    表ダウンロード(出力項目の設定) (出典)https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004006361 を元に加工して作成
  35. 演習2:法人の業種構成調査(解答例) 業種 クラウド会計データ 経済センサス 差分(%pt) 法人数 比率(%) 法人数 比率(%) 建設業

    2,362 6.6 302,688 15.4 -8.8 製造業 1,836 5.1 234,384 11.9 -6.8 情報通信 3,252 9.0 50,687 2.6 6.5 運送業 413 1.1 55,090 2.8 -1.7 卸売業 1,709 4.8 171,725 8.7 -4.0 小売業 2,806 7.8 227,303 11.6 -3.8 金融保険業 325 0.9 25,819 1.3 -0.4 不動産業 2,288 6.4 202,189 10.3 -3.9 飲食業 1,378 3.8 70,022 3.6 0.3 教育業 587 1.6 31,180 1.6 0.0 医療/福祉 2,061 5.7 137,151 7.0 -1.2 サービス業 11,878 33.0 405,222 20.6 12.4 その他 4,723 13.1 51,754 2.6 10.5 不明 337 0.9 0 0.0 0.9 業種合計 35,955 100.0 1,965,220 100.0 0.0 (参考)Github コード https://github.com/python-opendata-analysis/opendata-casebook/blob/main/casebook/event/202602-mfecon-kobe_univ_dsp/corporate_stats_prac tice/example2_industry.py
  36. Money Forward, Inc. 57 企業統計とMoneyForward クラウド会計 企業統計 クラウド会計 • 経済センサスは全ての法人・個人事

    業主を対象。法人企業統計は法人対 象の標本調査。 • クラウド会計及びクラウド確定申告利 用ユーザー。 対象集団 • 経済センサス約368万社、法人企業 統計(四半期調査)約 3万社 • 抽出条件次第だが、数万から数十万 事業者 サンプルサイズ • 法人企業統計(四半期調査)は資本金 1千万円以上の営利法人 • 主に小規模事業者 や個人事業主。 特 に情報通信業・サービス業 の構成比が 高い バイアス • 法人企業統計(四半期調査)は決算書 データ(貸借対照表、損益計算書な ど)を把握可能。 • 貸借対照表、損益計算書等の決算書 データに加え、仕訳単位 での入金・支 払の内訳 まで分析可能。 網羅性 • 法人企業統計(四半期調査)は翌々月 公表。経済センサス活動調査は 5年ご と調査。 • 業務の過程で自動的に記録されるた め、速報性が高さが期待される。 速報性
  37. Money Forward, Inc. 58 *1 株式会社マネーフォワード お知らせ https://corp.moneyforward.com/news/info/20250729-mf-press-1/, (参照2025/11/30) *2 内閣府 経済財政分析ディスカッション・ペーパー クラウド会計データを活用した

    経済動向分析の手法 https://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/dp252.pdf, (参照2025/11/30) 内閣府のビッグデータ活用の事業① クラウド会計等のデータを用いて、既存の公的統計で必ずしも十分に捕捉できていない 小規模 事業者や個人事業主の財務データ を元に、経済動向の把握や政策評価等への活用可能性を 検討(令和6年度事業成果に基づくレポートは内閣府が公表)
  38. Money Forward, Inc. 59 事例:内閣府のビッグデータ活用の事業② * 内閣府 経済財政分析ディスカッション・ペーパー クラウド会計データを活用した 経済動向分析の手法 https://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/dp252.pdf, (参照2025/11/30)

    クラウド会計データは、景気動向を示す既存の経済指標と高い相関 を持つ指標が得られ、経済動 向の分析に活用できる可能性が示された。 (図表4-8)「日銀短観」の前年同期差と クラウド 会計データ(法人)の売上高 (平均)及び人件費 (平均)の前年同期比の比較