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metrics-serverをセキュアなTLSでデプロイしてみた

 metrics-serverをセキュアなTLSでデプロイしてみた

2024/7/30 Kubernetes Novice Tokyo #33 発表資料

世良泰明

July 30, 2024
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Transcript

  1. 自己紹介 名前: 世良 泰明 (せら やすあき) twitter(X): @y_sera15 職業: 某製造業

    インフラエンジニア 住み: - ~9月 名古屋 - 10月~ 横浜 k8s暦: - 自宅クラスター 2年(現在再構築中) - 業務利用 2ヶ月 other: - 今回は個人として参加 - etcd + CoreDNS + ExternalDNSで2週間悩んでいます... 自宅K8sクラスター: - intel NUC x3 - NAS(Synology) コンセプト: production likeな基盤
  2. インストール時の問題点 kubeadmやminikubeなどで普通に構築したクラスターでは, そのまま入れるとクラッシュしてしまう ざっと調べてみると, --kubelet-insecure-tls オプションを追加する というブログがちらほら 公式(README)の記載 kubelet によって提示される証明書の

    CA を検証しない。 テスト目的に限る。 このオプションを使用しない場合の具体的なガイドは 公式にはない & (少なくとも日本語の)ブログでもなかなか見当たらない ⇒なんか気持ち悪い. 本番相当で使うにはどうすればいいの...? kubelet 証明書は、クラスターCAよって署名される必要がある (または、metrics-serverに --kubelet-insecure-tls を渡して証明書の検証を無効にする)
  3. 解決方法 issueの中にドンピシャな方法を発見. (kubeadmにて構築したクラスターの場合) https://github.com/kubernetes-sigs/metrics-server/issues/576#issuecomment-1820504816 1. kubelet-configのconfigmapにて, serverTLSBootstrap: true を追加. kubectl

    edit cm -n kube-system kubelet-config 2. 各ノードにてkubeletの設定を反映 sudo kubeadm upgrade node phase kubelet-config 3. kubeletのデーモンを再起動 sudo systemctl restart kubelet.service 4. 証明書署名要求(csr)の確認 kubectl get csr -n kube-system 5. 証明書署名要求(csr)の承認 kubectl certificate approve <csr名> ⇒ これを行ってからインストールしたら実際に稼働した ただ, 何をやっているのか分からないので深掘ってみる
  4. 仕組み アーキテクチャ - kubeletのエンドポイントからメトリクスを取得 - api-server経由でMetrics APIを提供 Kubernetes monitoring architecture

    https://github.com/kubernetes/design-proposals- archive/blob/main/instrumentation/monitoring_architecture.md Resource Metrics API https://github.com/kubernetes/design-proposals- archive/blob/main/instrumentation/resource-metrics-api.md kubectl top - node - pod client kubelet api-server metrics-server /metrics/resource /apis/metrics/v1beta1/ - /nodes - /nodes/{node} - /namespaces/{namespace}/pods - /namespaces/{namespace}/pods/{pods} --kubelet-insecure-tls で 設定する通信はここ TLS通信を有効化するためには, ①metrics-serveが所有しているCA証明書で ②kubeletのサーバ証明書が署名されている必要がある. https https or http
  5. 仕組み ①. metrics-serverが所有しているCA証明書 - クラスターのCA証明書が, configmapを通じて自動的にmountされる. (クラスターのCA証明書は, 各ノードの/etc/kubernetes/pki に格納されている.) ②.

    kubeletのサーバ証明書 - apiserverとの通信用に自己署名の証明書を使用する(kubeadmのデフォルト設定). - kubeletの設定(serverTLSBootStrap)により, クラスターCAの署名を付与することができる. 自己署名 kubelet metrics-server https CA.crt kubelet.crt mount CA.crt CA.key つまり, こうなればよい before 署名 kubelet metrics-server https kubelet.crt mount CA.crt after CA.crt CA.key k8sクラスター k8sクラスター
  6. 仕組み serverTLSBootStrap - kubeletのconfigパラメータ - クラスターのCAに対して, kubeletのサーバ証明書のcsrを作成.(kubenetesのapiを使用) - セキュリティ上の理由により, csrは手動承認が必要.

    自動承認するために、kubelet-csr-approverというコントローラーが存在している。 https://github.com/postfinance/kubelet-csr-approver https://kubernetes.io/docs/reference/access-authn-authz/kubelet-tls-bootstrapping/
  7. まとめ metrics-serverを, '--kubelet-insecure-tls' オプションを使わずインストールする方法と, その仕組みを解説した 方法 - kubeletのオプションでserverTLSBootstrap: trueとする -

    kubeletの再起動 - csrを承認(kubectl certificate approve) 仕組み - metrics-serverはkubeletのエンドポイントから情報を取得し, Metrics APIを提供している - kubeletのサーバ証明書をクラスターのCAで署名してやればよい - serverTLSBootStrapオプション1つで証明書要求まで良しなにやってくれる 気が向いたらQiitaかZenにも投稿します.
  8. TLS通信の仕組み TLS通信の例 https://www.google.com サーバー証明書 ルート証明書 ルート認証局 ルート証明書の 秘密鍵 サーバー ルート認証局の証明書

    ルート認証局に 署名されている ブラウザがルート認証局の 証明書を持っている ⇒ 通信先の正当性を確認
  9. TLS通信の仕組み TLS通信の例 https://www.google.com サーバー証明書 ルート証明書 ルート認証局 ルート証明書の 秘密鍵 サーバー サーバー秘密鍵

    証明書要求 (CSR) ルート認証局の証明書 署名された 証明書 kubernetesではクラスター内で ルート認証局(CA証明書/秘密鍵)を 作成
  10. TLS通信の仕組み 自己署名だとどうなるのか https://www.google.com サーバー 証明書 サーバー 秘密鍵 自分で署名しちゃう (オレオレ証明書) サーバ証明書が正当な

    ものなのか 確かめられない httpsで通信できず. (サーバの正当性の確認をスキップすればtlsできるっぽいが...) ブラウザだと怒られる