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AI時代における最適なQA組織の作り方
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ymty
July 03, 2026
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AI時代における最適なQA組織の作り方
ymty
July 03, 2026
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Transcript
AI時代における最適なQA組織の作り方 フリー株式会社 湯本 剛 JaSST’26 Kansai 2026.7.03(⾦)
2 ◆(これまでのfreeeでの)担当プロダクト:会計帳簿と固定資産、外 部連携、freeeカードUnlimited、小口現金管理のQAエンジニア/会 計全体、入出金管理、オファー型融資、資金調達、福利厚生、支出 管理、申告のQAオーナー ◆趣味:酒を飲む、ギターの練習をする ◆経歴:1991年4月から社会人 → 工作機器メーカーで原価管理システム受入テスト
→テスト担当者(主に財務会計ソフト) →テストリード(主にプリンタドライバー) →テストコンサルタント(主に携帯、オーディオ) →テストツールプリセールス(主にテスト管理ツール) →テストマネージャー(国際案件のAPJ担当など) →保険会社のテスト部署の課長(合併案件のTM兼任) →2019年7月〜 freeeのQAエンジニア →2022年1月〜 freeeのQAマネージャー →2025年7月〜 freeeの横断QA部長 ◆好きな食べ物:日本そば ◆最近あった嬉しかったこと: テスト設計チュートリアル テスコン編 ’26の内容を褒めてもらったこと ◆最近あった悲しかったこと:jasstkansaiの4日前に全く声がでなく なったこと 湯本 剛(ymty:ゆもつよ) QA品質企画/SEQ JM Tsuyoshi Yumoto
3 freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に。」を ミッションに掲げ、「アイデアやパッションやスキル があればだれでも、ビジネスを強くスマートに育てら れるプラットフォーム」の実現を⽬指しています。 freeeのQAチームでは、社会の進化を担う責任感を もって品質にコミットし、ミッションを実現してくれ る仲間を募集しています! ▼freee 採⽤サイト
募集要項⼀覧
• イントロダクション • フリーについて/フリーのQA組織 • 土台:QAの仕事を「型」にする • ナレッジ:人もAIも迷わない状態を作る • AIQA:型とナレッジをAIが使える形にする
• 現場展開:作っただけでは広がらない • 仕掛け:AIに触れる人を増やし、知見を組織に戻す • • 学習設計:AIで詰まったら、基礎へ戻れるようにする • • まとめ アジェンダ
イントロダクション AI時代における最適な QA組織の作り方 06
参考にした外部公開資料と社内資料 本日のスライドで参照した主な情報源 • freeeで運用しているAIQAについて(tonchan) • 使われるナレッジ目指して〜人もAIも迷わないナレッジアーキテクチャー〜(tonchan) • QAプロセスへのAI活用でshared-knowledgeを始めました(tonchan) • 誰も置いて行かない、freee
QAのAI活用戦略(ren) • AI駆動QA基盤の紹介(ren) • 今後の開発規模拡大、QA人材を爆速で立ち上げる (ymty) • QA組織に仲間を増やしていくときに大事なこと (ymty - JaSST Nigata2023) • freeeのQA組織の現在地とこれから(ymty freee技術の日2025) • 【実践QA】テストチャーター作成からテスト実行までの実践例(ymty テスト分析事例) • AIQAテスト分析の歩き方 (itayan – 社内限定資料) • QA AIマニア制度 / AI駆動QAヨット活動方針 (社内限定資料) • 基礎から積み上げるプログラミング教育はAI時代にはオワコンである(kairi) • Voicy「AI時代の学び方は『いきなりサビ』になる」 (ymty)
7 これは「完成した成功事例」ではありません AI時代のQA組織をどのように作っていくか、2026年6月時点で 試行錯誤している話です (なので上手くいかなかった話も含まれます) 今日話すこと
8 生成AIはQA活動を変え始めている • 品質リスク分析、テスト計画、テスト分析、テスト設計 • 自動化コード生成やレビュー支援 • バグレポート起票やバグ分析までもAIが入り込んでる •
ただし、個人が「便利に使う」だけでは組織の力にならない
9 AIツールを配るだけでは、組織は変わらない 個人の工夫で終わらせず、組織の型と知見、そして学習に戻 す仕組みが必要です
10 AI時代のQA組織に必要なもの 01 標準プロセス QA活動の進め方と成果物の 型を揃える 02 ナレッジ 人もAIも迷わない一次情報を
整える 03 現場の仕掛け まず使う人を増やし、称賛して 広げる 04 学習設計 詰まった後に基礎へ戻れる道 を作る
00 AI時代における最適な QA組織の作り方 11 フリーについて/フリーのQA組織
フリーについて
freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、 統合型経営プラットフォームを開発‧提供し、 だれもが⾃由に⾃然体で経営できる環境をつくっていきます。 起業やビジネスを育てていくことを、もっと魅⼒的で気軽な⾏為に。 個⼈事業や中⼩企業などのスモールビジネスに携わるすべての⼈が、 じぶんらしく⾃信をもって経営できるように。 ⼤胆にスピード感をもってアイデアを具現化できるスモールビジネスは、 今までにない多様な価値観や⽣き⽅、 新しいイノベーションを⽣み出す起爆剤だと私たちは考えています。
スモールビジネスが⼤企業を刺激し、社会をさらにオモシロク、 世の中全体をより良くする流れを後押ししていきます。 Mission スモールビジネスを、世界の主役に。
14 だれもが⾃由に経営できる 統合型経営プラットフォーム。 だれもが⾃由に⾃然体で経営できる環境をつくるために、「統合型経営プラットフォーム」を開発‧提供します。 バックオフィス業務を統合することで、⾃動化と業務全体の効率化。さらに経営全体を可視化することで、 これまでにないスマートかつ最適なアクションまで実⾏できるプラットフォームへと進化させていきます。 また外部サービスとも連携したオープンプラットフォームとして、多様なビジネスニーズに対応。 ユーザーネットワークの中における相互取引の活性化も強化していきます。 プラットフォームの提供のみならず、スモールビジネスに携わる⼈の環境そのものを
より良くしていく取り組みを⾏うことで、世の中の変化を促します。 Vision
電⼦稟議 経費精算 債権債務 管理 ⼈事労務 電⼦契約 固定資産 請求管理 会計
⼯数管理 販売管理 会計‧⼈事労務‧販売管理を核とした 統合型経営プラットフォーム
2019年 6月期 2020年 6月期 2017年 6月期 2018年 6月期 2021年 6月期
有料課⾦ユーザー企業数(件) 有料課⾦ ユーザー企業数(1)は 約 71万事業所 2022年 6月期 45.1万 2023年 6月期 ※(1) 2026年3⽉末時点。有料課⾦ユーザー企業数には個⼈事業主を含む 37.9万 29.3万 22.4万 16万 12.1万 8.3万 ユーザー基盤拡⼤に向けた取り組み 54.7万 2024年 6月期
フリーのQA組織について
18 フリーのQA体制 統合flow開発基盤事業部 プロダクト組織 プロダクト組織 XX開発部 横断QA部 プロダクトQA ・品質可視化・課題特定 ・リスク管理
・テスト設計/実行 品質企画&SEQ ・開発全体でやるべきこと をQAでやるべきことに解釈 して横展開(AI駆動QA etc) ・採用、育成、評価 プロダクトQA(基盤) ・品質可視化・課題特定 ・リスク管理 ・テスト設計/実行 同じOKRを追って、理解しあった上で最適なアプローチを考えていく
QA(Quality Assurance)エンジニア 開発したプロダクトが「お客さんに使ってもらってOKだ!」 ってわかる情報提供をするエンジニアたち
freee QAの軌跡 - QAチーム誕⽣ - ⾃動E2Eテスト運⽤開始 - 不具合データをJIRAに⼀ 元化 -
品質KPI誕⽣ - リスク洗い出し会の運⽤ 開始 - 網羅的テストから⽬的重 視のテストチャーターへ - 全プロダクトの重篤度を 定義 - SEQチーム誕⽣ - ジュニア採⽤と育成体制構築 - QAテストプロセス標準化 - グローバルQA誕⽣ - 新卒QA採⽤開始 仮説定義 課題整理 設計 実装 テスト コード レビュー リリース 効果測定 振り返り QA テスト フィードバック フィードバック フィードバック フィードバック QAテストも フィードバック の⼀つ もっと速く、 もっと⼿前で!
01 土台:QAの仕事を「型」にする AI活用の前に、仕事そのものをエンジニアリングする AI時代における最適な QA組織の作り方 06
QA組織の拡大に伴う課題と「型」への取り組み 【課題】 属人化からの脱却 QA組織が拡大していく中で、それぞればらばらな個人の経験や技だけに頼っていては、 組織として再現可能な品質活動を続けられなくなる 【解決策】 業務の「型」化 私たちは、AI活用を始めるより前から、QAの仕事をプロセスと成果物の「型」にすることに 取り組んできた
23 QA標準プロセスという型(2022年に実施) • QA活動全体の進め方 (テストから始めて、QA活動全体へ) • 成果物の形式 • レビュー観点
• 人が迷わず動くための共通で使える地図
24 標準化は、人を縛るものではない 細かい作業を固定するのではなく、成果物(つまり、インター フェース)をそろえる
25 型があるから、AIに渡せる 入力 成果物 活動 作業手順 出力 成果物 レビュー
判断基準
26 AI活用の前提となる標準テストプロセス • AI駆動QA基盤の紹介(ren)
27 AI時代に必要なのは「型」 AIは、型のない仕事を魔法のように解決するものではない むしろ、型がある仕事ほどAIで加速できる
02 ナレッジ:人もAIも迷わない状態を作る プロセスだけでなく、コンテキスト(用語や判断基準など)を整える AI時代における最適な QA組織の作り方 11
29 型を動かすには、ナレッジが必要 • プロセスがあっても、コンテキストがなければ期待通りに動けない • コンテキスト(用語、業務ルール、判断基準、過去の意思決定)が必要 • これは人間にもAIにも同じ
30 ナレッジが分散すると何が起きるか • 同じ機能なのに、人やチームによって用語が違う • 仕様書によって用語の意味が異なり、どれが正しい使い方かわからない • 説明が口頭依存になり、内容がぶれる •
AIの出力も不安定になる
31 MCPだけでは足りない • MCPはデータにアクセスできる • でも、生データはバラついている • 最新か?正解か?をAIに判断させるコストが高 い
• 整理・統合された一次情報が必要
32 使われるナレッジとは何か • AIと人が同じ一次情報を見る • 用語や判断基準(ex.重篤度)が一意に定まる • 「あの人に聞く」が「あれを読む」に変わる •
オンボーディングと属人化解消にも効く
33 ナレッジは置くだけでは使われない • 古くなる • 更新されない • 置き場所に迷う •
工数に見合わないと思われる • 信頼されなくなる
34 ナレッジを使わないと業務が回らない状態を作る • 業務成果物の input にする • ナレッジが古いと成果物品質が下がる状態にする •
業務に支障が出るから更新する • 更新すると成果物の品質が上がる
35 ナレッジ蓄積は、AI投資であり組織としての投資 AIQA(アイカ:フリーのAI駆動QA基盤)を賢くする 同時に、ナレッジが人間のオンボーディングを早くする
03 AIQA:型とナレッジをAIが使える形にする AIに丸投げするのではなく、構造化されたQA活動をAIと協業する AI時代における最適な QA組織の作り方 06
37 AIQA(アイカ)とは何か • AIエージェントがQA活動を行うことを目指す基 盤 • QA活動をプレーンテキストに置き換える • 標準QAプロセスとプロダクト固有ナレッジの両
方を扱う
38 AIQAの全体像 • 案件理解(情報収集) • 品質リスク分析 • テスト計画 •
テスト分析 • テスト設計 • テスト準備やテスト実行への接続
39 AIQAのポイント:中間成果物が残る • すべてをプレーンテキストで残し、Gitで履歴管理 することにより、いつ・なぜ・誰がを追える • AI活用をブラックボックスにしない
40 テスト分析も型がある • ベースにはQAが考えるための型がある • フィーチャー、振る舞い、条件、マトリクスで構造 化する • 型があるから、AIの出力をレビューできる
41 AIQAで見えてきたこと AIは速度を上げる ただし、判断と品質は人間が担保する そのためには、多くの仕掛けが必要
42 守破離、そして守へのフィードバック 一人一人が試してで得た知見を、標準プロセスやナレッジに戻 す→型を固定するのではなく、型を育て続ける
04 現場展開:作っただけでは広がらない AIQAがあっても、自然に全員が使うわけではない AI時代における最適な QA組織の作り方 25
44 しかし、作っただけでは広がらない • 使い始めるハードルがある • チームごとの状況が違う • 「AI活用したい」と思っていても、何から始めればよいかわからない
45 AI活用を広げる中で直面した3つの壁(1年前に起きてたこと) • 時間の壁:キャッチアップする時間がない • ツール選択の壁:何を使えばよいかわからない • サイロ化の壁:他チームの知見に辿り着けない
46 広がらないのは、やる気の問題ではない 現場に届く形に運用を設計できていない だから、場と仕掛けが必要になる
05 仕掛け:AIに触れる人を増やし、知見を組織に戻す まず使ってみる。使った人を称賛する AI時代における最適な QA組織の作り方 29
48 現場を動かす仕掛け①:AI4QA委員会(運営見直しながら継続) • チーム横断で学びや課題を共有する場 • 成功例だけでなく失敗例も扱う • どんどん試す文化を作る ↓
・基本的なAIQAの使い方レクチャーも行う
49 現場を動かす仕掛け②:AI推進担当(半年前に中止) 現場につなぐ AI4QA委員会と各チームをつな ぐハブになる 知見を還元 他チームで得られた知見を自 チームに持ち帰る 課題を共有
現場の困りごとを横断の場へ戻 す
50 現場を動かす仕掛け③:QA AIマニア(半年前から開始) まず触れる ただ使うだけでもいいの で、AIに慣れる人を増 やす 称賛する 使った人を前向きに見え
る化し、称賛する QAに合う指標 テスト設計、ドキュメン ト、自動テストを評価す る 使うためのナレッジ スキル、ポータルサイ ト、利用時のアシスト機 能を充実し、迷いにくくす る
51 現場を動かす仕掛け④:全体トレーニング(3回実施) • QAオフサイト テスト活動をAIでやってみよう (2025/5) • AI合宿 - 部門ごとで1日かけてやる(2025/9)
• QAオフサイト apits書いてみよう(2026/7) apits : runnベースのAPI自動テストフレームワーク inowright:playwrightベースのe2e自動テストフレームワー ク
06 学習設計:AIで詰まったら、基礎へ戻れるようにする 基礎が不要になるのではなく、必要になるタイミングが変わる AI時代における最適な QA組織の作り方 35
53 AI時代の学び方は「いきなりサビ」になる これまで 基礎 → 練習 → 応用 →
現場 AI時代 応用 → 現場で詰まる → 基礎へ 戻る → 改善
54 AI時代の学び方は「いきなりサビ」になる 先にチャチャっと成果物ができるのを体験して「すげー」となり、 実際に使う時に困ったところで基本を学ぶ
55 まずAIで成果物を作る • 動くものがすぐできる • 目に見える成果が出る • AIの便利さを体験できる •
ここで「使ってみよう」が生まれる
56 でも、自分の現場で使うと詰まる • なぜこう出力されたのかわからない • どこを直せばいいかわからない • 良い成果物か判断できない •
ここで基礎が必要になる
57 AIQA初心者がつまずくポイント • テスト分析の選択肢が多い • 出力された内容の意味がわからない (ex.論理的機能構造) • どの順番で使えばいいかわからない
58 テスト分析の基礎に戻る • L1:フィーチャー • L2:振る舞い • L3:条件 •
主要4タスクを順番に流す
59 基礎が不要になるのではない 基礎が必要になるタイミングが変わる AIで先に成果物を作り、詰まったところで基礎に戻る
07 まとめ:AI時代のQA組織は、型を育て続ける 最適解は固定されない。だから更新し続ける仕組みが必要 AI時代における最適な QA組織の作り方 42
61 これまでの試行錯誤から見えてきたこと 01 標準プロセス 仕事を型にする 02 ナレッジ 人もAIも迷わない 03
AIQA 型をAIが使える形にする 04 仕掛けと学習 使う人を増やし、基礎に戻れる
62 AI時代のQA組織は、型を作り、使い、育て続ける 型を作る AIに渡す 現場で使う 知見を残す 型を育てる
63 最適なQA組織は、完成形ではない AI時代の最適解は固定されていない ツールも働き方も変わり続ける だから、更新し続ける仕組みを作っていかないといけない
64 まずは使ってみる 使った人を称賛する そこで生まれた知見を、組織の型に戻す これを回し続けることが、 AI時代のQA組織づくり
AIを活かすために、 QAの仕事をもう一度 エンジニアリングする
ありがとうございました