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自律的なスケーリング手法FASTにおけるVPoEとしてのアカウンタビリティ / dev-productivity-con-2025

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Yoshiki Iida

July 03, 2025
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  1. • ドメインの複雑さ × 横断的体験の整合性 → 経営管理領域の難しさ🔥 • パフォーマンス課題への継続的な対処 → 扱うデータ量の増加🔥

    • 認知負荷とチーム間連携のトレードオフ → 機能領域別チームでの個別最適(サイロ)化🔥   (機能Aの拡張に機能Bも変更が必要な場合のチーム間連携コスト) 前提となるプロダクト組織が向き合う課題
  2. • Quinton Quartelが提唱したスケーリング フレームワーク • OSTから着想を得ている • 提案されたアイテムに開発者が集まり チームを結成 ◦

    流動的なチーム構成 ◦ 「何を開発するか」は “コレクティブ” の集合知で決まる • 個々の開発者の⾃律性が強く要求される ◦ ルールが⾮常に少なく⾃由度が⾼い FASTについて簡単に説明 「動的なチーミングと自律 MAXで組織をスケールさせるアジャイルフレームワーク FASTとは?」 https://prd-blog.loglass.co.jp/entry/2024/09/12/181043 より
  3. スケーリングフレームワークの例 • Scrum@Scale • LeSS • SAFe • Nexus •

    FAST 国内で事例のあるフレームワークも選択できたが、これまでのスクラムでも⾃律性 を⼤事にしてきた組織⽂化があり、少ないルールで柔軟性の⾼いFASTがスタート アップにおける機動性に対してもFitすると考え、チャレンジを決定した。 FASTについて簡単に説明
  4. FASTの価値、原則、柱 価値 原則 柱 • 自律性 • 目的の共有 • 熟達

    • 協働 • 自己組織化 • 自己管理 • ナチュラルリーダーシッ プ • 正しいことをせよ • T字型であれ • チームプレイヤーであれ • 経験を分かち合い、学び 合え • 複雑適応系 • オープンスペーステクノ ロジー • Y理論によるガバナンス • リーンスタートアップ • 流動的なチーミング • ダンパー数 • ネットワーク型組織 FAST Guide(Japanese) から作成 https://drive.google.com/file/d/1jkKpvhWcF1N0-7B-9tCkRNXZnphHrHxP/view
  5. FASTについて簡単に説明 チームA データ取込 チームB マスタ設定 データ変換 チームC データ 分析‧出⼒ スクラム時代の構造

    1つのコードベース 3つの機能領域 3つのチーム スロットA スロットB スロットC スロットD FASTでの構造 1つのコードベース 1つのコレクティブ 流動的なチーミングの枠(社内用語:スロット) バックログA バックログB バックログC Big Picture アイテムD アイテムC アイテムA アイテムB コレクティブ
  6. • 「FASTでやっているから⾃律的に動かないといけない」 ◦ → スクラムでも⾃律性は求められる ◦ → コレクティブという⼤きな枠での⾃律性はより難易度が⾼い • FASTによって難易度が上がったという混乱‧⼾惑いはあった

    学び: どんなやり⽅にせよ、Whole Productで今どこに向かうべきなのか、何を最優先で⽚付けなければいけない のか?を考えなければいけない。 ⾃律性を合議と捉えると歪んでしまう。 誰かが意思決定をしなくてはいけないが、 Product Owner(相当の⼈)がスタンスを取る=⾃律性を損なう、ではない。 ⾃律性の解釈の深まり
  7. FASTの「守り」とは何か FASTの守破離 価値 原則 柱 • 自律性 • 目的の共有 •

    熟達 • 協働 • 自己組織化 • 自己管理 • ナチュラルリーダーシッ プ • 正しいことをせよ • T字型であれ • チームプレイヤーであれ • 経験を分かち合い、学び 合え • 複雑適応系 • オープンスペーステクノ ロジー • Y理論によるガバナンス • リーンスタートアップ • 流動的なチーミング • ダンパー数 • ネットワーク型組織
  8. FASTの「守り」とは何か FASTの守破離 価値 原則 柱 • 自律性 • 目的の共有 •

    熟達 • 協働 • 自己組織化 • 自己管理 • ナチュラルリーダーシッ プ • 正しいことをせよ • T字型であれ • チームプレイヤーであれ • 経験を分かち合い、学 び合え • 複雑適応系 • オープンスペーステクノ ロジー • Y理論によるガバナンス • リーンスタートアップ • 流動的なチーミング • ダンパー数 • ネットワーク型組織 太字にした箇所は普段の活動でも意識できてそう
  9. • 流動性の解釈の深まり(内部‧外部) → 仕事量の⽣産性、期待付加価値の⽣産性 • 品質への向き合い⽅ → 仕事量の⽣産性 • ⾃律性の解釈の深まり

    → 期待付加価値の⽣産性 • サイロとの継続的な戦い → 期待付加価値の⽣産性 • 守破離の捉え⽅ → 仕事量の⽣産性 FASTの学びに対しての⽣産性の観点からのふりかえり
  10. 仕事量の⽣産性 • 流動的なチーミングは課題優先順位に対 して適切なチーミングができれば、フ ロー効率を⾼められる ◦ ⼀⽅で適切な判断にならない場合、 戦⼒分散するリスクもある • 開発が⻑期化するものについては配置を

    あらかじめプランニングすることでフ ロー効率を⾼められる FASTの学びに対しての⽣産性の観点からのふりかえり 期待付加価値の⽣産性 • 流動的なチーミングによって機能領域を 跨いだメンバーが集まることで、横断的 な価値を考慮できる体制構築ができる • 機能領域別のチームの枠をなくすこと で、プロダクトマネジメントの意思決定 は全体俯瞰の意識が強化された
  11. • 機能領域のフィーチャーチームからWhole Productに向き合うためのスケーリングを FASTというフレームワークを⽤いて取り組んできた • スケーリングの過程において、 ◦ 流動性や⾃律性の解釈が進んだこと ◦ 品質をあげるためのチーム構成の要素

    ◦ サイロの⼒学 ◦ FASTの守破離 という学びがあった • 仕事量の⽣産性および、期待付加価値の⽣産性それぞれの解像度は上がったが、取り組 みや運⽤の熟達度はまだ道半ば ◦ AI時代の新しいスタンダードへのチャレンジが次の1年の取り組み • ⻑期的な価値となる学びもあり、ここへの投資はVPoEのスタンスが重要である まとめ