人を評価して下さいと言われた時、人をどう評価していいのかの結論が出せませんでした。社内の評価制度による大きなデメリットを実感していたからです。
具体的には
- 360度評価の失敗
- 目標設定による評価の失敗
どの評価制度も人を不幸にしているように見えました。
そこで考え方を改め、「どうすれば人を評価できるのか」ではなく「どうすれば人は成果を出すことができるのか」を考え始めました。
ダニエル・ピンクは人が成果を出すためには、自主性・成長・目的の三つが重要だと語っています。
私はダニエル・ピンクの言葉を参考に、三つの要素が最大化されそうな方法を試してみました。
1. 個人の裁量を増やし、どんどん好きな事をやってもらった。
2. ブログやOSSの活動をして社外へアプトプットする事を心がけてもらった。
3. 社外のアプトプットを見て他の会社に自社のエンジニアの査定をお願いした。
その結果、非常に高い成果を得られました。
社外活動は飛躍的に活発化し、他の会社のエンジニアが見ても弊社のエンジニアの実力を見えるようになりました。またチームで行なっているプロジェクトの品質も良いものになりました。
具体的には
- プロジェクトに携った全てのエンジニアからOSSライブラリがリリースされる。
- プロジェクトに携った全てのエンジニア・デザイナーが勉強会を開催する。
- プロジェクトに携った全てのエンジニアがブログ記事をアップする。
他の会社にエンジニアの査定を依頼していたのでまるで、転職を斡旋しているようになりました。ここでの査定金額を評価にフィードバックしようと考えていましたが、十分な査定は得られませんでした。
なぜなら、他の会社も採用活動に多くの時間を使っているので、我々の査定だけのために時間を割いてくれる訳もなく、カジュアル面談のみで終了しました。
なぜ、これほどまでに高い成果を得られたのでしょうか?
私は今回試してみた一つのアプトプットすることの重要性に気づきました。社外にアウトプットすることで次のようなサイクルが回り出したのです。
- 自主性によって先進的なことを試す
- 試した内容をアウトプットする
- アウトプットした内容に外部の人から「いいね」される
- 「いいね」によってモチベーションが上がる
- また新しいことを試し始める
エンジニアがどこに悩んで、どのように解決したのかを自分を含め外部の人でも評価できるようになった訳です。例えマネージャーである僕から低い評価を得たとしても、外部から適切な評価を得られれるとすればとてもフェアであると思います。
私はマネジメントと評価は切っても切り離せない関係を持っていると思います。そして、どうしてもマネジメント行う人間・人事を行う人間が完璧な評価を下せると思うことができません。
会社の立場になれば給料を安くする方がいいし、エンジニアの立場になれば給料を高くする方がいい。
つまりここには必ず摩擦が生まれるのです。
エンジニアと会社の立場が公平になるような仕組みを考える事で、マネジメントそのものの大きな問題点を解消出来ると思っています。
最後のこの評価の課題を解決するため、エンジニア査定ネットワークを提案しています。
これは、会社間でエンジニアを評価しあう仕組みです。賛同頂ける方はぜひご連絡下さい。
@1amageek
村本 章憲