Node-REDのノードの開発・活用事例とコミュニティとの関わり(Node-RED Con Nagoya 2025)

Node-RED Con Nagoya 2025
『Node-REDのノードの開発・活用事例とコミュニティとの関わり』
後地　拓真
Webページ：https://nodered.jp/noderedcon2025/
動画：https://youtu.be/wTDt1yAIawg?t=8863

Transcript

1. Node-REDのノードの開発・活用事例と コミュニティとの関わり 大阪公立大学 後地 拓真 Node-RED Con Nagoya 2025 Archive：https://youtu.be/wTDt1yAIawg?t=8863
2. 目次 自己紹介 Node-RED MCUのノード開発 コミュニティでの開発事例 その他の事例 最後に 2
3. 自己紹介 後地(うしろじ)です • 大阪公立大学 博士前期課程１年 • Node-RED MCU 技術書執筆 • 技術ブログ：趣味的ロボット研究所 https://404background.com/ • Node-RED歴：２年半 • 好きなノード： Dashboard 2.0のui-file-inputノード 3 https://techbookfest.org/product/9t1kyKuapMSiTtd144V cv2?productVariantID=qP1qVRD9Z6fG7fuZRLjpCw
4. 扱っているもの 4 • 3DCAD • 電子基板CAD • プログラミング • Unreal Engine • ROS • などなど…
5. きっかけ ご近所にNode-RED MCUの書籍の執筆者がいたから 5 Node-RED 大喜利 in 京都 (2023) Maker Faire Kyoto 2023 大阪24時間AIハッカソン(2024) • 最初に触ったのがNode-RED MCU • イベントでも利用 https://www.youtube.com/watch?v=-XgcMUE3A7A
6. これまで開発したノード Node-RED用 • python-venv • wsl-ubuntu • path-utils • voicevox-core • whisper • queue • python-dualshock4 • pyodide • ruby-wasm 6 Node-RED MCU用 • mcu-servo • mcu-serial • mcu-joystick • mcu-line-notify 計13個 backgroundで検索！ (後地なので…)
7. Node-RED MCUのノード開発
8. Node-RED MCUについて Node-REDのフローをマイコンに書き込める • Moddable SDKを利用 • 標準的な機能、一部センサーをサポート • カメラもサポート 8 https://www.npmjs.com/package/@kitazaki/node-red-contrib-mcu-camera mcu-cameraノード
9. ダッシュボードのサポート • ディスプレイ付きのボードではキーボード入力もできる • ノードを置くだけ！ 9 https://protopedia.net/prototype/4716 https://404background.com/made/mcu-smartphone/
10. Node-RED MCUの問題 ノードが無いと扱いにくい 例：カメラ、サーボモータ、サポートされていないセンサー 無いなら作ればいい！ 10 https://qiita.com/background/items/9b820251aa9dda5a3167 https://404background.com/program/node-create-2/
11. mcu-servoノード 角度を入力し、PWM outノードの値を出力 11 https://www.npmjs.com/package/@background404/node-red-contrib-mcu-servo https://youtu.be/tQKZNu7PTCM
12. 活用例 12 https://protopedia.net/prototype/5030 https://flows.nodered.org/node/@mshioji/node-red-contrib-mcu-draw-face
13. mcu-serialノード Serial通信を扱える • 日本の執筆者メンバーの方の記事をもとにノード化 • functionノードで動くならノード化しやすい • ノード間でインスタンスの共有 13 https://github.com/404background/node-red-contrib-mcu-serial https://404background.com/program/node-create-3/
14. 改善方法の提案 Moddable SDKの開発者の方から改善案を頂きました 14
15. mcu-joystickノード M5StackのJoystick Unitを扱える • I2C通信を利用 • 出力は3つ • X軸、Y軸、ボタン 15 https://youtu.be/Ndb2MqFHdD8 https://github.com/404background/node-red-contrib-mcu-m5units
16. 開発時に気を付けていること • 入力と出力の関係 • 既存のノードとの兼ね合い • 子どもでも使いやすいか？ ノードをインストールするだけで使えるのがメリット 16
17. コミュニティでの開発事例
18. Pythonを実行するノード functionノードのようにPythonのコードを実行できるノードは既にある • python-functionノードなど • execノードでも実行可能 Pythonを実行するメリット • AI系のパッケージを活用できる • 物体検出、音声認識、音声合成など 18
19. Pythonを実行するノード 既存のノードの課題 • システムのPythonを利用している • パッケージやバージョンがシステムに依存する • フローを共有しても動かない可能性 Pythonの仮想環境を利用した、新しいノードとして開発する 19
20. venvを利用する よくある使い方 1. 仮想環境を作成する 2. activateを実行して有効化する 3. ファイルを実行する 絶対パスを呼び出して実行 1. 仮想環境内の実行ファイルの絶対パスを指定して実行する コマンド１行で実行可能！ 20 python –m venv <仮想環境名> source <仮想環境名>/bin/activate python hello.py /home/pi/pyenv/bin/python hello.py https://404background.com/program/python-venv/
21. 初版のpython-venvノード • ノードで絶対パスを管理 • pipノードでパッケージをインストール • ノード内のコードを実行できる 環境構築の手順もフローとして残すことが可能 21 https://404background.com/program/node-create-python-venv/
22. 利便性について考える Q.他にどのような機能が必要か？ さらに便利にするには？ 22
23. ノードを改善する テキストエディタを適用する 23
24. ノードを改善する 複数の仮想環境を作成・管理する • Pythonのバージョンも切り替え可能 (Windowsのみ) 24 https://github.com/404background/node-red-contrib-python-venv/pull/15
25. ノードを改善する Node-REDのメッセージをコード内で取得したい！ • msg, flow, globalオブジェクトを取得可能 25 https://github.com/404background/node-red-contrib-python-venv/pull/6 https://github.com/404background/node-red-contrib-python-venv/issues/35
26. ノードを改善する 絶対パスで仮想環境を作成したい！ 26 https://github.com/404background/node-red-contrib-python-venv/issues/18
27. ノードを改善する • childprocessのexecとspawnを切り替え可能にする • 実行終了後に出力 or 順次に結果を出力 whileループも実行可能 27 https://github.com/404background/node-red-contrib-python-venv/pull/20
28. 活用例 音声翻訳 • パッケージをインストール • 録音→文字起こし→翻訳 →音声合成→音声再生 • ノードを再利用できる • メンテナンスしやすい 28 https://github.com/404background/node-red-contrib-python-venv/discussions/48 https://404background.com/program/python-gtts/ https://404background.com/program/python-googletrans/
29. OllamaによるLLMどうしの対話 29 https://404background.com/program/ollama-4/ https://404background.com/program/python-search/
30. OllamaによるLLMどうしの対話 30 https://404background.com/program/ollama-4/ https://404background.com/program/python-search/
31. コミュニティでの開発 • オープンだと海外の方も協力してくれる • 自分では実装できない機能も追加 • みんなが欲しい機能も集まる • 交流するのが楽しい 31
32. その他の事例
33. AIとの開発 バイブコーディングにより開発が加速 課題：必要なファイルが不足することがある • ノードの開発に関する情報が少ない？ 33 https://github.com/404background/node-create-guidelines https://nodered.jp/docs/creating-nodes/ ガイドラインを読んでもらってから開発 • ノード開発のドキュメントをもとに作成 • フォルダの構成を定義 • ガイドライン自体がサンプルノード
34. pyodideノード Pyodideを利用してPythonのコードを実行可能 • Pythonのインストールが不要 • Node-REDのメッセージも受け取れる 34 https://github.com/404background/node-red-contrib-pyodide
35. ちなみに enebularでは実行できませんでした • python-venv, pyodideノード • 権限エラーなど 35
36. ruby-wasmノード WebAssemblyを利用してRubyのコードを実行可能 • アスキーアートプログラムを実行可能 36
37. LLM Plugin サイドバーでLLMと対話できる • 現在のフローを渡せる • LLMが提案したフローをインポートできる • 現状ではOllamaのみサポート Node-REDでもバイブコーディング？ 37 https://github.com/404background/node-red-contrib-llm-plugin
38. ROSとの連携 • ROSとの通信によるアームの制御 • WSL2のUbuntu環境とROS Bridgeを経由して通信 38 https://qiita.com/background/items/c0d5b0a744fdd2365fd1 https://404background.com/ros/ros1-3/ https://404background.com/program/ros-bridge/ https://youtu.be/KBqswSWB6b4
39. Unreal Engine 5との連携 • ロボットアームのモデルを制御 • HTTP通信による連携 • Unreal Engineもノード型 • 入力が複数 39 https://qiita.com/background/items/c0d5b0a744fdd2365fd1 https://404background.com/ue5/unreal-engine-5-7/ https://youtu.be/0j4AB2rYCT0
40. ROS+UE5+Node-RED 40 https://qiita.com/background/items/c0d5b0a744fdd2365fd1 https://youtu.be/0j4AB2rYCT0 • デジタルツインのためのシステム • 最近はTCP/UDP通信で連携
41. wsl-ubuntuノード WSL2のUbuntu環境のターミナルでコマンドを実行可能 • 複数のUbuntu環境を呼び出せる • sudo実行時のパスワードも指定可能 • roscore、Gazeboなどの実行 41 https://www.npmjs.com/package/@background404/node-red-contrib-wsl-ubuntu https://404background.com/program/node-red-wsl-ubuntu/
42. 最後に
43. まとめ • ノードの開発を通してコミュニティと関わるのは楽しい！ • どんどん開発が進む • 自分にはできない実装も • 「ノードを開発する」という選択肢がある • 再利用できる • AIを活用して開発できる Thank you for Contributors! 43
44. ご清聴ありがとうございました! 後地 拓真 GitHub@404background X@404backG Blog:https://404background.com/ E-mail:404background@gmail.com