Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

2024年度秋学期 画像情報処理 第5回 離散フーリエ変換,フーリエ変換の実例 (2024. ...

2024年度秋学期 画像情報処理 第5回 離散フーリエ変換,フーリエ変換の実例 (2024. 10. 25)

関西大学総合情報学部 画像情報処理(担当・浅野晃)
http://racco.mikeneko.jp/Kougi/2024a/IPPR/

Akira Asano

October 14, 2024
Tweet

More Decks by Akira Asano

Other Decks in Education

Transcript

  1. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリングされた関数のフーリエ変換 3 サンプリング fT (x) = f(x)combT

    (x) 輝度f(x) 位置x fT (x) x x ... ... T δ(x) ... δ(x–T) δ(x–nT) × = FT[fT (x)](ν) = FT[f(x)combT (x)](ν) = ∞ −∞ f(x)combT (x) exp(−i2πνx)dx サンプリングされた関数のフーリエ変換
  2. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリングされた関数のフーリエ変換 4 x x f(x) fT (x)

    サンプリング フーリエ変換 ν T フーリエ変換 ν 1 / T ... ... νc –νc FT[f(x)](ν) FT[fT (x)](ν)
  3. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリングされた関数のフーリエ変換 4 x x f(x) fT (x)

    サンプリング フーリエ変換 ν T フーリエ変換 ν 1 / T ... ... νc –νc FT[f(x)](ν) FT[fT (x)](ν)
  4. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリングされた関数のフーリエ変換 4 x x f(x) fT (x)

    サンプリング フーリエ変換 ν T フーリエ変換 ν 1 / T ... ... νc –νc FT[f(x)](ν) FT[fT (x)](ν) こちらは離散的だが
  5. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリングされた関数のフーリエ変換 4 x x f(x) fT (x)

    サンプリング フーリエ変換 ν T フーリエ変換 ν 1 / T ... ... νc –νc FT[f(x)](ν) FT[fT (x)](ν) こちらは離散的だが こちらは離散的でない→コンピュータで扱えない
  6. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 周波数空間でもサンプリング 5 周波数空間で,1周期あたり N 点のサンプリングをする x f

    T (x) 間隔T [mm] ν [1/mm] FT[f T (x)](ν) 間隔1 / T [1/mm] フーリエ変換 [実空間] [周波数空間] FT[fT(x)](n) 間隔 1 / NT [1/mm] ν [1/mm]
  7. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 実空間ではどうなる? 6 実空間でサンプリング→周波数空間で周期的に現れる 周波数空間でサンプリング→実空間で周期的に現れる x f T

    (x)とみると T [mm] ν [1/mm] FT[f T (x)](ν) と見ると 1 / T [1/mm] フーリエ変換 u(n)とみると 1[刻み] = 1[T(mm)] n k[刻み] U(k) とみると 1[刻み] x[mm] n[刻み] N[刻み] = N[T(mm)]     = NT[(mm)]周期の 周期関数とみなしている 離散フーリエ変換 [実空間] [周波数空間] FT[fT(x)](n) とみると 1 / NT [1/mm] ν [1/mm]
  8. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 離散フーリエ変換 8 離散フーリエ変換は ここの計算になっている x f T

    (x)とみると T [mm] ν [1/mm] FT[f T (x)](ν) と見ると 1 / T [1/mm] フーリエ変換 u(n)とみると 1[刻み] = 1[T(mm)] n k[刻み] U(k) とみると 1[刻み] x[mm] n[刻み] N[刻み] = N[T(mm)]     = NT[(mm)]周期の 周期関数とみなしている 離散フーリエ変換 [実空間] [周波数空間] FT[fT(x)](n) とみると 1 / NT [1/mm] ν [1/mm]
  9. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 離散フーリエ変換 8 離散フーリエ変換は ここの計算になっている 元のフーリエ変換とはだいぶ違う x f

    T (x)とみると T [mm] ν [1/mm] FT[f T (x)](ν) と見ると 1 / T [1/mm] フーリエ変換 u(n)とみると 1[刻み] = 1[T(mm)] n k[刻み] U(k) とみると 1[刻み] x[mm] n[刻み] N[刻み] = N[T(mm)]     = NT[(mm)]周期の 周期関数とみなしている 離散フーリエ変換 [実空間] [周波数空間] FT[fT(x)](n) とみると 1 / NT [1/mm] ν [1/mm]
  10. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 離散フーリエ変換 8 離散フーリエ変換は ここの計算になっている 元のフーリエ変換とはだいぶ違う これが元のフーリエ変換 x

    f T (x)とみると T [mm] ν [1/mm] FT[f T (x)](ν) と見ると 1 / T [1/mm] フーリエ変換 u(n)とみると 1[刻み] = 1[T(mm)] n k[刻み] U(k) とみると 1[刻み] x[mm] n[刻み] N[刻み] = N[T(mm)]     = NT[(mm)]周期の 周期関数とみなしている 離散フーリエ変換 [実空間] [周波数空間] FT[fT(x)](n) とみると 1 / NT [1/mm] ν [1/mm]
  11. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 離散フーリエ変換 8 離散フーリエ変換は ここの計算になっている 元のフーリエ変換とはだいぶ違う これが元のフーリエ変換 こっちが

    離散フーリエ変換 x f T (x)とみると T [mm] ν [1/mm] FT[f T (x)](ν) と見ると 1 / T [1/mm] フーリエ変換 u(n)とみると 1[刻み] = 1[T(mm)] n k[刻み] U(k) とみると 1[刻み] x[mm] n[刻み] N[刻み] = N[T(mm)]     = NT[(mm)]周期の 周期関数とみなしている 離散フーリエ変換 [実空間] [周波数空間] FT[fT(x)](n) とみると 1 / NT [1/mm] ν [1/mm]
  12. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 数列の計算にする 9 元の関数は忘れて,サンプリングされたものを数列とみなす デルタ関数の並びの積分だったのが →数列の場合は,そこの値を合計するだけ U(k) =

    N−1 n=0 u(n) exp −i2π k N n (k = 0, 1, . . . , N − 1) 離散フーリエ変換(DFT) x[s] デルタ関数の並びではなく,単に間隔 でとびとびに取り出された関数の値を 数列 とする T u(n)
  13. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 数列の計算にする 9 元の関数は忘れて,サンプリングされたものを数列とみなす デルタ関数の並びの積分だったのが →数列の場合は,そこの値を合計するだけ U(k) =

    N−1 n=0 u(n) exp −i2π k N n (k = 0, 1, . . . , N − 1) 離散フーリエ変換(DFT) x[s] デルタ関数の並びではなく,単に間隔 でとびとびに取り出された関数の値を 数列 とする T u(n)
  14. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 数列の計算にする 9 元の関数は忘れて,サンプリングされたものを数列とみなす デルタ関数の並びの積分だったのが →数列の場合は,そこの値を合計するだけ U(k) =

    N−1 n=0 u(n) exp −i2π k N n (k = 0, 1, . . . , N − 1) 離散フーリエ変換(DFT) x[s] デルタ関数の並びではなく,単に間隔 でとびとびに取り出された関数の値を 数列 とする T u(n)
  15. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 離散フーリエ変換 10 の離散フーリエ変換は 実際には … … …

    … という 周期関数と みなしている x f T (x)とみると T [mm] ν [1/mm] FT[f T (x)](ν) と見ると 1 / T [1/mm] フーリエ変換 u(n)とみると 1[刻み] = 1[T(mm)] n k[刻み] U(k) とみると 1[刻み] x[mm] n[刻み] N[刻み] = N[T(mm)]     = NT[mm]周期の 周期関数とみなしている 離散フーリエ変換 [実空間] [周波数空間] FT[fT(x)](n) とみると 1 / NT [1/mm] ν [1/mm]
  16. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 「実空間の周期関数」のほうから考えてみる 14 x f T (x) 間隔T

    x 1 幅NT × x = 実空間でサンプリングされた関数 fT (x) 幅 だけ切り出す矩形関数 NT rect( x NT ) rect(x) = 0 (|x| > 1 2 ) 1 (|x| < 1 2 ) fT (x) × rect( x NT ) 切り出した
  17. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリングして,さらに周期関数にする 15 fT (x) × rect( x

    NT )     切り出された x * x 間隔NT x = … … … … コンヴォリューション 間隔 のくし形関数 NT combNT (x) 周期 の周期関数にした NT fT (x) × rect( x NT ) ∗ combNT (x)
  18. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 そのフーリエ変換は 16 周期 の周期関数になった NT fT (x)

    × rect( x NT ) ∗ combNT (x) x … … そのフーリエ変換は FT[f(x)combT (x) × rect( x NT ) ∗ combNT (x)] = FT[f(x)combT (x)] ∗ FT[rect( x NT )] × FT[combNT (x)] フーリエ変換すると  × → *  * → × かけ算はコンヴォリューションに コンヴォリューションはかけ算に
  19. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 矩形関数のフーリエ変換は 17 幅 a の矩形関数 の フーリエ変換は

    rect( x a ) sinc関数といい, で表す sinc(aν) x 1 幅NT FT[rect( x a )] = ∞ −∞ rect( x a ) exp(−i2πνx)dx = a 2 − a 2 exp(−i2πνx)dx = 1 −i2πν [exp(−i2πνx)] a 2 − a 2 = 1 i2πν (exp(iπaν) − exp(−iπaν)) = sin(aπν) πν 0 1 a
  20. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリング/周期化してフーリエ変換すると 18 周期 の周期関数になった NT fT (x)

    × rect( x NT ) ∗ combNT (x) x … … これのフーリエ変換は FT[fT (x)] × comb 1 NT (xν) ∗ sinc( ν 1/(NT) ) 実空間でサンプリングされた のフーリエ変換を 間隔 でサンプリング fT (x) NT ν FT[f T (x)](ν) 間隔1 / T 間隔 1 / NT ν
  21. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 サンプリング/周期化してフーリエ変換すると 18 周期 の周期関数になった NT fT (x)

    × rect( x NT ) ∗ combNT (x) x … … これのフーリエ変換は FT[fT (x)] × comb 1 NT (xν) ∗ sinc( ν 1/(NT) ) 実空間でサンプリングされた のフーリエ変換を 間隔 でサンプリング fT (x) NT ν FT[f T (x)](ν) 間隔1 / T 間隔 1 / NT ν こっちは?
  22. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 sinc関数はどうなるのか? 19 FT[fT (x)] × comb 1

    NT (xν) ∗ sinc( ν 1/(NT) )     実空間でサンプリングされた のフーリエ変換を 間隔 でサンプリング fT (x) NT ν FT[f T (x)](ν) 間隔1 / T 間隔 1 / NT ν デルタ関数の間隔 の並びと sinc関数のコンヴォリューション 1/(NT) sinc関数 が 間隔 で並ぶ sinc( ν 1/(NT) ) 1/(NT)
  23. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 sinc関数はどうなるのか? 19 FT[fT (x)] × comb 1

    NT (xν) ∗ sinc( ν 1/(NT) )     実空間でサンプリングされた のフーリエ変換を 間隔 でサンプリング fT (x) NT ν FT[f T (x)](ν) 間隔1 / T 間隔 1 / NT ν デルタ関数の間隔 の並びと sinc関数のコンヴォリューション 1/(NT) sinc関数 が 間隔 で並ぶ sinc( ν 1/(NT) ) 1/(NT) は 間隔 ごとにゼロになるから, 間隔 で並んだsinc関数の影響はない sinc( ν 1/(NT) ) 1/(NT) 1/(NT) 0 1 NT
  24. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 離散フーリエ変換と対称性 23 数列 を離散フーリエ変換したものが 数列 であるとき u(n) U(k)

    U∗(N − k) = U(k) が実数ならば, なので u(n) u*(n) = u(n) U∗(N − k) = N−1 n=0 u∗(n) exp(i2π N − k N n) = N−1 n=0 u(n) exp(i2πn) exp(i2π −k N n) なぜならば,👉👉
  25. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 離散フーリエ変換と対称性 24 U∗(N − k) = N−1

    n=0 u∗(n) exp(i2π N − k N n) = N−1 n=0 u(n) exp(i2πn) exp(i2π −k N n) が整数のとき 指数関数と三角関数の関係から ,よって n exp(i2πn) = cos(2πn) + i sin(2πn) = 1 + 0 = 1 U∗(N − k) = N−1 n=0 u(n) exp(i2π −k N n) = U(k)
  26. 26 2024年度秋学期 画像情報処理 / 関西大学総合情報学部 浅野 晃 やっぱりデータサイズは2倍にはなってない 25 が整数のとき 指数関数と三角関数の関係から ,よって n exp(i2πn)

    = cos(2πn) + i sin(2πn) = 1 + 0 = 1 これが元のフーリエ変換 こっちが 離散フーリエ変換 ν [1/s] ν [1/s] が実数ならば, なので 離散フーリエ変換で表されている 最大の周波数は u(n) U*(k) = U(N − k) N/2 U(0) U( N 2 ) は対称 「指数関数2つの組でひとつの波」だから, 当然といえば当然ですね💬💬