Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ROSConJP 2025 発表スライド
Search
ぐるぐる
September 09, 2025
Education
0
130
ROSConJP 2025 発表スライド
ぐるぐる
September 09, 2025
Tweet
Share
More Decks by ぐるぐる
See All by ぐるぐる
StudioAquatan Introduction 2024
f0reacharr
0
29
ロボコンのすすめ
f0reacharr
0
48
How to survive campus life at KIT with MacBook
f0reacharr
0
160
テレビ録画を遠隔視聴する話
f0reacharr
0
610
Other Decks in Education
See All in Education
プレゼンテーション実践
takenawa
0
15k
小学校女性教員向け プログラミング教育研修プログラム「SteP」の実践と課題
codeforeveryone
0
110
Ch1_-_Partie_1.pdf
bernhardsvt
0
150
2025年度春学期 統計学 第11回 分布の「型」を考える ー 確率分布モデルと正規分布 (2025. 6. 19)
akiraasano
PRO
0
160
AIの時代こそ、考える知的学習術
yum3
2
190
[FUN Open Campus 2025] 何でもセンシングしていいですか?
pman0214
0
230
万博非公式マップとFOSS4G
barsaka2
0
1k
生態系ウォーズ - ルールブック
yui_itoshima
1
250
チーム開発における責任と感謝の話
ssk1991
0
190
Common STIs in London: Symptoms, Risks & Prevention
medicaldental
0
140
社外コミュニティの歩き方
masakiokuda
2
180
Présentation_1ère_Spé_2025.pdf
bernhardsvt
0
140
Featured
See All Featured
Facilitating Awesome Meetings
lara
55
6.5k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
160
23k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
224
9.9k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
45
7.6k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
29
5.5k
Unsuck your backbone
ammeep
671
58k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
31
2.2k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
48
9.7k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
268
13k
How to Think Like a Performance Engineer
csswizardry
26
1.9k
Docker and Python
trallard
45
3.5k
Transcript
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY NHK学生ロボコンに向けた ソフトウェア開発と教育から 得られた知見 京都工芸繊維大学ロボコン挑戦プロジェクト
ForteFibre @ ROSConJP 2025
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 今日話すこと • ForteFibreの紹介 •
部内ライブラリ”fibril”の紹介 • 教育プランの紹介・変化
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY ForteFibreについて 京都工芸繊維大学の ロボコンチーム 「NHK学生ロボコン」
を主に対象 部員数およそ60名 直近の実績 • NHK学生ロボコン2024 技術賞 NHK学生ロボコン2025における様子
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 部内ライブラリ “fibril” • 2023年末から開発が始まったROS
2向けライブラリ • 自己位置推定・自動走行・各種ユーティリティ • ROS 2の既存ライブラリを多く使用 → メンテナンスコストを下げる狙い • 機能ごとにNodeを細分化 詳しくは休憩時間などで
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY “fibril”の一部OSS化 ロボコン向けライブラリ: 秘匿することが多い →
独自技術の流出を避けたい・優位性を保ちたい “fibril”は既存OSSの活用により独自技術が少ない → 公開しやすい BehaviorTree関連や ユーティリティ等の公開を進めている
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY fibrilの構成 • common: ROS・組み込みファームウェア向け
• fibril_ros: ROS Node用monorepo • envとactions: ROS環境構築・CI/CD環境 ◦ apt: Binary Packagesの配布 • firmware群: 組み込みファームウェア
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY fibrilを使うロボットの構成 LiDAR・IMU等 各種センサ 自己位置推定
(localization) 自律移動/経路追従 (navigation) 行動計画 (behavior) ルール固有処理 各種 ハードウェア 通信: Ethernet / USB(CAN bus) ROS Node数: 20程度 デバッグ機能 (tools) WebUI 各種制御器 (control)
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 各種機能の特色: localization ロボコンのフィールド ≒
直線が多く直角の組み合わせ に最適化された軽量な点群処理 • 点群同士のマッチングではなく、 直線の検出 + 直線のマッチング
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 各種機能の特色: ハードウェアとの通信 • CANバスによる通信
• PCとの接続はUSB接続 • enumベースで定義されたプロトコル → 拡張性に限界 → CANopenライクなプロトコルへの移行中
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 教育について
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY なぜ教育をするのか • 新入部員は基本的に初心者 ◦
場合によってはPC操作すらも得意ではない ◦ 適切な知識なしではロボコンはできない → 退部等に繋がる ◦ 有志の団体と大きく異なる点 • 学年制限や卒業 → 次に託せる人材の育成が必須 • 教育をすることで教える側の知識も深くなる 必然的に対象がソフトウェア開発の 経験を持たない
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 教育内容の紹介 C++の教育 簡単な制御 の教育
本格的なROS 2による ロボット制御 1年生 2年生以降 出場大会 • Summer Robot Contest • 関西春ロボコン 出場大会 • 関西夏ロボ • NHK学生ロボコン
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 適切な教育が無い場合に起きること • ライブラリはあるが、使われない •
適切な使用方法で使ってもらえない • 独学に基づく車輪の再発明で時間が溶ける → チームの衰退を招く
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 教育内容の紹介 C++の教育 簡単な制御 の教育
本格的なROS 2による ロボット制御 環境構築が容易・教えやすいマイコンボード中心 C++の練習・簡単な制御・少し複雑な制御まで行う ライントレース 小型のロボット
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 教育内容の紹介 C++の教育 簡単な制御 の教育
本格的なROS 2による ロボット制御 環境構築が容易・教えやすいマイコンボード中心 C++の練習・簡単な制御・少し複雑な制御まで行う 2022年前後から行っていて、実績がある
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 教育内容の紹介 C++の教育 簡単な制御 の教育
本格的なROS 2による ロボット制御 特徴 • RTOSスレッドを避けイベントループを採用 → ROS 2 Executorへのスムースな導入に繋がった? • PlatformIOの採用 → Windows PCで完結する
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 教育内容の紹介 C++の教育 簡単な制御 の教育
本格的なROS 2による ロボット制御 ROS 2について教育: 年度ごとに大きく変化している → つまづく人が多発していたため 今回の発表ではこの部分の変化を主に取り上げる
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY ROS 2教育 今までやったこと •
公式チュートリアルベースの自習 ◦ 読み合い(輪読) • 公式チュートリアルの簡易版(日本語)の作成 ◦ 教材の試行錯誤 • 「ロボットを動かす」を中心とした講習 • ROS 2ハンズオン(OUXT 片岡さん)
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 公式チュートリアルベースの自習・勉強会 docs.ros.orgにあるチュートリアルを各自やってもらった • 言語の壁と「面白くない」→
苦手意識を持つ人 🐢とリアルのロボットが紐付かない • 部のロボットを使う知識 ≪ チュートリアルの知識 • 各自やる形式だと躓いた際にやる気を無くしたり… ROSを学習する時期に動かせるロボットが 無かったことも面白くないに繋がった
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 公式チュートリアルの簡易版(日本語)の作成 日本語の資料として以下のような内容を作成 • 基礎的なCLIの使い方
• C++によるトピック通信の方法と実践 • rosbagの使用方法 → 公式チュートリアルよりは導入として良さそう
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY (その後あった)教材の試行錯誤 色々な視点から教材(記事)が作成された • ros2cliの解説を通じて「使う」ことに特化する記事
• 「モータを動かす」のような物理重視 • C++でノード作成として簡易シミュレータ作成 内容の重複込で 60記事くらいあった
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY (その後あった)教材の試行錯誤 色々な視点から教材(記事)が作成された • ros2cliの解説を通じて「使う」ことに特化する記事
• 「モータを動かす」のような物理重視 • C++でノード作成として簡易シミュレータ作成 内容の重複込で 60記事くらいあった 比較的良いフィードバック
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY ROS 2ハンズオン(OUXT 片岡さん) •
Dockerベースの初心者向けハンズオン • Nav2によるデモ + 解説付きのNode開発 → 1回実施のみに留まるも、解説付きC++コードなどは 部内でも参考になっている
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY 現在の方針: 「ロボットを動かす」を中心とした講習 1. 過去の大会のシミュレータでイメージを持ってもらう
◦ ノード図なども見せる 2. IPCの考え方やノード等基本概念を覚えてもらう 3. マイコンで動かしたロボットをROSで動かす ◦ あまりコードは書かない 4. 簡単なノードを書いてもらう
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY つまり言いたいこととして… 学生団体(大学の団体)がROS 2教育をするなら… •
最初に「おもしろそう」となってもらう ◦ 凄そうなデモや実機を最初に持ってくる • (ライブラリが整備されているなら) そこから始めたほうがいい • 日本語のほうが良い
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY オマケ: 誤った独学の例 • モノリスなNodeの誕生
→ マイコン時代のコードがほぼそのままやってきた形
ForteFibre / KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY ご清聴ありがとうございました