TypeScript 5.9で利用可能となる新機能「import defer」を用いたパフォーマンス最適化について解説しています。
TC39 Stage 3の提案であるこの機能は、モジュールの「取得・解析」を即座に行う一方で、トップレベルの「評価(実行)」を実際にプロパティにアクセスする瞬間まで遅延させるものです。これにより、従来の動的import(dynamic import)のように非同期処理(Promise)を扱う複雑さを避けつつ、同期的な構文のままで初期ロード時のCPUコスト(TBT)を削減できる利点を紹介しています。
具体的な活用例として、モーダルのような「ユーザー操作時に初めて必要となる機能」の評価を遅らせるパターンを紹介しています。また、利用にはtsconfig.jsonの設定変更が必要であり、現時点でランタイムやバンドラは実験的な対応にとどまる点にも言及しつつ、2026年に向けた未来のパフォーマンス改善を一緒に考えようと呼びかけています。
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