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日本の教育の未来 を考える テクノロジーは教育をどのように変えるのか
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Kazuki Maeda
May 14, 2025
Education
1
87
日本の教育の未来 を考える テクノロジーは教育をどのように変えるのか
https://education-jaws.connpass.com/event/351341/
登壇資料
Kazuki Maeda
May 14, 2025
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Transcript
テクノロジーは教育をどのように変えるのか 日本の教育の未来を考える 1
前田 和樹(kzk_maeda) atama plus株式会社 VPoE / 技術統括 データや機械学習、生成AIに関する開 発 AWS
Community Builder 自己紹介 2
日本の教育史概観 EdTechの隆興とトレンド atama plusが目指す新しい学習 生成AI時代の教育と挑戦 まとめ アジェンダ 3
日本の教育史概観 アジェンダ EdTechの隆興とトレンド atama plusが目指す新しい学習 生成AI時代の教育と挑戦 まとめ 4
EdTechとは Education x Technology 教育現場が直面している課題を、テクノロジーで解決することを志向 5
教育現場が直面している課題とは? 教育史から現代の教育現場の課題を紐解く 6
礎石 (1872~): 明治期の「学制」公布。近代国家建設のため、全国一律・中央 集権的なシステムを構築。国民皆学を目指す。 発展と変遷: 戦後改革(6・3・3制) 、学習指導要領改訂(ゆとり教育とその 見直し等)など、部分的な改定機会はありつつも、根幹は変化していない 構造的な特徴: 中央集権的な管理体制(文部科学省)
全国ほぼ一律のカリキュラム 学年・学級制、年齢主義 大学入試を頂点とする選抜システム 日本の教育:150年の歩みと構造 7
教育方法の抜本的な変革に対する抵抗力を生み出してきた要因 文化的要因: 集団主義、同調性、権威尊重。受験偏重の価値観。 制度硬直性: 中央集権的な行政(文科省) 。学習指導要領、教科書検定による 強い統制 社会的期待: 学歴重視の社会構造。保護者や企業の期待が現状維持を後押し。 変化を阻害する三角関係構造
8
GIGAスクール構想 (2019~): 1人 1台端末とネットワーク環境の整備 Society 5.0時代の要請: AI時代に 対応できる人材育成の必要性 学習指導要領の改訂: 「主体的・
対話的で深い学び」の重視 変化の兆し Source: 文部科学省 学習指導要領改定 9
EdTechの隆興とトレンド アジェンダ 日本の教育史概観 atama plusが目指す新しい学習 生成AI時代の教育と挑戦 まとめ 10
EdTechとは Education x Technology 教育現場が直面している課題を、テクノロジーで解決することを志向 11
テクノロジーをどのように活用できるか? 12
トレンド①:AIが「一人ひとり」の学びを変える AIによる個別最適化学習(アダプティブラーニング) : 生徒一人ひとりの理解度、苦手、ペースに合わせて、AIが最適な問題や教 材を提供 「みんな同じ」から「自分だけの学び」へ。 AIチューター/自動フィードバック: AIが質問に答えたり、間違いを分析してアドバイス 先生の負担軽減にも 13
トレンド②:学びの「場」と「機会」が広がる オンライン学習プラットフォーム: 時間や場所を選ばずに学べる。有名講師の授業もアクセス可能に。 学習塾や予備校での活用も拡大。大学でも導入が進む。 デジタル教材/LMS(学習管理システム) : 多様な教材へのアクセス。学習進捗の可視化。 生涯学習・リスキリング: 社会の変化に対応するため、社会人も学び続ける時代へ。 14
トレンド③: 「体験」が学びを深める VR/AR(仮想現実/拡張現実) : リアルな体験が難しいことを仮想空間でシミュレーション。 (例:歴史的建造物の探訪、危険な科学実験、人体内部の観察) 学習内容への興味・関心、理解度を高める。 ゲーミフィケーション: ゲーム要素を取り入れ、楽しく学習意欲を維持。 15
トレンド④:テスト手法が「評価」を変える CBT(Computer-Based Testing) : コンピューター上で実施する試験。即時採点・結果フィードバックが可能 一部資格試験やや英語外部検定試験での導入事例 IRT(Item Response Theory) :
受験者の能力値や問題の難易度を数値化する理論 より精密な学力測定と公平な評価が可能に CAT(Computer Adaptive Testing) : 受験者の回答に応じて次の問題を適応的に選択 16
トレンド⑤:データが学びを「未来」に繋ぐ eポートフォリオ: 学びの成果(作品、資格、活動記録など)をデジタルで記録・蓄積 大学入試や就職活動での活用も目指されたが、2020年に事業運用停止 xAPI: 学習経験データを保持するための標準規格 17
具体的にどのような革新がされているのか とあるEdTech企業の挑戦について紹介します 18
atama plusが目指す新しい学習 アジェンダ 日本の教育史概観 EdTechの隆興とトレンド 生成AI時代の教育と挑戦 まとめ 19
新しい学習①:一人ひとりに合わせたカリキュラム 20
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新しい学習②:三角関係構造への挑戦 28
教育方法の抜本的な変革に対する抵抗力を生み出してきた要因 文化的要因: 集団主義、同調性、権威尊重。受験偏重の価値観。 制度硬直性: 中央集権的な行政(文科省) 。学習指導要領、教科書検定による 強い統制 社会的期待: 学歴重視の社会構造。保護者や企業の期待が現状維持を後押し。 【再掲】変化を阻害する三角関係構造
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atama plusとして、 これまで数々の教育への挑戦をおこなってきた 33
一方、2022年以降の生成AI/LLMの破壊的イノベーションは 世界のあり方を大きく変え得る 34
生成AI時代の教育と挑戦 アジェンダ 日本の教育史概観 EdTechの隆興とトレンド atama plusが目指す新しい学習 まとめ 35
AIの時代 36
Source: AI 2027 37
これまでの技術革新を凌駕し、世界を変えるスピードでAI/LLMは進化し、社会 に適合してきている AI/LLMは人間の知性を拡張し、技術との相互作用をより自然で直感的なものに 変える可能性を持つ AI/LLMが変える世界 38
教育の世界にもAI/LLMの活用は高速に広まってきている 学習コンテンツの生成 即時フィードバック 対話形式での質問回答 AI/LLMが変える教育 39
学習コンテンツの生成 Duolingoは、生成AIの活用により、148の 新しいコースを1年未満で開発・リリース 従来では何年もかかっていた業務 AI/LLMが変える教育 Source: theverge.com 40
即時フィードバック メイツによる英文添削AIフィードバックサ ービス 生徒が入力した英作文に対して、生成AIが 即座にフィードバック AI/LLMが変える教育 Source: 株式会社メイツ 41
対話形式での質問回答 生徒の問いに対して、AIが学習サポート 問題の解答を教えるものから、ヒントを提 示するもの、類題を生成するものまで活用 方法は様々 AI/LLMが変える教育 Source: スタディポケット 42
生成AIを用いた新しい学習体験の提供は志向しやす い時代 43
atama plusとしてどのような価値にフォーカスする か 44
現在の学習体験での負に着目する 45
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この課題を解決できないか? 50
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ユーザーと価値に向き合う 55
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生成AIによってこれまでにない学習体験を提供できるようになった 一方、これまで提供できていた学習体験が根底から覆される可能性も EdTech企業として、教育にどんな価値を提供していくか?という挑戦 生成AI時代の教育と挑戦 59
まとめ アジェンダ 日本の教育史概観 EdTechの隆興とトレンド atama plusが目指す新しい学習 生成AI時代の教育と挑戦 60
日本の教育は歴史的転換点に: 150年続いた構造からの脱却が始まりつつある EdTechの可能性: 個別最適化による一人ひとりに合った学び 学びの機会拡大と場所・時間の制約からの解放 データ活用による効果的な教育と将来への接続 まとめ 61
生成AIが教育にもたらす変革: 従来の「教え方」 「学び方」の根本的な変化 新しい学習体験の創出と価値提供の再定義 atama plusの挑戦: 個別最適学習と、膠着構造への挑戦 テクノロジーを活用しつつも、ユーザー価値を大切に 「何を学ぶか」だけでなく「どう学ぶか」の変革 まとめ
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宣伝 63
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ぜひご参加ください! https://aws-startup- community.connpass.com/event/35 4497/ 65
質問・ディスカッションをお待ちしています ご清聴ありがとうございました 66