Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
RTL talk #17 dalance
Search
dalance
June 24, 2023
Programming
0
690
RTL talk #17 dalance
dalance
June 24, 2023
Tweet
Share
More Decks by dalance
See All by dalance
OSS Silicon EDA #1
dalance
0
210
Make CPU #3 dalance
dalance
1
700
ArkEdge LT #1 dalance
dalance
3
620
Shinjuku.rs #8 dalance
dalance
2
760
RTL talk #16 dalance
dalance
1
1k
Rust LT #3 dalance
dalance
1
940
Other Decks in Programming
See All in Programming
ドメインモデリングにおける抽象の役割、tagless-finalによるDSL構築、そして型安全な最適化
knih
11
2k
Blazing Fast UI Development with Compose Hot Reload (droidcon New York 2025)
zsmb
1
190
都市をデータで見るってこういうこと PLATEAU属性情報入門
nokonoko1203
1
570
5つのアンチパターンから学ぶLT設計
narihara
1
110
Webの外へ飛び出せ NativePHPが切り拓くPHPの未来
takuyakatsusa
2
350
つよそうにふるまい、つよい成果を出すのなら、つよいのかもしれない
irof
1
300
第9回 情シス転職ミートアップ 株式会社IVRy(アイブリー)の紹介
ivry_presentationmaterials
1
230
C++20 射影変換
faithandbrave
0
530
Azure AI Foundryではじめてのマルチエージェントワークフロー
seosoft
0
130
A2A プロトコルを試してみる
azukiazusa1
2
1.1k
PHPで始める振る舞い駆動開発(Behaviour-Driven Development)
ohmori_yusuke
2
180
Railsアプリケーションと パフォーマンスチューニング ー 秒間5万リクエストの モバイルオーダーシステムを支える事例 ー Rubyセミナー 大阪
falcon8823
4
930
Featured
See All Featured
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
346
40k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
35
6.7k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
179
9.8k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
184
22k
Scaling GitHub
holman
459
140k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
7
700
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
252
21k
Building an army of robots
kneath
306
45k
KATA
mclloyd
29
14k
Speed Design
sergeychernyshev
32
1k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
330
24k
Transcript
Veryl 新しいハードウェア記述言語 PEZY Computing 初田 直也
自己紹介 名前:初田 直也 dalance @ GitHub 所属:PEZY
Computing スーパーコンピュータ向けのプロセッサLSIの設計 SystemVerilogを全面的に使用中 OSS活動 SystemVerilog向けツール sv-parser/svlint/svls Google Open Source Peer Bonus貰った SystemVerilog Test Suiteへの貢献に対して
本題の前に svlintの宣伝 https://github.com/dalance/svlint SystemVerilog用のlinter もともとは社内CIで回すためのlinterとして開発
語る会(16)で紹介したSystemVerilogパーサの成果物 最近は某欧州のチップベンダーの中の人が積極的に開発中 ドキュメントなど大量に書いていただいた language serverでエディタ編集中にリアルタイムでチェックできる https://github.com/dalance/svls
Veryl SystemVerilogの代替となる新しいHDLを開発中 https://github.com/dalance/veryl
なぜ新しくHDLを作るのか? SystemVerilogへの不満 既存のAlt-HDLへの不満
SystemVerilogへの不満 構文が複雑であいまい SystemVerilogパーサ実装がとても大変 sv-parser では45000行くらい書いた 意味解析までしないと確定しない部分がある
有償のEDAツールですら完全な実装はできていない 各ツールのバグ回避のための記述を探索する羽目に 言語機能の不足 それほど困ってはいない 「あると便利なのに」程度のものはいくつか parameterized function
Alt-HDLへの不満 既存のプログラミング言語の内部DSL Chisel(Scala)やMyHDL(Python)など HDLとして自然な構文にできない ビット幅指定の数値リテラル
信号の方向 Verilogへのトランスパイラ 高度なデータ構造がフラットな変数群に分解されてしまう 生成されたVerilogの可読性が悪い RTL-Simでの波形デバッグが煩雑 元ソースとVerilogソースの対応付けが困難 ECOに伴う等価性検証などのフローに対応できない
新言語を作ろう いい感じのパーサジェネレータを見つけたので実装してみることに 「Parolというパーサ生成ツールがすごい」 https://zenn.dev/ryo33/articles/26f87f776b4bfa HDL Advent
Calendar 2022の記事でネタ出し 「新しいHDL(ハードウェア記述言語)を考える」 https://zenn.dev/dalance/articles/17017b7b95b2ca 2022年末実装開始 1週間ほどでプロトタイプ実装 Rustエコシステムの恩恵 年明けからGitHub上で構文の検討など @taichi-ishitaniさん、@ryuzさんと 最近は仕事が忙しいのであまり触れていない…
新言語の方針(1/3) シンプルな構文 LL(k)で構文解析可能にする k個(現時点で3)のトークン先読みで構文確定 パーサジェネレータの制約だが、シンプルさを保つために結果的には良かった
プリプロセッサマクロなし マクロはエディタの表示と実際の構文木が一致しなくなる language serverの実装が困難に SystemVerilog/Rustベースの構文 キーワードなどはSystemVerilogをベースにする 構文はRustなど最近の言語での知見を活かす
新言語の方針(2/3) SystemVerilogと(ほぼ)同じセマンティクス module/interface/packageなど意味的には同じ 単に構文を変えただけ 以下のようなことができるようになる
可読性の高いSystemVerilogを生成する 既存のSystemVerilogソースコードとの相互運用 将来的には一部拡張するかも
新言語の方針(3/3) 言語組み込みの開発ツール linter formatter SystemVerilogで実装できなかったものの1つ
特に縦方向のalignをうまくやりたい HDLの並列性は縦方向に現れることが多い気がする language server 補完や定義ジャンプなど高機能なもの パッケージマネージャ ドキュメント自動生成
現在の状況 出来ているもの 基本的な構文 とりあえず合成可能記述はだいたいカバーできている linter/formatter/language server
パッケージマネージャ gitからの依存関係解決 SemVerによるバージョン解決 ドキュメント自動生成 言語リファレンス(一部) 検討中のもの 組み込みテスト (プリプロセッサでない)マクロ Generics
構文の紹介 https://dalance.github.io/veryl/book