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観察から対話へ ー人類学の知恵を借り、よりチームに、自分に向き合おうー
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Emi
July 03, 2023
Research
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610
観察から対話へ ー人類学の知恵を借り、よりチームに、自分に向き合おうー
2023年6月30日、7月1日に開催されたスクラムフェス大阪で発表した資料です。
スピーカーノートに大量のメモがあり、スライド見ただけでは分からない気がしていますが、取り急ぎUPします!
Emi
July 03, 2023
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Transcript
観察から 対話へ 人類学の知恵を借り よりチームに 自分に向き合おう
・Scrum master ・Agile coach Emi @mienokana ・人間大好き ・コミュニティ大好き 現在はの混成チームを担当
今日話すこと • 私が人類学に出会う前に持っていた課題(+事件!) • 人類学ゼミを終えておきた、自分とチームの変化 • そもそも人類学って、何?何するの? • 小さく始めるには?
「観察さえ上手くなれば、もっと理解できるはず。。」 スクラムマスターを始めてからずっとあった課題感 • チームの中で分からない何かが起きている ◦ 分からないから扱い方がわからない、怖い(Blog: 沈黙が怖い) ◦ 分からないのは、観察が足りないか、やり方が間違っているからだ
• 支援したいのに動けない ◦ 観察のみから対象を分かろうとしているので情報が足りない ◦ 変な遠慮が邪魔して踏み込めない ◦ もっとチームを理解するためにどう向き合ったらいいのかわからない
理解しきれず扱えなかった状況 商用環境に影響のあるミスがあった。 誰でも起こしうるミス、ただ「今後起こらないようにしよう!」という思いだった。 日頃温厚な彼が、その場で表した強い感情に、動揺した。 ずっと分からなくて、ずっと引っかかっている。 その強い感情はどこから来るのか、全く分からなかった。 再びあの感情に会うのが怖くて、取り扱わないで済むようにしていた。 分からないことに出会うと、身動きができない感覚に苛まれていた。
人類学ゼミを終えて、私の中の変化 • 観察のやり方が変わった • オンラインでも画面の向こうにいる人をより理解できるツールを手に入れ • 「分からない」をうまく扱えるようになってきた • 人と向き合う覚悟ができた •
変な遠慮がなくなった
なぜ人類学?
ゼミでは何をするの? メッシュワークゼミ:人類学的なアプローチで個人研究プロジェクトを実施 個人プロジェクト:画面の向こうに広がるベトナムの人々の暮らしと「働く」 フィールド:画面の前にいる私と向こう側にいるベトナムメンバーの生きる空間
人類学って何? 「人類学とは、世界に入っていき、人々とともにする哲学である。」 「人類学は、あなたが知りたいと思っていることを言ってはくれない。つまり人類学は、あなたが すでにわかっていると思っていることの基礎をぐらつかせる。」 ティム・インゴルド(2020)『人類学とは何か』亜紀書房 人類学 = わかろうとする活動 (現時点での私の理解) わかりたい対象に自身の全てで向き合い、彼らの生きる姿の手触りを感じれる 距離で一緒に考えること。自己変容が伴い、もれなくその戸惑いもついてくる。
「わかろうとする活動」を行う • 人類学的な調査・リサーチ ◦ フィールドワーク ▪ 観察、参与観察 ▪ 聞き取り、インタビュー ▪
アンケート ▪ 観測 ▪ 定量的データの収集
データの種類 • フィールドノート(Google document, Discord, Slackなど) • 写真、動画 • インタビュー動画+書き起こし
• Twitterでの自分のつぶやき • ゼミセッションや比嘉さんとの面談でのメモ、動画 • ベトナムメンバーとの1on1や会話でのメモ • Miroでのまとめ • 書籍、統計的な数値
手触りを書き留め、データを蓄積させていく 何を書くのか? • 観察対象(自分も含む)の言動 • その時に向き合っている問いたち • 仮説、気づき(どの問いに紐づくのかも残す) • 言語化が難しいことも残す。とにかく書く!
どう書くのか? • 相手のみの言動を残すのではなく、なるべく自分も含む全体を残す • 相手の発言は「」で残し、自分の感じたことはそれがわかるように残す ※データ=ここでは、フィールドノート、映像、音声などの観察対象に関しての情報
観察の形 客観から主体 一面的から多角的
対話 対話 対話を 内含した 観察
観察の形、捉えている世界
「働く」は「生きる」、価値観を探る
「えみさんずっと自分の話してます?」 –問いと気づきのタイムライン– 彼らに答えて欲しい問い 問いは彼らに向かっている 彼らを見ようとしている 自分が答えたい問い 問いは自分に向かっている 彼らを通して自分を見ている
自分のフィルター
いろんな帽子を被り、彼らと向き合う 「ベトナム文化知りたいから教えて!(初心者)」の帽子 「アジャイルコーチ(初心者じゃない)」の帽子 「結婚生活一年生(初心者)」の帽子
彼らの横顔、後ろ姿、画面に切り取られていたもの
観察の方法や記録の付け方など、手法の話ではない どう向き合うか、その態度が重要:人類学的態度 • 人間やその営みは奥行きがあり、複雑なものである • 見えているのは、ほんの一部である • 一見意味のないデータも、のちに繋がりが見えてくることがある • 一側面のみを見るだけで評価判断できうるものではない
• 長期的に、「能動的に」流れに身を任せ、受け取り、わかろうとする • その場に居合わせ、自分を含めたその場で起こることに自分を開いておく • どうにも答えが出ない、分からない状況に身を置き続ける 難しいですが、今現在できる言語化としてはこんなとこ。
何から小さく始めればいい? • 分かりたい人(対象)に関する情報を集めよう • 自分はどんなフィルターをかけているのか、自覚的になろう ◦ 自分に関する情報を書き出し、振り返ろう • ゼミに参加する! ◦
これが一番効果的な気が、、、 • 私と話しましょう!
「スクラムマスターよ、文化人類学者たれ!」 Be patient, be curious! RSGT2021 - Zuzana Sochova -
Great ScrumMaster https://www.youtube.com/watch?v=vdd22-Qs12o 人類学的態度(再掲) • 人間やその営みは奥行きがあり、複雑なものである • 見えているのは、ほんの一部である • 一側面のみを見るだけで評価判断できうるものではない • 一見意味のないデータも、のちに繋がりが見えてくることがある • 長期的に、「能動的に」流れに身を任せ、受け取り、わかろうとする • その場に居合わせ、自分を含めたその場で起こることに 自分を開いておく
全人類よ 人類学者たれ‼
ありがとうございました〜