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Chatwork における採用広報と技術広報のリアル / Trial & Error of N...

Chatwork における採用広報と技術広報のリアル / Trial & Error of New Grad Developer Relations at Chatwork

このスライドは、2023/06/06 に開催された "株式会社サポーターズ" との共催イベントで発表したものです。

TAKASE Kazuyuki

June 06, 2023
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Transcript

  1. 自己紹介 - 高瀬 和之 (たかせ かずゆき) 4 2019 年に Chatwork

    株式会社へ フロントエンド・エンジニア としてジョインし、 リリース基盤やビデオ通話アプリケーションの開発に従事。 2020 年から エンジニア採用広報に転身 し、技術イベント運営や エンジニア採用を主業務とする。パラレルワークで講師業 も営む。  :@Guvalif YouTube にて アーカイブ配信中!
  2. 新卒で SIer に入社し、3 年ほどネットワークエンジニアを担当。 社内異動でたまたま新卒採用を担当したのち、 人事としてのキャリアを開拓すべく 2021 年に Chatwork へ入社。

    DevHR および DevRel という、エンジニア & 人事が協業する チームで プロダクト関連の新卒採用 を担当。 自己紹介 - 町田 彩織 (まちだ さおり) 5 DevHR とは?の ご紹介はこちら
  3. 有効求人倍率の実態 8 • 厚生労働省のデータで 1.64 倍 • IT エンジニアに特化した調査だと約 10

    倍以上にも … Origin:転職求人倍率レポート by パーソルキャリア株式会社 Origin:一般職業紹介状況 (R5/04) by 厚生労働省
  4. エンジニア志望学生の内訳 9 • 全就活生約 45 万人のうち、開発経験を持つ学生の方は約 20,000 人 • 開発経験ごとにグループ分けすると下記の分布となる

    Origin:ゼロからわかる新卒エンジニア採用マニュアル by 楓 博光 1) 即戦力グループ  約 1,000 人 (5%) 2) 制作物ありグループ  約 1,000 人 (5%) 3) 授業 +α グループ  約 2,000 人 (10%) 4) 授業のみグループ  約 16,000 人 (80%)
  5. 近年の推移 10 • 就職活動は顕著に早期化 • インターンシップに参加する方は増えているが、受け入れは 1 日以下が大多数 (経験の二極化) •

    "授業 +α グループ" 以上において、より採用競争倍率が高い傾向も … Origin:2024 年卒 就職活動 TOPIC 2023.04.18 by 株式会社リクルート 就職内定率の推移 インターンシップ参加率の推移 Origin:就職プロセス調査 (2024 年卒) 2023.05.24 by 株式会社リクルート 内定率の推移は前年比で1ヶ月弱ずつ前倒し 経験機会 増 経験機会 減
  6. Chatwork における採用ターゲット 11 • 新卒採用のはじまり (2019) ◦ 中途市場で母数の少ない、Scala エンジニアの獲得が目的 ◦

    特定の技術領域を突き詰めたい志向の方がメインターゲット • 現在 (2023) ◦ 中途市場で採用難易度の高いポジションに、育成を見込むエンジニアの獲得が目的 ◦ フルスタック志向の方がメインターゲット
  7. Chatwork の将来組織像と採用人数感 12 • Chatwork は機能別チーム化を推進していく • 今後も新卒エンジニア採用を 前年比 1.5

    倍ずつ 増やしたい見込み (!) 機能 A の開発チーム 機能 B の開発チーム 機能 C の開発チーム 機能別チーム ピープルマネージャー 職能別チーム EM EM メンバー メンバー &
  8. "広報 ⇔ 採用" のプロセス 14 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問 商談

    受注 SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化 • ※ The Model をベースに各ステップをラベル付けしています
  9. • スペシャリスト人材 ◦ 認知拡大 技術ブログのような自社メディア拡充 ◦ 認知拡大 カンファレンスのスポンサード ◦ リード獲得

    インターンシップのような自社イベント (※ 知的好奇心訴求が望ましい) ◦ 訪問 & 商談 テックリードなどとの面談 ◦ 受注 内定者アルバイト • ジェネラリスト人材 ◦ リード獲得 インターンシップのような自社イベント (※ 開発体験訴求が望ましい) ◦ リード育成 プロダクト開発事例の継続的な共有 ◦ 訪問 & 商談 プロダクトマネージャーや事業責任者などとの面談 ペルソナに照らし合わせた投資ポイント 16
  10. 投資ポイントにおけるアセット予実 (2019 時点) 17 前提:スペシャリスト人材のみが採用ターゲットの時代 仮説:早期から活動を開始し意思決定しきると予測。インセンティブ設計により差別化は十分に可能と判断 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問

    商談 受注 SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化
  11. 投資ポイントにおけるアセット予実 (2020 時点) 18 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問 商談 受注

    SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化 前提:コロナ禍により、対面でのロータッチ施策が実施不可能 仮説:リモートでのハイタッチ施策により母集団形成が可能と判断。エンジニアリソースも投下し CV 率の上乗せを図る
  12. 投資ポイントにおけるアセット予実 (2021 時点) 19 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問 商談 受注

    SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化 前提:引き続きコロナ禍により、リモートでのハイタッチ施策がキーポイント 仮説:カジュアル面談により動機づけ要因と衛生要因を個別チューニングすることで、選考への平均 CV を改善しうると判断
  13. 投資ポイントにおけるアセット予実 (2022 時点) 20 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問 商談 受注

    SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化 前提:リモートでのハイタッチ施策に関して、一定再現性を得ている状態 仮説:テックタッチ施策を拡充することで、オーガニック流入を改善可能と判断
  14. 投資ポイントにおけるアセット予実 (2023 時点) 21 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問 商談 受注

    SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化 前提:コロナ禍を抜け、対面でのロータッチ施策を実施可能に 仮説:学校訪問や学生団体との交流を通じてロータッチ施策を実施することで、クチコミ / リファラルの底上げが可能と判断
  15. [自社イベント] インターンシップ 23 目的・背景 • まずはここから新卒採用を始めよう!という経緯 効果 • 就活の早期化が進む中でも認知をとることができる •

    少人数の参加者でも実施が可能 • 双方向のコンテンツにすることで参加者の理解度・満足度 Up にも繋がっている • リモート開催も一般的になってきており、コストを抑えながらチャレンジできる • 内定者フォローの一環になる場合も 工夫・意識していること • 自社 エンジニアをインターンシップの設計・選考に巻き込む ことで、採用への当事者意識 Up • インプットのコンテンツを提供することで差別化を図る ◦ 「触ったことのない技術スタックの会社」という心理的ハードルを下げる ◦ 個人開発から一歩踏み出したいというモチベーションの参加者がメインターゲット リード獲得
  16. 24 [共催イベント] 逆求人イベント リード獲得 目的・背景 • コロナ禍でもインターンシップの母集団形成ができることから利用を開始 効果 • 自社の技術スタックや志向などと、マッチ度の高い候補者の方にピンポイントで接触が可能

    → CV 率が良くなる • リモート開催のイベントであれば担当者側の負荷もやや低い (※ 今秋から徐々に対面開催も出てきそう) • イベントに出展することによる認知拡大効果も 工夫・意識していること • 春 〜 夏期であれば候補者の方の興味のある業界・職種は変化する可能性がある • 一方で、企業規模はご本人の価値観が根底にあると変化しづらい傾向がある ◦ 大企業で多くの同期・同僚と接点を持って成長したい / 有名企業への憧れがある / etc … • コーディングテストとバンドルしているサービスもあるので、自社ペルソナとの相性によって選定する と吉 ◦ アプリ開発の設計能力を見たい / 技術の理解度を見たい / etc …
  17. 25 スカウト & カジュアル面談 リード育成 訪問 目的・背景 • 共催イベントの出展時に、バンドルでスカウトサービスがついてきたことから利用を開始 効果

    • ピンポイントでターゲットとなる方にアプローチすることができる ◦ 自社の技術スタックや事業戦略とマッチ度の高い候補者の方にピンポイントでスカウト → CV 率が良くなる • スカウト媒体上での求人機能も活用すれば、不特定多数にアプローチすることもできる 工夫・意識していること • 人事目線で プロフィールに合わせたアレンジ をするだけでも、興味をもっていただける可能性 Up ◦ エンジニア目線で成果物に応じたアレンジをすると、さらにご返信いただける可能性 Up • 候補者の方にも簡単な自己紹介 (資料などは無し) をお願いし、それに合わせて 説明内容をアレンジ することで 次のステップへ進んでいただけるケースが増加した
  18. 26 [自社イベント] 技術勉強会 × 会社説明会 リード獲得 目的・背景 • 本選考期の母集団形成が手付かずだったため、フックを作りつつ自社を知ってもらう取り組みとして開始 効果

    • 勉強会のテーマや難易度によって、どんな志向の方と出会いたいか母集団をチューニングできる • オンライン開催であれば、頻度・時期を自社のタイミングでコントロールしながら開催が可能 工夫・意識していること • エンジニア向けのイベントプラットフォーム connpass 上で開催 • Twitter 広告 (後述) およびスカウトにて集客 • 会社説明のみだと、同期的なコンテンツは集客しにくい傾向 (動画媒体の増加などが背景) • あくまで技術勉強会をメインの立て付けとし、希望者には若手社員との懇親会をセットとした • 結果、実施初年度にして人材紹介や成果報酬型スカウトよりもコストを抑えつつ、内定通知までできた
  19. 27 [SNS 広告] Twitter 広告 認知獲得 目的・背景 • 自社イベントにおける母集団形成の効果をさらに高めたいことから利用を開始 効果

    • 不特定多数の認知を獲得できる 工夫・意識していること • 前提として、あくまで コンテンツの品質が先に立っていて、補助で使う という意識 • 「CTR とは?」「ターゲティングの仕方がなぜ数種類あるのか?」など、何もわからない状態からスタート ◦ 各プラットフォームごとに広告枠の見積もりを取り寄せ、目標値の仮説を立てた • いくつかのプラットフォームを利用してみた上で、現在は Twitter 広告に落ち着いている ◦ ターゲティングの精度 / コスト / CTR を総合的に見た結果 ◦ 広告枠を前もって確保する必要が無く、時期コントロールが容易なことも優先度が高い理由 ◦ ただし、有料アカウントでしか広告配信できなくなる仕様変更に気付かずに、機を逃したことも …
  20. 28 [自社メディア] 新卒カルチャー紹介 認知獲得 目的・背景 • 技術発信はできていたのだが、カルチャー発信が手薄だったため、これから取り掛かる施策 効果 • 新卒カルチャーの発信

    (特に、衛生要因におけるネガティブ因子を払拭する目的) • 作成した記事はスカウトなどでも追加アセットとしても活用可能 工夫・意識していること • これまでのアプローチとして、"動機づけ → 衛生要因への働きかけ" という流れにしていた ◦ 技術訴求などが先立ち「どのような環境で働くか?」「成長を預ける信頼に足るか?」が欠けていた状態 • 衛生要因への働きかけを、自社メディアを通じて実現したい ◦ 等身大の新卒社員の姿が、しっかりとイメージできるものにしたい • ただし、適切な発信の順番はペルソナにも依るので、"動機づけ → 衛生要因への働きかけ" の流れが 結果良かったというケースもある
  21. 29 [クチコミ / リファラル] 産学連携 目的・背景 • 対面での接点が復活してきたため、学校や学生団体とも関係性を築いていきたいという意図 効果 •

    内定者の方や教授との繋がり経由のため、事前に志向のすり合わせがしやすい • 長期的なブランディングとしても効果が見込める 工夫・意識していること • 自社の宣伝ではなく、産学連携による エンジニア育成という意識が大事 な印象 → CV を気にしない覚悟が必要 • 学内で一斉開催する企業説明会系のコンテンツは、訴求が弱くなりがちな傾向 (就職課の方も談) ◦ Web / SNS / スカウトでの就職活動が主流になりつつあることも背景にありそう
  22. まとめ 30 • いろいろと How をご紹介してきましたが … ◦ 結局、ペルソナ設計が最も大事 ◦

    ペルソナ設計に応じて、異なる投資ポイントができる ◦ 投資ポイントを見つけたら地道に施策を行い、改善を続ける ◦ 銀の弾丸はない (!) • そうは言っても、比較的再現性が高いポイント ◦ インターンシップ (開催アドバイスもしているそうです by サポーターズさん) ◦ 1 Day などで実施しても、それなりに訴求ができる & 新卒採用の気運を盛りあげられる ▪ これにより、その後のレバレッジが効きやすい
  23. 補足:どのように現場を巻き込むか? • チームに興味がある人は必ずいる → 共にチームを良くしたい!という訴求 が効果的 ▪ 高瀬の場合の巻き込まれ方 副本部長 たかせ

    副本部長 たかせ なんか、あんまり技術広報の打ち手が 取れていないと思うんだよねー、興味無い? チームを良くするためには採用も必要で、 そのためには認知してもらう必要があるよね 技術広報ですか?うーん、 興味のあるなしで言うとフラットですかねー 採用と併せて広報もしていくって感じですね! そんなんめっちゃ良い仕事じゃないですかー 31
  24. サマリーの数字感 33 • このくらい投資をした上で、実際何名採用できているのか?@ 24 新卒 → 5 〜 10

    名 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問 商談 受注 SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化
  25. このままでは心許ない … 34 • 社内的なお話 ◦ 上がり続ける採用目標数 (前年比 1.5 倍ずつ)

    ◦ 事業フェーズの変化に応じた採用ペルソナの多様化 ◦ 主担当は新卒採用人事 1 名 × エンジニア採用広報 1 名という少人数体制 • 業界的なお話 ◦ 上がり続ける有効求人倍率 ◦ 各社 DX 推進に応じた活躍環境の多様化 ◦ 少子高齢化による母集団の目減り
  26. 打ち手:母集団拡大にアプローチする 35 • 母集団の数が増えないことにはどうにもならない • 新卒 / 第二新卒 / 異業種転職

    / etc … ◦ 技術的素養のある人材をいかに育てられるか?が本当に大事 認知拡大 リード獲得 リード育成 訪問 商談 受注 SNS 自社メディア 外部メディア 求人広告 スポンサード 自社イベント 共催イベント 興味通知 継続的な イベント招待 スカウト カジュアル 面談 内定 / 入社 選考 アトラクト クチコミ / リファラル ファン化 ファン化 母集団拡大
  27. 「技」術者を「育」てるためのマインドセット & アプローチ 36 担当者個人の思いも大いに入っていますが … • "育てる" → 打算なく個人の成長に向き合うこと

    ◦ 採用部門は採用目標という KPI を持っている ◦ しかし、それをかなぐり捨ててでも投資する覚悟を持ちたい 各ステップにおける CV 率を厳密にチューニングする戦術もあるはあるが、 有効求人倍率が高いなら結局アトラクトフェーズで苦労する可能性が高い (実体験) • 一番前段となる母集団拡大にアプローチする ◦ その上で 全体効用最大化 を目指した方が結果的に良いのでは
  28. 知らない & できない 知っている & できない 考えるとできる 考えなくてもできる 教えられる 達成したい世界観

    37 原体験 経験学習 経験学習 経験学習 • 各学習ステップに応じて、業界全体で学習機会や経験機会を提供する • "教えられる" ステップに行き着いた人が、学びの循環 を形成してくれる • #技育プロジェクト に協賛することも、この世界観を実現する一要素と捉えています 学びの循環を形成! 知識の 分解・再構成 応用知識の 習得 基礎知識の 習得 原体験 知識伝達