Laravel を低速化する技術 / how to slow laravel

低速化を学ぶことで、高速化を学ぶ

Transcript

1. @hanhan1978 Laravel を低速化する技術 PHP Conference 2022
2. @hanhan1978 • 名前 富所 亮 • ブログ https://blog.hanhans.net • Yokohama North AM https://anchor.fm/yokohama-north-am • Youtube https://www.youtube.com/user/hanhans1978 2
3. Laravel は遅くて有名なのか？ 3
4. 4 どうも、遅いという評判はありそう
5. 仕事上でも聞いたことがある... - WAF は遅い - 生 PHP が一番速い - ORM は悪 5
6. Laravel は、なぜ採用される？ - Webアプリに必要な一通りの機能 - 人気ゆえの情報量 - Rapid Application Development 6
7. Laravel は、なぜ採用される？ - Webアプリに必要な一通りの機能 - 人気ゆえの情報量 - Rapid Application Development 7
8. （特に）新規開発 - 設定より規約 - ORM - Migration, Worker, Jobキュー 8
9. （特に）新規開発 - 設定より規約 - ORM - Migration, Worker, Jobキュー 9 仕様が次々に変化していく フェーズでは助かる
10. モノゴトにはトレードオフがある 10
11. 開発速度が速いなら 動作は遅くてもいい？ 11
12. 遅いとは？ 12
13. 13 「遅い」は相対的な評価 https://speakerdeck.com/hanhan1978/web-application-tuning-guildline?slide=16
14. 今回の発表における基準 - Webサイトのレスポンスタイム - 200 msec を超えたら「遅い」 14
15. • サンプルウェブアプリケーション • インフラ視点での低速化 • アプリケーション視点での低速化 • まとめ 目次 15
16. • サンプルウェブアプリケーション • インフラ視点での低速化 • アプリケーション視点での低速化 • まとめ 目次 16
17. 17 某短文サイト風サンプル
18. テーブル定義書 18
19. データ量 19 10,000 1,000 250,000 50,000
20. マニュアルに忠実なソースコード 20
21. マニュアルに忠実なソースコード 21 名前からユーザーレコードを取得
22. マニュアルに忠実なソースコード 22 フォロワーを取得
23. マニュアルに忠実なソースコード 23 タイムラインに表示する投稿を取得
24. 24 初期状態のパフォーマンス
25. 25 初期状態のパフォーマンス マニュアル通りの作り方 -> 十分速くなってしまう....
26. 速いのはローカル環境でしょ？ 26 M2 Mac 24GB メモリだろ？
27. 27 残念！ EC2 でした！
28. EC2 + RDS - 運用費概算 1万円以内 - 十分な速度がでる - さすが RAD 28 他社 VPS などなら 3000円以内 も夢ではない....
29. もっと遅くせねば！ 29
30. 高速化の指標 - AWS に siege とかするのはNG - ブラウザリクエスト で確認 - 初期状態 149ms 30
31. • サンプルウェブアプリケーション • インフラ視点での低速化 • アプリケーション視点での低速化 • まとめ 目次 31
32. 【作戦１】Preload 無効化 32
33. 33 7.4 から追加された機能 https://speakerdeck.com/hanhan1978/preload-and-jit?slide=41
34. 34 詳しくは https://speakerdeck.com/hanhan1978/preload-and-jit
35. 結果 35
36. 【作戦１】Preload 無効化の結果 - 効果無し - 初期状態とほぼ変化なし 145 〜 150ms 36
37. 【作戦１】Preload 無効化の結果 - 効果無し - 初期状態とほぼ変化なし 145 〜 150ms 37 CPUバウンドじゃない
38. 【作戦２】JIT 無効化 38
39. 39 8.0 から追加された機能 https://speakerdeck.com/hanhan1978/preload-and-jit?slide=66
40. 40 詳しくは https://speakerdeck.com/hanhan1978/preload-and-jit
41. 結果 41
42. 【作戦２】Preload 無効化 - 効果無し - 初期状態とほぼ変化なし 140 〜 150ms 42
43. 【作戦２】Preload 無効化 - 効果無し - 初期状態とほぼ変化なし 140 〜 150ms 43 CPUバウンドじゃない！！！
44. 【作戦３】OPCache 無効化 44
45. 45 5.5 から同梱された機能 https://speakerdeck.com/hanhan1978/preload-and-jit?slide=10
46. 46 詳しくは https://speakerdeck.com/hanhan1978/preload-and-jit
47. 結果 47
48. 【作戦３】OPCache 無効化 - 効果は抜群 - 倍程度の性能劣化 250 〜 350ms 48
49. 【作戦３】OPCache 無効化 - 効果抜群 - 倍程度の性能劣化 250 〜 350ms 49 手軽に +100〜200ms
50. 【作戦４】Xdebug 有効化 50
51. Xdebugとは.... - 開発用のデバッグツール - ステップ実行したり - カバレッジ出したり 51
52. 52 詳しくは https://speakerdeck.com/o0h/hello-xdebug
53. 結果 53
54. 【作戦４】Xdebug 有効化 - 効果抜群 - さらに性能劣化 350 〜 450ms 54
55. 【作戦４】Xdebug 有効化 - 効果抜群 - さらに性能劣化 350 〜 450ms 55 何回か、本番で有効になってい るのを見た....
56. おまけ - ばれないように Region を 北米にするとか - RDSだけ ヨーロッパにするとか - アイデアは色々 56
57. おまけ - ばれないように Region を 北米にするとか - RDSだけ ヨーロッパにするとか - アイデアは色々 57 みんなも工夫してね！
58. 58 大陸移動はコストがかかる https://speakerdeck.com/hanhan1978/web-application-tuning-guildline?slide=37
59. 手軽なインフラ低速化はここまで 59
60. ここまでのまとめ - 500 msec 近くまでは到達 - もっと、目に見えて遅くしたい！ 60
61. • サンプルウェブアプリケーション • インフラ視点での低速化 • アプリケーション視点での低速化 • まとめ 目次 61
62. 【作戦５】Eager Loading 廃止 62
63. 63 Eager Loading とは？ https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-relationships#eager-loading
64. 64 Eager Loading とは？ https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-relationships#eager-loading N+1問題を解決してくれる
65. 65 例えば https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-relationships#eager-loading
66. 66 例えば https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-relationships#eager-loading Loopの１回ごとにSQL発行
67. 67 With https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-relationships#eager-loading 予めクエリをまとめて発行
68. 結果 68
69. 【作戦５】Eager Loading 廃止 - 費用対効果が高い（withを削除するだけ） - さらに性能劣化 1.02 〜 1.2s 69
70. 【作戦５】Eager Loading 廃止 - 費用対効果が高い（withを削除するだけ） - さらに性能劣化 1.02 〜 1.2s 70 さらに倍！
71. 【作戦６】Limit句 廃止 71
72. 72 禁断の全件取得 https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-relationships#eager-loading
73. 73 禁断の全件取得 https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-relationships#eager-loading ５万件ゲット
74. 結果 74
75. 【作戦６】Limit 句 廃止 - 会心の一撃 - さらに性能劣化 3.0 〜 3.5s 75
76. 【作戦６】Limit 句 廃止 - 会心の一撃 - さらに性能劣化 3.0 〜 3.5s 76 MySQL は頑張ってる
77. 【作戦７】Attribute Casting の悪用 77
78. Attribute Casting とは？ - Eloquent Model が property アクセスする際に発火 - DBのカラムに合わせて、property を型変換 78
79. 79 公式マニュアル https://laravel.com/docs/9.x/eloquent-mutators#attribute-casting
80. 80 一見なんともないコード
81. 81 一見なんともないコード 裏で Carbon のインスタンス生 成が発火している
82. 結果 82
83. 【作戦７】Attribute Casting 悪用 - 会心の一撃 part 2 - さらに性能劣化 6.0 〜 6.5 s 83
84. 【作戦７】Attribute Casting 悪用 - 会心の一撃 part 2 - さらに性能劣化 6.0 〜 6.5 s 84 見た目の素朴さが Good !!
85. • サンプルウェブアプリケーション • インフラ視点での低速化 • アプリケーション視点での低速化 • まとめ 目次 85
86. インフラ・初期設定は確認！ - OPCache ON 超大事 - Xdebug OFF 超大事 86 実在しましたからね...
87. Laravel はそれほど遅くない - ある程度のデータ量に耐える機能がある - 公式ドキュメントにちゃんと書いてある 87
88. Laravel の注意点 - 便利機能は一歩間違えると痛恨の一撃 - 何でもなさそうなコードが問題を起こす 88
89. 最後に - RAD フレームワークは、ちゃんとテストを書くこと！ - コントローラー単位でメソッドは短く！ - 変なことしても気づきやすいように！ 89
90. おまけコンテンツ 90
91. 適切なチューニングをした場合 91
92. 設定 - OPCache ON - OPCache JIT ON - OPCache Preload 使用 92
93. アプリケーション側 - ユーザーデータキャッシュ - お気に入り件数キャッシュ - 投稿記事検索結果キャッシュ 93 一切の DB 接続をAPCuでしのぐ
94. 94 DB 接続をしない場合のレスポンス ほぼ、静的ページ
95. おまけコンテンツ２ 95
96. N+1 が混入することを防ぐには？ - 教育 - Laravel Debug Bar - N+1 detecter 96
97. 97 Laravel Debug Bar https://github.com/barryvdh/laravel-debugbar 10越えたらチェック
98. インフラ周りのチェックどうする？ - パターンは多くない - チェックリストを作っておくとよい - 特に OPCache は入れ忘れが多いので注意 98
99. 99 php -m でチェック デフォルトでは入ってない
100. パフォーマンスの劣化にはどう気づく - 継続監視 - New Relic, Datadog - curl 使って Slack 通知とかでも気づける - データ量に注意 100
101. 101 性能劣化はデータ量に比例 https://www.techscore.com/blog/2016/08/08/開発新卒に捧ぐ、基本のアルゴリズムと計算量 /
102. 102 教育
103. @hanhan1978 相談・指摘・その他　 下記のTwitterアカウントにどうぞ 103