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要件定義の精度を高めるための型と生成AIの活用 / Using Types and Gener...

要件定義の精度を高めるための型と生成AIの活用 / Using Types and Generative AI to Improve the Accuracy of Requirements Definition

2026年4月30日(木) に開催されたBPStudy#224〜要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用( https://bpstudy.connpass.com/event/390478/ ) の登壇資料です。

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haru860

May 07, 2026

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  1. B P S t u d y # 2 2

    4 2 0 2 6 / 0 4 / 3 0 要件定義の精度を高めるための 「型」と生成AIの活用 株式会社ビープラウド 代表取締役社長 佐 藤 治 夫 X @haru860
  2. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 02 自己紹介 佐藤 治夫 S A T O H a r u o @haru860 株式会社ビープラウド 代表取締役社長 BPStudy 主催 2007年9月 〜 / エンジニアのための月例勉強会 匠Method User Group リーダー幹事 受 託開 発 Python Web / 機械学習システム開発 自 社 サ ー ビ ス エンジニアとして、モデリングを中核としたソフトウェアエンジニアリ ングを実践。「TRACERY Lab.(トレラボ)」にて、要件定義を中心に システム開発のノウハウを発信中。匠MethodAgentを開発・リリース
  3. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 03 アジェンダ 01 再浮上する要件定義不要論 02 エージェントによる開発と要件定義 03 コンテキストエンジニアリングとRDRAの親和性 04 モデルベース要件定義手法 RDRA とは 05 RDRA Agent の価値 06 エンジニアリングの重要性の高まり
  4. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 04 アジェンダ 01 再浮上する要件定義不要論 N O W 02 エージェントによる開発と要件定義 03 コンテキストエンジニアリングとRDRAの親和性 04 モデルベース要件定義手法 RDRA とは 05 RDRA Agent の価値 06 エンジニアリングの重要性の高まり
  5. C H A P T E R 0 1 2025〜2026年、AI

    Agent 時代が到来。 コードを書く主体が「人間」から「エージェント」へ移ろうとしている。 05
  6. B e P r o u d 06 Is The

    Software Development Lifecycle Dead? Source : The Software Development Lifecycle Is Dead — boristane.com システム設計 実装 テスト コードレビュー デプロイ モニタリング 要件 意図 エージェント コード+テスト +デプロイ 動作するか? 出荷
  7. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 07 (過去にも同じことが…)アジャイル開発の文脈における要件定義不要論 背 景 に あ る 思 惑 01 作ってから直せばよい フィードバックを元に直せる前提 02 作ったものを見ないと要件はわからない 「動く実物」が要件を引き出すという 03 動くものがあると進んでいるようで安心する 進捗報告がしやすい(ビジネスサイドからのプレッシャー) 04 早く開発したい 設計以降の作業の方が得意・楽しい 05 要件定義は不要だとイーロン・マスクも言っている 「イーロン・マスク 要件定義」で検索
  8. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 08 要件定義を省略すると起こること + 不要なものを必要以上に作ってしまう 本来不要な機能や仕様まで実装してしまう ↑ 要求の爆発 整理されないまま要求が雪だるま式に膨らむ ↺ 手戻り工数の増大 後工程ほど修正コストが指数的に上昇する 後になるほど大変になる。 「急がば回れ」の心構えが必要。
  9. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 09 アジャイル開発の文脈における要件定義 各スプリントが、それぞれ「開発対象スコープの要件定義」を内包する。
  10. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 10 エージェントによる開発においても、要件定義は必要 一 般 的 な 開 発 で 起 こ る こ と エ ー ジ ェ ン ト 開 発 に お け る 顕 在 化 不要なものを必要以上に作ってしまう ➜ 工数を吟味せず開発してしまう 要求の爆発 ➜ Why / What が無いため、優先順位付けが難しい 手戻り工数の増大 ➜ トークンのムダな消費
  11. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 11 アジェンダ 01 再浮上する要件定義不要論 02 エージェントによる開発と要件定義 N O W 03 コンテキストエンジニアリングとRDRAの親和性 04 モデルベース要件定義手法 RDRA とは 05 RDRA Agent の価値 06 エンジニアリングの重要性の高まり
  12. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 12 これだけで大規模システムを作るのは、手戻りが大きく ほぼ不可能 「XXXシステムをつくりたい」だけをエージェントに渡しても、意図と実装の差分が大きく失敗する。
  13. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 13 どうするか? → システムを適切に分割する ユースケース・ストーリー単位で分割する。
  14. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 14 ユースケース(ストーリー)がコンテキストになる ─ コンテキスト設計 XXXシステムをつくりたい ユースケース (ストーリー) 意図 Agent ユースケース (ストーリー) 意図 Agent ユースケース (ストーリー) 意図 Agent ユースケース (ストーリー) 意図 Agent コンテキスト コンテキスト コンテキスト コンテキスト
  15. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 15 エージェントによる開発における要件定義 要件定義の成果物が、そのままコンテキストエンジニアリングの入力になる。
  16. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 16 アジェンダ 01 再浮上する要件定義不要論 02 エージェントによる開発と要件定義 03 コンテキストエンジニアリングとRDRAの親和性 N O W 04 モデルベース要件定義手法 RDRA とは 05 RDRA Agent の価値 06 エンジニアリングの重要性の高まり
  17. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 17 コンテキストの腐敗 入力コンテキスト増えるほど回答精度が低下する現象 モデルに入力するコンテキスト量 モ デ ル の 回 答 精 度 理想的な回答精度 実際の回答精度が低下 日経コンピュータ 2026年4月16日号 AIコンテキスト設計 正体に迫る7つの疑問より引用
  18. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 17 ユースケースやストーリーでも実装は進むが、解像度が粗い 自然言語ベースのユースケース記述やストーリーは、 コンテキストとして悪くはない。 …しかし、AIとのやりとりは繰り返し発生しそう。 解 像 度 粗い 曖昧さが残り、AIへの問い直しが多発する。 A I と の 往 復 繰り返し トークン消費・時間コストが嵩む。
  19. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 18 RDRA のユースケース ユースケースは「画面・イベント・タイマー・情報・条件・状態(遷移)」と関係づけて記述する。
  20. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 19 RDRA の要素のつながりがコンテキストとして有効(仮説) コンテキスト コンテキスト コンテキスト コンテキスト
  21. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 20 アジェンダ 01 再浮上する要件定義不要論 02 エージェントによる開発と要件定義 03 コンテキストエンジニアリングとRDRAの親和性 04 モデルベース要件定義手法 RDRA とは N O W 05 RDRA Agent の価値 06 エンジニアリングの重要性の高まり
  22. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 21 RDRA とは ─ Relationship Driven Requirement Analysis R e l a t i o n s h i p D r i v e n R e q u i r e m e n t A n a l y s i s 01 システム開発のための要件定義手法 現場で適用できる、実装可能な要件定義の方法論。 02 要素同士の「関係(Relationship)」を定義 システムを構成する要素同士の関係を明示することで、システム全体の構造を捉える。 03 モデルとして可視化する 俯瞰できるモデルを作る。
  23. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 22 そもそも「システム」とは 極めて多数の構成要素から成る集合体で、各部分が有機的に連携して、全体として一つの目的を持った仕事をするも の。 — 新明解国語辞典 第7版
  24. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 23 従来の要件定義手法 自然言語と断片的な図で記述することが多い。 → システムにとって重要な「要件(構成要素)間のつながり」を、読み手が推測して理解する必要がある ↓ → 抜け漏れ・不整合が発生しやすい ↓ → 要件定義の精度が低下する
  25. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 24 RDRA による要件定義 従 来 の 要 件 定 義 手 法 ✕ 自然言語と断片的な図で記述する 要件(構成要素)間のつながりを推測して理解する必要がある 抜け漏れ・不整合が発生しやすい 要件定義の品質が低下する R D R A に よ る 要 件 定 義 ◎要素のつながりを明示的に定義する 推測不要 ─ 関係性が定義として書かれている 抜け漏れ・不整合を自動的に検出できる 要件定義の精度、品質が上がる
  26. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 25 RDRA 全体像 ─ 構成要素同士の関係をモデル化する
  27. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 26 RDRA の進め方
  28. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 27 要素の定義と関連付けをシートで実施する
  29. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 28 RDRA による要件定義の進め方 ─ 3つのフェーズ P H A S E 1st 枠組みを作る 議論の土台作り P H A S E 2nd 要件を組み立てる 要素を関連づけて骨格を組む P H A S E 3rd 整合性・網羅性を高める 要件定義の仕上げと仕様化の準備
  30. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 29 P H A S E 1 枠組みを作る ─ 議論の土台作り
  31. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 30 P H A S E 2 要件を組み立てる
  32. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 31 P H A S E 3 整合性・網羅性を確認し精度を高める システム境界 システム システム外部環境 システム価値 業務 業務 システム 外部システム 要求 要求 BUC BUC UC UC 状態モデル 状態 状態 条件 詳細化 詳細化 参照 参照 詳細化 全体に要求を反映 参照 BUC=Business Use Case UC=Use Case 画面 情報 条件 イベント 情報 情報 情報 システム要件定義 業務要件定義 要求確認 バリエーション コンテキスト 情報モデル タイマー ②矛盾を解消し、整合性を高める ①システムレイヤーの要素同士を関連付ける
  33. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 32 アジェンダ 01 再浮上する要件定義不要論 02 エージェントによる開発と要件定義 03 コンテキストエンジニアリングとRDRAの親和性 04 モデルベース要件定義手法 RDRA とは 05 RDRA Agent の価値 N O W 06 エンジニアリングの重要性の高まり
  34. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 33 LLM を活用してモデルの叩きを作る ─ 0 → 1 RDRA定義・分析Sheet RDRA Graph RDRA Agent Google Sheets ブラウザ RDRA ZeroOne 要件を 定義・分析・検証する モデルをビジュアル に確認する ブラウザ CLI テキストデータを クリップボードから読み込み、 RDRA Graphを開く 「ZeroOne」シート にテキストを貼り付ける 「関連データ」シート からRDRA Graphを開く
  35. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 34 RDRA ZeroOne / RDRA Agent の価値 従 来 の 悩 み ど こ ろ 土台を1から作るのが重い 0 から構造を組み立てる工数が大きい 抜け漏れが出やすい 初期に観点を網羅しきれない R D R A Z e r o O n e / R D R A A g e n t が 活 躍 0 → 1 土台を自動生成、議論から開始できる。 た だ し ─ 議 論 と 合 意 は 人 の 役 割 ②整合性・③精度向上のフェーズは人による議論と合意が必須。
  36. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 35 アジェンダ 01 再浮上する要件定義不要論 02 エージェントによる開発と要件定義 03 コンテキストエンジニアリングとRDRAの親和性 04 モデルベース要件定義手法 RDRA とは 05 RDRA Agent の価値 06 エンジニアリングの重要性の高まり N O W
  37. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 36 エージェントによって、取り組みが増幅していく AIエージェントは、業務の生産性や成果を劇的に高める「能力増幅装置」として機能する一方、適切に管理 されない場合は リスクを拡大させる装置にもなり得る。 → だからこそ、 エンジニアリングの重要性が高まる。
  38. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 39 エンジニアリング原則:手戻りコストの影響を常に意識する ソフトウェア開発201の鉄則、鉄則41「今すぐ要求仕様書の誤りを直せ」 もし要求仕様書に誤りがあれば、見つけるのが後になればなるほどとんでもなく高くつく ・設計まで残っていたら、それを見つけて修正するのに5倍のコストがかかる ・コーディングまで残っていたら、10倍かかる ・テスティングまで残っていたら、20倍かかる ・納入時点まで残っていたら、200倍かかる 「ソフトウェア開発201の鉄則」 アラン M. デービス著 「後で修正すればいい」という考え方が、最終的な納期とコストを破壊する
  39. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 39 エンジニアリング原則:インサイドアウトで品質を高める
  40. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 39 エンジニアリング原則:V字モデルを開発の地図として持つ 効果的なエンジニアリングが、AIの使用効率も高める
  41. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 37 弁証法 “ 世の中全ての物事の進歩や発展は、 右肩上がりに一直線に進歩・発展していくのではない。 あたかも「螺旋階段」を登るようにして、 進歩・発展していく。 — 田坂広志『使える弁証法』より
  42. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 38 弁証法 ─ 螺旋階段モデル
  43. B e P r o u d BPStudy #224 /

    要件定義の精度を高めるための「型」と生成AIの活用 39 エンジニアリングがより重要な時代へ エンジニアリング 2000 2005 2010 2015 2020 技術(プログラミング) アジャイル開発 プロセス モデリング 設計 技術・実装重視 オブジェクト指向設計 RUP、UML PoEAA、アナリシスパターン 2025 プロセスを重視した 開発へのアンチテーゼ 融合されたもの 新しいエンジニアリングの在り方
  44. S U M M A R Y まとめ 01 再浮上する要件定義不要論

    手を抜くと後ほど大変になる。不要なものを開発・要求の爆発・手戻り工数の増大。 02 エージェントによる開発と要件定義 企画・要件定義の内容が、コンテキストエンジニアリングにそのままつながる。 03 コンテキストエンジニアリングと RDRA の親和性 RDRA の要素のつながりがコンテキストになる。 04 モデルベース要件定義手法 RDRA システムを構成する要素同士の関係(Relationship)を定義することで、モデルとして可視 化する。 05 RDRA Agent の価値 叩きが生成されることで、ゼロからのスタートを回避できる。 06 エンジニアリングの重要性の高まり AIエージェントは「能力増幅装置」。だからこそエンジニアリングが効く。 T h a n k y o u .