Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

20250718_ITSurf_“Bet AI”を支える文化とコストマネジメント

20250718_ITSurf_“Bet AI”を支える文化とコストマネジメント

LayerXは2025年4月、行動指針のひとつを”Bet Technology”から”Bet AI”へと刷新しました。AI・LLM活用の取り組みと、それを支える文化、さらにはコーポレートエンジニアリング室によるコストマネジメントの実践を、その変遷とともにご紹介します。

Avatar for helosshi

helosshi

July 18, 2025
Tweet

Other Decks in Technology

Transcript

  1. © LayerX Inc. 3 • 所属 ◦ ~現在 - 株式会社LayerX

    ◦ コーポレートエンジニアリング室 IT基盤チーム マネージャー • 職歴 ◦ ~2017 - 株式会社モンベル ▪ 電算室: 在庫管理システム(COBOL)や新店舗構築など ◦ ~2023 - 株式会社メルカリ ▪ IT Service / Corp IT Security • 好きなAI‧LLMツール ◦ NotebookLM 篠嵜 洸 (Shinozaki Hiroshi) ⾃⼰紹介
  2. 4 © LayerX Inc. すべての経済活動を、デジタル化する。 会社概要 会社名 株式会社LayerX(レイヤーエックス) 代表取締役 代表取締役CEO 福島

    良典 代表取締役CTO 松本 勇気 創業 2018年 8⽉1⽇ 資本⾦ 約132.6億円 拠点 東京本社 〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1 銀座松⽵スクエア 5階 関⻄⽀社 〒530-0002 ⼤阪府⼤阪市北区曽根崎新地1-13-22 御堂筋フロントタワー 内 中部⽀社 〒466-0064 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1-2−32 STATION Ai 内 九州⽀社 〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲3-7-24 WeWorkゲイツ福岡 11F 内 従業員数 385名 (2024年10⽉末時点)
  3. 5 © LayerX Inc. 「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに、AI SaaSとAI DXの事業を展開 事業紹介 バクラク事業 企業活動のインフラとなる業務を

    効率化するクラウドサービス Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネジ メント‧証券事業を合弁会社にて展開 AI‧LLM事業 社内のナレッジやノウハウをデータ ベース化するAIプラットフォーム AI SaaSドメイン AI DXドメイン
  4. © LayerX Inc.  6 「バクラク」シリーズラインナップ ‧AIが請求書を5秒でデータ化 ‧仕訳 / 振込データを⾃動作成 ‧電帳法‧インボイス制度にも対応

    債務管理(⽀出管理) ‧年会費無料で何枚でも発⾏可 ‧カード利⽤制限で統制を実現 ‧通常1%以上の還元 法⼈カードの発⾏‧管理 ‧AI活⽤の消込機能で⼊⾦消込をラクに ‧取引先へリマインド/未⼊⾦督促を半⾃動化 ‧売上仕訳‧⼊⾦仕訳も柔軟に作成 債権管理(⼊⾦管理) ‧AIが⾒積書‧請求書を5秒でデータ ‧スマホからも申請‧承認OK ‧柔軟な通知設定‧承認の催促機能 稟議‧⽀払申請 ‧直感的UIで従業員の負担を軽減 ‧Slack連携で打刻や⾃動リマインド可能 ‧わかりやすい残業 / 休暇管理レポート 勤怠管理 ‧AIが領収書を5秒でデータ化 ‧スマホアプリとSlack連携あり ‧領収書の重複申請などミス防⽌機能 経費精算 ‧帳票の⼀括作成も個別作成も⾃由⾃在 ‧帳票の作成‧稟議‧送付‧保存を⼀本化 ‧レイアウトや項⽬のカスタマイズも可能 請求書発⾏ ‧スキャナ保存データも直接取込  ‧AI-OCRが⾃動読取&データ化 ‧[取引先][取引⽇][取引⾦額]での検索 帳票保存‧ストレージ
  5. © LayerX Inc. 9 • コーポレートエンジニアリング室 ◦ アプリケーショングループ ▪ ソフトウェアに対する⾼度な理解と開発⼒、「技術をつくる」課題解決

    ▪ 2名 ◦ IT基盤グループ ▪ ハードウェア, SaaS, No (Low) Code など「技術をつかう」ことによる課題解決 ▪ 4名 ◦ セキュリティグループ ▪ 全員が安⼼して前を向くための「総合的」課題解決 ▪ 2名 • 三井物産デジタル‧アセット‧マネジメント: LayerXより出向 ◦ 4名 組織構成 チーム紹介
  6. © LayerX Inc. 10 • 組織フェーズ: 拡⼤期 ◦ 社員増加‧部⾨細分化‧サービス展開など各⽅⾯で⽇々新たな課題が出てくる ◦

    組織のスピード感を加速‧維持することが求められる ◦ 主だったSaaSであれば、Businessプランがメイン、要所においてエンタープライズプランを 選定 現在地 チーム紹介
  7. © LayerX Inc. 14 • 従業員満⾜度は企業⽂化の表れ、⽇頃の醸成が必要 • 企業成⻑のなかで、コストマネジメントは組織の主体性が問われる領域 • コーポレートエンジニアリング室

    ◦ 事業部⾨とコーポレートの橋渡し役として、組織全体の統制基盤を進化させる存在 • IT統制は単なる管理⼿段だけでなく、⽂化的な価値観の共有と経営資源の最適化を⽀える⼿段 本⽇のテーマ: “従業員の満⾜度と企業成⻑を両⽴させるIT統制” “Bet AI”を⽀える⽂化とコストマネジメント
  8. © LayerX Inc. 18 • “Bet AI” は、LayerX社が2025年4⽉に導⼊した新しい⾏動指針 • これまでの

    “Bet Technology” という指針をAI、特にLLMに焦点を絞ってバージョンアップ • ⾏動指針: 社員が⽇々の⼩さな判断から⼤きな戦略的意思決定まで、迷った時に「何を⼤切にすべき か」の判断軸 “Bet AI”とは “Bet AI”を⽀える⽂化とコストマネジメント
  9. © LayerX Inc. 20 • Cursor Pro, Claude Maxなどのコード⽀援サービスの利⽤ •

    ⾮エンジニア職ができるようになったこと ◦ 軽微な修正‧変更の実現 ◦ 既存仕様の確認 ◦ 仕様書‧ガイド作成の効率化 エンジニア職からの⾮エンジニア職への積極的な利⽤⽀援 ⽂化: LayerXにおけるAI活⽤事例と成果
  10. © LayerX Inc. 22 • Dify‧n8nのセルフホステッド環境の提供‧活⽤⽀援 ◦ Dify: 3⽉, n8n:

    4⽉より社内展開 ◦ 7-9⽉にかけてコーポレート内へ活⽤⽀援 • Gemini活⽤⽀援 ◦ Geminiを⽉10⽇以上利⽤している割合の向上を⽬指し、社内広報 ◦ 基本的な使⽤⽅法から最新の機能まで週次で発信 ▪ 4⽉末: 34% ▪ 6⽉末: 66% コーポレートエンジニアリング室で⾏う活⽤⽀援 ⽂化: LayerXにおけるAI活⽤事例と成果
  11. © LayerX Inc. 25 • “Bet AI”をするにはBetする原資が必要 • AI‧LLMの発展により各サービスの 機能追加‧プラン改定‧コスト増

    • AI機能が「アドオン料⾦」から「プランにAIが含まれる」形に変化 • 年間契約や組織単位での契約では、環境の変化への対応が難しく、コスト管理が困難に AIの急速な発展とコストマネジメントの課題 コストマネジメント
  12. © LayerX Inc. 26 解決策1:トライアル予算の策定と活⽤ • 羅針盤アップデートに合わせ、“Bet AI” 推進の予算を策定 •

    社員は試したいツールについて申請し、承認を得ることでこの予算を利⽤ • ⼤⼩様々なサービストライアルを実施可能に 課題1: ⽇々新しいツールが出るので予算策定‧取得が難しい コストマネジメント
  13. © LayerX Inc. 28 解決策2: 社員へのビジネスカード配布による個別管理 • 必要なサービスへのコスト割り当てと個⼈契約を可能にすることで、全体コストを抑制 ◦ 組織プランを使わないことで1/2

    ~1/3のコスト抑制 • 購買→決済→利⽤報告には、⼀貫してバクラクシリーズを利⽤し、作業負担を軽減 課題2: 個⼈契約‧予実管理‧経費精算が煩雑に... コストマネジメント
  14. © LayerX Inc. 29 2025/01頃 2024/01よりChatGPT Teamを契約し、全社展開し利⽤していました。 課題: Teamプランは利⽤状況が⾒れないため、利⽤実態がわからない 解決案:

    Gemini for Google Workspaceのアドオンを買うかどうか →直後にGoogle Workspace に includeされる 課題2: 利⽤希望アンケートを取るも機能差が激しく、期待通りの結果を出せず... 現在: Geminiの機能改善もあり、基本はGemini, 希望者にChatGPT Team 経験談: Gemini or ChatGPT Team コストマネジメント
  15. © LayerX Inc. 30 MCPサーバーやBYOK(Bring Your Own Key)の増加により、各種サービスのAPI key発⾏作業が発⽣ ⽤途ごとに分けることでコスト可視化や権限管理などに有⽤ではある

    個々⼈レベルになってきたため、その原則‧慣習を続けるべきかどうか 現在の課題: 各種サービスのAPI key管理 コストマネジメント