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<弁護士監修>フリーランス保護法 実務対応で失敗しない10の質問

freee
August 15, 2024

<弁護士監修>フリーランス保護法 実務対応で失敗しない10の質問

freee

August 15, 2024
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  1.     2   ⽬次 基本的な質問事項 具体的な対応事項 禁⽌事項‧リスク 進め⽅についての質問事項 Q1 そもそも下請法とどう違いますか?…P3

    Q2 業務委託先が家族を雇⽤している場合、    この法律は適⽤されますか?…P5 Q3 条件明⽰の契約書をどうやって作成すればいいですか? …P7 Q4 業務委託期間の管理はどのように⾏えばいいでしょうか? …P9 Q5 発注は⼝頭‧SNSやメールで⾏ってもいいのでしょうか? …P11 Q6 就業環境整備は具体的に何をどこまで⾏わないと いけないでしょうか? …P13
 Q7 育児‧介護やハラスメントは、具体的に何をしたら アウトになりますか?…P15 Q8 報酬の⽀払期⽇について60⽇の期間内の例外はありますか? Q9 違反したときのリスクについて教えてください…P19 Q10 ⼀般的にどんなスケジュールで法令対応を進めているの …P17 でしょうか?…P21 監修 ユニヴィス法律事務所 弁護⼠ 五⼗嵐 良平⽒ (第⼀東京弁護⼠会) 弁護⼠登録後、アンダーソン‧⽑利‧友常法律事務所、⼭下 総合法律事務所にてM&Aやコーポレート‧ガバナンス等の企 業法務の案件を取扱う。その後、2021年4⽉に独⽴。 独⽴後は、それまでの企業法務の経験を活かし、主にIT系の ベンチャー企業‧スタートアップ企業を中⼼に、Exit⽀援やそ れに向けた法務サービスを提供している。
  2.     6 基本的な質問事項 Q2.業務委託先が家族を雇⽤している場合、この法律は適⽤されますか? 業務委託の相⼿⽅の家族が「従業員」であれば、適⽤されません。 Answer 業務委託の相⼿⽅とした際にフリーランス保護法が適⽤される「特定受託事業者」とは、 ①個⼈であって、従業員を使⽤しないもの、⼜は ②法⼈であって、1⼈の代表者以外の他の役員がおらず、かつ、従業員を使⽤しないものをいいます。

    そして、従業員には、週労働20時間以上かつ31⽇以上の雇⽤⾒込みがある者が該当します。 ここにいう「従業員」であるか否かに、業務委託の相⼿⽅の家族であるか否かは関係ないため、相⼿⽅ である受託者が家族を雇っていて、週労働20時間以上かつ31⽇以上の雇⽤⾒込みがある場合には、 フリーランス保護法は適⽤されないこととなります。
  3.     10 Q4.業務委託期間の管理はどのように⾏えばいいでしょうか? 具体的な対応事項 Answer スプレッドシートやExcelを⽤いる⽅法もありますが、 最近は業務委託取引の管理を⾏えるクラウドサービスで管理する会社も増えています。 仕事を依頼しているフリーランスについて、業務委託契約をした⽇と業務委託の期間とを把握しておくことがで きるよう管理する必要があります。

    フリーランス保護法の適⽤がある場合、 ①業務委託の期間が1か⽉以上となる場合には、受領拒否、報酬減額、返品、買いたたき、購⼊‧利⽤強制、  不当な経済上の利益の提供要請ややり直し等を⾏わせることが禁⽌されます。 ②業務委託の期間が6か⽉以上となる場合には、契約の解除や不更新に原則として1か⽉前までの事前予告が  必要となったり、妊娠‧出産‧育児‧介護に対する配慮義務が課せられます。 なお、この業務委託の期間は、初⽇を算⼊することに注意が必要です。 (例えば、4⽉1⽇から4⽉末⽇の業務委託は、1か⽉以上の業務委託となります。)
  4.     12 Q5.発注は⼝頭‧SNSやメールで⾏ってもいいのでしょうか? 具体的な対応事項 Answer ⼝頭での発注はフリーランス保護法に違反しますが、 SNSやメールでの発注は、フリーランス保護法に違反しません。 しかし、法令遵守の証跡をきちんと残すためには、契約書や発注書‧注⽂請書などの形式を⽤いることが好ましい と考えられます。

    フリーランス保護法は、特定受託事業者(いわゆるフリーランス)に業務委託をした場合には、直ちに、書⾯⼜は 電磁的⽅法により、所定の事項を明⽰することを発注者の義務としています。 そのため、⼝頭で発注を⾏うことは、フリーランス保護法に違反すると考えられます。 他⽅で、この電磁的⽅法には特に制限はないため、SNSやメールを⽤いることは直ちに否定されるものではないと 考えられます。 もっとも、後⽇の紛争に備えた証拠化という観点からいいますと、SNSやメールだと、それが交渉中の内容である か、最終的な合意内容であるかが不明確になるなどの懸念もあるため、契約書や発注書‧注⽂請書などの形式を ⽤いるほうが望ましいと考えられます。
  5.     14 Q6.就業環境整備は具体的に何をどこまで行わないといけないでしょうか? 具体的な対応事項 Answer 個別に検討のうえでの対応が求められます。 「これさえやっておけば⾜りる」というものがあるわけではありませんが、反対に、配慮の申出があったからといって、必ずしも そのとおり配慮しなければならないというものでもありません。 ①フリーランスから育児介護等に対する配慮の申出を受けた場合には、話し合い等を通じ、その者が求める配慮の具体的な内容

     及び育児介護等の状況を把握する必要があります。 ②希望する配慮の内容を踏まえて、それを⾏うことが可能か、⼜は他の取り得る対応を⾏うことが可能かを⼗分に検討することと  されています。 ③(i)配慮を⾏う場合:配慮の内容が確定した際には速やかにその内容を伝え、実施するとされています。このとき、希望する配慮   の内容とは異なるものの、より対応しやすい他の取り得る内容を⾏うことは差し⽀えないとされています。 ③(ii)配慮を⾏えない場合:検討の結果、業務の性質や実施体制等に照らして困難である、当該配慮を⾏うことにより業務の   ほとんどが⾏えない、契約⽬的が達成できない等、やむを得ず必要な配慮を⾏うことができない場合には、配慮を⾏うことが   できない旨伝達し、その理由を説明することとされています。
  6.     16 Q7.育児‧介護やハラスメントは、具体的に何をしたらアウトになりますか? 禁⽌事項‧リスク 育児‧介護は配慮義務違反がある場合に、ハラスメントはフリーランス保護法で 定められた対策をしていない場合に、アウトです。 Answer 上記のとおり、配慮を⾏うことが求められますので、 「配慮の申出があったにもかかわらず、検討を⾏わず、⼀律に実施が困難であるとして配慮を不実施とすること」や、

    「配慮の申出があったことを理由として、契約解除その他の不利益な取り扱いを⾏うこと」は⾏ってはいけません。 育児‧介護について ハラスメントについて 以下を⾏うことが求められます。これらを⾏わないとフリーランス保護法に違反することになり得ます。 ①ハラスメントに対する⽅針の明確化‧その⽅針の周知‧啓発 ②ハラスメントを⾏ったものについて厳正に対処する旨の⽅針及び対処の内容の就業規則その他の規律を定めた⽂書への規定 ③相談の対応のための窓⼝の設置及び周知 ④相談窓⼝の担当者が相談に対して適切に対応できるようにするための仕組み‧マニュアル‧研修等を⽤意