Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
LLMでソフトウェアエンジニアリングを改善 / 「コードの90%をAIが生成」どう実現したか?...
Search
ike
September 19, 2025
Programming
1
76
LLMでソフトウェアエンジニアリングを改善 / 「コードの90%をAIが生成」どう実現したか?開発はよくなったか?
「コードの90%をAIが生成」
この状態をどう実現したか?その結果、開発はよくなったか?
ike
September 19, 2025
Tweet
Share
More Decks by ike
See All by ike
「コードの90%をAIが生成」 どう実現したか?開発はよくなったか? 〜プロヒス アフターイベント編〜
ike002jp
0
29
カウシェで Four Keys の改善を試みた理由
ike002jp
1
230
2ヶ月で生産性2倍、お買い物アプリ「カウシェ」4チーム同時改善の取り組み
ike002jp
2
200
Other Decks in Programming
See All in Programming
Devvox Belgium - Agentic AI Patterns
kdubois
1
120
uniqueパッケージの内部実装を支えるweak pointerの話
magavel
0
1k
Cursorハンズオン実践!
eltociear
2
1.1k
The Past, Present, and Future of Enterprise Java
ivargrimstad
0
200
アメ車でサンノゼを走ってきたよ!
s_shimotori
0
230
技術的負債の正体を知って向き合う
irof
0
180
2分台で1500examples完走!爆速CIを支える環境構築術 - Kaigi on Rails 2025
falcon8823
3
3.7k
XP, Testing and ninja testing ZOZ5
m_seki
3
700
AI駆動で0→1をやって見えた光と伸びしろ
passion0102
1
280
理論と実務のギャップを超える
eycjur
0
140
CSC509 Lecture 05
javiergs
PRO
0
300
登壇は dynamic! な営みである / speech is dynamic
da1chi
0
340
Featured
See All Featured
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
31
2.7k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
55
3k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
33
2.5k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
9
980
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
40
2.1k
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.8k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
48
9.7k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
79
6k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
100
5.8k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
35
6.1k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
24
3.7k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
35
3.2k
Transcript
LLMでソフトウェアエンジニアリングを改善 「コードの90%をAIが⽣成」 どう実現したか?開発はよくなったか?
池松 恭平 / ike @ike002jp 2021/05〜 カウシェ ・Backend Engineer ・EM /
PdM ・CTO 2014/04〜 DeNA ・Backend Engineer ・EM
「コードの90%をAIが⽣成」 世間のAI事例はすごそう でも、現実だと少しギャップないですか?
「コードの90%をAIが⽣成」 ⾃分たちもこのような状態にして、 開発をすごくスピーディーにしたい
組織へのAI活⽤の浸透、活⽤⼒の向上によって、 事例のように改善できる、と最初は思っていた が、現実はやや違った… 奮闘‧改善して得た知⾒をご紹介
プロダクト‧組織の概要
タイトル ソーシャル×発⾒型で “⽇本のECを再発明する”
全社で47名、プロダクト系は23名 Farm Team PdM 新卒 Designer Backend ex-Showcase Gig Mobile
EM ex-メルカリ Mobile ex- チームラボ QA Mobile Backend EC Team PdM 新卒 Designer Backend ex-Speee Mobile ex- スタンバイ ML Mobile ex-サイバー エージェント Backend ex-HRBrain Backend Partner Team PdM ex-DeNA Backend ex-freee Webfront ex-ラクスル QA ex- LINEヤ フーコミュニ ケーションズ Backend ex-サイバー エージェント 5名 ※CX部、EC部 18名 ※テクノロジー部 ※CTO除く Backend EM ex-ラクスル Ad/UX Team Backend
主要技術スタック Backend / ML / Analytics Mobile Swift SwiftUI Kotlin
Firebase Bitrise アイコン 画像 アイコン 画像 Go Cloud Run BigQuery Vertex AI Cloud Spanner Terraform GitHub Actions Fastly Jetpack Compose gRPC ChatGPT, Codex Claude, Claude Code Cursor Cline Gemini Open Router LLM系サービス抜粋
【再掲】「コードの90%をAIが⽣成」 ⾃分たちもこのような状態にして、 開発をすごくスピーディーにしたい
「コードの90%をAIが⽣成」 ➝ 活⽤⼒UPして、常時AI起点に実装を試みる 「開発をすごくスピーディーに」 ➝ Doployの頻度を定量トラッキングする
活⽤⼒UPして、常時AI起点に実装を試みるために • AI活⽤振り返り会 ◦ 活⽤習慣化と、知⾒流通のために • AI起点Pull Requestの計測 ◦ 客観的な評価のために
None
None
• AI起点の場合、ブランチにsuffixを付与したり、Pull Requestにラベルを付与 • Vibe codingで計測スクリプトを実装 ➝ デイリーで計測 • 参考情報:実現⽅法の詳細
◦ suffixやラベルの付与⽅法 ▪ 「これはAI起点で作る」の場合に付与 ▪ 付与はRulesで⾏うか、または⼈が付与 ▪ suffix例)xxx-by-cursor, xxx-by-claude, etc ◦ 「これはAI起点で作る」はどういう基準にしたか ▪ 実装またはテストを、まずAIにやってもらう、となっていればOK • 「これ実装して」「これテスト書いて」➝ その後に⼈が修正 ➝ PR作成完了 ▪ 厳密な⽣成割合の計測ではないが、現実的にはこれで問題ないと判断 AI起点Pull Requestの計測
結果と学び • 活⽤⼒UPし、AI起点率は80-90%へ 🚀 ◦ 会の効能 ▪ 「やっていこう!」の呼びかけだけよりも、意識変容できた ▪ ⾃然に、⽇常的に、みんな意識できる
▪ 獲得した知⾒の流通も起こりやすい ◦ 計測の効能 ▪ 「今だとチームによって数値に差があるね、埋まるのかな」 「こういうプルリクはAI起点にしにくいのかな」 などの客観的な議論‧対応を、EM中⼼にできた
⼀⽅でDeployの頻度は、ほぼ横ばいの状態だった • Pull Requestの作成頻度、Merge頻度、リードタイムなど様々⾒ていた • 体感では、開発はスピーディーになっている • が、数値で⾒ると、いずれもほぼ横ばい…
体感とのギャップはなにか、様々な原因を議論‧分析した • 確からしい要因が、なかなか掴めなかった ◦ ツールの学習曲線で相殺? ◦ Prompt, Rules, Contextの改善可能性? ◦
レビューが重くなっている? ◦ 要件定義の質? ◦ 妨害タスクが実は多い? ◦ タスク並列化ができていない? ◦ etc
有効度⾼いユースケースと、やや不安定なユースケース 要件定義‧設計 実装〜リリース ✅ 仕様や調査をAIに質問 ✅ PRDやDesign Doc等の初稿を作成 ✅ Branch差分からQA観点の初稿を作成
プログラミング要素強 ✅ 範囲が狭い実装 ✅ モックやデモ、個⼈利⽤ツール、個⼈で保守すればOKなプロダクト ソフトウェアエンジニアリング要素強 ✅ Version up, Migrationなど、既存ロジックの置き換え ✅ iOS実装基にAndroidを実装など、参考実装ありの新規ロジック実装 🔺 参考実装がない新規ロジック実装(やや不安定、だが業務の⼤半)
有効度⾼いユースケースと、やや不安定なユースケース 要件定義‧設計 実装〜リリース ✅ 仕様や調査をAIに質問 ✅ PRDやDesign Doc等の初稿を作成 ✅ Branch差分からQA観点の初稿を作成
プログラミング要素強 ✅ 範囲が狭い実装 ✅ モックやデモ、個⼈利⽤ツール、個⼈で保守すればOKなプロダクト ソフトウェアエンジニアリング要素強 ✅ Version up, Migrationなど、既存ロジックの置き換え ✅ iOS実装基にAndroidを実装など、参考実装ありの新規ロジック実装 🔺 参考実装がない新規ロジック実装(やや不安定、だが業務の⼤半) • うまくいく場合はある • ただし、うまくいかない場合や、 動くけど品質課題がある場合なども多数 • うまくいかせるために時間を使いすぎて、 全体で相殺されている説が濃厚
どうしたか • 何が起こっているかの仮説 ◦ 実装を⼤きく任せる、そのための様々な⼯夫をする ➝ 全体で相殺 ◦ つまり、⼤きく任せる ➝
安定的に成功、ができていない • ⼩さく任せて安定性を担保する ⽅針へ ◦ △:どうRulesやContext等⼯夫すれば、全部⼀気にうまくいくか ◦ ◯:どのくらい⼩さく分割すれば、安定的に成功する粒度になるか • 「⼩さく分割してAIに任せる」をチームとして実⾏していくために、 "実装計画" を作るプロセスを導⼊‧標準化した
実装計画のフォーマットイメージ
実装計画のフォーマットイメージ
結果 • まだ評価中だが、改善傾向が継続中 🚀 ◦ PR数など各種メトリクスの上昇や、Deploy頻度の上昇が継続(10-50%) • 定性的な効能 ◦ AIに任せやすい
◦ ⼈がレビューしやすい ◦ タスク並列の可能性ができやすい ◦ ⾃動化の可能性の広がりがありそう ◦ LLMが進化するとより有効そう ◦ “実装計画” を作るコストはあるが、実装者‧レビュー者の体験は良い
まとめ 常にAI起点にして開発をスピーディーに!の奮闘過程で得たこと • AIについて定期的に話す場は有⽤ ◦ ⾃然と、⽇常⾏動が変わる、ナレッジが溜まっていく • 計測による客観的な評価は⼤切 ◦ 主観とのギャップが否が応でも判り、真因を探る⾏動に繋げやすい
• Rules, Context等も重要だが、今だと、課題サイズの管理も重要 ◦ AIが低品質なアウトプットで⼈の⾜を引っ張る、をなくすために重要 • ⼈がボトルネックになることも多いが、その防⽌にも、課題サイズ管理は重要 ◦ レビュー等が楽になり、AIと⼈との共闘がスムーズになる
告知 • 📣 採⽤中です📣 ◦ Backend、Mobile、SRE、Platform、ML、 EM、VPoE、PdM、Designer ... • 🔥プロヒス2025アフターイベント🔥
◦ 9/25(⽊) 18:30〜21:00 ◦ 効果があった他の施策など、今回話しきれなかったこと ◦ https://youtrust.jp/lp/after-prohis • 🚀 toCのスーピーディーなデリバリを⽀える、技術的な取り組み 🚀 ◦ 10/8(⽔) 12:00〜1300 ◦ 実装計画の詳細 ◦ https://kauche.connpass.com/event/368490
ご静聴ありがとうございました