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Devinのメモリ活用の学びを自社サービスにどう組み込むか?

 Devinのメモリ活用の学びを自社サービスにどう組み込むか?

■登壇資料: AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】
https://aid.connpass.com/event/347052/

■前回の資料の続きの内容になっています。:
DevinとCursorから学ぶAIエージェントメモリーの設計とMoatの考え方
https://speakerdeck.com/itarutomy/devintocursorkaraxue-huaiesientomemorinoshe-ji-tomoatnokao-efang

■Zennでより詳細な解説を行っています。合わせてご覧ください。
→Devinのメモリ活用の学びを自社サービスにどう組み込むか?
https://zenn.dev/deskrex/articles/51f2500f3633bd

・会社概要
https://deskrex.ai/
・サービス概要
https://lp.deskrex.ai/
・メディア
https://media.deskrex.ai/
・アプリ
https://app.deskrex.ai/

Itaru Tomita

March 26, 2025
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Transcript

  1. Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 Devinのメモリ活用の学びを 自社サービスにどう組み込むか?

    冨田到 / Itaru Tomita Deskrex.ai 2025年03月26日 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 1
  2. 自己紹介 冨田 到 株式会社Deskrex 代表取締役 itarutomy 外資系セールスや大企業の新規事業開発支援、データサイエンスや ブロックチェーン系のスタートアップにおけるプロダクトオーナー や事業開発を経験。 その後、CVC支援やイノベーション領域における調査業務、Web3

    領域における海外人材採用プロダクトを開発を行う。 24年にデスクリサーチに特化した生成AIエージェントを提供する株 式会社Deskrexを創業。Deskrexでは事業企画からUI/UXデザイン、 開発業務を一貫して担当。 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 2
  3. 目次 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 1

    (おさらい)AIエージェントのメモリの種類 2 最新ツールにおけるメモリシステム比較 3 Devinのメモリシステム詳細分析 4 Devinの実践的な応用例 5 メモリ設計の最適化戦略 6 自社サービスにメモリをどう組み込むか 7 AIエージェントのメモリの今後の論点 @deskrex.ai 3
  4. 最新のAIツールにおけるメモリシステム比較 プロダクト メモリシステム 特徴 Cline Memory Bank 複数のメモリファイルによる階層的文脈管理 シンプルで柔軟なファイルベース設計 Plan/Actモードによる戦略と実装の分離

    Devin Knowledge エンジニア入力の知識を自動活用する仕組み トリガーを用いた文脈の自動呼び出し エージェンティックなRAG Windsurf Cascade Memory ワーキング、短期、長期の3層メモリ構造 自動生成とユーザー定義の二重管理 グローバルとワークスペースのルール設定 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 7
  5. Devinのメモリシステム詳細分析 ナレッジシステム シーンごとに整理された知識ベース 作業タイプ別の分類(設計・実装・デバッグ) リポジトリ固有の知識を効率的に管理 ベクター検索の仕組みと最適化 意味と経験的な関連性に基づいた検索 コンテキスト特異性の包摂的活用 コンパクトな知識表現の重要性 数百文字程度の適切な長さ設計

    情報過多による検索精度低下防止 プレイブック機能 テンプレート的機能の特徴 再利用可能なマニュアル集 ベストプラクティスが組み込まれた知的資産 Github Actionsとの連携 繰り返し作業の効率化 標準的な開発フローの自動化 定型的なタスクの迅速な実行 品質の標準化メカニズム コード品質の一貫性確保 レビュー基準・テスト戦略の統一 2軸構造により意味と経験的知識と手続き的知識を効果的に分離し、それぞれに最適化された形で管理 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 9
  6. ナレッジシステムのトリガー構造 トリガーパターンの例 when working in repo {レポジトリ名} リポジトリ全体の構造や基本情報を呼び出し When designing

    React hooks in {レポジトリ名} 特定の作業タイプに関する専門知識を呼び出し When encountering TypeScript errors in {レポジトリ名} エラー対応に特化した知識を呼び出し 効果的な設計ポイント シーン(使用コンテキスト)に基づく 分類 細かすぎず、適切な粒度での分類 メモリへのアクセス効率を向上 包摂的な知識アクセス 汎用トリガーと特化トリガーの連携 より具体的なコンテキスト優先の設計 知識と手続きの二重活性化 事実知識と実行手順の同時呼び出し 「何を知っているか」と「どう実行するか」の結合 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 10
  7. Devinのナレッジ形成のTips 出典:Slack with Cognition.ai ナレッジから自動で優先度を判断する トリガーの分割は小さい方が良い レポジトリに紐づけて効率的に取得す る ヒエラルキーはないので重複は消す →

    関連する全知識を包括的に活用することで、断片的 でなく統合的な問題解決アプローチを実現 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 12
  8. Devinの実践的な応用例 (2) Playbook × DevinAPI タスクの自動分割 大規模タスクを独立した小タスクに自動分解 例: 「ユーザー管理システム実装」→「認証」 「プロフィール管理」

    「権限設定」 依存関係の明確化 タスク間の依存関係を自動分析 実行順序や並列化可能性の最適判断 出典:https://x.com/itarutomy/status/1882759017703133238 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 14
  9. Devinの実践的な応用例 (3) Production CodeとACUを経営観点から計測する ACU(Agent Compute Unit)の基本概念 Devinの計算リソース消費を測定する単位 1 ACU

    = 約15分の稼働時間相当 リソース効率と換算 標準プラン:月額500ドルで250 ACU(約62.5時間) 時給換算:約8ドル/時間(約1,200円/時間) ACU消費の最適化 3~5ACUくらいで1PR回す 長い作業になった場合は割安になっているかしっかりチェックする ACUの消費スパンがデイリーになっていると定着してそう Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 15
  10. AIエージェントのメモリ設計の最適化戦略 (1) RAG以上のスキル理解 エージェントが代替する業務理解 エージェントのスキルベースの分類 エージェント出力の重要なポイントの 最適な記憶 メタ認知メモリー ⾃⼰管理・経験則・キャリア視点 技術的知識メモリー

    コード・インフラ・ツール関連 プロセスメモリー 開発サイクル・品質保証・プロジェクト管理 対⼈関係メモリー チーム内・組織間・顧客対応 エンジニア業務メモリーのピラミッド構造 ⼈間関係とコミュニケーション能⼒を基盤として、その上にプロセス理解、技術的知識、 そして最終的にメタ認知能⼒が積み上がるエンジニアの成⻑構造を表しています Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 16
  11. AIエージェントのメモリ設計の最適化戦略 (2) メモリの抽象化と最小化 コンパクトな知識表現 512文字程度の適切な長さ設計 過度な詳細は検索精度を低下させる 知識のモジュール化 再利用可能な知識単位への分割 関連する知識の連携と組み合わせ 不要メモリの適切な廃棄

    古くなった知識の更新または削除 活性頻度による重要度評価 AIエージェントのメモリ設計:簡略化マトリクス スキル分野 抽象度 技術的スキル 対⼈・プロセス的スキル 抽象的 具体的 技術的-抽象的 • アーキテクチャ設計原則 • 技術領域の理論的基盤 • システム全体の概念モデル • プログラミングパターン when designing architecture when discussing TypeScript patterns 対⼈・プロセス的-抽象的 • ブランド価値と対話哲学 • プロジェクト管理の原則 • 学習・問題解決アプローチ • コンテンツ作成のガイドライン when representing brand voice when guiding on content creation 技術的-具体的 • 特定エラーの解決⼿順 • 機能の実装例とコード • API使⽤の具体例 • 特定機能の詳細仕様 when troubleshooting login errors when implementing authentication 対⼈・プロセス的-具体的 • オンボーディングの具体的⼿順 • 特定ユーザー状態への応答例 • 特定タスクの実⾏ステップ • ⾮技術者向け説明テンプレート when guiding through onboarding when explaining to non-technical stakeholders メモリ設計のポイント: • 各象限のトリガーは、 「when 〜」形式で定義し、コンテキストに応じて適切な知識を活性化 • 抽象的知識は複数の状況に適⽤可能で、具体的知識は特定状況に最適化 • 技術的知識と対⼈・プロセス的知識のバランスが効果的なAIエージェントの鍵 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 17
  12. 自社サービスにメモリをどう組み込むか 入出力とメモリの連携 シーンベースのメモリ活性化 ユーザー行動に合わせた記憶引き出し コンテキスト理解による先回り提案 フィードバックループの設計 ユーザー反応からの学習メカニズム 成功パターンの強化と洗練 長期記憶の活用 文献のチャンク保存と関連コンテキスト呼び出し

    個人的な利用履歴からのパターン学習 メモリ実装のポイント 小さく始めて段階的に複雑化 シンプルなベクター検索から開始 利用パターンに応じた複雑化 データ構造の適切な設計 検索効率とメンテナンス性のバランス スケーラブルな拡張設計 ユーザー体験への統合 メモリ活用のUXデザイン メモリ利用の透明性と制御性 Lightning Talk at AI駆動開発勉強会 臨時回【Devin Meetup Japan #1】 @deskrex.ai 19