Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ScalaのコンパイラにFizzBuzzを解いてもらう(Dottyもあるよ)
Search
Jun Tomioka
July 29, 2019
Technology
1
950
ScalaのコンパイラにFizzBuzzを解いてもらう(Dottyもあるよ)
Jun Tomioka
July 29, 2019
Tweet
Share
More Decks by Jun Tomioka
See All by Jun Tomioka
Dotty で軽量な DI ライブラリをかいてみた
jooohn
1
290
ソフトウェアエンジニアとしてモナドを完全に理解する / make-perfect-sense-of-monad
jooohn
14
7.5k
Write stack safe non-tailrec recursive functions
jooohn
4
880
Introduction to Clean Architecture
jooohn
1
530
人類には早すぎる、謎の計算ロジックに立ち向かう / Strugle with the most complicated logic ever
jooohn
1
1.6k
Work at M3 USA
jooohn
0
1.2k
クラウド電子カルテを支えるテクノロジーの光と闇
jooohn
0
1.2k
怖くないCats
jooohn
0
730
Scalaの型クラスを完全に理解する
jooohn
5
1.8k
Other Decks in Technology
See All in Technology
サイボウズフロントエンドエキスパートチームについて / FrontendExpert Team
cybozuinsideout
PRO
5
38k
10個のフィルタをAXI4-Streamでつなげてみた
marsee101
0
170
第3回Snowflake女子会_LT登壇資料(合成データ)_Taro_CCCMK
tarotaro0129
0
200
Oracle Cloudの生成AIサービスって実際どこまで使えるの? エンジニア目線で試してみた
minorun365
PRO
4
290
OpenAIの蒸留機能(Model Distillation)を使用して運用中のLLMのコストを削減する取り組み
pharma_x_tech
4
570
PHP ユーザのための OpenTelemetry 入門 / phpcon2024-opentelemetry
shin1x1
1
490
サーバーなしでWordPress運用、できますよ。
sogaoh
PRO
0
110
事業貢献を考えるための技術改善の目標設計と改善実績 / Targeted design of technical improvements to consider business contribution and improvement performance
oomatomo
0
100
10分で学ぶKubernetesコンテナセキュリティ/10min-k8s-container-sec
mochizuki875
3
360
KubeCon NA 2024 Recap / Running WebAssembly (Wasm) Workloads Side-by-Side with Container Workloads
z63d
1
250
UI State設計とテスト方針
rmakiyama
2
650
マイクロサービスにおける容易なトランザクション管理に向けて
scalar
0
140
Featured
See All Featured
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
159
15k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
111
49k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
175
9.4k
Writing Fast Ruby
sferik
628
61k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
79
8.7k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
181
21k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
73
9.1k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
520
39k
Facilitating Awesome Meetings
lara
50
6.1k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
5
450
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
341
39k
Transcript
Scalaのコンパイラに FizzBuzzを解いてもらう (Dottyもあるよ) @jooohn1234
Jun Tomioka @jooohn1234 Software Engineer at M3, Inc.
None
None
恐ろしい!
FizzBuzz問題 • 1~nまでの数について以下を出力する ◦ 3で割り切れる場合は”Fizz” ◦ 5で割り切れる場合は”Buzz” ◦ 3でも5でも割り切れる場合は”FizzBuzz” ◦
それ以外はその数
FizzBuzz問題 • 1~nまでの数について以下を出力する ◦ 3で割り切れる場合は”Fizz” ◦ 5で割り切れる場合は”Buzz” ◦ 3でも5でも割り切れる場合は”FizzBuzz” ◦
それ以外はその数 NP困難 不可避
FizzBuzz問題 • 1~nまでの数について以下を出力する ◦ 3で割り切れる場合は”Fizz” ◦ 5で割り切れる場合は”Buzz” ◦ 3でも5でも割り切れる場合は”FizzBuzz” ◦
それ以外はその数 全くわからん! *NP困難であることと問題自体が難しいことは関係がありません。
None
(FizzBuzzを) 自力で解けないなら、 コンパイラに 解いてもらえば いいじゃない。
(FizzBuzzを) 自力で解けないなら、 コンパイラに 解いてもらえば いいじゃない。 なるほど!
FizzBuzzをコンパイラに解いてもらおう 1. コンパイラに数を認識してもらおう 2. コンパイラに数値演算をしてもらおう 3. コンパイラに割り切れる判定をしてもらおう 4. コンパイラに条件分岐してもらおう 5.
コンパイラに繰り返してもらおう 6. コンパイラにFizzBuzzを解いてもらおう
1. コンパイラに数を認識してもらおう
1. コンパイラに数を認識してもらおう 自然数は0または別のある自然数の次、と定義 (peano number)
1. コンパイラに数を認識してもらおう 0と1を区別してくれるようになった!
1. コンパイラに数を認識してもらおう 整数型に変換する方法も用意しておく
1. コンパイラに数を認識してもらおう (optional) 0~5くらいまで定義しておくと便利
2. コンパイラに数値計算をしてもらおう
2. コンパイラに数値計算をしてもらおう まずはimplicitの解決をおさらい
2. コンパイラに数値計算をしてもらおう まずはimplicitの解決をおさらい
2. コンパイラに数値計算をしてもらおう 引き算
2. コンパイラに数値計算をしてもらおう
3. コンパイラに割り切れる判定をしてもらおう
3. コンパイラに割り切れる判定をしてもらおう
3. コンパイラに割り切れる判定をしてもらおう
4. コンパイラに条件分岐してもらおう
implicitの解決の順序をおさらい 4. コンパイラに条件分岐してもらおう
3でも5でも割り切れる場合を優先度高く 4. コンパイラに条件分岐してもらおう
4. コンパイラに条件分岐してもらおう
5. コンパイラに繰り返してもらおう
5. コンパイラに繰り返してもらおう
5. コンパイラに繰り返してもらおう
6. コンパイラにFizzBuzzを解いてもらおう
6. コンパイラにFizzBuzzを解いてもらおう
6. コンパイラにFizzBuzzを解いてもらおう
6. コンパイラにFizzBuzzを解いてもらおう
ifとかforとか知ら んけどFizzBuzzで きた!
Dotty編
1. コンパイラに数を認識してもらおう
1. コンパイラに数を認識してもらおう (Dotty) もうある scala.compiletime.S https://github.com/lampepfl/dotty/blob/master/library/src/scala/compiletime/package.scala
1. コンパイラに数を認識してもらおう (Dotty) 型から値の導出も
2. コンパイラに数値計算をしてもらおう
match type で超簡単 2. コンパイラに数値計算をしてもらおう (Dotty)
match type で超簡単 2. コンパイラに数値計算をしてもらおう (Dotty)
でかい計算はできないので注意 2. コンパイラに数値計算をしてもらおう (Dotty)
3. コンパイラに割り切れる判定をしてもらおう
match type で超簡単 3. コンパイラに割り切れる判定をしてもらおう (Dotty)
match type で超簡単 3. コンパイラに割り切れる判定をしてもらおう (Dotty)
4. コンパイラに条件分岐してもらおう
match type で超簡単 4. コンパイラに条件分岐してもらおう (Dotty)
match type で超簡単 4. コンパイラに条件分岐してもらおう (Dotty)
5. コンパイラに繰り返してもらおう
標準ライブラリで用意されているTupleが便利 5. コンパイラに繰り返してもらおう (Dotty)
6. コンパイラにFizzBuzzを解いてもらおう
inline * erasedValueの組み合わせで、気軽に型を 値にmappingする処理がかける 6. コンパイラにFizzBuzzを解いてもらおう (Dotty)
完成! https://gist.github.com/jooohn/e0bfcfeeeed6a33369f7a12d20e522ad
まとめ
• implicitの機能をうまく使ってコンパイラに FizzBuzzを解いてもらえた ◦ 「コードが書けないプログラマ志願者」と言われずにすみそ う! • Dottyは難しいこと考えなくても型レベルプログラミ ングができるが、簡単すぎて面白くないという欠点 がある(欠点ではない)
まとめ
(FizzBuzzを) 自力で解けないなら、 コンパイラに 解いてもらえば いいじゃない。
おわり