Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
モダンな現場にするために実践したこと
Search
kentana20
August 23, 2014
Technology
75
40k
モダンな現場にするために実践したこと
DevLove現場甲子園2014東日本大会での発表内容です。
kentana20
August 23, 2014
Tweet
Share
More Decks by kentana20
See All by kentana20
一休.comでの開発組織改善の取り組みとこれから /improve-ikyu-devlove-x
kensuketanaka
24
37k
株式会社一休 会社紹介資料 / introduce-ikyu
kensuketanaka
15
89k
一休での開発における改善の取組み /devops-at-ikyu
kensuketanaka
13
10k
一休.com における改善事例のご紹介 /ikyu-storage-improvement
kensuketanaka
6
11k
開発合宿@京都 /hack-camp-kyoto
kensuketanaka
0
3.7k
一休.comにおけるデプロイフローと自動化 /ikyu-deploy-flow
kensuketanaka
9
8.6k
ikyu-frontend
kensuketanaka
21
7.1k
sushi_route_2015
kensuketanaka
0
190
qiita meetup#12
kensuketanaka
4
71k
Other Decks in Technology
See All in Technology
alecthomas/kong はいいぞ / kamakura.go#7
fujiwara3
1
300
成果を出しながら成長する、アウトプット駆動のキャッチアップ術 / Output-driven catch-up techniques to grow while producing results
aiandrox
0
310
Turing × atmaCup #18 - 1st Place Solution
hakubishin3
0
480
ハイテク休憩
sat
PRO
2
150
1等無人航空機操縦士一発試験 合格までの道のり ドローンミートアップ@大阪 2024/12/18
excdinc
0
160
LINEヤフーのフロントエンド組織・体制の紹介【24年12月】
lycorp_recruit_jp
0
530
Amazon Kendra GenAI Index 登場でどう変わる? 評価から学ぶ最適なRAG構成
naoki_0531
0
110
TSKaigi 2024 の登壇から広がったコミュニティ活動について
tsukuha
0
160
非機能品質を作り込むための実践アーキテクチャ
knih
5
1.3k
ゼロから創る横断SREチーム 挑戦と進化の軌跡
rvirus0817
2
270
kargoの魅力について伝える
magisystem0408
0
210
Qiita埋め込み用スライド
naoki_0531
0
4.8k
Featured
See All Featured
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
44
9.3k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
44
6.9k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
341
39k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
38
1.9k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
Designing for Performance
lara
604
68k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
175
9.4k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
73
9.1k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
232
140k
Practical Orchestrator
shlominoach
186
10k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
67
10k
Transcript
モダンな現場に するために 実践したこと 株式会社一休 田中 健介 @kentana20
自己紹介 •田中 健介 •Twitter: @kentana20 •GitHub: kentana20 •Hatena: kentana20 •初めてイベントで喋ります
本日のお話 •一休のご紹介 •自分の業務(過去と現在) •現場改善のきっかけ •プロジェクト発足のためにやったこと •キックオフしてからやったこと •これからやろうとしていること •まとめ
今日のスライド 90枚
とある方から の アドバイス
None
サクサク行きます
一休 is 何?
一休.com
一休.com •主力サービス •高級ホテル・旅館の予約サイト •2000年5月オープン(14歳) •http://www.ikyu.com/
一休.com レストラン
•第二の柱となっているサービス •高級レストランの予約サイト •2006年5月オープン(8歳) •http://restaurant.ikyu.com/ 一休.com レストラン
お隣さま
社内の開発体制 •エンジニアは開発部とインフラ部のいず れかに所属 ! •開発部 • 宿泊事業:20数名 • レストラン事業:10数名 •インフラ部
• 全サービス保守+社内情シス業務:若干名
社内の開発体制 •エンジニアは開発部とインフラ部のいず れかに所属 ! •開発部 • 宿泊事業:20数名 • レストラン事業:10数名 •インフラ部
• 全サービス保守+社内情シス業務:若干名 自分はココ
自分の業務 (過去) https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/36236696@N00/3363957930/?rb=1
https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/36236696@N00/3363957930/?rb=1 •一休.com(宿泊)で長くサービス開発 • 主に新規機能開発と運用・保守 •サイト多言語化、ANAとの連携、ネイティブアプリ のサーバサイドAPI開発など •ここ2~3年はエンジニアとディレクターの中間的な ポジション 自分の業務(過去)
自分の業務 (現在) https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/go_wild/8620380857/?rb=1
https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/go_wild/8620380857/?rb=1 •開発業務改善プロジェクト •「ユーザへの価値提供速度を最大化する」 •開発効率、サービス品質、運用負荷といった 課題毎に解決へ向けたアプローチを実施 ! •コアメンバー5名(専任は自分1人) 自分の業務(現在)
•一休のご紹介 •自分の業務(過去と現在) •現場改善のきっかけ •プロジェクト発足のためにやったこと •キックオフしてからやったこと •これからやろうとしていること •まとめ
突然ですが 質問です
みなさんの現場は モダンですか? _人人人人人人人_ > 突然の質問 <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
スピードを保って 顧客に価値を 届け続けていますか? _人人人人人人人_ > 突然の質問 <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
改善前の一休
ザ・レガシー https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/59393183@N03/8102172989/?rb=1
改善前の一休 •ザ・レガシーな現場 •バージョン管理はSubversion •コードレビューはほぼ実施せず •テストはほとんどない •デプロイは手動作業満載 •情報共有は個々の意識に依存 https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/59393183@N03/8102172989/?rb=1
改善を考えたきっかけ •サービス開発を続けてきて、さまざまな要因 から価値を届けるスピードが著しく低下 •近年のWebサービス開発の潮流(GitHub、コードレ ビュー、テスト、CI etc..)にうまく乗れていない •毎日の開発・運用が手一杯で新しいチャレンジがで きない •etc…
改善を考えたきっかけ •サービス開発を続けてきて、さまざまな要因 から価値を届けるスピードが著しく低下して いると感じていた •近年のWebサービス開発の潮流(GitHub、コードレ ビュー、テスト、CI etc..)にうまく乗れていない •毎日の開発・運用が手一杯で新しいチャレンジがで きない •サービスの方向性をうまくコントロールしないまま、
増員を繰り返してソースコードは品質低下&肥大化 このままではアカン。。 けど、自分もギョームが たんまりあるし、、何か 良い手はないか?
•@naoya_ito さんのエントリ(2013年10月) • 「Webサービス開発現場から」(超良記事!) 葛藤の中で見えた光
コレだっ!! https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/madyorke/7952266082/?rb=1
一休もnaoyaさんに 技術顧問的なカタチで アドバイスしてもらおう! https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/madyorke/7952266082/?rb=1
イベントでnaoyaさん にアタック! • @kentana20 • 「一休でもじげんさんのようなカタチで、、、」 • @naoya_ito • 「いや、、ちょっと直近だと動ける時間少なく
て、、、XX月頃になって、おんなじような興味を 持ってたら、また、、」 • @kentana20 • 「そうですよねぇ、、」
イベントでnaoyaさん にアタック! • @kentana20 • 「一休でもじげんさんのようなカタチで、、、」 • @naoya_ito • 「いや、、ちょっと直近だと動ける時間少なく
て、、、XX月頃になって、おんなじような興味を 持ってたら、また、、」 • @kentana20 • 「そうですよねぇ、、」 やさしく お断りされる
イベントでnaoyaさん にアタック! • @kentana20 • 「一休でもじげんさんのようなカタチで、、、」 • @naoya_ito • 「いや、、ちょっと直近だと動ける時間少なく
て、、、XX月頃になって、おんなじような興味を 持ってたら、また、、」 • @kentana20 • 「そうですよねぇ、、」 でも、諦めない
「X月頃」を信じて準備 •2013年12月 •上司に改善プロジェクト起案を打診 ! •2014年1月初旬 •DevLove「現場」Advent Calendarに参加
Advent Calendar
準備、準備 •2014年1月中旬 •Advent Calendarがきっかけで事業部長とラ ンチ(決まってもいないnaoyaさんの話で盛 り上がって、上司の許可をゲット!)
naoyaさんに再アタック! • @kentana20 • 「一休の田中です。あの時、相談したxxxxxxの件 であれこれあれこれ」 • @naoya_ito • 「……自分にできることがあるか、とりあえず、
一度話をしましょうか」 • @kentana20 • 「ありがとうございます!!」
naoyaさんに再アタック! • @kentana20 • 「一休の田中です。あの時、相談したxxxxxxの件 であれこれあれこれ」 • @naoya_ito(後から聞いた話) • 「……自分にできることがあるか、とりあえず、
一度話をしましょうか(どの田中さんだったっ け?)」 • @kentana20 • 「ありがとうございます!!」
naoyaさんに再アタック! • @kentana20 • 「一休の田中です。あの時、相談したxxxxxxの件 であれこれあれこれ」 • @naoya_ito(後から聞いた話) • 「……自分にできることがあるか、とりあえず、
一度話をしましょうか(どの田中さんだったっ け?)」 • @kentana20 • 「お待ちしております!!」 奇跡!
•2013年10月 naoyaさんのエントリ読む •2013年11月 イベントでnaoyaさんにアタック •2013年12月 上司に改善プロジェクト起案を打診 •2014年1月 「現場」Advent Calendarに参加 •2014年2月
naoyaさん初来社 •2013年3月〜 技術アドバイザー契約 時系列で見ると
はじめに やったこと https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/65830221@N06/6872338687/?rb=1
自分たちの 現在地を知る https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/65830221@N06/6872338687/?rb=1
•目指すべき姿・カタチに対して、自分た ちは何が足りないのか、どんな課題があるの か •コード品質、情報共有、テストといった具 体的な課題項目を横軸としたCMMIを作成 •CMMIを元に各課題についての改善後のアク ションストーリーを作成 自分たちの現在地を知る https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/65830221@N06/6872338687/?rb=1
CMMI
アクションストーリー
アクションストーリー 現在地点と 目標を見える化
次のアクション https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/schepers/10850885766/?rb=1
•新しいツールの検証 •全体展開する前に自分たちにフィットするかをコア メンバーで検証 ! •メンバーに情報をインプット •壮大な目標と大量の変化で混乱させないように少し ずつ(少しずつが、後に仇となる…) 次のアクション https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/schepers/10850885766/?rb=1
そして、ついに
プロジェクト キックオフ! (2014/04/01) https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/93893419@N05/8718429763/?rb=1
•エンジニア全員を集めて実施 ! •自分が話したこと •プロジェクトの目的 • CMMIによって整理した現状 • これから目指す方向 •naoyaさんに話していただいたこと •イマドキのWebサービス開発現場の話
キックオフ https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/93893419@N05/8718429763/?rb=1
キックオフしてから やったこと
体制をつくる
プロジェクト体制
プロジェクト体制 •課題項目毎に推進チームを編成 •キックオフ時に実施したアンケートを元に編成 •チームごとに目標と具体的なアクションを設定
プロジェクトの進め方 •naoyaさんと隔週でミーティングを実施 • 進捗の確認とテクニカルなレビュー etc.. ! •3ヶ月ごとにふりかえりを実施 •全員の前で目標に対する現在地と成果を共有 •これからトライすることに沿ったお話をnaoyaさん がプレゼン(貴重)
4月からの4ヶ月間 で実施したこと
主に実施したこと •情報共有ツール・ルールの整備 •バージョン管理システムの移行 •タスク管理と見える化
情報共有
Hipchat
Hipchat •Atlassian社製のチャットサービス •主にエンジニア同士でやりとり •最近デザイナーもジョイン •外部ツール連携も結構ラク • Hubot, Jenkins, Redmine ..
Qiita Team
Qiita Team •qiita.comの社内向けサービス •カジュアルに情報を共有できる •Markdownで記述可能(重要) •Hipchatとも連携可能 •日報を書くことからスタート •慣れてきたら徐々に仕様や技術Tipsなど を展開
Qiita Team
情報がまわるように •情報の流れをあえて冗長化 •Qiitaに投稿(自動的にHipchatに通知) •さらにたたみ掛けるように、より知ってお いてほしい相手に自分でHipchatでメンショ ンを飛ばす •さらにさらに朝会で口頭で共有
情報がまわるように •情報の流れをあえて冗長化 •Qiitaに投稿(自動的にHipchatに通知) •さらにたたみ掛けるように、より知ってお いてほしい相手に自分でHipchatでメンショ ンを飛ばす •さらにさらに朝会で口頭で共有 「知らない」 「聞いてない」 を作らない仕組み
バージョン 管理
ツールの選定 •GitHub(Private) or GHE •運用面ではGitHub(Private) •コスト面でも圧倒的にGitHub(Private) •ソースコードをホスティングするという部 分を許容できず、GHEを選択
導入が決まってから やったこと
社内勉強会 •naoyaさんとGitHub(コアメンバー) •有志で社内勉強会 •全体でGit/GitHubハンズオン
naoyaさんとGitHub
naoyaさんとGitHub •いまどきのGitHubお作法を学習 •WIPプルリク •CI連携 •継続的デリバリー
社内勉強会 •有志で業務開始前1時間を使って実施 •GitHubを複数人で触って習熟度アップ •導入を促進する仲間を増やす ! •Git/GitHubハンズオン •勉強会参加メンバーを講師としてエンジニ ア全員向けに実施
先週、全員移行完了 しました!
タスク管理 と 見える化
タスク管理と見える化 •カンバン •チーム内部のタスクと状況を見える化 ! •朝会 •チーム朝会+全体朝会で状況と情報を共有 ! •ふりかえり •チーム毎にふりかえりをKPTで実施
カンバン
カンバン •チーム毎に運用はお任せ •チームそれぞれでカンバンのカタチを決め て運用中 •ToDo/Doing/Doneのシンプルなものから、細 やかな管理が出来そうな高機能なものまで さまざま
朝会
朝会 •全体朝会+チーム朝会 •「リーン開発の現場」のデイリーカクテル パーティ方式 •全体朝会の内容は「朝刊」としてQiita Teamへ投稿 •週1回(月曜日)の全体朝会は組織的な話や プロジェクトのサマリなどを共有する重要 な場としてメリハリを出す
プロジェクトを進める中で 発生した課題 (抜粋) https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/r000pert/136999467/?rb=1
•少しずつ共有を進めていったため、メンバー によって認識にズレがあったり、共有が漏れ ていたりして、うまく進まない部分があった ! •コミュニケーションの機会を意図的に作った り、大事な話は経緯を含めてなるべく事前に 共有するように方針を変更 メンバーへのインプット https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/r000pert/136999467/?rb=1
通常タスクとの住み分け •担当しているプロジェクトが佳境を迎 えると改善タスクが進まない問題 •全体で改善タスクを推奨する時間帯を設定 •近日中にGoogleの20%ルール的な制度も導入 予定 https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/r000pert/136999467/?rb=1
これからやること •リリース回数を増やす •デプロイ運用の自働化 •テストコード、E2Eテストの標準化 ! •サービス品質向上 •コードレビュー •技術的負債返済
まとめ(所感) •動かなければ何も変わらない • 思っているだけじゃダメ •異世界に思える開発現場もそんなに遠くない • やってみると、意外とできることは多い •スピード感を持って進めることが大事 •うまくメンバーを巻き込めても、効果を感じないと 勢いを失う
Special Thanks https://accounts-flickr.yahoo.com/photos/shadman14/7165289344/?rb=1
Special Thanks •@chachaki さん(ギルドワークス) • 1月に「現場 Advent Calendar」に投稿した際に、 当日いきなり「書きたいです!」と突撃したにも 関わらず、速攻でレスをいただき、参加させてい
ただきました。あのエントリがきっかけとなって 今回のプロジェクトが実現しました。本当にあり がとうございました。 • DevLoveサイコーです!
Special Thanks •@yaotti さん(インクリメンツ) • 11月のイベントで「naoyaさんに相談したら良いん じゃないですか?」と助言してくださり、そこか ら今回の改善プロジェクトが始まったと思ってい ます。ありがとうございました! •
Qiita Teamサイコーです!!
Special Thanks •@naoya_ito さん • 課題だらけの現場を改善するこのプロジェクトに アドバイザーとして加わっていただき、本当に感 謝しています。まだはじまって4ヶ月と少しです が、少しずつ効果が見え始めています。今後も改 善を進めていきますので、これからもよろしくお
願いします!
Special Thanks •一休の開発メンバー全員! •突然のキックオフから始まったプロジェクトをサポー トしてくれて、本当に感謝しています。相変わらず 衝突することやバタバタすることもありますが、順 調に進んでいますのでこれからも改善を続けていき ましょう!!
おわりに •一休ではエンジニアを積極採用中で す!! •現場改善に積極的に加わりたい方 •「新しい価値を提供し続ける」ことに興味が ある方 ! •ご興味のある方は @kentana20 までご連絡く
ださい!
一休ウォーター おみやげにどうぞ!
終わり ご静聴ありがとう ございました