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サンドボックス技術でAI利活用を促進する

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September 04, 2025

 サンドボックス技術でAI利活用を促進する

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September 04, 2025
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  1. 自己紹介 Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. - 所属:

    株式会社スリーシェイク - 仕事: マネージャー・エンジニア - 所在: 岩手県。熊が出る川沿いの家でお仕事をしています 永瀬 滉平 (@koh_naga)
  2. 話すこと 1. サンドボックス環境を AI利活用の一助にする 2. サンドボックス環境を用いた AIデータ分析ツールについて 3. Kubernetesでの応用 4.

    まとめ 今後のAIの利活用促進にサンドボックス環境が有用であると考えていることについ て話し、技術検証で最近始めた取り組みについても少しお話しします。 一言で言うと「予期せぬコンテナエスケープを防ぐ」
  3. 1. コードに対する人間のチェックの効率化・自動化 AIを用いた開発では実装速度が飛躍的に向上したものの、それらに責任を持つ人間のチェックが追いつかない 現場が増えた。 • パフォーマンスやセキュリティのような非機能面のようなハイコンテキストな要素を AIで対応するのは現状 難しい -> ビジネス的要件に起因し、トレードオフのオンパレード

    • コードのメンテナンス性まで気にしながら実装を任せるのは難しい -> 何かあった際に人間にとっての可読性が無視されたスパゲッティコードでは困る すでに人間の指示のもとこういった課題に対しても AIが手助けを行っているが、今後は MCP・A2Aのような AIエー ジェントの拡張も相まってより自律的に動くようになると考える。 -> 動的なテストまで実施・チェックした上でアウトプットして欲しいというニーズが発生する。 -> AIが生成した「信頼できないコード」を動的に動かす場所が必要になる
  4. 3. 業務自動化・民主化ツール内の実行環境 インプット データ コード生成 アウトプット データ コード実行・ 再試行 コード実行・

    再試行 A2Aで別エージェントも 利用 ・自然言語での作業指示 ・データセット AIが安全なコードを生成するとは限らない • インプットデータの漏洩 • 実行環境の破壊 • 効率の悪いコード こういったコードを安全に実行するための 環境が必要
  5. Kubernetesを利用したサンドボックス的な実行環境の提供 現状QEMUを用いて Kata Containersの検証中 (デモしたかったですが環境壊して復元が間に合いませんでした・・・ すみません ) • KubernetesのためRuntimeClassを用いてランタイムを切り替えること ができる

    -> Kata Containersが必要ないときは従来通り runcでPodを立ち上げ ることができる • ハイパーバイザーを触れる必要があるので、 ベアメタル or Nested Virtualizationを使用できる VMが必須 ◦ ベアメタルサーバは高価なため、 Nested Virtualizationを使用で きるGoogle Cloudが有用 apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: name: nginx-deployment-qemu spec: selector: matchLabels: app: nginx replicas: 1 template: metadata: labels: app: nginx spec: runtimeClassName: kata-qemu containers: - name: nginx image: nginx:1.14 ports: - containerPort: 80
  6. Appendix: gVisorについて gVisorもKata Containers同様にセキュアな低レベルコンテナランタイム • Kata Containersではホストカーネルと完全に分離したカーネルを提供するが、 gVisorはシステムコールをイ ンターセプトしてゲストカーネルとして振る舞うコンセプト •

    対応していないシステムコールも存在するため全ての処理が動作するとは限らない • ただ、Google CloudのCloud Run(第1世代の実行環境 )でも使用されていることから多くのユースケー スでは問題にならない gVisor : https://gvisor.dev/docs/