Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

チーム開発の “地ならし"

Avatar for konifar konifar
November 15, 2025

チーム開発の “地ならし"

DroidKaigi.collect { #26@Kanazawa } 共催 GDGoC KIT
https://droidkaigi.connpass.com/event/371437/

Avatar for konifar

konifar

November 15, 2025
Tweet

More Decks by konifar

Other Decks in Programming

Transcript

  1. 小西 裕介 (こにふぁー / @konifar)
 - 株式会社 Kyash で8年くらいプロダクトを作っています -

    2017年から1年半くらいはずっと Android Kotlin を書いていました - 最初の DroidKaigi 参加は 2015年。懐かしいですね!
  2. “地ならし” とは
 - 語源 = 地均し - 土地を平らに整え、建物を建てられる状態にする作業 - 例:

    草を刈る / 石・障害物を取り除く / 地面の高低を整える - チーム開発においては、開発がスムーズに進む状態を最初に整えること
  3. なぜ “地ならし” ?
 - チームのアウトプットの最大化のため - 最終的にユーザーに届ける価値を最大化するために、いかに 無駄なく早くよいもの を作っ ていけるかを皆考えている

    - アウトカムの最大化は大事な一方で、エンジニアがコントロールして成果を出しやすいのは アウトプットの最大化 - まずはここを徹底的にやりきるのが大事 ──── プロとして──── - AIコーディングエージェントの普及により、 整備の重要性が増している - “土台が揃っているかどうか ” でアウトプットの質も安心感も大きく変わる
  4. このあたりは必須でやっておく
 - Lint / Formatter の導入 - まずはルールは適当でもよいので自動で動く状態にすること - Git

    Hooks や Claude Code Hooks の整備 - CI/CD (Lint => Test => Deploy) の構築 - 検証環境 の作成も含む - 自動コードレビューの導入 - 2025年11月時点だと、Geminiなどは無料で導入できる https://speakerdeck.com/kgmyshin/xin-gui-kai-fa-woshi-merutokiniyarubekikoto 

  5. このあたりは必須でやっておく
 - システム - Issue / PRテンプレートの作成 - README の整備

    - 特に導入と設計まわりを書いておくこと - AGENTS.md / CLAUDE.md の作成 - チーム - タスク管理ツールの選定とテンプレート作成 - MCP で見れるものがオススメ - ワーキングアグリーメントの作成 - 定例会議の整備とアジェンダ作成
  6. 3. 育てるフローを設計する
 - すべてを最初に “地ならし” しようとしないこと - 大事なのは土台を作って育てていける状態にすること - 特にAIは秒進分歩。定期的に改善していく前提に立つ

    - そういう意味だと “地ならし” というより “土作り” に近いかもしれない - GitHub などコードで管理してチームメンバーがコントリビューションし、レ ビューできる状態にしてから育てていく - そのとっかかりとなるフローの設計が大事
  7. このあたりは必須でやっておく
 - 振り返りの場を作る - 1週間に1回くらいは入れたほうがいいと思う - 一歩ずつでよいので、昨日より今日、今日より明日がよくなる実感 を作っていく - 意思決定者を決める

    - 皆で話し合うのは大事だが、合議では物事が進みにくい - 最後に決めるリーダーを明確にするほうがよい - ナレッジ共有の場を作る - これは今は振り返りとは別で設定したほうがよいと思う - モブプロやペアプロのような形式でもよいが、スラッシュコマンドやサブエージェントなど何か チームの共 有資産としたほうがよいものがあれば取り込んでいける場 を作る - ただし過度な共通化はむしろ悪影響になるので、共通化したものの振り返りも忘れずに
  8. “地ならし” というより “土作り”。耕していこう
 - 「途中からやろう」ではなく最初から整備しておくほうが絶対によい - その上で、最初から完璧にしなくてもいい - 仕組みとプロセスで、チームで改善できる土台を作ておくのが大事 -

    色々書いてきたが、自分もスマートにできているわけではない - 振り返って失敗したなと思って、次はこうするぞをアップデートし続けてきている - 今回の内容も2025年11月時点でのスナップショットに過ぎない