Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
チーム開発の “地ならし"
Search
konifar
November 15, 2025
Programming
0
160
チーム開発の “地ならし"
DroidKaigi.collect { #26@Kanazawa } 共催 GDGoC KIT
https://droidkaigi.connpass.com/event/371437/
konifar
November 15, 2025
Tweet
Share
More Decks by konifar
See All by konifar
AIで 浮いた時間で 何をする? #プロヒス2025
konifar
28
15k
物語を動かす行動"量" #エンジニアニメ
konifar
16
6.4k
提案のレベルを上げる #QiitaConference
konifar
90
36k
目安箱の設置とワークさせるポイント
konifar
5
2.2k
サバイバルモード下でのエンジニアリングマネジメント
konifar
31
14k
Android開発以外のAndroid開発経験の活かしどころ
konifar
3
3.2k
初めてのiOS関連GitHub ActionsをMarketplaceに公開するまでの実録
konifar
3
420
オーナーシップを持つ領域を明確にする
konifar
17
6.8k
雑に思考を整理する技術と効能
konifar
79
45k
Other Decks in Programming
See All in Programming
なんでRustの環境構築してないのにRust製のツールが動くの? / Why Do Rust-Based Tools Run Without a Rust Environment?
ssssota
15
48k
r2-image-worker
yusukebe
1
160
ボトムアップの生成AI活用を推進する社内AIエージェント開発
aku11i
0
1.6k
Register is more than clipboard
satorunooshie
1
450
CSC509 Lecture 11
javiergs
PRO
0
300
Kotlinで実装するCPU/GPU 「協調的」パフォーマンス管理
matuyuhi
0
350
乱雑なコードの整理から学ぶ設計の初歩
masuda220
PRO
1
200
FlutterKaigi 2025 システム裏側
yumnumm
0
650
CSC509 Lecture 09
javiergs
PRO
0
290
Kotlin + Power-Assert 言語組み込みならではのAssertion Library採用と運用ベストプラクティス by Kazuki Matsuda/Gen-AX
kazukima
0
110
Blazing Fast UI Development with Compose Hot Reload (droidcon London 2025)
zsmb
0
490
Kotlin 2.2が切り拓く: コンテキストパラメータで書く関数型DSLと新しい依存管理のかたち
knih
0
400
Featured
See All Featured
Navigating Team Friction
lara
190
15k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.3k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
57
6k
BBQ
matthewcrist
89
9.9k
Facilitating Awesome Meetings
lara
57
6.6k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1032
470k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
46
7.8k
How GitHub (no longer) Works
holman
315
140k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
527
40k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
225
10k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
186
22k
Being A Developer After 40
akosma
91
590k
Transcript
チーム開発の “地ならし” DroidKaigi.collect { #26@Kanazawa } 2025/11/15 (土) @konifar
小西 裕介 (こにふぁー / @konifar) - 株式会社 Kyash で8年くらいプロダクトを作っています -
2017年から1年半くらいはずっと Android Kotlin を書いていました - 最初の DroidKaigi 参加は 2015年。懐かしいですね!
None
“地ならし” とは - 語源 = 地均し - 土地を平らに整え、建物を建てられる状態にする作業 - 例:
草を刈る / 石・障害物を取り除く / 地面の高低を整える - チーム開発においては、開発がスムーズに進む状態を最初に整えること
なぜ “地ならし” ? - チームのアウトプットの最大化のため - 最終的にユーザーに届ける価値を最大化するために、いかに 無駄なく早くよいもの を作っ ていけるかを皆考えている
- アウトカムの最大化は大事な一方で、エンジニアがコントロールして成果を出しやすいのは アウトプットの最大化 - まずはここを徹底的にやりきるのが大事 ──── プロとして──── - AIコーディングエージェントの普及により、 整備の重要性が増している - “土台が揃っているかどうか ” でアウトプットの質も安心感も大きく変わる
“地ならし” の3つの考え方 1. フィードバックループを短くする 2. 考えることを減らす 3. 育てるフローを設計する
1. フィードバックループを短くする
1. フィードバックループを短くする - トライアンドエラーのスパンを短くして個々人の開発速度を上げる - ビルドせずに実装ミスに気づく - デプロイせずにローカルで確認する - ニンゲンのレビューを待たずに
AIが自動レビューする - 途中からではなく最初から整備しておくのが大事 - 早く土台を作って育てていく
このあたりは必須でやっておく - Lint / Formatter の導入 - まずはルールは適当でもよいので自動で動く状態にすること - Git
Hooks や Claude Code Hooks の整備 - CI/CD (Lint => Test => Deploy) の構築 - 検証環境 の作成も含む - 自動コードレビューの導入 - 2025年11月時点だと、Geminiなどは無料で導入できる https://speakerdeck.com/kgmyshin/xin-gui-kai-fa-woshi-merutokiniyarubekikoto
2. 考えることを減らす
2. 考えることを減らす - メンバーや AI がいちいち考えないといけないことを減らす - 「どこを見たらいいのかな」 - 「どこにどう実装すればいいかな」
- 「どこで誰に相談すればいいかな」 - システムとチームの考えることを分けて一般化する
このあたりは必須でやっておく - システム - Issue / PRテンプレートの作成 - README の整備
- 特に導入と設計まわりを書いておくこと - AGENTS.md / CLAUDE.md の作成 - チーム - タスク管理ツールの選定とテンプレート作成 - MCP で見れるものがオススメ - ワーキングアグリーメントの作成 - 定例会議の整備とアジェンダ作成
3. 育てるフローを設計する
3. 育てるフローを設計する - すべてを最初に “地ならし” しようとしないこと - 大事なのは土台を作って育てていける状態にすること - 特にAIは秒進分歩。定期的に改善していく前提に立つ
- そういう意味だと “地ならし” というより “土作り” に近いかもしれない - GitHub などコードで管理してチームメンバーがコントリビューションし、レ ビューできる状態にしてから育てていく - そのとっかかりとなるフローの設計が大事
このあたりは必須でやっておく - 振り返りの場を作る - 1週間に1回くらいは入れたほうがいいと思う - 一歩ずつでよいので、昨日より今日、今日より明日がよくなる実感 を作っていく - 意思決定者を決める
- 皆で話し合うのは大事だが、合議では物事が進みにくい - 最後に決めるリーダーを明確にするほうがよい - ナレッジ共有の場を作る - これは今は振り返りとは別で設定したほうがよいと思う - モブプロやペアプロのような形式でもよいが、スラッシュコマンドやサブエージェントなど何か チームの共 有資産としたほうがよいものがあれば取り込んでいける場 を作る - ただし過度な共通化はむしろ悪影響になるので、共通化したものの振り返りも忘れずに
さいごに
“地ならし” というより “土作り”。耕していこう - 「途中からやろう」ではなく最初から整備しておくほうが絶対によい - その上で、最初から完璧にしなくてもいい - 仕組みとプロセスで、チームで改善できる土台を作ておくのが大事 -
色々書いてきたが、自分もスマートにできているわけではない - 振り返って失敗したなと思って、次はこうするぞをアップデートし続けてきている - 今回の内容も2025年11月時点でのスナップショットに過ぎない
ありがとうございました