Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
End-to-Endで考える信頼性 —LINEアプリにおけるクライアント開発×SRE連携の実践
Search
Sponsored
·
Ship Features Fearlessly
Turn features on and off without deploys. Used by thousands of Ruby developers.
→
maru
July 11, 2026
Technology
5.8k
4
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
End-to-Endで考える信頼性 — LINEアプリにおける クライアント開発×SRE連携の実践
at
https://sre-next.dev/2026/schedule/#slot105
maru
July 11, 2026
More Decks by maru
See All by maru
AIネイティブな開発についてのモヤモヤを吐き出す
maruloop
0
200
SLI/SLO、「完全に理解した」から「チョットデキル」へ
maruloop
5
810
チームを巻き込みエラーと向き合う技術
maruloop
5
3.6k
yuru sre 14
maruloop
1
820
Platform and teaming and communication and...
maruloop
3
1.4k
オブザーバビリティが育むシステム理解と好奇心
maruloop
5
4k
ワークロードを処理しないプラットフォームに専念する
maruloop
0
920
When Walking like SREs
maruloop
6
1.8k
チームと成長するSRE
maruloop
2
2.2k
Other Decks in Technology
See All in Technology
plamo-3-translateの開発
pfn
PRO
0
270
Breaking the Seal: Static Deobfuscation of Compiled V8 JavaScript Bytecode Malware
hshrzd
0
440
クラウドセキュリティ入門 ~安全なクラウド利用のための基礎知識~
lhazy
8
7.6k
新しい SLO が良い感じにハマっている話
z63d
4
2.1k
[MIRU26] To What Extent Does MLLM-as-a-Judge Exhibit Cross-Model Preference Bias?
keio_smilab
PRO
0
200
toio・myCobotでフィジカルAIっぽいことを行うための検討(とりあえず調査) / フィジカルAI LT(IoTLTによる開催)
you
PRO
0
280
もう一度考える SRE チームの作り方・育て方 / Rethinking SRE #1: Building and Growing SRE Teams
rrreeeyyy
5
970
AIQAのナレッジ構築について
qatonchan
1
160
Atlassian Cloudサポート業務でのAIエージェント活用事例
smt7174
0
410
最高のシステムプロンプトを作るためにフィードバック機能を導入した話
alchemy1115
1
330
PLaMo 3.0 Primeの事後学習
pfn
PRO
0
270
トヨタ⽣産⽅式(TPS)⼊⾨
recruitengineers
PRO
1
320
Featured
See All Featured
The Mindset for Success: Future Career Progression
greggifford
PRO
0
440
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
232
55k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
38
2.9k
Agile Leadership in an Agile Organization
kimpetersen
PRO
0
200
Amusing Abliteration
ianozsvald
1
240
The Spectacular Lies of Maps
axbom
PRO
1
890
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
46
8.2k
Groundhog Day: Seeking Process in Gaming for Health
codingconduct
0
270
AI: The stuff that nobody shows you
jnunemaker
PRO
9
870
Dominate Local Search Results - an insider guide to GBP, reviews, and Local SEO
greggifford
PRO
0
250
Unlocking the hidden potential of vector embeddings in international SEO
frankvandijk
0
890
Deep Space Network (abreviated)
tonyrice
0
250
Transcript
© LY Corporation maru / Mori Atsushi End-to-Endで考える信頼性 ̶ LINEアプリにおける
クライアント開発×SRE連携の実践 SRE NEXT 2026
© LY Corporation maru SREを担当。 LINEスタンプ、着せかえ、LYPプレミアム、etc 本セッションでは、クライアント開発のMoriさんを中⼼に SRE的な⽂脈の補⾜や相槌を担当します。 2 ©
LY Corporation
© LY Corporation Mori Atsushi LINEのAndroidアプリを担当。 著書:良いコードの道しるべ 変化に強い ソフトウェアを作る原則と実践 © LY
Corporation
© LY Corporation Public オフラインファースト アプリにおける信頼性 本⽇のテーマ 4
© LY Corporation Public インターネットにアクセスしなくても、コア機能の⼀部または全部を実⾏できるアプリ オフラインファースト 例えば: - 以前⾒ていたコンテンツが⾒れる -
チャットが閲覧できる - チャットの送信予約ができる
© LY Corporation Public オフラインファーストと対障害性 サーバ側で障害が発⽣しても ある程度使える ユーザのネットワーク接続が 不安定でもある程度使える
© LY Corporation ⽬次 LINEのUIレンダリングのしくみ 問題が発⽣するリスクがある場所と解決⽅法 障害対策の品質管理 チームで解決するために クライアント視点のオブザーバビリティ
© LY Corporation Public LINEのUIレンダリングのしくみ BFF (Backend for Frontend) Client
(Android / iOS) サービスA サービスB サービスC
© LY Corporation Public プラットフォームチーム BFF (Backend for Frontend) Client
(Android / iOS) サービスA サービスB サービスC プラットフォームチーム
© LY Corporation Public 問題が発⽣するリスクがある場所 BFF (Backend for Frontend) Client
(Android / iOS) サービスA サービスB サービスC 通信エラー システム障害 システム障害 システム間 通信エラー クライアント 内部エラー
© LY Corporation Public ⼀番避けるべき状態 真っ⽩な画⾯が表⽰される なにが起きているかわからない 友達リストにもアクセスできない
© LY Corporation Public ⽅針:コンテンツをキャッシュする ⼀度読み込んだコンテンツはクライアントにキャッシュしておき、最新情報が取れない場合はそれを再利⽤する。 ローカルDB サーバ リポジトリ UI
ページアクセス コンテンツが 期限切れ キャッシュを利⽤ コンテンツ取得 YES NO
© LY Corporation Public キャッシュが期限切れでも表⽰する キャッシュを表⽰ フォールバック 表⽰ (後述) コンテンツが
期限切れ ページアクセス 期限切れから ⼀定期間以内 キャッシュを表⽰ YES YES NO NO
© LY Corporation Public 表⽰可能なキャッシュがないときは? アプリインストール直後にコンテンツ取得に失敗 コンテンツを取得してから⻑時間経っている
© LY Corporation Public 解決策: クライアント側にフォールバックをもたせる ローカルDB サーバ リポジトリ UI
フォールバック コンテンツ
© LY Corporation Public いつリトライする? コンテンツ取得に失敗した後、すぐにリトライすると サーバに負荷がかかり続ける
© LY Corporation Public 解決策: 待機時間の調整 すぐにリトライ可能なもの → Exponential Backoff
- 再試⾏のたびに待機時間を指数的に⻑くする 初回リクエスト 1秒 3秒 7秒 1秒待機 2秒待機 4秒待機 8秒待機 直後のリトライが不可の場合 → 1時間待機 初回リクエスト 1時間 1時間待機 1時間待機
© LY Corporation Public 部分障害: 他のサービスの障害によって、 さらに別のサービスが表⽰できなくなる BFF (Backend for
Frontend) Client (Android / iOS) サービスA サービスB サービスC システム障害 稼働中 稼働中 なんらか コンテンツを返したい
© LY Corporation Public 表⽰できるコンテンツは返す BFF (Backend for Frontend) Client
(Android / iOS) サービスA サービスB サービスC システム障害 稼働中 稼働中 コンテンツ1 コンテンツ2(エラー) コンテンツ3 … エラーのコンテンツのみ あとでリトライする
© LY Corporation Public サーバが全部のリクエストを 捌けないとき リクエストが多すぎて、BFFサーバーに負荷がかかりすぎている場合
© LY Corporation Public BFF (Backend for Frontend) Client (キャッシュあり)
サービスA サービスB サービスC Prioritized Load Shedding Client (キャッシュなし) キャッシュ有無 キャッシュ有無 コンテンツ エラー ⾼負荷時
© LY Corporation Public 対策まとめ オフラインでもコンテンツを⾒せたい 表⽰可能なキャッシュがない場合の処理 リトライをいつすべきか ⼀部サービスで障害がおきた場合は BFFの負荷が上がりすぎた場合は
コンテンツをキャッシュする 期限切れでもキャッシュを表⽰する クライアント側にフォールバックを定義する Exponential Backoff / 1時間待機 表⽰できるコンテンツのみ表⽰し、後でリトライ
© LY Corporation Public 障害対策の品質管理 エラーケースを含めた仕様書の作成 エラーケースを含めたテストケースの制定 エラーを再現するためのクライアントデバッグメニュー/障害注⼊ システムの状況を把握するための仕組み、オブザーバビリティ
© LY Corporation Public クライアント視点のオブザーバビリティ ユーザ体験に⼀番近いところで計測する クライアントログをもとに、品質観点で分析 リアルタイム監視ではなく、傾向把握を⽬的として運⽤ 毎朝のチーム会議で状況を確認 同期完了時間など、ユーザー体験に直結する指標を可視化
▷ サーバー・端末状態など、外部要因も含めて分析 APIリクエスト数 / PV 経過時間 ⽇付 ユーザがページを開いてから サーバとの同期完了までの時間 リクエスト回数 ⽇付
© LY Corporation Public 実際の事例:サーバとの同期完了が遅い 経過時間 ⽇付 ユーザがページを開いてから サーバとの同期完了までの時間 API呼び出し時
キャッシュ利⽤時 UIスレッドによる ブロックを解消 分析結果から実際に改善
© LY Corporation Public チームで解決するために チームで議論 各チームで個別に解決 サーバ クライ アント
SRE サーバ クライ アント SRE
© LY Corporation Public 開発初期から複数の視点で議論を進める 要望 企画 設計 実装 QA
リリース QA プランナー サーバ / クライアント / SRE
© LY Corporation Public 開発者の誰もが改善の提案ができる環境 改善 提案 実装 サーバ担当 クライアント担当
SRE担当
© LY Corporation Public ⽂化形成 関係者(プランナー、開発者、QA)全員が集まる週1定例 対⾯で話すワークショップの開催 個別議題の会議を設定して集中的に議論する
© LY Corporation Public ⽂化形成には時間がかかる 私たちのプラットフォームチームでも、共通認識と信頼関係を 育てるまでに約1年かかった じっくり根気よく、対話の機会を作り続けることが重要
© LY Corporation Public まとめ 障害時でも、ユーザーにできるだけコンテンツを届ける ユーザ体験に⼀番近いところで計測し、チームで傾向を把握する 信頼性は、特定のチームだけでなく、プロダクトに関わる全員で育てていくもの