Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
企業で"も"活躍できる人材像: 企業が院卒者のためにできること、教育機関としての大学に望むこと
Search
Masatsugu Hangyo
September 01, 2023
Research
1
550
企業で"も"活躍できる人材像: 企業が院卒者のためにできること、教育機関としての大学に望むこと
言語処理学会第27回年次大会ワークショップ "若手研究者交流のニューノーマルを考える"で発表した際のスライドです。
Masatsugu Hangyo
September 01, 2023
Tweet
Share
Other Decks in Research
See All in Research
Intrinsic Self-Supervision for Data Quality Audits
fabiangroeger
0
500
Vision Language Modelと完全自動運転AIの最新動向
tsubasashi
2
430
20250226 NLP colloquium: "SoftMatcha: 10億単語規模コーパス検索のための柔らかくも高速なパターンマッチャー"
de9uch1
0
380
Adaptive fusion of multi-modal remote sensing data for optimal sub-field crop yield prediction
satai
3
130
Weekly AI Agents News! 12月号 プロダクト/ニュースのアーカイブ
masatoto
0
380
DPUを用いたマルチタスクDNN表情認識システムのFPGA実装
takuto_andtt
0
160
rtrec@dbem6
myui
6
750
20250502_ABEJA_論文読み会_スライド
flatton
0
130
Batch Processing Algorithm for Elliptic Curve Operations and Its AVX-512 Implementation
herumi
0
150
クラウドのテレメトリーシステム研究動向2025年
yuukit
3
860
RapidPen: AIエージェントによるペネトレーションテスト 初期侵入全自動化の研究
laysakura
0
420
知識強化言語モデルLUKE @ LUKEミートアップ
ikuyamada
0
410
Featured
See All Featured
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
75
5.8k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.2k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
137
33k
Designing for Performance
lara
608
69k
Designing for humans not robots
tammielis
253
25k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1031
460k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
129
19k
KATA
mclloyd
29
14k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
177
9.7k
Writing Fast Ruby
sferik
628
61k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
14
1.4k
Transcript
Copyright©Weathernews Inc. 企業で"も"活躍できる人材像: 企業が院卒者のためにできること、 教育機関としての大学に望むこと ウェザーニューズ(WNI) 萩行 正嗣 Twitter: @mhangyo
2021/3/19 若手研究者交流のニューノーマルを考える
2 自己紹介 萩行 正嗣 (はんぎょう まさつぐ) 2014年3月: 博士を京大黒橋・河原研で取得(D4) 当時のテーマ: ゼロ照応解析
京都大学ウェブ文書リードコーパス(KWDLC)の構築 2014年4月:ウェザーニューズ(WNI)入社 2014年6月: 航海気象予測チーム配属 2014年11月: AIプロジェクトの立ち上げにともない異動 2018年11月- : SIP「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」 防災チャットボットの開発に従事
3 10年前を振り返って ▪ 2011年3月11日 ➢ NLP2011-WS「自然言語処理における企業と大学と学生の関係」 ➢ 優秀な博士の学生 × 研究力が欲しい企業のマッチングに見えた
➢ 博士課程で苦戦していた自分はどうすればいいか分からなかった
4 博士が100人いる村 (中略)
5
6 今日のテーマ 不幸にならない選択肢を増やしたい
7 何故、企業で働くことを決断したか?
8 何故、博士課程に進学したか? ▪ 親が大学教授だったので研究職に憧れがあった ▪ 修士で就職した場合、 NLPの仕事を続けることは出来ない可能性が高いと思った ▪ M1の5月にNL研の学生奨励賞とって、 自分は研究に向いてるんじゃないかと思った
ぶっちゃけ、そんなに深く考えてなかった
9 博士課程を振り返って ▪ D1: 修士の時のテーマ(語彙知識獲得)を続けるも芽が出ず ▪ D2: ゼロ照応解析にテーマ変更 ▪ D3:
➢ 3-5月: 少しだけ就活(2社)してやめる ➢ 11月:PACLIC 26 初めての国際会議 ▪ D4: ➢ 1-5月: 就活。複数の会社に落ちた後、現職に内定。 ➢ 10月: EMNLP2013 ➢ 1月: 「自然言語処理」コーパス特集号採択通知 ➢ 4月: 「自然言語処理」採択通知 就活の時の話は、Dの会の招待講 演でやらせてもらいました。 スライド欲しい方はDMください
10 博士課程の間に分かったこと ▪ 研究は好きだけど、「論文を書くための研究」は苦手 ▪ 英語が苦手なことは誤魔化しが効かない ➢ それなのに英語学習から逃げ続けていた ▪ 有期職を渡り歩く生活は厳しそう
自分が研究職に向いてないと理解できた
11 NLP業界を去る気満々のツイート群
12 研究職を選ばない & 専門性を活かさない 博士課程の生き方をどう考えるか
13 専門性を活かさない? ▪ NLPの知見は活かさないの? ➢ ブームがいつまで続くのか分からない ➢ 言語学系の人もいる ➢ 個人の想いとしては、博士課程全体のテーマとしたい
➢ 現状では強みになるのは事実 ▪ エンジニアは? ➢ 就活において強みになるレベルのコーディングは厳しい ➢ 世の中とNLPの技術スタックに差がある時期は逆風が吹き荒れる ➢ エンジニアリングは研究にも役立つのも事実
14 博士のイメージを変える ◦ 優秀だから博士に進学している 給料を高くしないといけない ◦ 研究の仕事をすべき ◦ 専門性を活かす =
専門職に付くべき × コミュニケーションが苦手そう × 仕事を選り好みしそう × 年をとっていて面倒そう × 社会人スキルなさそう ◦ 優秀じゃない人もいる 厚遇しなくてもいい ◦ 研究以外の仕事をしたい人もいる ◦ 専門性は以外な場面で活きてくる × コミュニケーションは人に依る 「ウェーイ!」って感じだけがコミュ ニケーションじゃない × 仕事を選り好みする余裕ない人もい る × そもそも年齢関係ないのでは? × Officeの扱いとかプレゼンとかテク ニカルライティングとか強い
15 学生自身 ▪ 就活をするなら真面目にやる ➢ 馬鹿馬鹿しい就活マナーもちょっとは知っとく ➢ 就活マナーに価値があるわけではなく、世の中に合わせられるとい うアピール ➢
大学のキャリアセンターなども活用 ▪ 博士号を取得することをゴールにしない ➢ 論文を書くこと以外に様々なスキルをしっかり身に付ける - IT開発力 - プレゼン力 - ディスカッション力 - 教育力 - 幅広い学術知識 ”The illustrated guide to a Ph.D.” Ph.D こういう形にしない
16 大学(研究室) ▪ 幅広い知識を身に付ける講義(学部、修士) ▪ 研究室内での活発な研究交流 ➢ 質疑応答スキルは質問する側、される側ともに重要 ▪ テクニカルライティング、プレゼン力の徹底的な赤入れ
➢ 日本の教育では、研究室で磨くしかない = 博士課程の学生の社会人としての武器となる
17 企業 ▪ 年功序列、学歴、資格で固定的に評価しない、 仕事を決めつけない ▪ 自社の評価軸で育った、同年齢の社員と比較しない ▪ 博士課程は3年でとれる保障はないことを理解する ➢
面談時に「博士取れるか分からない」って言われてもひかない ➢ 内定時には3年でとれなかった場合について学生と相談 - 取らずに就職できるか?待遇は?
18 先に社会に潜り込んだ我々 ▪ 「博士の人を採用したい!」って企業が思うように頑張る ▪ 自分の「しあわせ」のためにも、 与えられた場所で咲くように割り切る ▪ でも、チャンスがあれば専門性を発揮して会社に貢献 ➢
お金をつけた共同研究できるとなおよい
19 さいごに ▪ きたるべき冬の時代に備えて ➢ 博士課程の学生の数を保つことは分野にとって重要 - 進学リスクを減らす ➢ 分野に依存しない博士課程のキャリア形成
- 他の分野の博士の学生にも優しい手を ➢ 「学会運営支援」「秘書」みたいなアカデミック知ってるからでき る職を増やす?
20
None