Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
テックブログの品質を担保する取り組み
Search
molmolken
February 07, 2024
Technology
2
860
テックブログの品質を担保する取り組み
molmolken
February 07, 2024
Tweet
Share
More Decks by molmolken
See All by molmolken
2025年に挑戦したいこと
molmolken
0
470
テックカンパニーを支える技術広報
molmolken
2
420
Other Decks in Technology
See All in Technology
Goにおける 生成AIによるコード生成の ベンチマーク評価入門
daisuketakeda
2
100
Optuna DashboardにおけるPLaMo2連携機能の紹介 / PFN LLM セミナー
pfn
PRO
1
870
動画データのポテンシャルを引き出す! Databricks と AI活用への奮闘記(現在進行形)
databricksjapan
0
140
SOC2取得の全体像
shonansurvivors
1
370
「AI駆動PO」を考えてみる - 作る速さから価値のスループットへ:検査・適応で未来を開発 / AI-driven product owner. scrummat2025
yosuke_nagai
4
580
「技術負債にならない・間違えない」 権限管理の設計と実装
naro143
36
11k
Pure Goで体験するWasmの未来
askua
1
170
KMP の Swift export
kokihirokawa
0
330
E2Eテスト設計_自動化のリアル___Playwrightでの実践とMCPの試み__AIによるテスト観点作成_.pdf
findy_eventslides
0
110
AIAgentの限界を超え、 現場を動かすWorkflowAgentの設計と実践
miyatakoji
0
130
Escaping_the_Kraken_-_October_2025.pdf
mdalmijn
0
120
What is BigQuery?
aizack_harks
0
130
Featured
See All Featured
Facilitating Awesome Meetings
lara
56
6.6k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
347
40k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.6k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
32
2.2k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
7
890
Site-Speed That Sticks
csswizardry
11
880
Visualization
eitanlees
148
16k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
59
9.6k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
368
20k
Reflections from 52 weeks, 52 projects
jeffersonlam
352
21k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
28
4k
Transcript
テックブログの品質を担保する取り組み 2024.02.07 DevRel/Tokyo #89 〜テックブログ運営〜 1
吉森 健成 (よしもり けんせい) 2023年1月に株式会社BuySell Technologiesに入社 CTO室のマネージャとして、技術広報を担当 前職はKLab株式会社というスマホゲームの会社でした Unityエンジニア→PjM→
技術広報 & エンジニアリングオフィス 趣味:日本酒、謎解き、ボードゲーム Twitter(現𝕏):@molmolken
アジェンダ バイセルについて 01 バイセルTech Blogの目的 02 品質を担保する取り組み 03
01 バイセルについて
バイセルについて BuySell Technologiesは総合リユース事業の会社です!
出張訪問や店舗で、着物や ブランド品などを買い取り ECサイトや催事場、 toBオークションで販売 バイセルについて
バイセルについて • リユース事業へのテクノロジー活用の余地は大きい ◦ 査定員が効率よく訪問できるルートの探索 ◦ 画像認識による買取商品の特定 ◦ 適切な買取価格の決定 ◦
1点モノが多く存在する商品の在庫管理 ◦ 最適な販路の選択 ◦ 複数ECへの同時出品
バイセルについて • リユースプラットフォーム『Cosmos』を開発しています! ◦ 査定、買い取り、在庫管理、販売まで、データを一気通貫で扱うことができる PF ◦ SaaS化し、リユース業界のインフラとなることを目指している
バイセルはリユース業界No.1の テックカンパニーを目指しています!
02 バイセルTechBlogの目的
バイセルでは2019年にテックブログを開設しました バイセル Tech Blog バイセル Tech Blog
バイセル Tech Blog 2020年からアドベントカレンダーも実施しています バイセル Advent Calendar 2023
[Q] そもそもテックブログの目的とは?
[A] テックブランディング 執筆者の成長促進 組織文化の形成
目的 - テックブランディング • 認知の拡大 ◦ 記事を通じて世のエンジニアたちに「バイセル」を知ってもらう ▪ 認知されることで登壇・執筆の依頼や、勉強会の共催のお誘いが増える ◦
自己紹介をして「バイセル知ってます」と言われると帰属意識が強まる • 採用のリード獲得・ファン化 ◦ 会社を知ってもらわなければ、応募は来ない ▪ リファラルやエージェント頼みになってしまう ◦ 優秀なエンジニアは転職時に志望企業のテックブログを見る ▪ 技術スタック、周辺ツール、エンジニアのレベルや雰囲気を確認
目的 - 執筆者の成長促進 • 知識の深化、定着の促進 ◦ 知識(暗黙知)を文章(形式知)に変換する過程で曖昧 な知識を補完し、理解が深まる ▪ SECIモデルの「表出化」(Externalization)→
• 執筆者のキャリア形成 ◦ 個人の発信力・ブランディング強化 ▪ エンジニア業界でのプレゼンスが高まる ▪ 市場価値が高まる ◦ 評価制度によるエンカレッジ ▪ 評価基準にアウトプットを盛り込む ▪ アウトプットに関する定量目標の設定 『SECIモデルとは?企業におけるナレッジマネジメントへの活用と具体例』 https://www.brains-tech.co.jp/neuron/blog/seci_model/
目的 - 組織文化の醸成 • 「情報発信を行うのは当たり前」という文化作り ◦ アウトプットに積極的なエンジニアだけでは、スケールしない ▪ 組織全体で情報発信を行っている状態を作る必要がある ◦
取り組みの例 ▪ 評価制度への組み込み(先述) ▪ アドベントカレンダーの実施 • 多数のエンジニアが参加することで、執筆のハードルが下がる • 2023年は10名が初めてのテックブログ執筆
(蛇足) アドベントカレンダーについて • 『アドベントカレンダーの時期は供給過多で PVが増えず、執筆のコスパが悪い』という言説について ◦ お祭りのような雰囲気で、初めて・久しぶりの執筆がしやすい ◦ 秀逸な記事はちゃんと評価される ▪
バイセル23年新卒が書いた記事が 239ブクマ ▪ フロントエンドの新規開発で Next.jsの採用を見送った話 • マネーフォワードの技術広報 luccafortさんが書いた記事 ◦ アドベントカレンダーの功罪と個人的な感情
テックブログの目的 1. テックブランディング 2. 執筆者の成長促進 3. 組織文化の醸成 これらの目的を達成するにあたって、 がむしゃらにブログ記事を公開すればいいというものではない
テックブログの目的 ブログ記事の品質が低いと…… 1. テックブランディング a. そもそも認知されない b. 採用においてマイナスイメージに繋がる可能性も 2. 執筆者の成長促進
a. 個人のブランディング強化に繋がらない b. 評価に寄与しない 3. 組織文化の醸成 a. 「とりあえず適当に書いて出せばいいや」という雰囲気に →「高い品質の記事」を量産することが重要
03 品質を担保する取り組み
品質を担保する取り組み • ワーキンググループ(WG)の結成 • 読者が学びや気付きを得られる内容作り • 重厚なレビュー体制 • ChatGPTの活用
ワーキンググループ(WG)の結成 • WGとは ◦ 特定の目標達成に向けた、少人数の横断組織 ◦ 新卒を中心とした若手メンバーで結成 ◦ テックブログWG、社内勉強会WG、オフィス環境WGなど複数存在 •
記事ごとにWGメンバーが担当につき、以下を実施 ◦ 執筆者との壁打ち ◦ 記事のレビュー ◦ スケジュール管理 社内勉強会の様子
学びや気付きを得られる内容作り 執筆前に必ず壁打ちを実施し「Why, What, Who」を確認 • Why:なぜそれを伝えたいのか ◦ 同じ問題に遭遇した人を助けたい ◦ 自分の考えを周知・啓蒙したい
• What:伝えたいことは何か ◦ どういった背景や課題があるか ◦ 成果の発表なのか、失敗談やアンチパターンか ◦ バイセルの業務やプロダクトに関係する内容か • Who:想定読者はどのような人か ◦ 読者は学びや気付きを得られるか ◦ 今後どうなってほしいか 壁打ち内容を記載したメモ
重厚なレビュー体制 執筆された初稿に対し、レビューを 3段階で実施 • 1次レビュー ◦ WGメンバーやテックリード (TL)、PdMが担当 ▪ WG:誤字脱字やわかりづらい表現、文章構成など、日本語に関するレビュー
▪ TL、PdM:技術的内容やプロダクトについてなど、専門的な内容に関するレビュー • 2次レビュー ◦ 技術広報担当である吉森が担当 ▪ 1次レビューの指摘漏れ ▪ IR的な観点 ▪ SEOを考慮したタイトル付け • 最終レビュー ◦ CTO今村による最終チェック
ChatGPTの活用 • テックブログの執筆やレビューに ChatGPTを活用 • ChatGPT Plus(有料版)に登録していないユーザも GPT-4を利用できるような社内サービス を23新卒が新卒研修にて開発 ◦
バイセル、新卒エンジニアが「社内ChatGPT」を構築し安全に生成AIを利用できる環境を全社員に提供開始 ◦ バイセルの新卒エンジニア研修〜ChatGPTを全社で安全に利用できるサービスの開発〜
まとめ • バイセルのテックブログの目的 ◦ テックブランディング ◦ 執筆者の成長促進 ◦ 組織文化の醸成 •
これらを推進するためには、品質の高い記事を量産する必要がある • 品質を担保する取り組み ◦ ワーキンググループ(WG)の結成 ◦ 読者が学びや気付きを得られる内容作り ◦ 重厚なレビュー体制 ◦ ChatGPTの活用