Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
スクラムチームと認知負荷 - ニフティのスクラムトーク Vol2. / NIFTY Tech ...
Search
ニフティ株式会社
PRO
March 29, 2024
Video
Resources
Programming
1
280
スクラムチームと認知負荷 - ニフティのスクラムトーク Vol2. / NIFTY Tech Talk #18
ニフティ株式会社
PRO
March 29, 2024
Tweet
Share
Video
Resources
スクラムマスターによるチーム改善LT! ニフティのスクラムトーク vol 2
https://nifty.connpass.com/event/313136/
More Decks by ニフティ株式会社
See All by ニフティ株式会社
GitHubで育つ コラボレーション文化 : ニフティでのインナーソース挑戦事例 - 2024-12-16 GitHub Universe 2024 Recap in ZOZO
niftycorp
PRO
0
2k
Grow on GitHub Collaboration Culture: Case Study of InnerSource Challenge - GitHub Universe 2024 Recap in ZOZO
niftycorp
PRO
0
29
これが俺の”自分戦略” プロセスを楽しんでいこう! - Developers CAREER Boost 2024
niftycorp
PRO
0
240
継続的な改善のためのmodulesの適切な分割単位 - NIFTY Tech Talk #23
niftycorp
PRO
0
120
Re:ゼロから始めるTerraform生活 ~IaC入門編~ - NIFTY Tech Talk #23
niftycorp
PRO
0
130
Terraformにベストプラクティスを取り入れた - NIFTY Tech Talk #23
niftycorp
PRO
0
150
AWS AppSyncを用いた GraphQL APIの開発について - NIFTY Tech Talk #22
niftycorp
PRO
0
200
「天気予報があなたに届けられるまで」 - NIFTY Tech Talk #22
niftycorp
PRO
0
210
@nifty天気予報:フルリニューアルの挑戦 - NIFTY Tech Talk #22
niftycorp
PRO
0
360
Other Decks in Programming
See All in Programming
HTML/CSS超絶浅い説明
yuki0329
0
210
ISUCON14公式反省会LT: 社内ISUCONの話
astj
PRO
0
140
SRE、開発、QAが協業して挑んだリリースプロセス改革@SRE Kaigi 2025
nealle
1
3.3k
traP の部内 ISUCON とそれを支えるポータル / PISCON Portal
ikura_hamu
0
230
『改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』活用方法−爆速でスキルアップする!効果的な学習アプローチ / effective-learning-of-good-code
minodriven
29
4.8k
functionalなアプローチで動的要素を排除する
ryopeko
1
920
はてなにおけるfujiwara-wareの活用やecspressoのCI/CD構成 / Fujiwara Tech Conference 2025
cohalz
3
3.2k
2025.01.17_Sansan × DMM.swift
riofujimon
2
670
shadcn/uiを使ってReactでの開発を加速させよう!
lef237
0
390
rails newと同時に型を書く
aki19035vc
6
740
AWSマネコンに複数のアカウントで入れるようになりました
yuhta28
2
150
Kanzawa.rbのLT大会を支える技術の裏側を変更する Ruby on Rails + Litestream 編
muryoimpl
0
120
Featured
See All Featured
Designing Experiences People Love
moore
139
23k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Practical Orchestrator
shlominoach
186
10k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
137
6.7k
Gamification - CAS2011
davidbonilla
80
5.1k
Being A Developer After 40
akosma
89
590k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
693
190k
Writing Fast Ruby
sferik
628
61k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
305
110k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
63
7.6k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
33
2.8k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
94
13k
Transcript
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. スクラムチームと認知負荷 Team
Topologies から認知負荷への向き合い方について考える
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 2 自己紹介
職種と企業を飛び越えたNTT Comとの新規ビジネス共創【NIFTY Tech Day 2023】 https://www.youtube.com/watch?v=qU3DT5C3BsU NIFTY Tech Talk #4 レガシーシステムからの脱却 https://www.youtube.com/watch?v=Ttium-UNEEU 清水 利音 Shimizu Rion 顧客管理システムやシングルサインオンシステムなど 会員基盤系を担当するチームの SM を担当 ニフティ株式会社 基幹システムグループ 過去の登壇
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 1. 組織構造は暗黙的に現行のマネージャーと専門家の役職
や権限が変わらないように最適化されています。 2. 1の影響により、変化を起こす提案は、元の状態が再定 義される、もしくは新しい用語が乱用されることにな り、結果的に元々の状態と変わらない状態になります。 クレイグ・ラーマンの法則 (抜粋) https://www.craiglarman.com/wiki/index.php?title=Larman%27s_Laws_of_Organizational_Behavior 3 https://scrummaster.jp/larmans-laws-jp/
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. • 1つのプロダクトに1つのスクラムチーム
• プロダクトのビジョンに責任を担う PO • スクラムチームの環境整備を行う SM • 機能横断的で自己管理されているチーム 教科書どおりのスクラムを実践できていますか? 4
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. • 1つのチームが複数のプロダクトを兼任している
◦ 複数人の PO、ないしは PO が不在のプロダクト ◦ バックログの衝突、渋滞 • SM がマネージャーやリーダーロールを兼任している • 絶対的な締め切りや外からの圧力により、 チームの開発に対する権限が失われている よくありそうなケース 5
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. • もっと上のレイヤー、組織的な問題が多そう?
◦ 既存の組織のままスクラムを導入した ◦ チームが生み出す価値とはいうが、評価は個人単位 だし・・・ • とはいえボトムアップで変えるためにはどうすれば ・・・? チーム内の状態がどうこうというより・・・ 6
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 7 Team
Topologies からヒントを得たい
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 8 Team
Topologies とは? • Dev/Ops 組織について、組織設計やチームの 相互作用についてのモデルをした 体制構築手法 • 4つのチーム形態、3つのコラボレーションと コンパクトに整理されている Team Topologies: Organizing Business and Technology Teams for Fast Flow Matthew Skelton, Manuel Pais 2019 チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計 2021
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 9 Team
Topologies とは? アジャイル・リーン・Dev/Ops といったムーブメントは、 ビジネスのフローに沿った小規模のチームに対して大きな 価値があることを実証したが・・・ • 従来型の組織の多くはその組織モデルゆえにこれらのメリット を十分に享受できていない • 場当たり的な文化や組織面での変化
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 10 Team
Topologies とは? • チームトポロジーが重点を置いているもの ◦ コンウェイの法則 ◦ 認知負荷の制限 ◦ チームファースト思考 いくつかの中心となるアイデアの中から 今回は「認知負荷の制限」について考えてみたい
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 11 認知負荷
(Cognitive Load) について • 人間のワーキングメモリのリソースを圧迫する負荷 という意味合いで使われることが多い • もともとは心理学で用いられていた • 現在のイメージで使われるようになったのは、1988年 心理学者のジョン・スウェラーによるものとされる ◦ 論文の中で3つの認知負荷を定義 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0364021388900237
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 12 課題内在的負荷
• 問題に対する教育的なタスクに関連するもの • プログラミング言語の勉強など 課題外在的負荷 • タスクを実行する上で本質的ではない、環境に関連 するもの • 環境構築など 学習関連負荷 • 学習を進めたりコアな問題を解決するために、特別な注 意が必要なタスクに関連するもの • ビジネス課題を解決するためのロジックなど • ここに注力できるようにしたい 3つの認知負荷
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 13 チームが抱えている認知負荷を考える
• リリース済みプロダクトの問い合わせ、運用、バグ、 トラブル対応 • 緊急の割り込み作業 • タスクの切り替え • プロダクト外のミーティングや案件 • etc…
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 14 チームが抱えている認知負荷を考える
• チームサイズを制限する • チームが扱うソフトウェアのサイズを制限する • チームが扱うドメインの種類を制限する チームトポロジーにおける認知負荷へのアプローチ
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 15 チームサイズを制限する
ダンバー数 (グループの認知と信頼に関係する進化上の限界数) を考慮すると、5~8人 https://robertoferraro.substack.com/p/dunbars-number-and-team-size-the • これはスクラムチームのサイズ としても言われている • コミュニケーションパスは 人数によって増大する • オーバーしている場合は、 思い切って分割も考慮する
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 16 チームが扱うソフトウェアのサイズを制限する
チームが扱うドメインの種類を制限する • シンプル ◦ ほとんどの仕事は明確な作業手順がある • 煩雑 ◦ 変更の分析が必要で、適切な ソリューションの提供には数回の 繰り返しが必要 • 複雑 ◦ ソリューションの提供には 多くの実験、探索が必要 ドメインを基準に制限・分割する
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 17 まずは、チームの認知負荷状態を知る
たとえば、スプリント以外の活動時間 スプリント以外の活動時間 スプリントに充てられる時間 Aさん 39h20m 35h30m Bさん 45h 29h50m Cさん 38h 36h50m Dさん 49h 25h50m
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 18 これからやりたい
• ドメインごとに費やされている時間の計測 • ドメインの切り分け ◦ DDD によるサービスの切り分け ◦ イベントストーミング • プロダクトの棚卸し
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 19 まとめ
• スクラムがうまく機能していないのは、組織体制との アンマッチが考えられる • ボトムアップで変えていくために、認知負荷という 観点からチームを整理する • まずはチームの認知負荷の状態を知るところから
Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved.